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ほの研ブログ - ほのぼの研究所2024年度活動方針

ほのぼの研究所2024年度活動方針

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NagahisaH 2024-6-16 8:00
 新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行し、約1年が経ちました。2023年度は、コロナ禍の間控えていた、対面による講演会、対面による認知症予防体験会、街歩き共想法を、それぞれ注意深く開催し、安全に執り行うことができました。コロナ禍の間、また、5類への移行後も、約4年にわたって、いかにコロナ禍を乗り切るかに注力してきました。ところが、改めて振り返ってみると、4年分だけ、参加者も実施者も年を重ねたことに気づきました。年を重ねると、それまでできていたことが、困難になることもあります。コロナ禍対応というよりは、時間の流れへの対応が不可欠です。そこで、2024年度は、時間の流れへの対応を重点項目とし、持続可能な活動に必要な体制を作ることを目指します。

 第一に、実施者の年齢層の幅を広げることに取り組みます。これまで、当事者である高齢者の手で、認知症予防に有効な方法を創り出して行こうとの考えのもと、高齢者を中心に実施、運営をしてきました。活動を進める中で、より早い時期、現在の高齢者の定義である65歳より前から、認知症予防を意識して、加齢対策を進めることが有効であると、切実に実感するようになりました。認知症予防、そして、その土台となるフレイル予防には、運動が有効ですが、運動を安全にできる状態にない高齢者が多いのです。特に女性は、70代後半になると、2人に1人は骨粗しょう症を発症しているとされ、実際に、高齢者を対象に認知症予防の取り組みをしていると、転んで大腿骨を骨折したり、手首を骨折したり、重いものを持ち上げて背骨を複雑骨折したりする人が後を絶ちません。骨密度低下は、40代後半から50代の間に急速に進み、その後も減り続けて、70代以降になると、ついに生活に支障が生じるほど、骨密度が低い状態になり、問題が顕在化するのです。認知症も同様で、認知症の原因疾患の第一位であるアルツハイマー病も、神経変性は発症の20〜30年前から始まり、20〜30年かけて症状が顕在化するとされます。このことから考えると、認知症予防の当事者は、高齢者だけでなく、その前の、40〜50代であると言えます。そのことに気づいた40〜50代を、当研究所の仲間に加え、同世代に向けて普及啓蒙すると同時に、これまで主に活動してきた高齢者と共に、多世代で運営する体制を構築して行きます。

 第二に、多地域での実施を支援する体制と、そのための手順を構築します。当研究所が提案する認知症予防手法、共想法の参加者は、ある期間集中して共想法の実験に参加し、実験を終了後、参加継続を希望される方を中心に発掘してきました。最近では、東京都中央区、文京区、埼玉県和光市、大阪府岸和田市在住の方を対象に、共想法の実験を実施してきました。これらの実験の参加修了者を中心に、上記地域での継続的なサービス提供体制を作ることが求められています。より持続可能なサービス提供を可能とする新たな方法、事業モデルを考えると共に、研究所としてそれを支援する体制を作ります。具体的には、これまでも試験的に試行してきた研修プログラムを洗練し、実施者養成に向けて標準化し、以前より構想している資格認定や検定の仕組みづくりに向けて、準備を進めます。

 第三に、これまでの活動を整理し、それを一目で見ることができるよう、また、最近の活動にスムーズにアクセスできるよう、ウェブサイトを刷新します。たとえば、これまでに主催した講演会は、2023年度までで、30回の開催を数えます。講演会の情報を一覧で見ることができるページなどを、これまでのブログの記事を整理し、編集することにより、作成します。また、最新のブログ記事を、リンクだけでなく、トップページに掲載することによって、毎週更新していることが、トップページから直観的にわかるように整備します。街歩き共想法についても、これまでにのべ15回以上開催しており、これらを一覧して見ることができるようにする計画です。
 以上に述べた取り組みのうち、特に第一に挙げた実施者の多世代化は、2023年度、2022年度の活動方針でも取り上げてきている、懸案課題です。実際、前年度までに着手しており、今年度は、取り組みを加速して参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。


NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子

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