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ほの研ブログ - ちばアカデミア出前講座実施報告

ちばアカデミア出前講座実施報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2025-2-2 8:00
 2025年1月18日14時より、大武美保子代表理事・所長が、千葉県柏市柏の葉のさわやかちば県民プラザ大研修室にて開講の、ちばアカデミア講座5「認知症発症を遅らせるAI」〜脳が長持ちする会話を助ける会話支援ロボットの開発〜に出講いたしました。併せて共想法デモンストレーション等を行うため、市民研究員の根岸勝壽、松村光輝、鈴木晃、吉田美枝子が参加いたしました。
 「ちばアカデミア講座」は 県民の生涯学習、現代的課題にふれる機会に資することを目的として、さわやかちば県民プラザが年に5回、県内外の国立研究機関・大学・文化施設・各種団体等と連携し、県民に最先端科学技術や経済・文化・教育・環境・健康・安全・食生活等に関する情報提供や講演を行うものです。

講座案内チラシ

 2025年に入っても暖冬傾向が続いておりましたが、当日は快晴ではありましたが、平年並みの最高気温10度以下の寒さのなか、会場の大研修室には早々に多くの皆様にご参集いただきました。当講座は、さわやかちば県民プラザのオンサイト会場に加えて、県内の旭市民会館、千葉市の長作公民館、みつわ台公民館、緑が丘公民館、千葉市生涯学習センターの5か所のサテライト会場、そして県内外のオンライン受講と合せて約120名の方々に視聴していただきました。

さわやかちば県民プラザ大研修室(オンサイト会場)の受講者


千葉市生涯学習センタ−(サテライト会場)の受講者

 定刻に、さわやかちば県民プラザ事業振興課の工藤様よる開会のご挨拶、オリエンテーションの後、早速講座が始まりました。
 導入として、認知症とは「脳や身体の疾患を原因して、記憶・判断力などの障害がおこり、社会生活が送れなくなった状態」であるという定義を述べました。加えて、認知機能が社会生活を送るのに必要なレベルを下回らなければ認知症発症ではないこと、「認知症予防」というのは、対応可能なリスク要因をできるだけとりのぞくと共に、色々な変化が起こったとしてもその発症やその進行の速度を遅らせることであると、概念についても添えました。

 次いで、認知症の原因の大部分を占める、アルツハイマー病と脳血管障害を予防する方法について述べました。下図のように、神経病理変化の進行(脳と身体の老化)を遅らせるための【生理的アプローチ】と、神経病理変化の影響を減らす(脳と身体が老化しても認知機能低下を遅らせる【認知的アプローチ】の2つがあると説明、その具体的方法を説きました。

認知症(アルツハイマー病)の予防:2つのアプローチ

  また、アルツハイマー病の病変があっても、神経細胞の繋がり維持されていたために、認知症の症状が現れない人や、アルツハイマー病の病変がなく、脳に萎縮が見られない人がいて、その人達の言語能力が優れていたという研究:「ナンスタディ」を紹介。この研究は、大武所長が、会話の言語的特徴が認知機能に関係することに注目した研究を進めるきっかけともなりました。そして、認知症の祖母との会話をきっかけに考案した「脳が長持ちする会話」を助ける「共想法」について説明しました。

「脳が長持ちする会話」を助ける「共想法」

 その後、共想法のイメージをつかんでいただくために、研究員4人が「今年したいこと」をテーマにした共想法のデモンストレーションをご覧に入れ、それぞれが「歩くこと」、「断捨離」、「ジムでの運動の継続」、「グランドゴルフ」について話題提供、質疑応答を行いました。
 
市民研究員による共想法デモンストレーション

 10分休憩の後は、「共想法にかかわるAIロボット」のテーマに則り、大武所長が携わっている「脳が長持ちする社会の実現」を目的する研究とその目標を述べた後、司会進行と発話制御機能を有する【グループ会話支援ロボット】や、時間になるとロボットが話題提供を始め、その後に利用者からの質問を受ける【対話支援ロボット】を紹介し、それらを用いた認知機能に関わる知見の進捗を説明、また現在はスマートフォン・タブレットを用いた遠隔会話支援システムを使用して、共想法による会話サービスを継続していることを紹介しました。

「共想法」に立脚した会話・対話支援ロボット

 最後に、各種SNSや近著『脳が長持ちする会話』による認知症予防に関する情報の提供、並びにほのぼの研究所の皆様に参加いただける各種イベントを含めた活動や、広報ツールについても紹介させていただきました。折りしも、1月31日にパレット柏にて開催予定の「今から始める認知症予防 共想法体験会」についてご案内させていただきましたところ、果たして早速数名の方からお申し込みをいただき、大変ありがたいことでした。
 その後、受講媒体に応じて適宜アンケートにご回答いただき、無事終講となりました。

 なお、当講座開講に際して、大変ご尽力いただきました、さわやかちば県民プラザ事業振興課の皆様、サテライト視聴会場を設けて下さった各施設の皆様に、改めて、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

市民研究員 松村光輝

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