ほの研ブログ - 地域活動応援講座参加報告
2012年6月に行なわれました、地域活動応援講座についての記事を、本日掲載できましたのでご覧下さい。
2012年6月29日、柏市社会福祉協議会 介護予防センターいきいきプラザにおいて、柏市社会福祉協議会主催、地域活動応援講座が開催され、当研究所代表理事を務める大武美保子先生が講演されました。テーマは「高齢者と楽しむほのぼの会話のススメ」です。出席者は柏市内在住のボランティア関係者40名、日頃から高齢者と接する機会の多いみなさんと、2時間にわたり熱のこもった講演会となりました。
まず、本日の司会、柏市社会福祉協議会地域支援課、ボランティアセンターの田邊眞喜子さんの合図で、全員がウォーミングアップをした後、田邊さんによる講師の紹介から講演に入りました。
1.ほのぼの研究所移籍記念講演会の案内
はじめに、7月に開催する、ほのぼの研究所の設立5周年と代表理事の移籍を記念する講演会の案内がありました。講演会では、ロボット研究員「ほのちゃん」も司会で参加します、との話にみなさん、ほのちゃんに注目です。ほのちゃんのあいさつ、自己紹介と「よろしくお願いします」の明るい声に、笑いが広がり和らいだ雰囲気となりました。
ロボット研究員「ほのちゃん」を紹介する大武先生
2.テーマを決めて会話のツボを探す(資料1について)
一つ目の資料は、介護専門職の総合情報誌「おはよう21」に連載された「介護に役立つほのぼの会話のすすめ」の第一回連載記事、「テーマを決めて会話のツボを探す」です。
共想法の標準的なテーマには「好きなものごと」「ふるさと・旅行・近場の名所」「健康・食べ物」「笑い・失敗談」などがあります。この資料のテーマ別対策表から、会話を通して期待される効果の説明がありました。
テーマを決めるのは、楽しみつつ、トレーニングを意識し会話をすることをめざしているからです。高齢になると認知機能が低下しやすくなり、記憶も衰えてきます。記憶機能低下の対策として、いろいろな角度から記憶を出し入れする生活習慣を身に着けるとよいそうです。例えば、失敗談のテーマで会話をするとき、失敗したことだけでなく、そういえばその後、みんなで美味しいものをいただいたなど、頭の中に入っているものごとを、いろいろな角度から思い出すきっかけに活用します。
3.聞くことと話すことのバランスをとる(資料2について)
二つ目の資料は、「介護に役立つほのぼの会話のすすめ」の第二回連載記事、「聞くことと話すことのバランスをとる」です。
共想法では、参加者全員が会話に参加する機会が得られるように、?時間を決める、?順序を決める、?話題提供と質疑応答を分ける、の三つの工夫をします。認知症の方は、自発的な話題提供が難しくなるので、最初から質疑応答をしながら会話を促していきます。写真を見て、これ何ですか、それからどうなったのと聞いていきます。相の手が入ることで、自分の言葉で話ができるようになっていきます。
4.書籍「介護に役立つ共想法」
配布資料を含め12回の連載記事に加筆修正したものが、書籍「介護に役立つ共想法―認知症予防と回復のための新しいコミュニケーション」となりました(介護に役立つ共想法、出版記事参照)。書籍の中から、興味深い写真と話題の紹介がありました。
たとえば、貝の根付を、海辺で拾ったものではなく、介護施設で出された味噌汁の具の貝を洗って作ったという話題(介護に役立つ共想法P.116)。若いころ下宿していたアパートの流し台で、モップを洗っていると知らずに、りんごを転がして洗っていたエピソード(介護に役立つ共想法P.15 リンゴ)。
写真とともに面白い話が集まり、ものごとの面白がり方が広がっていきます。みんなで楽しめることを共有できたらと思っています、とまとめられました。
大武先生のお話が終わるタイミングを見計らって、ロボット研究員「ほのちゃん」が再登場し、「ありがとうございました」と挨拶、参加者一同爆笑となりました。司会の田邊さんより、閉会のご挨拶があり、「大武先生の取り組みに賛同し、社会福祉協議会でも参加応援をしています。私も共想法を体験しました。講演会のチラシに写真が載っています。」と力強く締めくくっていただきました。
講演会が終わって、「どうしたら共想法を学べますか」と尋ねられた方が数人いらっしゃいました。「こんな素晴らしい手法があるのですね。もっと早くに出会っていたら高齢者のみならず、子ども達にも適したように思います。」とは、教師退職者の感想です。
共想法は生き方の基本のような気がします。共想法を経験者した方はどなたも言われます。長い間には環境も変わります。どんな環境に立たされても対応できる力をつけておけば、生活に不便を感じることは無いのかもしれません。この間までお元気だった方が急に老け込んでしまわれたり、まだまだお若いのにどうなさったのかと思ったりすることが、このところ急激に増えているように感じます。共想法を通じ、常に前向きでいられることを、周囲の方々と分かち合いたい、高齢の方との出会いに恵まれた立場から、ほのぼの研究所に関わるものとしても、共想法を極めていきたい、と痛感しています。
2012年6月29日、柏市社会福祉協議会 介護予防センターいきいきプラザにおいて、柏市社会福祉協議会主催、地域活動応援講座が開催され、当研究所代表理事を務める大武美保子先生が講演されました。テーマは「高齢者と楽しむほのぼの会話のススメ」です。出席者は柏市内在住のボランティア関係者40名、日頃から高齢者と接する機会の多いみなさんと、2時間にわたり熱のこもった講演会となりました。
まず、本日の司会、柏市社会福祉協議会地域支援課、ボランティアセンターの田邊眞喜子さんの合図で、全員がウォーミングアップをした後、田邊さんによる講師の紹介から講演に入りました。
1.ほのぼの研究所移籍記念講演会の案内
はじめに、7月に開催する、ほのぼの研究所の設立5周年と代表理事の移籍を記念する講演会の案内がありました。講演会では、ロボット研究員「ほのちゃん」も司会で参加します、との話にみなさん、ほのちゃんに注目です。ほのちゃんのあいさつ、自己紹介と「よろしくお願いします」の明るい声に、笑いが広がり和らいだ雰囲気となりました。
ロボット研究員「ほのちゃん」を紹介する大武先生
2.テーマを決めて会話のツボを探す(資料1について)
一つ目の資料は、介護専門職の総合情報誌「おはよう21」に連載された「介護に役立つほのぼの会話のすすめ」の第一回連載記事、「テーマを決めて会話のツボを探す」です。
共想法の標準的なテーマには「好きなものごと」「ふるさと・旅行・近場の名所」「健康・食べ物」「笑い・失敗談」などがあります。この資料のテーマ別対策表から、会話を通して期待される効果の説明がありました。
テーマを決めるのは、楽しみつつ、トレーニングを意識し会話をすることをめざしているからです。高齢になると認知機能が低下しやすくなり、記憶も衰えてきます。記憶機能低下の対策として、いろいろな角度から記憶を出し入れする生活習慣を身に着けるとよいそうです。例えば、失敗談のテーマで会話をするとき、失敗したことだけでなく、そういえばその後、みんなで美味しいものをいただいたなど、頭の中に入っているものごとを、いろいろな角度から思い出すきっかけに活用します。
3.聞くことと話すことのバランスをとる(資料2について)
二つ目の資料は、「介護に役立つほのぼの会話のすすめ」の第二回連載記事、「聞くことと話すことのバランスをとる」です。
共想法では、参加者全員が会話に参加する機会が得られるように、?時間を決める、?順序を決める、?話題提供と質疑応答を分ける、の三つの工夫をします。認知症の方は、自発的な話題提供が難しくなるので、最初から質疑応答をしながら会話を促していきます。写真を見て、これ何ですか、それからどうなったのと聞いていきます。相の手が入ることで、自分の言葉で話ができるようになっていきます。
4.書籍「介護に役立つ共想法」
配布資料を含め12回の連載記事に加筆修正したものが、書籍「介護に役立つ共想法―認知症予防と回復のための新しいコミュニケーション」となりました(介護に役立つ共想法、出版記事参照)。書籍の中から、興味深い写真と話題の紹介がありました。
たとえば、貝の根付を、海辺で拾ったものではなく、介護施設で出された味噌汁の具の貝を洗って作ったという話題(介護に役立つ共想法P.116)。若いころ下宿していたアパートの流し台で、モップを洗っていると知らずに、りんごを転がして洗っていたエピソード(介護に役立つ共想法P.15 リンゴ)。
写真とともに面白い話が集まり、ものごとの面白がり方が広がっていきます。みんなで楽しめることを共有できたらと思っています、とまとめられました。
大武先生のお話が終わるタイミングを見計らって、ロボット研究員「ほのちゃん」が再登場し、「ありがとうございました」と挨拶、参加者一同爆笑となりました。司会の田邊さんより、閉会のご挨拶があり、「大武先生の取り組みに賛同し、社会福祉協議会でも参加応援をしています。私も共想法を体験しました。講演会のチラシに写真が載っています。」と力強く締めくくっていただきました。
講演会が終わって、「どうしたら共想法を学べますか」と尋ねられた方が数人いらっしゃいました。「こんな素晴らしい手法があるのですね。もっと早くに出会っていたら高齢者のみならず、子ども達にも適したように思います。」とは、教師退職者の感想です。
共想法は生き方の基本のような気がします。共想法を経験者した方はどなたも言われます。長い間には環境も変わります。どんな環境に立たされても対応できる力をつけておけば、生活に不便を感じることは無いのかもしれません。この間までお元気だった方が急に老け込んでしまわれたり、まだまだお若いのにどうなさったのかと思ったりすることが、このところ急激に増えているように感じます。共想法を通じ、常に前向きでいられることを、周囲の方々と分かち合いたい、高齢の方との出会いに恵まれた立場から、ほのぼの研究所に関わるものとしても、共想法を極めていきたい、と痛感しています。
市民研究員 武下秀子 記