ほの研ブログ - 2014米国人工知能学会シンポジウム
2014年3月24日から26日まで、米国・スタンフォード大学で開催された国際会議AAAI Spring Symposia (米国人工知能学会春のシンポジウム)にて、ほのぼの研究所代表理事・所長の大武美保子が招待講演を行いましたので、報告します。
会議は、American Association of Artificial Intelligence (AAAI)(米国人工知能学会)が主催するものです。8つのシンポジウムが並列で開催され、そのうちの一つに参加しました。テーマは、Big Data Becomes Personal: Knowledge into Meaning (ビッグデータは個人的に利用できるようになる:知識から意味へ)です。人工知能の研究者を中心に、多様なバックグラウンドを持つ研究者が集い、23件の発表と5件のポスター発表があり、活発な議論が行われました。開催地は、米国カリフォルニア州にあるスタンフォード大学で、紅白の八重桜が咲き誇っていました。
スタンフォード大学の八重桜
発表は、ゲノムデータの解析、脳波データ、睡眠の分析、認知ケアやサポートシステム、個人データの利用基盤や適切な流通システム、携帯端末を用いた健康情報管理など、多岐に渡りました。その中で、当研究所代表理事の招待講演は、May Interactive Group Conversation Improve Our Cognitive Health?(双方向のグループ会話は認知的健康を向上させるか?)と題して行われました。認知症予防・回復を目的として、共想法と名付けた会話支援手法を提唱していることと、ほのぼの研究所でのフィールドワークを紹介しました。日常の双方向の会話や、日々の出来事を写真に撮って覚え、それを題材に最近あった出来事を写真から思い出すことが、加齢に伴って衰えやすい認知機能を訓練することにつながるという知見を報告しました。長寿で知られる、平均年齢92歳のぎんさんの娘さん姉妹の会話に見られる特徴的なパターン、たとえば、相槌が多いこと、話者交代が隙間なく行われることについても、触れました。活発で楽しい会話の動画は、言語を超えてたくさんの笑いを誘いました。
大武美保子代表理事の招待講演
会場のスタンフォード大学は、シリコンバレーの中心地に位置するため、自由な雰囲気と発想にあふれていました。シンポジウム終了後、シンポジウムで知り合った参加者と共に、スタンフォード大学のCenter for Design Research (CDR) (デザイン研究センター)と、隣接するInstitute of Design (d.school) (デザインスクール)を訪ねました。デザイン研究センター設立時からの所長である、Larry Leifer(ラリー・ライファー)教授から3時間にわたって、身振り手振りを交えた迫力ある説明を受け、所狭しと試作品が並ぶ工作室をくまなく見学しました。ライファー教授が運営するプロジェクト演習、ME310では、企業がスポンサーとなり、社員と教員とで相談して課題を設定します。学生のグループ発表に社員が参加して意見をフィードバックし、試作を繰り返しながらアイディアを形にするものづくりをするのが特徴です。隣接するデザインスクールでは、より概念、コンセプトを生み出すことに力を入れていて、シリコンバレーにオフィスのあるアップルなどのデザイナーを輩出しています。
ライファー教授による身振り手振りを交えた迫力ある説明
(本人の許可を得て掲載)
既存のものの改良ではない、新しい発想のものごとを生み出すこと、それを社会変革までつなげるイノベーションを起こすことが、人類が経験したことがない超高齢化に直面する現代に求められています。このため、スタンフォード大学で実施されているデザイン教育研究を参考に、世界各地の大学で、独自のプロジェクト演習やワークショップが開催されています。報告者は、d.schoolを参考に千葉大学で実施されたイノベーション対話型ワークショップ「超少子高齢社会における多世代共生社会の構築」に参加し、タブレットを用いた話題発見・多世代交流支援システムを開発しました。ほのぼの研究所の関係者による利用評価が進んでいます。共想法を基点として、希望の持てる近未来社会に向けてイノベーションを引き起こしていこうと、決意を新たにする訪問となりました。
会議は、American Association of Artificial Intelligence (AAAI)(米国人工知能学会)が主催するものです。8つのシンポジウムが並列で開催され、そのうちの一つに参加しました。テーマは、Big Data Becomes Personal: Knowledge into Meaning (ビッグデータは個人的に利用できるようになる:知識から意味へ)です。人工知能の研究者を中心に、多様なバックグラウンドを持つ研究者が集い、23件の発表と5件のポスター発表があり、活発な議論が行われました。開催地は、米国カリフォルニア州にあるスタンフォード大学で、紅白の八重桜が咲き誇っていました。
スタンフォード大学の八重桜
発表は、ゲノムデータの解析、脳波データ、睡眠の分析、認知ケアやサポートシステム、個人データの利用基盤や適切な流通システム、携帯端末を用いた健康情報管理など、多岐に渡りました。その中で、当研究所代表理事の招待講演は、May Interactive Group Conversation Improve Our Cognitive Health?(双方向のグループ会話は認知的健康を向上させるか?)と題して行われました。認知症予防・回復を目的として、共想法と名付けた会話支援手法を提唱していることと、ほのぼの研究所でのフィールドワークを紹介しました。日常の双方向の会話や、日々の出来事を写真に撮って覚え、それを題材に最近あった出来事を写真から思い出すことが、加齢に伴って衰えやすい認知機能を訓練することにつながるという知見を報告しました。長寿で知られる、平均年齢92歳のぎんさんの娘さん姉妹の会話に見られる特徴的なパターン、たとえば、相槌が多いこと、話者交代が隙間なく行われることについても、触れました。活発で楽しい会話の動画は、言語を超えてたくさんの笑いを誘いました。
大武美保子代表理事の招待講演
会場のスタンフォード大学は、シリコンバレーの中心地に位置するため、自由な雰囲気と発想にあふれていました。シンポジウム終了後、シンポジウムで知り合った参加者と共に、スタンフォード大学のCenter for Design Research (CDR) (デザイン研究センター)と、隣接するInstitute of Design (d.school) (デザインスクール)を訪ねました。デザイン研究センター設立時からの所長である、Larry Leifer(ラリー・ライファー)教授から3時間にわたって、身振り手振りを交えた迫力ある説明を受け、所狭しと試作品が並ぶ工作室をくまなく見学しました。ライファー教授が運営するプロジェクト演習、ME310では、企業がスポンサーとなり、社員と教員とで相談して課題を設定します。学生のグループ発表に社員が参加して意見をフィードバックし、試作を繰り返しながらアイディアを形にするものづくりをするのが特徴です。隣接するデザインスクールでは、より概念、コンセプトを生み出すことに力を入れていて、シリコンバレーにオフィスのあるアップルなどのデザイナーを輩出しています。
ライファー教授による身振り手振りを交えた迫力ある説明
(本人の許可を得て掲載)
既存のものの改良ではない、新しい発想のものごとを生み出すこと、それを社会変革までつなげるイノベーションを起こすことが、人類が経験したことがない超高齢化に直面する現代に求められています。このため、スタンフォード大学で実施されているデザイン教育研究を参考に、世界各地の大学で、独自のプロジェクト演習やワークショップが開催されています。報告者は、d.schoolを参考に千葉大学で実施されたイノベーション対話型ワークショップ「超少子高齢社会における多世代共生社会の構築」に参加し、タブレットを用いた話題発見・多世代交流支援システムを開発しました。ほのぼの研究所の関係者による利用評価が進んでいます。共想法を基点として、希望の持てる近未来社会に向けてイノベーションを引き起こしていこうと、決意を新たにする訪問となりました。
代表理事・所長 大武美保子