ほの研ブログ - ほのぼの研究所 2015年度合同研修報告
2016年1月26日、流山市生涯学習センター3Fの市民活動推進センター大会議室にて、恒例のほのぼの研究所合同研修を開催しました。これは毎年1回関係者全員で集まり、通期を反省、次期のテーマ、課題、展望等、運営方法全般について、確認、討議し合うものです。
大武先生、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所横田孝子さん、株式会社ルミテックの堀川まゆみさん、伊藤祐輝さん、はるばる岸和田市からいらした有限会社野花ヘルスプロモートの正木愼三さん、神奈川県からの賛助会員2人、協働事業者の埼玉県のNPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピアのメンバー、ほのぼの研究所市民研究員、そして千葉大学工学研究科大武研究室の学生2人、総勢19人とこれまでになく大勢が参集。遠来を含めた全国各地、民産学、多世代の参加者は真剣に、そして時には笑いを交えて語り合い、高め合い、濃密な時を共有することができました。
大武先生の趣旨と以下のスケジュール説明を交えた開会の挨拶を皮切りに、早速過密なスケジュールがスタートしました。
?午前の部-≪2015年度活動報告≫
?午後の部1-≪新事業と情報共有≫
?午後の部2-≪2016年度計画≫
発表者の報告に熱心に耳を傾ける参加者
≪2015年度活動報告≫
まずは、協働事業者 きらりびとみやしろの田崎誉代さんの「きらりびと ふれあい共想法実施報告・課題・今後の予定」と題した発表から始まりました。健常高齢者を対象に開始して5年目に入り、様々な場面で積極的、かつ様々な工夫を重ねて共想法の実施や普及活動に力を注いでいる実施者だけに、参加者の喜ばしい変化の報告や、スムーズに参加者の士気を高揚させるテーマ設定のヒントやコツの紹介には説得力がありました。一方、他所の実施者にも共通する、大きな課題も投げかけられ、質疑応答が活発に行われました。
次いで、同じく協働事業者のマカべシルバートピアの永田映子さんからは、「マカベ゙共想法報告 2015年の活動」と題して、2011年のスタートから4年経過した共想法と、月曜日自由会話の報告がありました。介護老人保健施設という特性上、運営面での困難や、環境の変化をカバーする工夫や努力には、並々ならぬ使命感を感じました。一方、共想法参加を生きがいとして楽しまれたり、意欲的に参加されるようになったりした参加者のエピソードの報告には、実施者にとっての嬉しい達成感も垣間見ることができました。
3番目は、前任者から昨年夏以降引き継いで奮闘中の田口研究員が、ほのタブの扱いにも慣れ、新しい参加者が加わることでさらに活気づいてきた、2015年継続コースの実施報告をしました。中でも、共想法の話題テーマのための写真撮影のために、積極的に活動することを生活習慣化した何人かの参加者の好事例の報告は、大変印象的でした。
後半は、千葉大学の「地域NPO活動体験」インターンシップ生受け入れ関連の報告となりました。まず、大日本印刷株式会社の横田孝子さんに、「健康観光支援サービスの開発による地域活性化体験結果報告」と題して、「記録づくり」:本(フォトブック)本づくりを担当して下さった立場から、民産学が連携して実施にこぎつけた「成田山街歩き共想法」のうち、特にフォトブック(本づくり)に特化して、その位置づけや作業工程をわかりやすく説明していただきました。
本づくりについて説明する大日本印刷株式会社の横田孝子さん
続いて、根岸研究員が、「地域NPO活動体験」インターンシップ生受け入れ先であるほのぼの研究所としての立場で、2014年の開始から第8回目の「街歩き共想法」:「成田山街歩き共想法」と本づくりについて発表しました。昨年初夏の千葉大学西千葉キャンパスでの試行での知見を経て、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所と株式会社JTBコーポレートセールス法人営業千葉支店のご協力と、ほのぼの研究所のサポートをバックに、インターン生によるその企画・運営が成功裏に終えられた報告があり、健康観光事業としての可能性もあると結びました。
≪新事業と情報共有≫
午後の部1は、新たに協働事業者として共想法を導入する、大阪府岸和田市の野花ヘルスプロモート、正木愼三さんの「共想法開催に向けた取り組みと目標』からスタートしました。まず、躍動感・臨場感あふれる街の象徴・自慢のだんぢり祭りや市内の写真をふんだんに用いた岸和田市の紹介にはぐいぐいと引き込まれました。続いて、施設の事業紹介、自治体や地域との連携など、共想法取り組みへの経緯や熱い意気込みを伺い、近畿圏初の協働事業者としての展開に大いに期待が膨らみました。
次に、昨年から共想法の話題さがし〜実施まで活用できるようになったツール:タブレットアプリ(ほのタブ)の改良を担当している企業:株式会社ルミテックの堀川まゆみさん、伊藤祐輝さんから、新しい機能の発表と実演がありました。通常、共想法は数人が一カ所に集まって実施しなければなりませんが、新機能では、電話機能を用いて、タブレットの写真を見ながら、離れた人同士でも共想法の実施が可能です。遠隔地とのコミュニケーション等を含めた、共想法の普及や発展にも大いに寄与しそうな予感がしました。
株式会社ルミテックの伊藤祐輝さんによるほのタブ新機能の紹介
午後の部1の最後は、大武先生から、先生と大武研究室の研究についての情報提供がありました。資料『本を通して人に会い学問を創る 老年言語学,回想法,そして共想法』(情報管理 vol.58)を用いて、共想法の進化と他の学問とのつながりのプロセスについて、資料『認知症予防のための会話による体験記憶支援技術の開発』(日本老年看護学会誌 vol.20)では、ぎんさんの娘さん姉妹の会話や街歩き共想法から得られた知見を通しての、体験記憶支援技術の開発へのプロセスや事例の紹介がありました。
次いで、「ヒトと社会を賢く楽しくする環境を生み出すシステムづくり」を目的として「会話」「言葉」を通した研究・開発を行っている、千葉大学大学院工学研究科大武研究室の面々が取り組んでいる、多岐にわたる研究事例の紹介があり、役立つ開発に勤しんでいる学生諸氏に、大きなエールを送りたいと思いました。
そして最後に、2016年度に実施する柏市事業(柏市福祉活動推課「認知症予防コミュニケーション体験講座」)の実施要領が紹介されました。
先生並びに大武研究室の研究について紹介する大武先生
≪2016年度計画≫
例年よりたっぷり時間をかけて親睦も深めた、ティータイムブレイクで英気を養った後の最終ピリオドでは、2016年度計画事業として、恒例の設立講演会のコンセプト等ラフ案、さらには、連携を計画している各企業との事業内容、インターンシップ生の受け入れ等についての計画案が次々紹介され、身が引き締まると共に士気が喚起されました。
参加者記念撮影
その後、「ほのぼの研究所の活動や共想法を、ひとりでも多くの方々に普及させ、認知度を上げ、社会的責任を果たすためには?」、「共に活動をしていただける方々をどのように募ることができるか?」等についての熱いブレーンストーミングが、終了予定時刻を過ぎてもしばらく続き、陽が落ちた屋外の冷気に、そのほとぼりを冷ましつつ、ようやく家路につきました。
大武先生、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所横田孝子さん、株式会社ルミテックの堀川まゆみさん、伊藤祐輝さん、はるばる岸和田市からいらした有限会社野花ヘルスプロモートの正木愼三さん、神奈川県からの賛助会員2人、協働事業者の埼玉県のNPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピアのメンバー、ほのぼの研究所市民研究員、そして千葉大学工学研究科大武研究室の学生2人、総勢19人とこれまでになく大勢が参集。遠来を含めた全国各地、民産学、多世代の参加者は真剣に、そして時には笑いを交えて語り合い、高め合い、濃密な時を共有することができました。
大武先生の趣旨と以下のスケジュール説明を交えた開会の挨拶を皮切りに、早速過密なスケジュールがスタートしました。
?午前の部-≪2015年度活動報告≫
?午後の部1-≪新事業と情報共有≫
?午後の部2-≪2016年度計画≫
発表者の報告に熱心に耳を傾ける参加者
≪2015年度活動報告≫
まずは、協働事業者 きらりびとみやしろの田崎誉代さんの「きらりびと ふれあい共想法実施報告・課題・今後の予定」と題した発表から始まりました。健常高齢者を対象に開始して5年目に入り、様々な場面で積極的、かつ様々な工夫を重ねて共想法の実施や普及活動に力を注いでいる実施者だけに、参加者の喜ばしい変化の報告や、スムーズに参加者の士気を高揚させるテーマ設定のヒントやコツの紹介には説得力がありました。一方、他所の実施者にも共通する、大きな課題も投げかけられ、質疑応答が活発に行われました。
次いで、同じく協働事業者のマカべシルバートピアの永田映子さんからは、「マカベ゙共想法報告 2015年の活動」と題して、2011年のスタートから4年経過した共想法と、月曜日自由会話の報告がありました。介護老人保健施設という特性上、運営面での困難や、環境の変化をカバーする工夫や努力には、並々ならぬ使命感を感じました。一方、共想法参加を生きがいとして楽しまれたり、意欲的に参加されるようになったりした参加者のエピソードの報告には、実施者にとっての嬉しい達成感も垣間見ることができました。
3番目は、前任者から昨年夏以降引き継いで奮闘中の田口研究員が、ほのタブの扱いにも慣れ、新しい参加者が加わることでさらに活気づいてきた、2015年継続コースの実施報告をしました。中でも、共想法の話題テーマのための写真撮影のために、積極的に活動することを生活習慣化した何人かの参加者の好事例の報告は、大変印象的でした。
後半は、千葉大学の「地域NPO活動体験」インターンシップ生受け入れ関連の報告となりました。まず、大日本印刷株式会社の横田孝子さんに、「健康観光支援サービスの開発による地域活性化体験結果報告」と題して、「記録づくり」:本(フォトブック)本づくりを担当して下さった立場から、民産学が連携して実施にこぎつけた「成田山街歩き共想法」のうち、特にフォトブック(本づくり)に特化して、その位置づけや作業工程をわかりやすく説明していただきました。
本づくりについて説明する大日本印刷株式会社の横田孝子さん
続いて、根岸研究員が、「地域NPO活動体験」インターンシップ生受け入れ先であるほのぼの研究所としての立場で、2014年の開始から第8回目の「街歩き共想法」:「成田山街歩き共想法」と本づくりについて発表しました。昨年初夏の千葉大学西千葉キャンパスでの試行での知見を経て、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所と株式会社JTBコーポレートセールス法人営業千葉支店のご協力と、ほのぼの研究所のサポートをバックに、インターン生によるその企画・運営が成功裏に終えられた報告があり、健康観光事業としての可能性もあると結びました。
≪新事業と情報共有≫
午後の部1は、新たに協働事業者として共想法を導入する、大阪府岸和田市の野花ヘルスプロモート、正木愼三さんの「共想法開催に向けた取り組みと目標』からスタートしました。まず、躍動感・臨場感あふれる街の象徴・自慢のだんぢり祭りや市内の写真をふんだんに用いた岸和田市の紹介にはぐいぐいと引き込まれました。続いて、施設の事業紹介、自治体や地域との連携など、共想法取り組みへの経緯や熱い意気込みを伺い、近畿圏初の協働事業者としての展開に大いに期待が膨らみました。
次に、昨年から共想法の話題さがし〜実施まで活用できるようになったツール:タブレットアプリ(ほのタブ)の改良を担当している企業:株式会社ルミテックの堀川まゆみさん、伊藤祐輝さんから、新しい機能の発表と実演がありました。通常、共想法は数人が一カ所に集まって実施しなければなりませんが、新機能では、電話機能を用いて、タブレットの写真を見ながら、離れた人同士でも共想法の実施が可能です。遠隔地とのコミュニケーション等を含めた、共想法の普及や発展にも大いに寄与しそうな予感がしました。
株式会社ルミテックの伊藤祐輝さんによるほのタブ新機能の紹介
午後の部1の最後は、大武先生から、先生と大武研究室の研究についての情報提供がありました。資料『本を通して人に会い学問を創る 老年言語学,回想法,そして共想法』(情報管理 vol.58)を用いて、共想法の進化と他の学問とのつながりのプロセスについて、資料『認知症予防のための会話による体験記憶支援技術の開発』(日本老年看護学会誌 vol.20)では、ぎんさんの娘さん姉妹の会話や街歩き共想法から得られた知見を通しての、体験記憶支援技術の開発へのプロセスや事例の紹介がありました。
次いで、「ヒトと社会を賢く楽しくする環境を生み出すシステムづくり」を目的として「会話」「言葉」を通した研究・開発を行っている、千葉大学大学院工学研究科大武研究室の面々が取り組んでいる、多岐にわたる研究事例の紹介があり、役立つ開発に勤しんでいる学生諸氏に、大きなエールを送りたいと思いました。
そして最後に、2016年度に実施する柏市事業(柏市福祉活動推課「認知症予防コミュニケーション体験講座」)の実施要領が紹介されました。
先生並びに大武研究室の研究について紹介する大武先生
≪2016年度計画≫
例年よりたっぷり時間をかけて親睦も深めた、ティータイムブレイクで英気を養った後の最終ピリオドでは、2016年度計画事業として、恒例の設立講演会のコンセプト等ラフ案、さらには、連携を計画している各企業との事業内容、インターンシップ生の受け入れ等についての計画案が次々紹介され、身が引き締まると共に士気が喚起されました。
参加者記念撮影
その後、「ほのぼの研究所の活動や共想法を、ひとりでも多くの方々に普及させ、認知度を上げ、社会的責任を果たすためには?」、「共に活動をしていただける方々をどのように募ることができるか?」等についての熱いブレーンストーミングが、終了予定時刻を過ぎてもしばらく続き、陽が落ちた屋外の冷気に、そのほとぼりを冷ましつつ、ようやく家路につきました。
市民研究員 長久 秀子