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ほの研ブログ - 2016年ほのぼの研究所設立記念講演会

2016年ほのぼの研究所設立記念講演会

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
TasakiT 2016-7-17 8:00
 2016年6月28日(火)13:30より、柏市柏の葉のさわやかちば県民プラザ3階中研修室において、ほのぼの研究所設立記念講演会を開催致しました。さわやかちば県民プラザの利用は、2008年秋の「ふれあい共想法実施者養成講座」、2009年の設立2周年記念講演会以来久方ぶりでしたので、懐かしく、感慨深いものでした。

 講演会のテーマは「フレイルと認知症の予防」、団塊の世代が後期高齢者になるという2025年問題も喫緊の課題となっている中、タイムリーで興味深いテーマであったこともあり、ご案内早々から申込みが殺到しました。果たして、あいにくのはっきりしないお天気にもかかわらず、20〜90歳台の幅広い年代の100名近くの方々にご参集いただきました。また、会場周辺エリアの、しかもほのぼの研究所の講演会に初めてご参加の方々が多かったことも、嬉しいことでした。


さわやかちば県民プラザ



満席の講演会会場

 大武美保子 ほのぼの研究所代表理事・所長、千葉大学准教授の開会の挨拶のあと、まずご来賓の挨拶として、柏市福祉活動推進課課長で、ほのぼの研究所の活動拠点:柏市介護予防センター ほのぼのプラザますおの所長でもいらっしゃる佐藤盪塒佑、柏市の認知症予防、フレイル予防の具体的施策や、アカデミアとの連携をさらに密にした今後の事業展開について述べられました。


ご来賓 ほのぼのプラザますお佐藤盪埆蠶垢琉Щ

次いで、千葉大学・産業連携研究推進ステーション・特任准教授の片桐大輔先生がこれまでの「病気になったら治療」という考え方から「病気にならない”未病”」という考え方が重要、「それには楽しく参加して継続できることが大事」と述べられ、そしてその具体的な方策である、「フレイル予防と共想法による認知症予防」が柏市を起点にして広がり、全国的な健康寿命の延伸へつながることへの大きな期待が述べられ、設立記念を祝して下さいました。
 

ご来賓 千葉大学片桐大輔先生の挨拶

 いよいよ、東京大学 高齢社会総合研究機構准教授の飯島勝矢先生による招待講演「市民の手による『フレイル予防』活動〜3つの原点から〜」が始まりました。飯島先生は東京大学医学部加齢医学講座やスタンフォード大学研究員を経て現職に就かれるとともに、一億総活躍国民会議の有識者民間議員もなさっている、老年医学、循環器内科学、総合老年学のスペシャリストでいらっしゃいます。
 「フレイル」(Fraility)という用語は、予防意識を高めるために、2014年に日本老年医学会が提唱した、高齢になって多面的な能力や筋力が衰え、要介護になる手前、かつ介入次第で元の状態へ戻りうる状態を表すもので、まだまだ耳慣れないものでした。けれども、どれもが納得させられてしまう事例を挙げてのエネルギッシュな解説に、会場の方々は引き込まれ、しっかりインプットされた様子でした。さらに、フレイルを予防し、健康長寿を保つためには、より早期からの「栄養(食・口腔機能)、身体活動(運動、社会活動など)、社会参加(就労・余暇活動・ボランティア)」の3つが必要で、その中でも社会参加が最重要であることも語られました。まさに、すぐにでも予防のために意識改革をしなければという思いに駆られたことでした。

 最後に、地域住民のフレイル予防のために、市民サポーターが中心となって予防活動を実践し、その効果が如実に表れているという柏市民の活動(柏スタディー)が全国に拡散し、それが「総合知としてのまちづくり」につながっていると、締めくくられました。


招待講演 東京大学飯島勝矢先生

 休憩をはさんでの大武先生の基調講演は「歩いて、話して、認知症予防-街歩き共想法のすすめ」についてでした。テーマを決めて写真と話題を持ち寄り、話し手と聞き手が交互に交代しながら、会話する共想法の開発・研究経緯、体験記憶・注意分割力・計画力といった総合的な認知機能を活用し高めることが認知症予防につながること、知識を得るだけでなく、実践し、継続することの大切さについて述べられました。


基調講演 大武美保子所長・代表理事

 その後、ほのぼの研究所の活動主体である市民研究員と、柏市認知症予防コミュニケーション体験講座参加者による「好きな食べ物」をテーマにした「ふれあい共想法」の実演を見ていただきました。大勢のギャラリーの前での実演は、百戦錬磨の研究員たちも最初は少々上がり気味でしたが、徐々に興に乗ってきました。会場に笑いが広がるなど、参加者に楽しんでご理解いただけたようでした。


市民研究員らの「ふれあい共想法」実演

 次に、加齢に伴い途切れがちな最近の話題づくりと、体験記憶の機能を高めるために新しく考案された、「街歩き」と「共想法」を組み合わせた新手法:「街歩き共想法」実演が続きました。「柏の葉エリアのおすすめの場所」のテーマで、飯島先生の柏スタディーにも関わりの深い柏の葉ウォーキングクラブの有志6人に、事前に街歩きをして撮影していただいた写真をもとにお願いしました。さすが、日頃から活動的にフレイル予防に努めていらっしゃる方々だけに、初めてとは思えないほどスムーズに話題提供、質疑応答が進み、驚かされました。また、柏の葉の隠れたおすすめスポット、柏の葉ウォーキングクラブの活発な活動情報を伺うことができました。


柏の葉ウォーキングクラブのメンバーによる「街歩き共想法」実演

 会場が温かい雰囲気に包まれた中、大武先生がほのぼの研究所のこれまでと、これからの展望を熱く語り、講演会は閉会となりました。
  事後のアンケートでは9割以上から好評価を頂き、「役立つ情報を得られた」というお声が大変多かったのは嬉しいことでした。

 最後になりましたが、このたびの開催に際しましては、講演会場に隣接する、県立柏の葉公園を拠点に広く活動なさっている、柏の葉ウォーキングクラブの方々に、共想法の実演はもとより、企画準備、参加者募集等々、多大なご協力をいただきました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

市民研究員 松村 光輝

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