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ほの研ブログ - ほのぼの研究所 2016年度合同研修報告

ほのぼの研究所 2016年度合同研修報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NoguchiM 2017-2-19 8:00
 2017年1月24日、流山市生涯学習センター3Fの市民活動推進センター会議室にて、2016年度 ほのぼの研究所合同研修を開催しました。これは毎年1回通期を総括、次期の展望や運営方法について、確認、討議し合うものです。

 今回は、大武先生、小暮純生山梨大学客員教授、協働事業者(埼玉県のNPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピア、大阪府の有限会社野花ヘルスプロモート)のメンバー、市民研究員、そして千葉大学工学研究科大武研究室の学生、総勢15名が一堂に会しました。
 大武先生の挨拶を皮切りに、早速以下の過密なスケジュールがスタートしました。

 ?午前の部-≪2016年度活動報告1≫
 ?午後の部1-≪2016年度活動報告2≫
 ?午後の部2-≪大武先生2016年度総括、 2017年度及び中期計画≫


大武先生の開会の挨拶


≪2016年度活動報告1≫
 まず、協働事業者のマカべシルバートピアの永田映子さんから、「マカベ゙共想法報告」と題して、2011年のスタートから5年が経過した共想法と、月曜日自由会話の報告がありました。介護老人保健施設という特性上、運営や、テーマ選びに腐心するも、果たして共想法参加最高齢:98歳になられても参加できたり、共想法が楽しくて参加が待ちきれない方がいらっしゃるという喜ばしいエピソードが紹介されました。また、最後に、実施者として、「共想法は普段のおしゃべりと違い、会話の継続を可能にする効果がある」ことを検証できたという、嬉しい報告で結ばれました。

 次いで、昨年夏に協働事業者となった、大阪府岸和田市の有限会社野花ヘルスプロモートの正木慎二さんからは、「のばな共想法」の本格始動に向けての活動報告がありました。近畿圏初の協働事業者として、自らの法人内他業態のスタッフ間との、共想法についての情報共有により、理解を深めることを手始めに、行政への働きかけや、地域との連携に、試行錯誤を重ねているとの報告に、熱いエールを込めた、様々な角度からのアドバイスやアイデアが提供されました。

新規協働事業者野花ヘルスプロモート正木慎二さんとの質疑応答


 きらりびとみやしろの田崎誉代さんからは、「きらりびとふれあい共想法平成28年度の実施報告、課題、今後の計画」と題する発表がありました。開始後6年目に入った、健常高齢者を対象にしたきらりびと共想法をメインに、様々な場面で積極的かつ工夫を重ねて、共想法の実施や普及活動に力を注いでいる活動から、参加者の能力・機能を的確に観察した上で、時宜を得て対応していく柔軟な姿勢に頭が下がりました。また、共想法がより効果的に活かされるための、豊富な経験や技術から導かれた、幾つかの手法や方法に関する提案も挙げられました。

 ≪2016年度活報告2≫
 開始早々からヒートアップアップしたため、やむを得ず時間短縮せざるを得なかった、ランチタイムで英気を養った後、午後の部前半は、市民研究員の田口良江さんの継続コースの報告からスタートしました。
 活動拠点のほのぼのプラザますおにおける継続コースは、共想法に継続参加することで、認知症予防に役立つ生活習慣をつけていただくことが主目的です。また、共想法のより効果的な実施方法についての、検証の場とも捉えられています。活動報告と併せて、長い間に築かれた参加者との信頼関係や協力が、新しい共想法テーマ等実施方法のスムーズなチャレンジに、大いに寄与していると、感謝の念も語られました。そして、今後はさらにコミュニケーションを密にするとともに、「滑舌を滑らかにする」口腔体操等、アンチエージングトレーニングも加えて、より積極的に継続していきたいという抱負も述べられました。

 次いで、昨年11月に実施した「柏の葉公園街歩き共想法」について、市民研究員の根岸勝壽さんから、報告がありました。これは、街歩き共想法実施者養成も兼ねた行事でした。より多くの方々にご参加いただき、理解していただくために、この実施に際してご協力をいただいた、柏の葉ウォーキングクラブとの今後の共同企画に備えて、さらなる連携を図る必要性が述べられました。

 柏市から受託して、夏・秋の2学期開講した柏市認知症予防コミュニケーション体験講座については、講座の一環として実施した、ほのぼのプラザますお周辺の街歩き共想法の動画記録を交えて、市民研究員の松村光輝さん、魚谷茜さんから、報告がありました。認知症予防の必要性や共想法について、3回/学期のカリキュラムで、正確に体得していただくことはなかなか難しく、試行錯誤を重ねました。受講生の評価は概ね良好で、「認知症予防に関して知りたい」というニーズが高いことが、参加者の声から明らかである、との報告がありました。来年度も受託することになった柏市の講座では、これらの経験を活かして、さらに役立つ講座づくりに努めたいものです。

 平成28年度の科学技術振興機構のACCELのフィージビリティスタディとして採択された、大武先生の研究課題「共想法に立脚した会話支援技術の開発と応用展開」の進捗について、そのプログラムマネジャーとしてご尽力いただいている、小暮純生 山梨大学客員教授から、報告していただきました。ACCELとは、戦略的創造研究推進事業で創出された、世界をリードする顕著な研究成果のうち、有望なものの、すぐには企業などではリスクの判断が困難な成果を抽出し、プログラムマネージャー(PM)のイノベーション指向の研究開発マネジメントにより、技術的成立性の証明・提示(Proof of Concept:POC)および適切な権利化を推進することで、企業やベンチャー、他事業などに、研究開発の流れをつなげることを目指すものです。
 共想法が、社会展開に向けて進化していることを認識することができて、期待が膨らんだことでした。

小暮純生山梨大学客員教授によるフィージビリティスタディの進捗報告


 午後の部前半の最後は、大武研究室の上田哲也学生研究員による、鹿児島県出水郡長島町の地域活性化プラン「できるまで帰れません!」共想法の実施報告でした。大型台風襲来にもめげず、共想法を従来の共想法実施対象者のみならず、子育て世代のお母さん達等へもと、長島町の地域特性に応じて共想法を活用して頂くための、若い世代の果敢なチャレンジは、興味深く、頼もしさを感じたことでした。

学生研究員による長島町共想法報告


≪大武先生2016年総括、 2017年度及び中期計画≫
 待ち遠しかったティータイムブレイクは、またまた白熱した議論のため、短くなりましたが、親睦を深めながら、次の時間に十分に備えることができました。そして、大武先生の2017年度の総括と2017年度計画の報告に入りました。
 2016年度活動については、基礎研究、社会実装、基礎研究と社会実装を横断するものとに3分して、具体的事例が示されました。次いで紹介された、大武研究室メンバーの研究課題は、市民研究員が評価協力したものもあり、興味深いものでした。
 また、先刻、小暮客員教授から報告していただいた、ACCEL関連の2022年に至る具体的な中期計画が示され、共想法が認知症を予防する技術として、社会に役立つものとなる可能性を、感じることができました。
 次期、2017年度の計画として、中期計画に向けての情報・知見の整理整頓、データ化、システム化、スポンサー付き実施に向けてのマーケティング機能の強化と試行、各地展開に向けた模範プログラムの策定と試行、共想法資格化に向けた実施者養成のプログラムの策定と試行等、盛りだくさんのプランが提示されました。
 最後に、6月の設立記念講演会や継続コースの実施案の検討、参加者用共想法ハンドブック試作版評価等の後、年来の課題である、「ほのぼの研究所の活動や共想法を、ひとりでも多くの方々に普及させ、認知度を上げ、社会的責任を果たすためには?」、「共に活動をしていただける方々をどのように募るのか?」等についてのブレーンストーミングを行いました。

参加者記念撮影


 今回の研修会は、例年にも増して、共想法の多世代、多エリア展開等の多様化、産・官・学との連携強化、そして、社会的発展への可能性を、強く感じさせてくれたものでした。
 フル稼働して快く疲弊した脳や心身を、おりしも日本画家、後藤純男回顧展開催を祝って、会場入り口ロビーに飾られた多数の生花で、しばし癒しながら、寒中の薄暮、帰途につきました。

市民研究員 長久秀子

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