ほの研ブログ - 共想法実施者研修実施報告
2017年11月16日〜17日の両日、共想法実施者研修を実施しました。学研ココファンスタッフ、学研アカデミー事業室副室長の吉田弥生様が、「共想法ガイドブック」や、「共想法実施マニュアル」作成を手掛けて下さった経緯から、西五反田の学研本社ビル会議室が会場となりました。
ガラス貼り超高層の学研本社ビル
この研修は、共想法を理解すること、そして共想法の研修の基本を確立することが大きな目的でした。普及のためにも、また今後優先していく効果検証を行っていく上でも、共想法の参加者に、真に効果的な結果を得られるよう参加してもらうためには、実施者がその仕組みや手法を正しく理解した上で、実施することが不可欠であるからです。
大武先生、理化学研究所、京都大学医学部付属病院、筑波大学、千葉大学、星槎名古屋中学校、産業技術総合研究所等の研究・教育・医療機関の関係者、ほのぼの研究所の市民研究員、そして運営スタッフと、様々な立場の20〜70代の、延べ42名が以下の内容の研修を受講しました。
11月16日(木)10:00〜18:00
*講話:共想法とは何か?>大武先生
「高齢者の認知機能低下と認知症の予防を目的とする会話支援技術の開発」
*参加者による共想法実演「好きなものごと」司会:ロボット
*グループワーク「初めての人に共想法を楽しんでもらうには」
*講話:記憶機能訓練―記憶方略に着目した認知トレーニングの紹介―」
>京都大学医学部付属病院 大塚貞男先生
(懇親会)
11月17日(金)10:00〜17:00
*共想法の実施方法について(実施マニュアル)>学研ココファンスタッフ吉田様
*今後の取り組みとほのぼの研究所の活動について>大武先生
*共想法司会体験 テーマ「10分歩いてみつけたもの」司会:市民研究員
*グループワーク「共想法の司会者に必要なことは」
「共想法に楽しく参加してもらうためには」
*講評・今後について
参加者の記念撮影(2日目)
1日目は10:00から、学研ココファンスタッフの吉田弥生様のスケジュール説明、自己紹介、開会挨拶を経て、早速、「高齢者の認知機能低下と認知症の予防を目的とする会話支援技術の開発」と題した、大武先生の講話から始まりました。動画や新版の「共想法ガイドブック」を用いて、高齢になると低下しやすい機能と認知症予防と会話支援手法である「共想法」の関係性、ほのぼの研究所の活動について、丁寧に説明が行われました。さらに、共想法や先生の研究の進化のプロセス、そして、2017年4月に移籍した、理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チームにおける、モノ・手法・データに関する研究活動の3項目が、共想法開発第三ステップ以降の大きな目標であることが、熱く語られました。
認知症予防と共想法に関する大武先生の講話
参加者と共想法との関わりは、当然のことながらまちまちでしたが、初めての方々には、共想法やほのぼの研究所へのご興味、ご理解を大いに深めていただけたようでした。また、創成期から係ってきたメンバーを含めたほのぼの研究所の市民研究員には、進化のプロセスを振り返りながら、「共想法」の真価を再認識するとともに、改めて体系的に学び直す好機となりました。
開始早々中身の濃い研修のインターバルのランチタイムは、13階の社員食堂を利用させていただきました。ガラス張りの大きな窓が全壁360度に広がる開放的な空間から、東京タワーや遠い山々を見渡しながら、英気を養うことができました。
午後は、早速、午前中の講話を踏まえて、「好きなものごと」をテーマの共想法実演に、全員が参加しました。司会は、時間管理に長け、控えめな参加者には発話を促す機能も持ち合わせたロボットのぼのちゃんが担当、コレクション等の趣味、仕事、何よりの好物、ペットなど、多彩な話題がうんちくも込めて提供され、会場は笑いに包まれ、一体感が醸し出され、話し手の想いを共有することができました。
ロボット:ぼのちゃんの司会による共想法実演
次いで、各自の話題の200字要旨の記入と、実演後の自由会話を兼ねたティーブレイクを経て、これまでの講義や共想法体験をベースに、「初めての人に伝える共想法のよさ」をテーマとするグループワークを行いました。あるべき要素の抽出に加えて、初めて体験した方ならではの、示唆に富んだ新しいアイデアや意見も述べられました。
座学、実演、グループワークと、バラエティに富んだメニューの研修1日目の最後は、京都大学医学部付属病院精神神経科の大塚貞男先生の、「記憶機能訓練―記憶方略に着目した認知トレーニングの紹介」と題した話題提供でした。精神神経科での臨床研究に基づいたトレーニング方法の知見は、専門性の高い研究や検証のためだけでなく、日常生活にも活用できそうなノウハウやヒントとなるもので、興味深く、身近に感じることができました。
京都大学医学部付属病院精神神経科の大塚先生による話題提供
タイトなスケジュール終了後は、懇親会会場の13階に移動。ランチタイムとは一変した都会の夜景を目にすると、緊張がほぐれてくるのを実感しました。新しい出会いと知見の獲得、情報の共有、そしてスキルアップの場をもつことができることへ喜びと感謝を述べる、大武先生の乾杯の音頭を皮切りに、歓談の輪が広がり、研修の快い疲れが癒されていきました。
2日目は、気分一新、高層24階の会議室にて開催されました。「共想法実施マニュアル」に基づいた、吉田様の解説や質疑応答の後、大武先生より今後の共想法、ほのぼの研究所の方向性や展望が述べられ、それに関して、多方向から活発な熱い議論が展開しました。
午後からは、共想法実施者としてのスキルアップのために、共想法の司会研修を行いました。まずはベテラン市民研究員が、次いで新人研究員が司会者となって、「10分歩いてみつけたもの」というテーマで、共想法を実施しました。新人とは思えない巧みな司会ぶりには感服し、今後の活躍に期待したことでした。
グループワークは、「共想法の司会者に必要だと思うこと」「共想法に楽しんで効果的に参加してもらうために、必要なこと」をテーマとして、個人ワークを経て、喧々諤討論した結果を模造紙にまとめて発表する形式でした。しばらくこうしたワークスタイルとご無沙汰だった市民研究員にとって、若い方々にお知恵を拝借しながらの作業は、刺激的で楽しいものでした。
まずはテーマについてグループ討議
討議結果をまとめて紙面に表現・発表
最後に大武先生から講評と、総括として研修を通して新たな気づきや課題があったこと、またそれらに対する展望が述べられ、濃密な研修は滞りなく終了しました。
後になってしまいましたが、この実り多い研修が遂行できましたのは、常に参加者の士気の維持につとめながら、配慮の行き届いた総合司会をして下さった吉田様をはじめとする、運営スタッフの方々のご尽力のおかげだと感謝しております。ここに改めて御礼申し上げます。
ガラス貼り超高層の学研本社ビル
この研修は、共想法を理解すること、そして共想法の研修の基本を確立することが大きな目的でした。普及のためにも、また今後優先していく効果検証を行っていく上でも、共想法の参加者に、真に効果的な結果を得られるよう参加してもらうためには、実施者がその仕組みや手法を正しく理解した上で、実施することが不可欠であるからです。
大武先生、理化学研究所、京都大学医学部付属病院、筑波大学、千葉大学、星槎名古屋中学校、産業技術総合研究所等の研究・教育・医療機関の関係者、ほのぼの研究所の市民研究員、そして運営スタッフと、様々な立場の20〜70代の、延べ42名が以下の内容の研修を受講しました。
11月16日(木)10:00〜18:00
*講話:共想法とは何か?>大武先生
「高齢者の認知機能低下と認知症の予防を目的とする会話支援技術の開発」
*参加者による共想法実演「好きなものごと」司会:ロボット
*グループワーク「初めての人に共想法を楽しんでもらうには」
*講話:記憶機能訓練―記憶方略に着目した認知トレーニングの紹介―」
>京都大学医学部付属病院 大塚貞男先生
(懇親会)
11月17日(金)10:00〜17:00
*共想法の実施方法について(実施マニュアル)>学研ココファンスタッフ吉田様
*今後の取り組みとほのぼの研究所の活動について>大武先生
*共想法司会体験 テーマ「10分歩いてみつけたもの」司会:市民研究員
*グループワーク「共想法の司会者に必要なことは」
「共想法に楽しく参加してもらうためには」
*講評・今後について
参加者の記念撮影(2日目)
1日目は10:00から、学研ココファンスタッフの吉田弥生様のスケジュール説明、自己紹介、開会挨拶を経て、早速、「高齢者の認知機能低下と認知症の予防を目的とする会話支援技術の開発」と題した、大武先生の講話から始まりました。動画や新版の「共想法ガイドブック」を用いて、高齢になると低下しやすい機能と認知症予防と会話支援手法である「共想法」の関係性、ほのぼの研究所の活動について、丁寧に説明が行われました。さらに、共想法や先生の研究の進化のプロセス、そして、2017年4月に移籍した、理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チームにおける、モノ・手法・データに関する研究活動の3項目が、共想法開発第三ステップ以降の大きな目標であることが、熱く語られました。
認知症予防と共想法に関する大武先生の講話
参加者と共想法との関わりは、当然のことながらまちまちでしたが、初めての方々には、共想法やほのぼの研究所へのご興味、ご理解を大いに深めていただけたようでした。また、創成期から係ってきたメンバーを含めたほのぼの研究所の市民研究員には、進化のプロセスを振り返りながら、「共想法」の真価を再認識するとともに、改めて体系的に学び直す好機となりました。
開始早々中身の濃い研修のインターバルのランチタイムは、13階の社員食堂を利用させていただきました。ガラス張りの大きな窓が全壁360度に広がる開放的な空間から、東京タワーや遠い山々を見渡しながら、英気を養うことができました。
午後は、早速、午前中の講話を踏まえて、「好きなものごと」をテーマの共想法実演に、全員が参加しました。司会は、時間管理に長け、控えめな参加者には発話を促す機能も持ち合わせたロボットのぼのちゃんが担当、コレクション等の趣味、仕事、何よりの好物、ペットなど、多彩な話題がうんちくも込めて提供され、会場は笑いに包まれ、一体感が醸し出され、話し手の想いを共有することができました。
ロボット:ぼのちゃんの司会による共想法実演
次いで、各自の話題の200字要旨の記入と、実演後の自由会話を兼ねたティーブレイクを経て、これまでの講義や共想法体験をベースに、「初めての人に伝える共想法のよさ」をテーマとするグループワークを行いました。あるべき要素の抽出に加えて、初めて体験した方ならではの、示唆に富んだ新しいアイデアや意見も述べられました。
座学、実演、グループワークと、バラエティに富んだメニューの研修1日目の最後は、京都大学医学部付属病院精神神経科の大塚貞男先生の、「記憶機能訓練―記憶方略に着目した認知トレーニングの紹介」と題した話題提供でした。精神神経科での臨床研究に基づいたトレーニング方法の知見は、専門性の高い研究や検証のためだけでなく、日常生活にも活用できそうなノウハウやヒントとなるもので、興味深く、身近に感じることができました。
京都大学医学部付属病院精神神経科の大塚先生による話題提供
タイトなスケジュール終了後は、懇親会会場の13階に移動。ランチタイムとは一変した都会の夜景を目にすると、緊張がほぐれてくるのを実感しました。新しい出会いと知見の獲得、情報の共有、そしてスキルアップの場をもつことができることへ喜びと感謝を述べる、大武先生の乾杯の音頭を皮切りに、歓談の輪が広がり、研修の快い疲れが癒されていきました。
2日目は、気分一新、高層24階の会議室にて開催されました。「共想法実施マニュアル」に基づいた、吉田様の解説や質疑応答の後、大武先生より今後の共想法、ほのぼの研究所の方向性や展望が述べられ、それに関して、多方向から活発な熱い議論が展開しました。
午後からは、共想法実施者としてのスキルアップのために、共想法の司会研修を行いました。まずはベテラン市民研究員が、次いで新人研究員が司会者となって、「10分歩いてみつけたもの」というテーマで、共想法を実施しました。新人とは思えない巧みな司会ぶりには感服し、今後の活躍に期待したことでした。
グループワークは、「共想法の司会者に必要だと思うこと」「共想法に楽しんで効果的に参加してもらうために、必要なこと」をテーマとして、個人ワークを経て、喧々諤討論した結果を模造紙にまとめて発表する形式でした。しばらくこうしたワークスタイルとご無沙汰だった市民研究員にとって、若い方々にお知恵を拝借しながらの作業は、刺激的で楽しいものでした。
まずはテーマについてグループ討議
討議結果をまとめて紙面に表現・発表
最後に大武先生から講評と、総括として研修を通して新たな気づきや課題があったこと、またそれらに対する展望が述べられ、濃密な研修は滞りなく終了しました。
後になってしまいましたが、この実り多い研修が遂行できましたのは、常に参加者の士気の維持につとめながら、配慮の行き届いた総合司会をして下さった吉田様をはじめとする、運営スタッフの方々のご尽力のおかげだと感謝しております。ここに改めて御礼申し上げます。
市民研究員 長久秀子