ほの研ブログ - 2019年ほのぼの研究所設立記念講演会
2019年7月5日(金)13時30分より、柏市柏の葉のさわやかちば県民プラザ大研修室にて、「今からなら間に合う!認知症予防」〜充実した真の健康長寿を目指すために〜をテーマに、ほのぼの研究所設立記念講演会を開催いたしました。愛知県からお招きした国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター長 島田裕之先生の講話や『コグニサイズ』への関心のある方、また「今からなら間に合う!」のフレーズに敏感に反応された認知症予防に関心の高い方が多かったのでしょうか、お申込みは早々に定員に達し、当日は雨の心配もある生憎の曇り空でしたが、120余名の参加者で会場は埋め尽くされました。
大武所長の開会挨拶に続き、さわやかちば県民プラザ 内藤 正寿所長より、ご来賓の挨拶を頂きました。発表されたばかりの認知症施策推進大綱について触れられ、認知症予防に取り組む講師やほのぼの研究所への激励と期待、そして人生100年時代における生涯学習実践の重要性を述べられました。次いで、MS&ADインタリスク総研の杉澤 登様より、法人賛助会員となられた経緯と、『共想法』への大きな期待を込めたご挨拶をいただきました。
ご来賓の内藤正寿さわやかちば県民プラザ所長
ご来賓のMS&ADインタリスク総研 杉澤 登様
招待講演の島田裕之先生の講話のテーマは「自分で行う認知症予防の方法―この30年間の研究から見えてきたこと」。認知症の発症要因から予防まで、多様な興味深い研究データや研究プロセス、動向を織り交ぜながら、詳細な内容を大変わかりやすく解説して下さいました。
招待講演の国立長寿医療研究センター島田裕之先生
最初に、現時点での予防とは、認知症を完全に抑えたり、治すということではなく、(1)認知症の発症を数年遅らせる(発症遅延)(2)認知症を発症しても悪化を遅らせること(重症化予防)であると定義されました。早期・軽症のMCI(軽度認知障害)への予防の取り組みで、4人に1人が健常の状態に回復した研究結果があることを踏まえて、できるだけ早期に自分の異状に気付き(認知機能検査・脳ドック等)予防策を講じることが重要だと説かれました。そして、予防に効果的とされるものは多数あるも、運動、生活習慣病管理、脳を鍛える、社会的交流が特に効果的であることも。そして、最も悪い要因とされる生活習慣:身体的不活動(運動不足)を改善するばかりか、認知機能を改善するとともに、脳にも良い作用のある方法として、所属の国立長寿医療研究センターが開発した『コグニサイズ』を紹介して下さいました。最後に参加者全員で初歩とはいえ、初心者には徐々に手こずってしまうコグニサイズを幾つか体験しました。果たして、今から!認知症予防を取り組もうと決めた参加者の心ばかりか、身体までが程よく熱くなったのでした。
会場全員でコグニサイズを体験、うーん、意外と〜
大武美保子 ほのぼの研究所代表理事・所長、理化学研究所チームリーダーの基調講演は「頭の健康チェックのすすめ」。加齢とともに低下する認知機能は、個人、脳血管系疾患発症の有無や生活の仕方等で異なるも、その傾きをいかに緩めるかが全ての人の課題であると述べました。認知症予防のためには、島田先生が異状に気付く-早期に検査を受けることを勧められたように、自分の今の認知機能を知る勇気が重要であると強調しました。そのためには血圧や体重を測るように、認知機能を測り、予防に向き合うべきだと述べました。併せて、認知機能と同じようなカーブをより早期から描く骨密度の計測も、特に女性参加者に勧めました。
基調講演の大武代表理事・所長
10分の休憩を挟んで島田先生と大武所長の「今からなら間に合う!認知症予防」と題した対談が始まりました。『共想法』実施時に使うことのある、発話量を計って絶妙に?進行を取り仕切るロボットぼのちゃん5号が、対談の司会を務めることになり、ヘッドマイクを装着しての対談となりました。
絶妙に進行を取り仕切る司会ロボットぼのちゃん5号、対談で大役を果たす?
まず、最前線の認知症予防研究者として、現在、非薬物療法で認知症予防に良いとされる手法は、エビデンス(証拠)が足らないとされていることに忸怩たる思いがあるも、世界でも、また日本でも大規模な臨床研究が始まっていることから、エビデンスを集めながら、発症遅延、重症化防止の意味の予防を推進していくという熱い思いが語られました。
また、休憩時間に会場から収集した質問への回答も含めて、認知症予防のきっかけや継続するポイントについても語られました。予防のきっかけとなるのは、「自分の状態を知る」こと(脳ドック・認知症検査)。病気になると怖いという恐怖は最大のモチベーション。そして、予防活動継続の秘訣は、自分がやっているということを味わうためのモニタリング(記録)と、強靭な意思があっても1人では続けにくいので、仲間づくりが必要とのこと。
最後に、島田先生から「誰もが認知症は怖い、むやみに怖がることはやめて、一歩踏み出して予防活動をすることが最も大事。認知症の怖さを忘れるほどアクティブに活動して下さい!!」という熱いエールをいただき、対談、そして講演会は終了いたしました。
なお、多くの方々から回答をいただきました事後アンケートでは、講演会全体に高い評価を頂戴いたしました。またこれまでになく大勢の方々から、自由回答として、これからすぐに認知症予防活動を始めたい、自分の状態を知るために認知機能等を測ってみたいというお声を寄せていただき、「今からなら間に合う!」の効果があったのではと、嬉しく思っております。島田先生のアドバイスに沿って、長く継続いただきますようにと願っております。
ここに改めて、ご多忙の中遠路はるばるご無理をお願いしてご登壇いただきました島田先生、並びにご参加の皆さまに感謝を申し上げる次第です。ありがとうございました。
大武所長の開会挨拶に続き、さわやかちば県民プラザ 内藤 正寿所長より、ご来賓の挨拶を頂きました。発表されたばかりの認知症施策推進大綱について触れられ、認知症予防に取り組む講師やほのぼの研究所への激励と期待、そして人生100年時代における生涯学習実践の重要性を述べられました。次いで、MS&ADインタリスク総研の杉澤 登様より、法人賛助会員となられた経緯と、『共想法』への大きな期待を込めたご挨拶をいただきました。
ご来賓の内藤正寿さわやかちば県民プラザ所長
ご来賓のMS&ADインタリスク総研 杉澤 登様
招待講演の島田裕之先生の講話のテーマは「自分で行う認知症予防の方法―この30年間の研究から見えてきたこと」。認知症の発症要因から予防まで、多様な興味深い研究データや研究プロセス、動向を織り交ぜながら、詳細な内容を大変わかりやすく解説して下さいました。
招待講演の国立長寿医療研究センター島田裕之先生
最初に、現時点での予防とは、認知症を完全に抑えたり、治すということではなく、(1)認知症の発症を数年遅らせる(発症遅延)(2)認知症を発症しても悪化を遅らせること(重症化予防)であると定義されました。早期・軽症のMCI(軽度認知障害)への予防の取り組みで、4人に1人が健常の状態に回復した研究結果があることを踏まえて、できるだけ早期に自分の異状に気付き(認知機能検査・脳ドック等)予防策を講じることが重要だと説かれました。そして、予防に効果的とされるものは多数あるも、運動、生活習慣病管理、脳を鍛える、社会的交流が特に効果的であることも。そして、最も悪い要因とされる生活習慣:身体的不活動(運動不足)を改善するばかりか、認知機能を改善するとともに、脳にも良い作用のある方法として、所属の国立長寿医療研究センターが開発した『コグニサイズ』を紹介して下さいました。最後に参加者全員で初歩とはいえ、初心者には徐々に手こずってしまうコグニサイズを幾つか体験しました。果たして、今から!認知症予防を取り組もうと決めた参加者の心ばかりか、身体までが程よく熱くなったのでした。
会場全員でコグニサイズを体験、うーん、意外と〜
大武美保子 ほのぼの研究所代表理事・所長、理化学研究所チームリーダーの基調講演は「頭の健康チェックのすすめ」。加齢とともに低下する認知機能は、個人、脳血管系疾患発症の有無や生活の仕方等で異なるも、その傾きをいかに緩めるかが全ての人の課題であると述べました。認知症予防のためには、島田先生が異状に気付く-早期に検査を受けることを勧められたように、自分の今の認知機能を知る勇気が重要であると強調しました。そのためには血圧や体重を測るように、認知機能を測り、予防に向き合うべきだと述べました。併せて、認知機能と同じようなカーブをより早期から描く骨密度の計測も、特に女性参加者に勧めました。
基調講演の大武代表理事・所長
10分の休憩を挟んで島田先生と大武所長の「今からなら間に合う!認知症予防」と題した対談が始まりました。『共想法』実施時に使うことのある、発話量を計って絶妙に?進行を取り仕切るロボットぼのちゃん5号が、対談の司会を務めることになり、ヘッドマイクを装着しての対談となりました。
絶妙に進行を取り仕切る司会ロボットぼのちゃん5号、対談で大役を果たす?
まず、最前線の認知症予防研究者として、現在、非薬物療法で認知症予防に良いとされる手法は、エビデンス(証拠)が足らないとされていることに忸怩たる思いがあるも、世界でも、また日本でも大規模な臨床研究が始まっていることから、エビデンスを集めながら、発症遅延、重症化防止の意味の予防を推進していくという熱い思いが語られました。
また、休憩時間に会場から収集した質問への回答も含めて、認知症予防のきっかけや継続するポイントについても語られました。予防のきっかけとなるのは、「自分の状態を知る」こと(脳ドック・認知症検査)。病気になると怖いという恐怖は最大のモチベーション。そして、予防活動継続の秘訣は、自分がやっているということを味わうためのモニタリング(記録)と、強靭な意思があっても1人では続けにくいので、仲間づくりが必要とのこと。
最後に、島田先生から「誰もが認知症は怖い、むやみに怖がることはやめて、一歩踏み出して予防活動をすることが最も大事。認知症の怖さを忘れるほどアクティブに活動して下さい!!」という熱いエールをいただき、対談、そして講演会は終了いたしました。
なお、多くの方々から回答をいただきました事後アンケートでは、講演会全体に高い評価を頂戴いたしました。またこれまでになく大勢の方々から、自由回答として、これからすぐに認知症予防活動を始めたい、自分の状態を知るために認知機能等を測ってみたいというお声を寄せていただき、「今からなら間に合う!」の効果があったのではと、嬉しく思っております。島田先生のアドバイスに沿って、長く継続いただきますようにと願っております。
ここに改めて、ご多忙の中遠路はるばるご無理をお願いしてご登壇いただきました島田先生、並びにご参加の皆さまに感謝を申し上げる次第です。ありがとうございました。
市民研究員 長久 秀子