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ほの研ブログ - 新年のご挨拶2020

新年のご挨拶2020

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NagahisaH 2020-1-5 8:00

2020年 子年
千葉県房総の早春の花々

あけましておめでとうございます

旧年は、元号が変わり、共生と予防を柱とする認知症施策推進大綱が決定された節目の年でした。これまで実施してきた一連の活動の目的と位置づけを整理し、丁寧に準備、実施したことで、体験から継続参加頂く流れが定着する、〆切前に講演会申込者が定員を超えるなど、参加の輪が広がる成果を得ることができました。この流れを加速するべく、認知症予防を目的とする共想法、ほのぼの研究所をPRする動画制作を開始しました。これを契機に、共想法とは、ほのぼの研究所とは何か、目的や経緯と共に、現時点での見解を含めて明文化しましたので、ご紹介します。

「共想法」の目的と経緯
共想法は、年を重ねると、誰にでも起こりうる認知機能の低下を、脳の使い方の工夫でなるべく防ぐことを目的としています。低下しやすいと知られている、「体験記憶」、「注意分割機能」、「計画力」を使うように設計されています。 2006年、大武美保子(当時、東京大学助教授、2020年現在、理化学研究所チームリーダー)が、認知症の祖母との会話をヒントに考案しました。

「共想法」の定義
 共想法は、写真を見ながら「話す」「見る」「聴く」「考える」を行う会話支援の方法です。参加者は、出題されるテーマに沿って写真を撮ってきて持ち寄ります。話し手の写真が順に映し出されると、時間内に話し、その後、周りの人から質問や感想を言ってもらって、自分の体験をより深く考えます。周りの人の撮影した写真を見て、話を聴き、ものの見方を広げます。低下しやすい認知機能を総合的に使い、長持ちする脳の使い方を、一連の活動の中で実践します。

「ほのぼの研究所」の目的と経緯
 ほのぼの研究所は、超高齢社会の課題である「認知症」を、高齢者を中心に全世代と共に考え、解決方法を提案する新しい学問を創り、「防ぎうる認知症にならない社会」を実現することを目的としています。その具体的な手段として、「共想法」の実践研究と普及を目指す組織です。2007年に開所し、2008年にNPO法人化しました。「共想法」実践研究の場を運営するのは、平均年齢70代の市民研究員、そこに参加するのは、20代から90代の個人と法人賛助会員です。

「ほのぼの研究所」の活動
 「共想法」を日々の生活の中に取り入れ、長持ちする脳の使い方を実践する高齢者が中心に活動しています。
・「共想法」継続コースの実施
・講演会開催、ニューズレターやブログで情報発信
・各地での「共想法」実施運営のサポート
・「防ぎうる認知症にならない社会」を共に目指す自治体や企業との協働事業
・活動を通じた人材育成、最先端技術の開発と評価
などを行っています。

この他、旧年を特徴づける事業を、いくつかご紹介します。講演会のビデオ鑑賞会を開催し、日程が合わなかった方を始めさらに多くの方と知識を共有することができました。参加者の一部が実施者になる参加型研究の拠点が、新たに東京日本橋に生まれ、お江戸共想法として定期開催に至っています。参加者実施者を対象に、共想法とほのぼの研究所に関する意識調査を行い、これらが生活や人生に及ぼす主観的な影響を明らかにしました。継続参加の効果を長期的に検証すべく、頭の健康チェックを導入しました。高齢運転者向けのサービスを展開する損害保険会社と共催で講演会を開催し、認知機能や運転技能を本人や家族に返すことで、安全性が向上する成功事例を共有すると共に、積極的に予防するサービスにつなげる方法について検討しました。皆様の支えにより一連の活動が実現しましたこと、心より感謝申し上げます。
 新年は、これまで取り組みや準備を進めてきた、企業や自治体と共に、新たなサービスの実践や、それに向けた研究をさらに進めて参ります。本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武 美保子

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