ほの研ブログ - ほの研日誌カテゴリのエントリ
2025年3月11日13時より、ほのぼの研究所恒例の2024年度合同研修を、昨年度に引き続き、ハイブリッド形式で開催開催しました。
オンサイトの理研のAIPセンターの会場には、大武所長、大阪府岸和田市から上京された協働事業者:有限会社ヘルスプロモートのメンバー、理研のスタッフ、お江戸共想法参加者、協働事業者:マカベシルバートピアのメンバー、ほのぼの研究所の市民研究員、また、オンラインでは、継続コースやお江戸共想法に参加の賛助会員の方々、理研関係者、市民研究員等、両サイトで総勢37名が参加しました。

ハイブリッド開催の会場
まず、大武代表理事・所長が共想法を基点に認知症にならない方法について共に考え行動するために設立した当法人の存在意義を確認するともに、1年間得られた知見を持ち寄り、持ち帰り、新しい方法につなげるために行うという開催目的と意義を述べました。また、発表時間を、特別事案以外は1事案10分に設定、質疑応答は事後まとめて行うなど、効率的な時間の使い方の工夫をしての設定であると添えました。次いで、オンサイト参加者が自己紹介を行いました。
以下、それぞれの事業の報告概要を順にご紹介いたします。(標題下記は発表者)
【協働事業者 野花ヘルスプロモート 野花と共想法】

まず、野花ヘルスプロモートと共想法の出会い紹介から始まり、次いで、以下の説明がありました。2023年に、理化学研究所 革新知能統合研究センター 目的指向基盤技術研究グループ認知行動支援技術チームと有限会社 野花ヘルスプロモートと岸和田市とが共同研究契約を締結したこと。この契約の下、三者が協力し、「遠隔会話法を用いた新しい社会参加とその認知機能向上効果に関わる実証研究」を行っていること。2024年度はその2年目として、合計64名の認知症ではない高齢者に対して共想法を行ったこと。そして、その募集から実施までのプロセスが説明されました。
その後、担当メンバー4人それぞれが、遠隔共想法実験の実施者としての体験談を、被験者メンバーの特性や、共想法の話題テーマによる参加者の反応の違い等を交えて述べ、効果的に参加してもらうための工夫の成果を報告しました。
当初は、被験者から参加をネガティブに感じるような声もあったようですが、嬉しいことに終盤では、共想法参加のための定期的な外出や話題探し、写真撮影などの生活習慣がつき、果たして同年代のとの交流にも結びつき、アクティブな生活につながる貴重な経験であったと言われるようになったとのこと。
次年度はこうした声を追い風に、「岸和田市に共想法を定着させる」課題に向かって、2023〜2024年度の被験者を基点に、対面の共想法継続コースへの参加案内をしていくと抱負の述べ、報告を締めくくりました。
【お江戸共想法2024年度共想法実施報告】

山藤さんの司会で、日本橋を拠点とするグループの報告は、毎月第三水曜日に行っている遠隔共想法の延べ参加者数が204名に及ぶ、とまず実施報告をしました。次に、斎藤さんが、一昨年度末に行った日本橋、そして今年度の軽井沢との2回の街歩き共想法の報告をしました。そして上記に続く4名それぞれが、共想法に参加した動機や、その後の気持ちや生活の変化などを述べるという、バラエティ豊かな報告形式でした。
メンバーが司会を行うようになり、ネットワーク不備などのトラブル時対応のための理研窓口とのつながり構築が進んだことに続き、今後は実施時の役割分担を見直して、自主運営の精度を上げるとしました。また、大武所長の新著『脳が長持ちする会話』を活用して、共想法の周知・啓蒙活動を活動すると抱負を述べました。
【協働事業者 マカべシルバートピアの活動報告】

2011年のスタートから2024年8月の終了までの13年間、単身、先例のない手探り状態で老人保健施設の通所・入居の方々に対して、月4回6か月を1期として21期をなし遂げた経緯とそこから得られた知見を総括しました。
未だに施設では収束の見えないコロナ禍でもあるとのことですが、そうした苦難が続くも、殆ど脱落者もなく60歳代〜100歳までの男性16名、女性49名の参加者へ、参加しやすさへの配慮を重ね、介護施設としては大変手間や困難の多い実施を貫徹したこと。さらに、実施場所の安全なペースの確保と参加者の高齢化、フレイル化への懸念や、自らのライフステージへの確固とした信念をもって、上手な幕引に及んだことは、実に見事だと感じました。
また、その13年間のプロセスや得られた知見を、決められた発表持ち時間10分の間に簡潔、かつ淡々と語る姿は敬服に当たるものでした。事後のアンケートでは、野花の共想法の発表と並び、さらに詳細な情報を共有したいという声が多く挙がりました。
実施終了後は13年間の研究の総括に着手しているとのこと、素晴らしい論文の完成を待ちたいと思います。
【ほのぼの研究所 講演会2024年度講演会(ブログ)実施報告】

まず、コロナ禍3年間続けたオンライン形式が、コロナが第五類の伝染病に分類された2023年度にはハイブリッド形式へ、そして、2024年度は運営上の支障の少ないオンサイト形式へと開催形式の変遷を述べました。
2024年に開催した2回の講演会について、以下の通り報告しました。8月開催の設立記念講演会「創造的に老いる」は、理研との共催、日本橋理研のオープンスペースでの開催、事前のビデオ対談鑑賞、ミニ対談、アンケートに基づくミニワークショップの構成と、初めてづくしであったこと。12月の拠点エリアパレット柏でのクリスマス講演会は、大武所長の著書出版記念「脳が長持ちする会話」とし、弊所理事の招待講演講師:西村拓一先生のダンスデモやフレイル予防のダンス指導で、参加者との交流や一体感が深まったこと。
そして、ハイブリッド・オンサイト講演会では、講話や講師への関心度や魅力度はもとより、アクセスの良さも、参加動機の大切なポイントであり、地元エリアでのイベント参加者や関連研究被験者への積極的な働きかけが、継続参加、新規参加拡大に繋がっていることも述べました。
最後に、設立以来継続開催をしている講演会は、曲がりなりにも毎回9割近くの高評価で、「役立つ情報を得られた」と好評を得ています。そのため、弊所の認知症予防・共想法の啓蒙事業の柱としてできる限り継続していきたいと思っています。そのためには、所内の情報共有の精度と頻度を高め、万全な準備を持って臨むことを課題としていきたいと述べました。
併せて、毎週日曜日に研究員が輪番でほのぼの研究所のイベント等のお知らせや共想法の話題を紹介している「ほの研ブログ」配信報告を、担当として報告しました。
【ほのぼの研究所継続コース】

コロナ禍の2020年の6月から、遠隔共想法のアプリの開発進度に応じて、理研の強力なサポートのもと、共に試行錯誤やトレーニングにも励み、進んできた準備プロセスを述べ、本格的開始から44回実施、延べ987人が参加したと報告しました。併せて、上記プロセスに関する報告が、2024年度の日本認知症予防学会で、研究者ではない高齢者が認知症予防活動に携わった活動ということで、会長のお名前を冠した浦上賞を拝受したことを添えました。
年度内に実施した共想法体験会等を経て参加した方々も加わり、福岡市、大阪府、東京都、横浜市等の遠隔地と拠点東葛地域の16名の賛助会員と市民研究員の計26名の大所帯になりました。参加1年目の方には共想法の基本の12テーマで参加していただくと共に、年々難易度が上っている年間テーマ:2024年度は「フレイルと認知症予防」も共有しながら、慣れていただく工夫をしていること。、そして事後のオンラインフリートークで親睦を深めつつ、ネットワークの接続不具合によるアクシデント以外は、概ねスムーズな運用に至っていると述べました。
最後に、実施者の負担を軽減する進行の自動化や、遠隔共想法アプリシステムの精度アップが図られれば、実施頻度を上げることができたり、簡便に参加していただくことになり、より多くの人が共想法的生活習慣を効果的に取り入れられるのではないかと、主たる実施者担当としての熱い思いを述べました。
【街歩き共想法 我孫子市 実施報告】

2023年度の流山市本旧市街界隈の街歩き共想法に続いて、2024年10月29日(火)に我孫子市で街歩き共想法を行いました。参加者は、東葛地方の継続コース参加者、大武先生、賛助会員で共想法参加希望者1名と市民研究員の12名。
我孫子駅至近のけやきプラザ11Fの展望台から、我孫子市街や大きな手賀沼やそれに続く利根川はもとより、筑波山や小さく見える東京のスカイツリーなどを俯瞰。大武先生より、街歩き共想法の仕組みについて説明がありました。写真を撮りながら歩くことで、.侫譽ぅ襪陵祝匹砲弔覆ります。認知症になると衰える計画力、注意分割力、体験記憶を活用して底上げし、認知症予防につなげます。さらに、今日撮った写真をその日に共想法で会話することで、認知症の症状の一つである近い過去の物忘れの予防のための活動になります。まさに、一石二鳥、三鳥にもなります。一連の説明後、いよいよ出発です。
杉村楚人冠記念館、講道館の創始者の加納治五郎別荘公園、白樺派の文人の志賀直哉、武者小路実篤などの多くが別荘として住んだゆかりの地を散策。午後からは、手賀沼湖畔我孫子市生涯学習センター「アビスタ」にて、3グループに分かれて共想法を実施し、我孫子市のエピソードを共有。共想法参加検討中の方には、ご理解をいただき、共想法に継続参加いただけるという嬉しい結果となったと、報告を締めくくりました。
【ほのぼの研究所 柏市共想法体験講座 「今から始める認知症予防」実施報告】

共想法は話や文章だけでは、参加のイメージが湧きにくいため、興味を持って頂いた方には、参加している様子を直に見学したり、体験していただくことが必要だと考えられます。2023年度から、自主体験講座を開催していましたが、引き続き2024年度にも、2回実施しました。
1回目は2024年7月2日13:30より「今から始める認知症予防 ロボット体験会」と題して、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の多世代交流スペースにて実施。認知症予防や共想法ついての座学の後、60〜80代の参加者、見学者すべてに「質問を考えることが大切であるも、なかなかそれを考えるのは意外に難しい」ことを体感していただくために、AI搭載のミニぼのちゃんが、30秒の話題写真の説明を聞いた後、4分間の利用者の質問に答えてくれる対話ロボットを体験していただきました。
2回目は、2025年1月31日(金)13:30より、柏市民交流センターパレット柏多目的スペースAにて「今から始める認知症予防 共想法体験会」と題して実施。参加の公募せず 1月18日に大武美保子代表理事・所長が出講した、さわやかちば県民プラザで「ちばアカデミア講座5」のご聴講時に共想法に興味を持たれた方と活動のお仲間や、これまでの弊所のイベントに数多くご参加の柏フレイル予防サポーターとそのお仲間、共想法継続コースへ参加予定の方等へのお声掛けで、近隣の50〜80歳代まで、多世代13名にご参集いただきました。
大武所長の認知症予防と共想法についての座学の後、3グループに分かれて、事前に送付していただいた「好きな食べ物」の写真をもとにロボット司会による共想法を体験していただきました。
なお、この講座をきっかけに、次年度、柏市を中心に市民活動へのICT啓蒙活動などをなさっている団体と連携する嬉しい計画案も生まれ、従来の体験会とは異なる、新しい実りを得ることができました。
なお、最後に、当講座へのご参加のきっかけとなった上述のさわやかちば県民プラザ主催の「ちばアカデミア講座5」「認知症発症を遅らせるAI」〜脳が長持ちする会話を助ける会話支援ロボットの開発〜に関して、県民プラザのオンサイトで、また県内公民館等数か所のサテライト会場と個人のオンラインでと、合わせて100名ほどに視聴いただいたことも報告しました。
【ほのぼの研究所 新事務局の取り組み】

2024年度の目標に掲げていた「実施運営の多世代化→特に40〜50代」に沿って、2024年3月と、同年6月に2名の市民研究員(正会員)が加わりました。理研業務に携わりながら、それぞれ事務局全般、会計業務を担うこととなった両人から業務に関して報告をしました。
事務局担当は、データ管理・会計処理・連絡対応等の事務関連、イベント開催・支援、助成金申請を行っており、新年度の業務として、新しいコラボ企画の運営、新自主事業:「長持ち脳検定」の企画立案・運営、収入源拡大のための施策、instagram・公式Line等のSNS運営・管理に取り組むとしました。
会計担当は、会計管理に関するメーリングリスト・各種申請新テンプレート作成などのルール化を推進、インターネットバンキング、各種データの電子化等に着手。次年度も引き続き、さらに会計業務のIT可を進め、インボイス制度の導入も検討したいと述べました。
PCは一応高齢者にしては使えていても、アナログ色もややある市民研究員は、徐々に新しい風や、効率化を感じるようになった1年でした。新旧相互に意思の疎通、情報交換を密にしながら、より良い方向に向かっていきたいと思います。
【2024年度まとめ・2025年度方針】

まず、例年どおり、共想法の成り立ち、さらに2007年からの研究体制と共想法についての研究成果を、次のように、5年ごとの中期計画に区切り、フェーズごとに述べました。2007年〜種(手法)を苗(サービス)に、2012年〜苗を畑(非営利事業)に、2017年〜畑を試験農園(検証事業)に、2022年〜試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援)。併せてほのぼの研究所の事業の柱(実施・普及・育成・教育・研究)と、現在行われている事業や研究との結びつきについても説明しました。
次いで、下図のように、2024年度の目標として「コロナ禍の2020〜2023年に得られた知見と、実施者や参加者が歳を重ね、時間の流れへの対応が必要である」いうことを踏まえて、掲げた「持続可能なやり方に必要な体制を作る」に対しての総括を行いました。そして、以下のような2025年度の目標「持続可能な体制を作る方法を創る」を掲げ、説明しました。

その後、都合で短縮された質疑応答の時間に、オンサイトで発言の機会のなかった人達が担当事業や報告に関しての意見や感想を述べ、終講となりました。
事後のアンケ―トでは、初めて参加者には、先生の研究や活動への理解を深めるものとして好評を得ました。一方、発表のルールを遵守した進行、質疑応答時間の拡大要望、ハイブリッド開催ならではの、画面資料や音声の視聴に関するご意見をいただきました。今後のよりよい知見共有の場作りの貴重なご意見として、参考にさせていただきます。
オンサイトの理研のAIPセンターの会場には、大武所長、大阪府岸和田市から上京された協働事業者:有限会社ヘルスプロモートのメンバー、理研のスタッフ、お江戸共想法参加者、協働事業者:マカベシルバートピアのメンバー、ほのぼの研究所の市民研究員、また、オンラインでは、継続コースやお江戸共想法に参加の賛助会員の方々、理研関係者、市民研究員等、両サイトで総勢37名が参加しました。

ハイブリッド開催の会場
まず、大武代表理事・所長が共想法を基点に認知症にならない方法について共に考え行動するために設立した当法人の存在意義を確認するともに、1年間得られた知見を持ち寄り、持ち帰り、新しい方法につなげるために行うという開催目的と意義を述べました。また、発表時間を、特別事案以外は1事案10分に設定、質疑応答は事後まとめて行うなど、効率的な時間の使い方の工夫をしての設定であると添えました。次いで、オンサイト参加者が自己紹介を行いました。
以下、それぞれの事業の報告概要を順にご紹介いたします。(標題下記は発表者)
【協働事業者 野花ヘルスプロモート 野花と共想法】
正木慎三・村田智恵、蓑田真澄、新原和

まず、野花ヘルスプロモートと共想法の出会い紹介から始まり、次いで、以下の説明がありました。2023年に、理化学研究所 革新知能統合研究センター 目的指向基盤技術研究グループ認知行動支援技術チームと有限会社 野花ヘルスプロモートと岸和田市とが共同研究契約を締結したこと。この契約の下、三者が協力し、「遠隔会話法を用いた新しい社会参加とその認知機能向上効果に関わる実証研究」を行っていること。2024年度はその2年目として、合計64名の認知症ではない高齢者に対して共想法を行ったこと。そして、その募集から実施までのプロセスが説明されました。
その後、担当メンバー4人それぞれが、遠隔共想法実験の実施者としての体験談を、被験者メンバーの特性や、共想法の話題テーマによる参加者の反応の違い等を交えて述べ、効果的に参加してもらうための工夫の成果を報告しました。
当初は、被験者から参加をネガティブに感じるような声もあったようですが、嬉しいことに終盤では、共想法参加のための定期的な外出や話題探し、写真撮影などの生活習慣がつき、果たして同年代のとの交流にも結びつき、アクティブな生活につながる貴重な経験であったと言われるようになったとのこと。
次年度はこうした声を追い風に、「岸和田市に共想法を定着させる」課題に向かって、2023〜2024年度の被験者を基点に、対面の共想法継続コースへの参加案内をしていくと抱負の述べ、報告を締めくくりました。
【お江戸共想法2024年度共想法実施報告】
山藤千賀子・齋藤千鶴子・渡辺俊子・木口喜由江・阿部光夫・市毛正人

山藤さんの司会で、日本橋を拠点とするグループの報告は、毎月第三水曜日に行っている遠隔共想法の延べ参加者数が204名に及ぶ、とまず実施報告をしました。次に、斎藤さんが、一昨年度末に行った日本橋、そして今年度の軽井沢との2回の街歩き共想法の報告をしました。そして上記に続く4名それぞれが、共想法に参加した動機や、その後の気持ちや生活の変化などを述べるという、バラエティ豊かな報告形式でした。
メンバーが司会を行うようになり、ネットワーク不備などのトラブル時対応のための理研窓口とのつながり構築が進んだことに続き、今後は実施時の役割分担を見直して、自主運営の精度を上げるとしました。また、大武所長の新著『脳が長持ちする会話』を活用して、共想法の周知・啓蒙活動を活動すると抱負を述べました。
【協働事業者 マカべシルバートピアの活動報告】
マカベ―シルバートピア・市民研究員 永田映子

2011年のスタートから2024年8月の終了までの13年間、単身、先例のない手探り状態で老人保健施設の通所・入居の方々に対して、月4回6か月を1期として21期をなし遂げた経緯とそこから得られた知見を総括しました。
未だに施設では収束の見えないコロナ禍でもあるとのことですが、そうした苦難が続くも、殆ど脱落者もなく60歳代〜100歳までの男性16名、女性49名の参加者へ、参加しやすさへの配慮を重ね、介護施設としては大変手間や困難の多い実施を貫徹したこと。さらに、実施場所の安全なペースの確保と参加者の高齢化、フレイル化への懸念や、自らのライフステージへの確固とした信念をもって、上手な幕引に及んだことは、実に見事だと感じました。
また、その13年間のプロセスや得られた知見を、決められた発表持ち時間10分の間に簡潔、かつ淡々と語る姿は敬服に当たるものでした。事後のアンケートでは、野花の共想法の発表と並び、さらに詳細な情報を共有したいという声が多く挙がりました。
実施終了後は13年間の研究の総括に着手しているとのこと、素晴らしい論文の完成を待ちたいと思います。
【ほのぼの研究所 講演会2024年度講演会(ブログ)実施報告】
市民研究員 長久秀子

まず、コロナ禍3年間続けたオンライン形式が、コロナが第五類の伝染病に分類された2023年度にはハイブリッド形式へ、そして、2024年度は運営上の支障の少ないオンサイト形式へと開催形式の変遷を述べました。
2024年に開催した2回の講演会について、以下の通り報告しました。8月開催の設立記念講演会「創造的に老いる」は、理研との共催、日本橋理研のオープンスペースでの開催、事前のビデオ対談鑑賞、ミニ対談、アンケートに基づくミニワークショップの構成と、初めてづくしであったこと。12月の拠点エリアパレット柏でのクリスマス講演会は、大武所長の著書出版記念「脳が長持ちする会話」とし、弊所理事の招待講演講師:西村拓一先生のダンスデモやフレイル予防のダンス指導で、参加者との交流や一体感が深まったこと。
そして、ハイブリッド・オンサイト講演会では、講話や講師への関心度や魅力度はもとより、アクセスの良さも、参加動機の大切なポイントであり、地元エリアでのイベント参加者や関連研究被験者への積極的な働きかけが、継続参加、新規参加拡大に繋がっていることも述べました。
最後に、設立以来継続開催をしている講演会は、曲がりなりにも毎回9割近くの高評価で、「役立つ情報を得られた」と好評を得ています。そのため、弊所の認知症予防・共想法の啓蒙事業の柱としてできる限り継続していきたいと思っています。そのためには、所内の情報共有の精度と頻度を高め、万全な準備を持って臨むことを課題としていきたいと述べました。
併せて、毎週日曜日に研究員が輪番でほのぼの研究所のイベント等のお知らせや共想法の話題を紹介している「ほの研ブログ」配信報告を、担当として報告しました。
【ほのぼの研究所継続コース】
市民研究員 魚谷茜

コロナ禍の2020年の6月から、遠隔共想法のアプリの開発進度に応じて、理研の強力なサポートのもと、共に試行錯誤やトレーニングにも励み、進んできた準備プロセスを述べ、本格的開始から44回実施、延べ987人が参加したと報告しました。併せて、上記プロセスに関する報告が、2024年度の日本認知症予防学会で、研究者ではない高齢者が認知症予防活動に携わった活動ということで、会長のお名前を冠した浦上賞を拝受したことを添えました。
年度内に実施した共想法体験会等を経て参加した方々も加わり、福岡市、大阪府、東京都、横浜市等の遠隔地と拠点東葛地域の16名の賛助会員と市民研究員の計26名の大所帯になりました。参加1年目の方には共想法の基本の12テーマで参加していただくと共に、年々難易度が上っている年間テーマ:2024年度は「フレイルと認知症予防」も共有しながら、慣れていただく工夫をしていること。、そして事後のオンラインフリートークで親睦を深めつつ、ネットワークの接続不具合によるアクシデント以外は、概ねスムーズな運用に至っていると述べました。
最後に、実施者の負担を軽減する進行の自動化や、遠隔共想法アプリシステムの精度アップが図られれば、実施頻度を上げることができたり、簡便に参加していただくことになり、より多くの人が共想法的生活習慣を効果的に取り入れられるのではないかと、主たる実施者担当としての熱い思いを述べました。
【街歩き共想法 我孫子市 実施報告】
市民研究員 根岸勝壽

2023年度の流山市本旧市街界隈の街歩き共想法に続いて、2024年10月29日(火)に我孫子市で街歩き共想法を行いました。参加者は、東葛地方の継続コース参加者、大武先生、賛助会員で共想法参加希望者1名と市民研究員の12名。
我孫子駅至近のけやきプラザ11Fの展望台から、我孫子市街や大きな手賀沼やそれに続く利根川はもとより、筑波山や小さく見える東京のスカイツリーなどを俯瞰。大武先生より、街歩き共想法の仕組みについて説明がありました。写真を撮りながら歩くことで、.侫譽ぅ襪陵祝匹砲弔覆ります。認知症になると衰える計画力、注意分割力、体験記憶を活用して底上げし、認知症予防につなげます。さらに、今日撮った写真をその日に共想法で会話することで、認知症の症状の一つである近い過去の物忘れの予防のための活動になります。まさに、一石二鳥、三鳥にもなります。一連の説明後、いよいよ出発です。
杉村楚人冠記念館、講道館の創始者の加納治五郎別荘公園、白樺派の文人の志賀直哉、武者小路実篤などの多くが別荘として住んだゆかりの地を散策。午後からは、手賀沼湖畔我孫子市生涯学習センター「アビスタ」にて、3グループに分かれて共想法を実施し、我孫子市のエピソードを共有。共想法参加検討中の方には、ご理解をいただき、共想法に継続参加いただけるという嬉しい結果となったと、報告を締めくくりました。
【ほのぼの研究所 柏市共想法体験講座 「今から始める認知症予防」実施報告】
市民研究員 松村光輝

共想法は話や文章だけでは、参加のイメージが湧きにくいため、興味を持って頂いた方には、参加している様子を直に見学したり、体験していただくことが必要だと考えられます。2023年度から、自主体験講座を開催していましたが、引き続き2024年度にも、2回実施しました。
1回目は2024年7月2日13:30より「今から始める認知症予防 ロボット体験会」と題して、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の多世代交流スペースにて実施。認知症予防や共想法ついての座学の後、60〜80代の参加者、見学者すべてに「質問を考えることが大切であるも、なかなかそれを考えるのは意外に難しい」ことを体感していただくために、AI搭載のミニぼのちゃんが、30秒の話題写真の説明を聞いた後、4分間の利用者の質問に答えてくれる対話ロボットを体験していただきました。
2回目は、2025年1月31日(金)13:30より、柏市民交流センターパレット柏多目的スペースAにて「今から始める認知症予防 共想法体験会」と題して実施。参加の公募せず 1月18日に大武美保子代表理事・所長が出講した、さわやかちば県民プラザで「ちばアカデミア講座5」のご聴講時に共想法に興味を持たれた方と活動のお仲間や、これまでの弊所のイベントに数多くご参加の柏フレイル予防サポーターとそのお仲間、共想法継続コースへ参加予定の方等へのお声掛けで、近隣の50〜80歳代まで、多世代13名にご参集いただきました。
大武所長の認知症予防と共想法についての座学の後、3グループに分かれて、事前に送付していただいた「好きな食べ物」の写真をもとにロボット司会による共想法を体験していただきました。
なお、この講座をきっかけに、次年度、柏市を中心に市民活動へのICT啓蒙活動などをなさっている団体と連携する嬉しい計画案も生まれ、従来の体験会とは異なる、新しい実りを得ることができました。
なお、最後に、当講座へのご参加のきっかけとなった上述のさわやかちば県民プラザ主催の「ちばアカデミア講座5」「認知症発症を遅らせるAI」〜脳が長持ちする会話を助ける会話支援ロボットの開発〜に関して、県民プラザのオンサイトで、また県内公民館等数か所のサテライト会場と個人のオンラインでと、合わせて100名ほどに視聴いただいたことも報告しました。
【ほのぼの研究所 新事務局の取り組み】
市民研究員 三浦真代・渡部はるか

2024年度の目標に掲げていた「実施運営の多世代化→特に40〜50代」に沿って、2024年3月と、同年6月に2名の市民研究員(正会員)が加わりました。理研業務に携わりながら、それぞれ事務局全般、会計業務を担うこととなった両人から業務に関して報告をしました。
事務局担当は、データ管理・会計処理・連絡対応等の事務関連、イベント開催・支援、助成金申請を行っており、新年度の業務として、新しいコラボ企画の運営、新自主事業:「長持ち脳検定」の企画立案・運営、収入源拡大のための施策、instagram・公式Line等のSNS運営・管理に取り組むとしました。
会計担当は、会計管理に関するメーリングリスト・各種申請新テンプレート作成などのルール化を推進、インターネットバンキング、各種データの電子化等に着手。次年度も引き続き、さらに会計業務のIT可を進め、インボイス制度の導入も検討したいと述べました。
PCは一応高齢者にしては使えていても、アナログ色もややある市民研究員は、徐々に新しい風や、効率化を感じるようになった1年でした。新旧相互に意思の疎通、情報交換を密にしながら、より良い方向に向かっていきたいと思います。
【2024年度まとめ・2025年度方針】

ほのぼの研究所 代表理事・所長 大武美保子
まず、例年どおり、共想法の成り立ち、さらに2007年からの研究体制と共想法についての研究成果を、次のように、5年ごとの中期計画に区切り、フェーズごとに述べました。2007年〜種(手法)を苗(サービス)に、2012年〜苗を畑(非営利事業)に、2017年〜畑を試験農園(検証事業)に、2022年〜試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援)。併せてほのぼの研究所の事業の柱(実施・普及・育成・教育・研究)と、現在行われている事業や研究との結びつきについても説明しました。
次いで、下図のように、2024年度の目標として「コロナ禍の2020〜2023年に得られた知見と、実施者や参加者が歳を重ね、時間の流れへの対応が必要である」いうことを踏まえて、掲げた「持続可能なやり方に必要な体制を作る」に対しての総括を行いました。そして、以下のような2025年度の目標「持続可能な体制を作る方法を創る」を掲げ、説明しました。

その後、都合で短縮された質疑応答の時間に、オンサイトで発言の機会のなかった人達が担当事業や報告に関しての意見や感想を述べ、終講となりました。
事後のアンケ―トでは、初めて参加者には、先生の研究や活動への理解を深めるものとして好評を得ました。一方、発表のルールを遵守した進行、質疑応答時間の拡大要望、ハイブリッド開催ならではの、画面資料や音声の視聴に関するご意見をいただきました。今後のよりよい知見共有の場作りの貴重なご意見として、参考にさせていただきます。
市民研究員 長久秀子
2025年1月31日(金)13:30より、柏市文化交流総合施設パレット柏多目的スペースAにて、ほのぼの研究所主催の「今から始める認知症予防 共想法体験会」を開催しました。このような体験型講座は、コロナ禍以降、オンライン中心の活動が中心になり、新しいお仲間にお目にかかる機会が減少してしまったのを取り返す意味もあります。座学やデモンストレーションをご覧いただくたけでは、とかくイメージの湧きにくい共想法を、共想法の手法の詳細ご説明と共に、直接ロボットを使う体験を通して理解を深めていただきたいと、昨年度来、開催しているものです。2024年度の開催は、昨年7月の、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)で開催した「今から始める認知症予防 ロボット体験会」に次ぎ、2回目となりました。
今体験会は、準備期間が限られていたこともあり、広く公募はいたしませんでした。代わりに、比較的直近でご縁があった方に直接お声掛けしました。1月18日に大武美保子代表理事・所長が出講した、さわやかちば県民プラザでの「ちばアカデミア講座5」をご聴講時に共想法に興味を持たれた方と、主宰していらっしゃる活動のお仲間の方々。これまでのほのぼの研究所のイベントに数多くご参加経験のある、柏フレイル予防サポーターとそのお仲間。近々共想法継続コースへ参加される方、等。近隣にお住まいの方を中心に、50〜80歳代まで、多世代13名にご参集いただきました。
大武代表理事・所長の開会挨拶に続き、座学として、認知症予防に効果的な2つのアプローチについて、下図のように説明しました。

認知症予防に効果的なアプローチ
そして、共想法は【認知的アプローチ】であり、色々な角度から認知機能を活用するばかりでなく、食事や健康に関するテーマに取り組むことで、生理的アプローチにもつながること。また、この手法を取り入れた生活習慣を続けることが、予防につながると述べました。続いて、共想法の参加手順や、そのプロセスごとに活用できる認知機能について説明を行いました。

共想法に関する座学
次いで、いよいよ共想法体験に移りました。テーマは「好きな食べ物」、共想法に使う写真は、事前にメールで送っていただき、現物をご持参いただいた方には、研究員がその撮影やシステムへの登録をお手伝いさせていただきました。
参加者は3グループに分かれ、自己紹介をした後に、早速ロボットぼのちゃん司会による共想法体験(写真1枚、話題提供1分、質疑応答2分)が、いよいよスタート。

参加者の共想法体験
設定していたテーマは「好きな食べ物」でしたが、果たして、ご自身の好物ばかりでなく、ご自身、ご家族との食生活や食事作りの紹介、お取り寄せやお土産でとても気に入った、美しく素材が斬新な和菓子や果物、旅行先やお出かけ先での多彩なお膳、ご実家の思い出深いお菓子、嬉しかったお祝いのケーキ等々、日常・非日常双方の「食」シーンが様々な切り口で披露された印象を持ちました。そして、どなたもが、健康を意識されながら、日々の「食」を大いに楽しんでいらっしゃることを、拝察することができました。
共想法の体験では、ご参加の皆様には、興味を持たれた話題が多いとみえ、「感想」ではなく、熱心で活発な「質問」満載の共想法として、理想的な質疑応答が繰り広げられ、見学者ともども和やかで楽しい時間となりました。そしてパンクチュアルなロボットの司会で時間切れとなったその流れは、閉講後の懇親にもつながっていきました。
なお、懇親の時間に、お仲間大勢でご参加いただきました、柏市を中心に市民活動へのICT啓蒙活動などをなさっている、虹色未来大学という団体の活動と連携する企画を、次年度に行うという嬉しい計画案も生まれました。体験会実施でのこれまでとは異なる、新しい実りを得ることができました。
今回の体験会は、共想法に事前にご興味を持ってご参加なさった方と、その方のお誘いで、共想法への事前情報をあまりお持ちでない方の、両方がご参加下さいました。事後のアンケートでは、役立つ情報が得られ、共想法体験を含めて、参加者との交流や情報交換ができて、楽しい時をすごされた方が多いとみえ、体験会全体としてはご満足いただけたようでした。また、パレット柏という駅近の利便性の良いところでの開催や、参加料無料も、ご参加誘因の大きな要素であることも明らかになりました。
併せて、ロボット等の機器トラブルを僅少に抑えたり、参加者の共想法のご興味度レベルに関わらず、その楽しさを効果的に伝える体験方法など、今後のよりよい運営への、忌憚のないアドバイスやご提案もいただきました。今回いただいた有難く貴重なご意見を、今後にぜひ活かしてきたいと思います。
今体験会は、準備期間が限られていたこともあり、広く公募はいたしませんでした。代わりに、比較的直近でご縁があった方に直接お声掛けしました。1月18日に大武美保子代表理事・所長が出講した、さわやかちば県民プラザでの「ちばアカデミア講座5」をご聴講時に共想法に興味を持たれた方と、主宰していらっしゃる活動のお仲間の方々。これまでのほのぼの研究所のイベントに数多くご参加経験のある、柏フレイル予防サポーターとそのお仲間。近々共想法継続コースへ参加される方、等。近隣にお住まいの方を中心に、50〜80歳代まで、多世代13名にご参集いただきました。
大武代表理事・所長の開会挨拶に続き、座学として、認知症予防に効果的な2つのアプローチについて、下図のように説明しました。

認知症予防に効果的なアプローチ
そして、共想法は【認知的アプローチ】であり、色々な角度から認知機能を活用するばかりでなく、食事や健康に関するテーマに取り組むことで、生理的アプローチにもつながること。また、この手法を取り入れた生活習慣を続けることが、予防につながると述べました。続いて、共想法の参加手順や、そのプロセスごとに活用できる認知機能について説明を行いました。

共想法に関する座学
次いで、いよいよ共想法体験に移りました。テーマは「好きな食べ物」、共想法に使う写真は、事前にメールで送っていただき、現物をご持参いただいた方には、研究員がその撮影やシステムへの登録をお手伝いさせていただきました。
参加者は3グループに分かれ、自己紹介をした後に、早速ロボットぼのちゃん司会による共想法体験(写真1枚、話題提供1分、質疑応答2分)が、いよいよスタート。

参加者の共想法体験
設定していたテーマは「好きな食べ物」でしたが、果たして、ご自身の好物ばかりでなく、ご自身、ご家族との食生活や食事作りの紹介、お取り寄せやお土産でとても気に入った、美しく素材が斬新な和菓子や果物、旅行先やお出かけ先での多彩なお膳、ご実家の思い出深いお菓子、嬉しかったお祝いのケーキ等々、日常・非日常双方の「食」シーンが様々な切り口で披露された印象を持ちました。そして、どなたもが、健康を意識されながら、日々の「食」を大いに楽しんでいらっしゃることを、拝察することができました。
共想法の体験では、ご参加の皆様には、興味を持たれた話題が多いとみえ、「感想」ではなく、熱心で活発な「質問」満載の共想法として、理想的な質疑応答が繰り広げられ、見学者ともども和やかで楽しい時間となりました。そしてパンクチュアルなロボットの司会で時間切れとなったその流れは、閉講後の懇親にもつながっていきました。
なお、懇親の時間に、お仲間大勢でご参加いただきました、柏市を中心に市民活動へのICT啓蒙活動などをなさっている、虹色未来大学という団体の活動と連携する企画を、次年度に行うという嬉しい計画案も生まれました。体験会実施でのこれまでとは異なる、新しい実りを得ることができました。
今回の体験会は、共想法に事前にご興味を持ってご参加なさった方と、その方のお誘いで、共想法への事前情報をあまりお持ちでない方の、両方がご参加下さいました。事後のアンケートでは、役立つ情報が得られ、共想法体験を含めて、参加者との交流や情報交換ができて、楽しい時をすごされた方が多いとみえ、体験会全体としてはご満足いただけたようでした。また、パレット柏という駅近の利便性の良いところでの開催や、参加料無料も、ご参加誘因の大きな要素であることも明らかになりました。
併せて、ロボット等の機器トラブルを僅少に抑えたり、参加者の共想法のご興味度レベルに関わらず、その楽しさを効果的に伝える体験方法など、今後のよりよい運営への、忌憚のないアドバイスやご提案もいただきました。今回いただいた有難く貴重なご意見を、今後にぜひ活かしてきたいと思います。
市民研究員 松村光輝
2025年1月18日14時より、大武美保子代表理事・所長が、千葉県柏市柏の葉のさわやかちば県民プラザ大研修室にて開講の、ちばアカデミア講座5「認知症発症を遅らせるAI」〜脳が長持ちする会話を助ける会話支援ロボットの開発〜に出講いたしました。併せて共想法デモンストレーション等を行うため、市民研究員の根岸勝壽、松村光輝、鈴木晃、吉田美枝子が参加いたしました。
「ちばアカデミア講座」は 県民の生涯学習、現代的課題にふれる機会に資することを目的として、さわやかちば県民プラザが年に5回、県内外の国立研究機関・大学・文化施設・各種団体等と連携し、県民に最先端科学技術や経済・文化・教育・環境・健康・安全・食生活等に関する情報提供や講演を行うものです。

講座案内チラシ
2025年に入っても暖冬傾向が続いておりましたが、当日は快晴ではありましたが、平年並みの最高気温10度以下の寒さのなか、会場の大研修室には早々に多くの皆様にご参集いただきました。当講座は、さわやかちば県民プラザのオンサイト会場に加えて、県内の旭市民会館、千葉市の長作公民館、みつわ台公民館、緑が丘公民館、千葉市生涯学習センターの5か所のサテライト会場、そして県内外のオンライン受講と合せて約120名の方々に視聴していただきました。

さわやかちば県民プラザ大研修室(オンサイト会場)の受講者

千葉市生涯学習センタ−(サテライト会場)の受講者
定刻に、さわやかちば県民プラザ事業振興課の工藤様よる開会のご挨拶、オリエンテーションの後、早速講座が始まりました。
導入として、認知症とは「脳や身体の疾患を原因して、記憶・判断力などの障害がおこり、社会生活が送れなくなった状態」であるという定義を述べました。加えて、認知機能が社会生活を送るのに必要なレベルを下回らなければ認知症発症ではないこと、「認知症予防」というのは、対応可能なリスク要因をできるだけとりのぞくと共に、色々な変化が起こったとしてもその発症やその進行の速度を遅らせることであると、概念についても添えました。
次いで、認知症の原因の大部分を占める、アルツハイマー病と脳血管障害を予防する方法について述べました。下図のように、神経病理変化の進行(脳と身体の老化)を遅らせるための【生理的アプローチ】と、神経病理変化の影響を減らす(脳と身体が老化しても認知機能低下を遅らせる【認知的アプローチ】の2つがあると説明、その具体的方法を説きました。

認知症(アルツハイマー病)の予防:2つのアプローチ
また、アルツハイマー病の病変があっても、神経細胞の繋がり維持されていたために、認知症の症状が現れない人や、アルツハイマー病の病変がなく、脳に萎縮が見られない人がいて、その人達の言語能力が優れていたという研究:「ナンスタディ」を紹介。この研究は、大武所長が、会話の言語的特徴が認知機能に関係することに注目した研究を進めるきっかけともなりました。そして、認知症の祖母との会話をきっかけに考案した「脳が長持ちする会話」を助ける「共想法」について説明しました。

「脳が長持ちする会話」を助ける「共想法」
その後、共想法のイメージをつかんでいただくために、研究員4人が「今年したいこと」をテーマにした共想法のデモンストレーションをご覧に入れ、それぞれが「歩くこと」、「断捨離」、「ジムでの運動の継続」、「グランドゴルフ」について話題提供、質疑応答を行いました。
市民研究員による共想法デモンストレーション
10分休憩の後は、「共想法にかかわるAIロボット」のテーマに則り、大武所長が携わっている「脳が長持ちする社会の実現」を目的する研究とその目標を述べた後、司会進行と発話制御機能を有する【グループ会話支援ロボット】や、時間になるとロボットが話題提供を始め、その後に利用者からの質問を受ける【対話支援ロボット】を紹介し、それらを用いた認知機能に関わる知見の進捗を説明、また現在はスマートフォン・タブレットを用いた遠隔会話支援システムを使用して、共想法による会話サービスを継続していることを紹介しました。

「共想法」に立脚した会話・対話支援ロボット
最後に、各種SNSや近著『脳が長持ちする会話』による認知症予防に関する情報の提供、並びにほのぼの研究所の皆様に参加いただける各種イベントを含めた活動や、広報ツールについても紹介させていただきました。折りしも、1月31日にパレット柏にて開催予定の「今から始める認知症予防 共想法体験会」についてご案内させていただきましたところ、果たして早速数名の方からお申し込みをいただき、大変ありがたいことでした。
その後、受講媒体に応じて適宜アンケートにご回答いただき、無事終講となりました。
なお、当講座開講に際して、大変ご尽力いただきました、さわやかちば県民プラザ事業振興課の皆様、サテライト視聴会場を設けて下さった各施設の皆様に、改めて、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
「ちばアカデミア講座」は 県民の生涯学習、現代的課題にふれる機会に資することを目的として、さわやかちば県民プラザが年に5回、県内外の国立研究機関・大学・文化施設・各種団体等と連携し、県民に最先端科学技術や経済・文化・教育・環境・健康・安全・食生活等に関する情報提供や講演を行うものです。

講座案内チラシ
2025年に入っても暖冬傾向が続いておりましたが、当日は快晴ではありましたが、平年並みの最高気温10度以下の寒さのなか、会場の大研修室には早々に多くの皆様にご参集いただきました。当講座は、さわやかちば県民プラザのオンサイト会場に加えて、県内の旭市民会館、千葉市の長作公民館、みつわ台公民館、緑が丘公民館、千葉市生涯学習センターの5か所のサテライト会場、そして県内外のオンライン受講と合せて約120名の方々に視聴していただきました。

さわやかちば県民プラザ大研修室(オンサイト会場)の受講者

千葉市生涯学習センタ−(サテライト会場)の受講者
定刻に、さわやかちば県民プラザ事業振興課の工藤様よる開会のご挨拶、オリエンテーションの後、早速講座が始まりました。
導入として、認知症とは「脳や身体の疾患を原因して、記憶・判断力などの障害がおこり、社会生活が送れなくなった状態」であるという定義を述べました。加えて、認知機能が社会生活を送るのに必要なレベルを下回らなければ認知症発症ではないこと、「認知症予防」というのは、対応可能なリスク要因をできるだけとりのぞくと共に、色々な変化が起こったとしてもその発症やその進行の速度を遅らせることであると、概念についても添えました。
次いで、認知症の原因の大部分を占める、アルツハイマー病と脳血管障害を予防する方法について述べました。下図のように、神経病理変化の進行(脳と身体の老化)を遅らせるための【生理的アプローチ】と、神経病理変化の影響を減らす(脳と身体が老化しても認知機能低下を遅らせる【認知的アプローチ】の2つがあると説明、その具体的方法を説きました。

認知症(アルツハイマー病)の予防:2つのアプローチ
また、アルツハイマー病の病変があっても、神経細胞の繋がり維持されていたために、認知症の症状が現れない人や、アルツハイマー病の病変がなく、脳に萎縮が見られない人がいて、その人達の言語能力が優れていたという研究:「ナンスタディ」を紹介。この研究は、大武所長が、会話の言語的特徴が認知機能に関係することに注目した研究を進めるきっかけともなりました。そして、認知症の祖母との会話をきっかけに考案した「脳が長持ちする会話」を助ける「共想法」について説明しました。

「脳が長持ちする会話」を助ける「共想法」
その後、共想法のイメージをつかんでいただくために、研究員4人が「今年したいこと」をテーマにした共想法のデモンストレーションをご覧に入れ、それぞれが「歩くこと」、「断捨離」、「ジムでの運動の継続」、「グランドゴルフ」について話題提供、質疑応答を行いました。

市民研究員による共想法デモンストレーション
10分休憩の後は、「共想法にかかわるAIロボット」のテーマに則り、大武所長が携わっている「脳が長持ちする社会の実現」を目的する研究とその目標を述べた後、司会進行と発話制御機能を有する【グループ会話支援ロボット】や、時間になるとロボットが話題提供を始め、その後に利用者からの質問を受ける【対話支援ロボット】を紹介し、それらを用いた認知機能に関わる知見の進捗を説明、また現在はスマートフォン・タブレットを用いた遠隔会話支援システムを使用して、共想法による会話サービスを継続していることを紹介しました。

「共想法」に立脚した会話・対話支援ロボット
最後に、各種SNSや近著『脳が長持ちする会話』による認知症予防に関する情報の提供、並びにほのぼの研究所の皆様に参加いただける各種イベントを含めた活動や、広報ツールについても紹介させていただきました。折りしも、1月31日にパレット柏にて開催予定の「今から始める認知症予防 共想法体験会」についてご案内させていただきましたところ、果たして早速数名の方からお申し込みをいただき、大変ありがたいことでした。
その後、受講媒体に応じて適宜アンケートにご回答いただき、無事終講となりました。
なお、当講座開講に際して、大変ご尽力いただきました、さわやかちば県民プラザ事業振興課の皆様、サテライト視聴会場を設けて下さった各施設の皆様に、改めて、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
市民研究員 松村光輝

三浦半島 馬の背洞門
あけましておめでとうございます
旧年は、認知症予防を当事者の視点で研究するNPO法人ほのぼの研究所にとって、大きな飛躍に向けた一歩を踏み出す年となりました。
9月に、市民研究員3名と所長1名の計4名が、第13回日本認知症予防学会学術集会に参加発表しました。その中で、市民研究員による発表「高齢者の認知機能低下を防ぐために当事者の声を反映して開発した認知症予防会話手法共想法の遠隔アプリ」が、優秀な発表に対して贈られる「浦上賞」を受賞しました。ほのぼの研究所における当事者研究が、学術的にお認め頂けたことを嬉しく思います。10月には、当研究所所長である私が、「認知的健康につながるコミュニケーション支援技術の開発」の研究により、第23回ドコモ・モバイル・サイエンス賞 社会科学部門 選考委員特別賞を受賞しました。認知的健康のための基盤技術である会話支援手法「共想法」は、2006年10月に考案してから、18年になります。この間の活動を支えて下さっている皆様に、心より感謝申し上げます。
認知症予防の当事者は、高齢者だけでなく、その前の、40〜50代を中心とする全世代であることから、40〜50代の方に、市民研究員として当研究所の運営にご参加頂き、多世代で運営する体制を構築しました。12月には、40〜50代を中心とする多世代に向けた書籍「脳が長持ちする会話」を出版しました。幅広い世代に、自分事として興味を持っていただけるよう、認知症予防を「脳が長持ち」と言い換える工夫をしました。ビジネス書、実用書の位置づけで、ビジネスパーソンや高齢者が、仕事や日常の会話で使えるノウハウをまとめました。2025年の40〜50代が、2050年に60〜80代になった時に、脳が長持ちしている人が大半を占める社会を実現して参りたいと思います。
8月には、『老いの失敗学』を出版された、畑村洋太郎先生をお迎えし、「創造的に老いる」をテーマに、設立記念講演会を開催しました。老いの当事者である畑村先生に配慮して、対談を事前収録した上で、当日、対談動画を一緒に見ながら会場でさらに対談をしました。当事者の視点での研究が重要という畑村先生の考え方は、当事者研究拠点であるほのぼの研究所の基礎となるもので、その原点を確かめることができました。12月には、書籍『脳が長持ちする会話』出版を記念するクリスマス講演会を開催し、書籍の内容を紹介する基調講演と、共想法実演を交えた対談をしました。
コロナ禍によりストップしていた出前講座が復活したことは、特記すべきことです。千葉県生涯大学校卒業生が、自主的に運営している生涯学習サークル「柏シルバー大学院」から、出講の依頼がありました。5月にC組、7月にB組を対象に、それぞれ約100名ずつの方にご参加頂き、会話による認知症予防についてお伝えしました。東京都西東京市から、認知症予防事業「脳とからだの健康教室」への出講依頼があり、食事や運動など、認知症予防について学ぶ全7回で構成される講座の1回を、合計3クール担当することとなりました。10月に第1クール、12月に第2クールを開催、今年2月に第3クールが開催される予定です。
初めての方に共想法を体験頂くために、「今から始める認知症予防」と題する体験講座を、柏市教育福祉会館「ラコルタ柏」にて、1月、3月、7月に対面で開催しました。また、街歩きと共想法を組み合わせた街歩き共想法を、10月に千葉県我孫子市で開催しました。この他、理化学研究所が主催、当研究所は研究協力という形で、6月に大阪府岸和田市、7月に長野県軽井沢町で、街歩き共想法を開催しました。体験講座、街歩き共想法参加者の中から、共想法継続コースへの継続参加ご希望の方が現れました。
新年は、千葉県の生涯学習、芸術文化センターである、さわやかちば県民プラザ主催「ちばアカデミア講座」への出前講座から始まります。新年は、運営の多世代化と共に多世代を対象とする体験イベントにも挑戦し、引き続き、新たな仲間を見つけるための活動、仕組みづくりに取り組んで参りたいと思います。2025年を「長持ち脳会話」元年として参ります。本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武 美保子
2024年12月3日(火)13時30分より、柏市文化・交流総合施設パレット柏のミーティングルームABCにおいて、ほのぼの研究所クリスマス講演会を開催いたしました。昨年度2回開催した講演会と同様、柏市が指定する健康づくりやフレイル予防などの活動への参加や、ボランティア活動をすることでポイントが貯まる「柏フレイル予防ポイント事業」として、承認された事業としました。

講演会案内チラシ
案内期間が短く、案じておりましたが、久方ぶりのお住まいの近くでの開催でもあったからでしょうか、これまでの弊所の足元エリアでの共想法やイベントにご参加、協働の方々、古くからの賛助会員様、チラシをご覧下さった拠点東葛エリアからの方々を中心に、東京都、埼玉県の共想法にご興味をお持ちの方々、そして出版関係と、多くの皆様にご参集いただけましたことは、大変ありがたいことでした。
例年なら、師走初旬には、それなりの寒さ到来も予想されましたが、当日は珍しくうららなかなお日和に恵まれ、会場は早々ににぎやかな雰囲気に包まれました。

ご参集の皆様
なお、今回は12月20日に大武美保子弊所代表理事・所長が上梓いたしました『脳が長持ちする会話』出版記念を兼ねたクリスマス講演会といたしました。

『脳が長持ちする会話』
そのため、いつもとはやや趣向を変え、対談とお楽しみワークショップのご指導の講師として、石川県能美市にある、北陸先端科学技術大学院大学大学教授(理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員・ほのぼの研究所理事)である西村拓一先生をお招きして、以下3部形式で行いました。

西村 拓一先生
1)基調講演「脳が長持ちする会話」 講師:大武美保子
2)対談「一生使える脳を創ろう」 西村拓一先生・大武美保子
3)お楽しみワークショップ・交流会
開会に際して、まずは来賓の柏市議会議員の上橋しほと様よりご挨拶をいただきました。弊所監事を長く勤められている、前上橋泉柏市議会議員のご子息で、新進気鋭の上橋しほと様からは、新著出版のお祝いのお言葉をいただきました。そして、柏市のフレイル予防活動のご紹介と、ご自身が開かれている市民とのサロン活動に、当日の講話の極意を活かしていきたいという抱負が述べられました。

ご来賓:上橋しほと 柏市議会議員
次いで、大武代表理事・所長の開会挨拶です。ほのぼの研究所における認知症予防の研究は当事者研究をベースとしており、本講演会もその一環として位置づけていると述べました。この講演会における参加者の方々とのふれあいも大きな糧にしたいとお伝えしました。併せて、書籍の出版は、皆様との活動の成果であると、謝意を伝えました。
基調講演の「脳が長持ちする会話」では、認知症になり、同じ話ばかりする祖母の記憶が、会話によって呼び覚ませることに気付いたこと、「共想法」という会話支援手法を2006年に考案したことが、会話による認知症予防の研究に着手したきっかけであると述べました。

基調講演
そして、2008年に実践研究野の拠点として、NPO法人ほのぼの研究所を設立し、フィールドワークを続け、さらに2017年より、共想法により「工学的に脳をどのように使えば、長持ちするのか」という実践研究を一貫して行ってきたと伝えました。そして、人間の知能を育む人工知能についての基礎研究を、理化学研究所の革新知能統合研究センターで行っているという、研究プロセスを述べました。
事後共想法の効果検証を重ねた結果、ひとまず、共想法的な会話が脳を長持ちすることに貢献しそうであるということがわかったため、今般「脳を長持ちする会話」と題した本を出版するに至った経緯を語り、脳を長持ちする会話である共想法の手法や実験結果を交えながら、下図のように説明しました。

脳が長持ちする会話ー共想法の説明
併せて、長きにわたる当事者をベースに研究を重ねて得られた結果から、老化が顕在し始める40〜50代の方々に脳を活用する会話を実践し、脳が長持ちするように、日常的に役立ててほしいと、出版するに至った著書のトピックをいくつか挙げて、その内容を紹介しました。

認知症リスクが高まる会話と脳が長持ちする会話…本書より編集
続くプログラムは「一生使える脳を創ろう」と題した西村拓一先生との対談。
西村先生は1992年東京大学工学系大学院修士(計測工学)課程修了、産業技術研究所入所、人間拡張研究センター上席主任研究員等を経て、2022年より北陸先端科学技術大学院大学 トランスフォーマティブ知識経営領域教授、副研究科長、ビジョンオリエンテッド研究センター長に就かれているほか、理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員であり、NPO法人ほのぼの研究所の理事も務めて下さっています。専門は学習支援システム, ヒューマンインタフェース、インタラクション, 制御、システム工学, 知能情報学で、博士(工学)の学位をお持ちです。健康増進や介護予防に資するダンスの身体動作分析、製造業や教育などのサービス現場における、人の活動データと知識の構造化による人の知能と人間力の拡張に興味を持たれ、日本ダンススポーツ連盟シニアIIラテン日本代表になられるなど、ダンスの名手でもいらっしゃいます。
西村先生には、著者である大武代表理事に、著書や研究に対して問いかけていただく、司会のお役目をお願いしておりました。西村先生は、独特の軽妙な語り口で、かつて類のない超高齢社会に於いて、「脳が長持ちするため」の認知症予防研究を始めようとしたきっかけやアンビション、そして具体的な「脳を長持ちする会話」のコツ等を、分かりやすく聴いて下さいました。そして、そのための生活の工夫や会話のコツがあまた掲載されている本書。推奨される利用手順に関する、著者からの提案を引き出して下さいました。具体的には、「毎日、パッと開いたところに掲載されている項目をやってみる、翌日はまた別のページをと、遊び心を持って読むと、変化のある楽しい読み方になるのでは」というものです。

対談「一生使える脳を創ろう」
対談の最後には、基調講演でも紹介した、講師2人による、「好きな食べ物」をテーマにした「ロボットぼのちゃんの司会で行う「共想法」(対面式)のデモンストレーションを、ご覧に入れました。西村先生は毎日召し上がれるほど大好きな「カレー」、大武所長は「認知症予防に効果のある食材で作った夕食」の写真を提供しました。話題提供、質疑応答1分ずつと短めの設定で行い、初体験の西村先生は、時間管理に容赦のないぼのちゃんの司会に、少し苦笑された様子とお見受けしました。
休憩と会場レイアウト変更を経たお楽しみワークショップは、健康増進や介護予防に資するダンスや運動に関する研究に携われるとともに、40歳代にダンスを始められて、名手になられた、クリスマスコスチュ―ムご着用の西村先生と、急遽東京都から友情出演のために駆けつけて下さった岡田様との、息のあったキレのある、ソフトなラテン系とワルツのペアダンスで始まりました。
手狭を心からお詫びしたくなるような会場に、所狭しと繰り広げられる優雅でリズミカルな舞いを拝見して、一同は西村先生の変身ぶりに驚かされるとともに、すぐさま釘付けになり、大いに堪能させていただきました。
そしてその後は、座った方も参加できる、足を前後左右に動かす基本のダンスの指導が始まりました。最初は戸惑いがちだった参加者も、90歳に近い男性、ご来賓、大武代表理事・所長を含めて、男女約半数ずつ20人ほどが、会場中央に出てきました。手をつなぎ2列になって、ペアを替えながら、音楽も速度も上げながら、十数分ダンスを続けました。初めは、振りに追いつくのがやっとだった方々から、やがて笑顔がこぼれはじめ、見学者もつい、座りながらその場で足を動かしたりと、楽しい雰囲気となりました。

「お楽しみワークショップ」デモンストレーション〜練習〜体験
数年前、コグニサイズを紹介する国立長寿医療研究センターの島田裕之先生の講演会ビデオ鑑賞会で、動画に合わせて皆様が身体を動かして下さり、会場いっぱいに笑顔が溢れたことが懐かしく思い出されました。幾つになっても、脳のためにも、身体のためにも、身体を動かす必要性と楽しさを感じたことでした。
その後、乾杯をした後、全員が所属グループごとに自己紹介をし、講師の先生や、久方ぶり、あるいは、初めてのお目文字同士が歓談し、16時過ぎに名残り惜しく散会しました。
なお、今講演会のご参加者のうち、5名が弊所の賛助会員として御入会いただきましたことは、大変ありがたいことでした。
また、事後のアンケートでは、ささやかな知見共有のひとときをお楽しみいただき、今後も弊所のイベントに参加したいというお声をいただき、安堵いたしました。併せて、今講演会で大活躍下さった、西村先生のご講話を、ぜひ伺いたいというリクエストをたくさん頂きましたので、ご希望に添える日を早く実現したいと思いました。
最後になりましたが、今講演会開催に当たり、急遽友情出演のためにはせ参じて、素敵なダンスをご披露下さいました岡田様をはじめ、様々なサポートをしていただきましたパレット柏のスタッフの方々、並びにご参加、ご尽力いただきましたすべての皆様に、深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

講演会案内チラシ
案内期間が短く、案じておりましたが、久方ぶりのお住まいの近くでの開催でもあったからでしょうか、これまでの弊所の足元エリアでの共想法やイベントにご参加、協働の方々、古くからの賛助会員様、チラシをご覧下さった拠点東葛エリアからの方々を中心に、東京都、埼玉県の共想法にご興味をお持ちの方々、そして出版関係と、多くの皆様にご参集いただけましたことは、大変ありがたいことでした。
例年なら、師走初旬には、それなりの寒さ到来も予想されましたが、当日は珍しくうららなかなお日和に恵まれ、会場は早々ににぎやかな雰囲気に包まれました。

ご参集の皆様
なお、今回は12月20日に大武美保子弊所代表理事・所長が上梓いたしました『脳が長持ちする会話』出版記念を兼ねたクリスマス講演会といたしました。

『脳が長持ちする会話』
そのため、いつもとはやや趣向を変え、対談とお楽しみワークショップのご指導の講師として、石川県能美市にある、北陸先端科学技術大学院大学大学教授(理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員・ほのぼの研究所理事)である西村拓一先生をお招きして、以下3部形式で行いました。

西村 拓一先生
1)基調講演「脳が長持ちする会話」 講師:大武美保子
2)対談「一生使える脳を創ろう」 西村拓一先生・大武美保子
3)お楽しみワークショップ・交流会
開会に際して、まずは来賓の柏市議会議員の上橋しほと様よりご挨拶をいただきました。弊所監事を長く勤められている、前上橋泉柏市議会議員のご子息で、新進気鋭の上橋しほと様からは、新著出版のお祝いのお言葉をいただきました。そして、柏市のフレイル予防活動のご紹介と、ご自身が開かれている市民とのサロン活動に、当日の講話の極意を活かしていきたいという抱負が述べられました。

ご来賓:上橋しほと 柏市議会議員
次いで、大武代表理事・所長の開会挨拶です。ほのぼの研究所における認知症予防の研究は当事者研究をベースとしており、本講演会もその一環として位置づけていると述べました。この講演会における参加者の方々とのふれあいも大きな糧にしたいとお伝えしました。併せて、書籍の出版は、皆様との活動の成果であると、謝意を伝えました。
基調講演の「脳が長持ちする会話」では、認知症になり、同じ話ばかりする祖母の記憶が、会話によって呼び覚ませることに気付いたこと、「共想法」という会話支援手法を2006年に考案したことが、会話による認知症予防の研究に着手したきっかけであると述べました。

基調講演
そして、2008年に実践研究野の拠点として、NPO法人ほのぼの研究所を設立し、フィールドワークを続け、さらに2017年より、共想法により「工学的に脳をどのように使えば、長持ちするのか」という実践研究を一貫して行ってきたと伝えました。そして、人間の知能を育む人工知能についての基礎研究を、理化学研究所の革新知能統合研究センターで行っているという、研究プロセスを述べました。
事後共想法の効果検証を重ねた結果、ひとまず、共想法的な会話が脳を長持ちすることに貢献しそうであるということがわかったため、今般「脳を長持ちする会話」と題した本を出版するに至った経緯を語り、脳を長持ちする会話である共想法の手法や実験結果を交えながら、下図のように説明しました。

脳が長持ちする会話ー共想法の説明
併せて、長きにわたる当事者をベースに研究を重ねて得られた結果から、老化が顕在し始める40〜50代の方々に脳を活用する会話を実践し、脳が長持ちするように、日常的に役立ててほしいと、出版するに至った著書のトピックをいくつか挙げて、その内容を紹介しました。

認知症リスクが高まる会話と脳が長持ちする会話…本書より編集
続くプログラムは「一生使える脳を創ろう」と題した西村拓一先生との対談。
西村先生は1992年東京大学工学系大学院修士(計測工学)課程修了、産業技術研究所入所、人間拡張研究センター上席主任研究員等を経て、2022年より北陸先端科学技術大学院大学 トランスフォーマティブ知識経営領域教授、副研究科長、ビジョンオリエンテッド研究センター長に就かれているほか、理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員であり、NPO法人ほのぼの研究所の理事も務めて下さっています。専門は学習支援システム, ヒューマンインタフェース、インタラクション, 制御、システム工学, 知能情報学で、博士(工学)の学位をお持ちです。健康増進や介護予防に資するダンスの身体動作分析、製造業や教育などのサービス現場における、人の活動データと知識の構造化による人の知能と人間力の拡張に興味を持たれ、日本ダンススポーツ連盟シニアIIラテン日本代表になられるなど、ダンスの名手でもいらっしゃいます。
西村先生には、著者である大武代表理事に、著書や研究に対して問いかけていただく、司会のお役目をお願いしておりました。西村先生は、独特の軽妙な語り口で、かつて類のない超高齢社会に於いて、「脳が長持ちするため」の認知症予防研究を始めようとしたきっかけやアンビション、そして具体的な「脳を長持ちする会話」のコツ等を、分かりやすく聴いて下さいました。そして、そのための生活の工夫や会話のコツがあまた掲載されている本書。推奨される利用手順に関する、著者からの提案を引き出して下さいました。具体的には、「毎日、パッと開いたところに掲載されている項目をやってみる、翌日はまた別のページをと、遊び心を持って読むと、変化のある楽しい読み方になるのでは」というものです。

対談「一生使える脳を創ろう」
対談の最後には、基調講演でも紹介した、講師2人による、「好きな食べ物」をテーマにした「ロボットぼのちゃんの司会で行う「共想法」(対面式)のデモンストレーションを、ご覧に入れました。西村先生は毎日召し上がれるほど大好きな「カレー」、大武所長は「認知症予防に効果のある食材で作った夕食」の写真を提供しました。話題提供、質疑応答1分ずつと短めの設定で行い、初体験の西村先生は、時間管理に容赦のないぼのちゃんの司会に、少し苦笑された様子とお見受けしました。
休憩と会場レイアウト変更を経たお楽しみワークショップは、健康増進や介護予防に資するダンスや運動に関する研究に携われるとともに、40歳代にダンスを始められて、名手になられた、クリスマスコスチュ―ムご着用の西村先生と、急遽東京都から友情出演のために駆けつけて下さった岡田様との、息のあったキレのある、ソフトなラテン系とワルツのペアダンスで始まりました。
手狭を心からお詫びしたくなるような会場に、所狭しと繰り広げられる優雅でリズミカルな舞いを拝見して、一同は西村先生の変身ぶりに驚かされるとともに、すぐさま釘付けになり、大いに堪能させていただきました。
そしてその後は、座った方も参加できる、足を前後左右に動かす基本のダンスの指導が始まりました。最初は戸惑いがちだった参加者も、90歳に近い男性、ご来賓、大武代表理事・所長を含めて、男女約半数ずつ20人ほどが、会場中央に出てきました。手をつなぎ2列になって、ペアを替えながら、音楽も速度も上げながら、十数分ダンスを続けました。初めは、振りに追いつくのがやっとだった方々から、やがて笑顔がこぼれはじめ、見学者もつい、座りながらその場で足を動かしたりと、楽しい雰囲気となりました。

「お楽しみワークショップ」デモンストレーション〜練習〜体験
数年前、コグニサイズを紹介する国立長寿医療研究センターの島田裕之先生の講演会ビデオ鑑賞会で、動画に合わせて皆様が身体を動かして下さり、会場いっぱいに笑顔が溢れたことが懐かしく思い出されました。幾つになっても、脳のためにも、身体のためにも、身体を動かす必要性と楽しさを感じたことでした。
その後、乾杯をした後、全員が所属グループごとに自己紹介をし、講師の先生や、久方ぶり、あるいは、初めてのお目文字同士が歓談し、16時過ぎに名残り惜しく散会しました。
なお、今講演会のご参加者のうち、5名が弊所の賛助会員として御入会いただきましたことは、大変ありがたいことでした。
また、事後のアンケートでは、ささやかな知見共有のひとときをお楽しみいただき、今後も弊所のイベントに参加したいというお声をいただき、安堵いたしました。併せて、今講演会で大活躍下さった、西村先生のご講話を、ぜひ伺いたいというリクエストをたくさん頂きましたので、ご希望に添える日を早く実現したいと思いました。
最後になりましたが、今講演会開催に当たり、急遽友情出演のためにはせ参じて、素敵なダンスをご披露下さいました岡田様をはじめ、様々なサポートをしていただきましたパレット柏のスタッフの方々、並びにご参加、ご尽力いただきましたすべての皆様に、深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
市民研究員 鈴木晃・長久秀子
2024年10月28日(火)に、街歩き共想法を千葉県我孫子市で行いました。ほのぼの研究所主催の行事としては、昨年11月の流山市街に引き続き、1年振りです。晩秋とはいえ、時折酷暑の名残りの夏日が顔を出す日々が続いていましたが、当日は夜来の雨が上がり、気温も降下、集合時には少し肌寒さを感じるほどになりました。その後、街歩きをするにはほどよい気温が続き、幸いにも街歩き中は最後まで雨にも降られずに済みました。
大武先生、新入会の方を含めた賛助会員の方々、市民研究員の総勢12人は、JR我孫子駅南口に集合後、まずは、駅前のけやきプラザ11階の展望デッキに向かいました。我孫子市街や大きな手賀沼やそれに続く利根川はもとより、筑波山や小さく見える東京のスカイツリーなどを俯瞰しました。
その後、展望台デッキで、大武先生より、街歩き共想法の認知症予防に関する意義・効果についてのはじめの挨拶があり、いよいよ街歩きがスタート。
街歩き共想法は、写真を撮りながら歩くことで、.侫譽ぅ襪陵祝匹函↓認知症になると衰える計画力、注意分割力、体験記憶が鍛えられます。更に、今日撮った写真をその日に共想法で会話することで、G知症の症状の一つである近い過去の物忘れの予防のための訓練につながります。一石二鳥、いや三鳥にもなると言えます。

展望デッキでの大武先生のはじめの挨拶
少人数だったため、揃って杉村楚人冠記念館に向けて出発しました。杉村楚人冠は日本の新聞に影響を与えた記者兼文筆家で、関東大震災の後この地に移り住み、地域の発展と環境保全に努めた人とのことです。
が、暫く歩いていくうちになぜか、道に迷ってしまい、楚人冠公園にたどり着いたひとつのグループは記念館の建つ自然豊かな、個人のものとしてはかなり広大な公園のような庭を散策し、様々な植物や庭の佇まいを満喫、沢山の写真を撮りました。

自然豊かで趣のある杉浦楚人冠庭園
もう一方のグループは、柔道の講道館の創始者の加納治五郎別荘公園にたどり着き写真を撮りながら一休みしました。
この公園には治五郎の銅像が、手賀沼を見下ろすように建てられており、公園の隣には、敷地内に3本椎の巨木があったため、治五郎が名付けたという、妹婿の柳宗悦の邸宅跡である三樹荘跡地もありました。この柳宗悦を頼りに、白樺派の文人の志賀直哉、武者小路実篤などの多くが別荘として住んで、創作活動をしたとされています。

加納治五郎像
あいにく改装工事中で閉館中の白樺文学館は利用できませんでしたが、ようやく志賀直哉邸跡にて2グループが合流、暫く散策をすると、早いものでランチタイムとなっていました。

志賀直哉別荘跡
展望台から俯瞰してからの我孫子市の街歩きスタートは、これまで経験したことがなく、大変興味深いものでした。その時、森のようなところが目的地ではないかと想像していたものの、実際には、展望台や駅前繁華街からは想像できないほどの起伏のある地形に、大樹などの自然が多く残っている別荘跡地でした。そして、とても数時間では廻り切れないこともわかり、異なる季節には豊かな木々や花々がどのような様子で迎えてくれるか、また、水質が改善されたという手賀沼の晴れの日の水面を見てみたい等々、我孫子は、またゆるりと巡ってみたいと思わせる魅力を感じさせてくれました。
昼食後は、手賀沼湖畔の我孫子市生涯学習センター「アビスタ」に、13時に再集合。撮影してきた沢山の写真の中から、「本日みつけたもの」がテーマの、とっておきの写真を登録、4人ずつのグループで3セッション、共想法を行いました。

我孫子市生涯学習センター「アビスタ」(晴天時撮影)
話題写真として、楚人冠庭園でみつけて感激したという自分と同じ名前の椿の木、美味しい手焼き煎餅が有名な老舗のお煎餅屋さん、住宅街にある手賀沼の守り神であろう水神様の石塔等、ユニークな写真が披露されました。

共想法実施風景

老舗の煎餅屋で買物をする参加者(店舗による撮影・掲載許可済み)
廻り切れなかった所に興味を抱いたり、一緒に歩いていても気付かなかったことや、目の付け所が異なることに驚かされたりと、共想法に参加したことでも沢山の「みつけたこと」がありました。道中のおしゃべりも楽しめて、普段参加している遠隔共想法とは一味違うお楽しみのあった1日でした。

記念写真
集合写真を撮っての解散後は、生憎の雨降りとなりましたが、快い疲れで帰途につきました。
今回の街歩きには、この夏の設立記念講演会ご参加を機に、賛助会員として入会された方が初めてご参加下さいました。果たして共想法に興味を持って下さり、日本橋を拠点とするお江戸共想法に毎月1回継続参加なさることとなったという、嬉しいお知らせをさせていただきます。
昨秋の街歩き共想法再開以来、このように街歩き共想法をご体験いただいた後に共想法に参加されるようになる方々が徐々に増えてきたことは、嬉しい限りです。今後もこうした楽しい行事をきっかけに、共想法の意義をお伝えしていけたらと思っております。
最後になりましたが皆様のご協力を得て、事故もなく終了できました事をここに御礼申し上げます。
大武先生、新入会の方を含めた賛助会員の方々、市民研究員の総勢12人は、JR我孫子駅南口に集合後、まずは、駅前のけやきプラザ11階の展望デッキに向かいました。我孫子市街や大きな手賀沼やそれに続く利根川はもとより、筑波山や小さく見える東京のスカイツリーなどを俯瞰しました。
その後、展望台デッキで、大武先生より、街歩き共想法の認知症予防に関する意義・効果についてのはじめの挨拶があり、いよいよ街歩きがスタート。
街歩き共想法は、写真を撮りながら歩くことで、.侫譽ぅ襪陵祝匹函↓認知症になると衰える計画力、注意分割力、体験記憶が鍛えられます。更に、今日撮った写真をその日に共想法で会話することで、G知症の症状の一つである近い過去の物忘れの予防のための訓練につながります。一石二鳥、いや三鳥にもなると言えます。

展望デッキでの大武先生のはじめの挨拶
少人数だったため、揃って杉村楚人冠記念館に向けて出発しました。杉村楚人冠は日本の新聞に影響を与えた記者兼文筆家で、関東大震災の後この地に移り住み、地域の発展と環境保全に努めた人とのことです。
が、暫く歩いていくうちになぜか、道に迷ってしまい、楚人冠公園にたどり着いたひとつのグループは記念館の建つ自然豊かな、個人のものとしてはかなり広大な公園のような庭を散策し、様々な植物や庭の佇まいを満喫、沢山の写真を撮りました。

自然豊かで趣のある杉浦楚人冠庭園
もう一方のグループは、柔道の講道館の創始者の加納治五郎別荘公園にたどり着き写真を撮りながら一休みしました。
この公園には治五郎の銅像が、手賀沼を見下ろすように建てられており、公園の隣には、敷地内に3本椎の巨木があったため、治五郎が名付けたという、妹婿の柳宗悦の邸宅跡である三樹荘跡地もありました。この柳宗悦を頼りに、白樺派の文人の志賀直哉、武者小路実篤などの多くが別荘として住んで、創作活動をしたとされています。

加納治五郎像
あいにく改装工事中で閉館中の白樺文学館は利用できませんでしたが、ようやく志賀直哉邸跡にて2グループが合流、暫く散策をすると、早いものでランチタイムとなっていました。

志賀直哉別荘跡
展望台から俯瞰してからの我孫子市の街歩きスタートは、これまで経験したことがなく、大変興味深いものでした。その時、森のようなところが目的地ではないかと想像していたものの、実際には、展望台や駅前繁華街からは想像できないほどの起伏のある地形に、大樹などの自然が多く残っている別荘跡地でした。そして、とても数時間では廻り切れないこともわかり、異なる季節には豊かな木々や花々がどのような様子で迎えてくれるか、また、水質が改善されたという手賀沼の晴れの日の水面を見てみたい等々、我孫子は、またゆるりと巡ってみたいと思わせる魅力を感じさせてくれました。
昼食後は、手賀沼湖畔の我孫子市生涯学習センター「アビスタ」に、13時に再集合。撮影してきた沢山の写真の中から、「本日みつけたもの」がテーマの、とっておきの写真を登録、4人ずつのグループで3セッション、共想法を行いました。

我孫子市生涯学習センター「アビスタ」(晴天時撮影)
話題写真として、楚人冠庭園でみつけて感激したという自分と同じ名前の椿の木、美味しい手焼き煎餅が有名な老舗のお煎餅屋さん、住宅街にある手賀沼の守り神であろう水神様の石塔等、ユニークな写真が披露されました。

共想法実施風景

老舗の煎餅屋で買物をする参加者(店舗による撮影・掲載許可済み)
廻り切れなかった所に興味を抱いたり、一緒に歩いていても気付かなかったことや、目の付け所が異なることに驚かされたりと、共想法に参加したことでも沢山の「みつけたこと」がありました。道中のおしゃべりも楽しめて、普段参加している遠隔共想法とは一味違うお楽しみのあった1日でした。

記念写真
集合写真を撮っての解散後は、生憎の雨降りとなりましたが、快い疲れで帰途につきました。
今回の街歩きには、この夏の設立記念講演会ご参加を機に、賛助会員として入会された方が初めてご参加下さいました。果たして共想法に興味を持って下さり、日本橋を拠点とするお江戸共想法に毎月1回継続参加なさることとなったという、嬉しいお知らせをさせていただきます。
昨秋の街歩き共想法再開以来、このように街歩き共想法をご体験いただいた後に共想法に参加されるようになる方々が徐々に増えてきたことは、嬉しい限りです。今後もこうした楽しい行事をきっかけに、共想法の意義をお伝えしていけたらと思っております。
最後になりましたが皆様のご協力を得て、事故もなく終了できました事をここに御礼申し上げます。
市民研究員 根岸 勝壽
2024年9月27日から29日までパシフィコ横浜ノースで開催された、第13回日本認知症予防学会学術集会に参加しましたので、ご報告させていただきます。私は、ほのぼの研究所の市民研究員として先輩諸氏と一緒に、大武先生のご指導のもと過去には盛岡や岡山の学会に参加してきましたが、市民研究員がまとまって学会に参加するのは久しぶりのことで感無量でした。

日本認知症予防学会学術集会開催会場パシフィコ横浜ノース
今回の発表は、連番でほのぼの研究所の4名がポスター発表をしました。昨年の新潟で参加した学術集会では、皆様に興味をもっていただけたかどうかという雰囲気でしたが、今回は、大武先生のご登壇で聴衆の数も多く注目度は抜群でした。

ギャラリーに集まって下さったポスター会場
28日の発表は、大武先生の「認知症予防拠点の当事者研究拠点ほのぼの研究所
における共想法の実践研究」と題するほのぼの研究所に関する総括的発表を筆頭に、

ほのぼの研究所の活動概要を発表する大武代表理事・所長
長久研究員の「高齢者の認知機能低下を防ぐために当事者の声を反映して開発した認知症予防会話手法共想法の遠隔アプリ」の発表が続きました。内容は、大武先生の指導下、理化学研究所の大武チームの実に根気強く、親身なテクニカルサポートのもと、魚谷研究員の緻密で的確なリードで、市民研究員と継続コース参加者が遠隔共想法アプリの開発とさらなる進展のために歩んだプロセスをまとめたものです。

タイムリーな座長先生のリードに応じながら、発表
それに続く根岸研究員の「高齢者の総合的な認知症予防を目的とする『街歩き共想法』の実践的検討」では各方面から質問が寄せられ、共同実施のお声がけもいただきました。

質問が多く寄せられた「街歩き共想法」についての発表
最後は永田研究員の「会話支援手法のテーマ設定の特徴とその効果について:自由会話とテーマに沿った会話の相違点に関する考察」と、合計4人でほのぼの研究所を総合的にご案内する流れで行いました。

共感の多かった高齢者が会話を継続することの効果に関する発表

ポスター発表参加者一同
その後、発表というお役目を果たしてほっと一息つき、会場のコーヒーショップで昼食をとってから解散しました。その夕方ホテルに戻ってくつろいでいると、大武先生からメールがあり、情報交換会に参加してほしいとのことでしたので、急ぎタクシーで会場のレストランに駆けつけました。すると、情報交換会の中で行われた浦上賞の授賞式の受賞発表の最後のころに、筆頭演者である長久研究員の名前が呼ばれ、共同演者の永田が代理で無事に浦上先生から賞状を拝受することができ、安堵しました。


浦上賞授賞式と拝受した賞状
浦上賞は一般演題発表の中から特に優秀な発表について、日本認知症予防学会代表理事であり、2021年のほのぼの研究所クリスマス講演会にご登壇いただいた、浦上克哉先生より授与される賞です。
この受賞は、遠隔共想法の参加者の皆様を巻き込んだほのぼの研究所での地道な活動が評価されたと言えるでしょう。また学術集会発表者の多くが各分野の専門家が占める中、一般の高齢者が携わった珍しい活動と言うご感想もいただきました。発表後にはコラボ活動のご提案や、ご自身の施設での導入等に関してお声がけいただき、大変実り豊かな時間を過ごすことができたことは、望外の幸せでした。
家路につく途中、大観覧車を眺めながら横浜駅の近辺を歩いてみましたが、改装が終わった横浜駅は高齢者には辛いほど巨大化しており、若者や海外からの旅行者で賑わっていました。認知症と高血圧を防ぐためにも、運動の必要性を痛感した次第です。また今回の経験では高齢者といえどもチャレンジすることにより、新しい可能性を見出すことができるのだなと教えていただきました。

日本認知症予防学会学術集会開催会場パシフィコ横浜ノース
今回の発表は、連番でほのぼの研究所の4名がポスター発表をしました。昨年の新潟で参加した学術集会では、皆様に興味をもっていただけたかどうかという雰囲気でしたが、今回は、大武先生のご登壇で聴衆の数も多く注目度は抜群でした。

ギャラリーに集まって下さったポスター会場
28日の発表は、大武先生の「認知症予防拠点の当事者研究拠点ほのぼの研究所
における共想法の実践研究」と題するほのぼの研究所に関する総括的発表を筆頭に、

ほのぼの研究所の活動概要を発表する大武代表理事・所長
長久研究員の「高齢者の認知機能低下を防ぐために当事者の声を反映して開発した認知症予防会話手法共想法の遠隔アプリ」の発表が続きました。内容は、大武先生の指導下、理化学研究所の大武チームの実に根気強く、親身なテクニカルサポートのもと、魚谷研究員の緻密で的確なリードで、市民研究員と継続コース参加者が遠隔共想法アプリの開発とさらなる進展のために歩んだプロセスをまとめたものです。

タイムリーな座長先生のリードに応じながら、発表
それに続く根岸研究員の「高齢者の総合的な認知症予防を目的とする『街歩き共想法』の実践的検討」では各方面から質問が寄せられ、共同実施のお声がけもいただきました。

質問が多く寄せられた「街歩き共想法」についての発表
最後は永田研究員の「会話支援手法のテーマ設定の特徴とその効果について:自由会話とテーマに沿った会話の相違点に関する考察」と、合計4人でほのぼの研究所を総合的にご案内する流れで行いました。

共感の多かった高齢者が会話を継続することの効果に関する発表

ポスター発表参加者一同
その後、発表というお役目を果たしてほっと一息つき、会場のコーヒーショップで昼食をとってから解散しました。その夕方ホテルに戻ってくつろいでいると、大武先生からメールがあり、情報交換会に参加してほしいとのことでしたので、急ぎタクシーで会場のレストランに駆けつけました。すると、情報交換会の中で行われた浦上賞の授賞式の受賞発表の最後のころに、筆頭演者である長久研究員の名前が呼ばれ、共同演者の永田が代理で無事に浦上先生から賞状を拝受することができ、安堵しました。


浦上賞は一般演題発表の中から特に優秀な発表について、日本認知症予防学会代表理事であり、2021年のほのぼの研究所クリスマス講演会にご登壇いただいた、浦上克哉先生より授与される賞です。
この受賞は、遠隔共想法の参加者の皆様を巻き込んだほのぼの研究所での地道な活動が評価されたと言えるでしょう。また学術集会発表者の多くが各分野の専門家が占める中、一般の高齢者が携わった珍しい活動と言うご感想もいただきました。発表後にはコラボ活動のご提案や、ご自身の施設での導入等に関してお声がけいただき、大変実り豊かな時間を過ごすことができたことは、望外の幸せでした。
家路につく途中、大観覧車を眺めながら横浜駅の近辺を歩いてみましたが、改装が終わった横浜駅は高齢者には辛いほど巨大化しており、若者や海外からの旅行者で賑わっていました。認知症と高血圧を防ぐためにも、運動の必要性を痛感した次第です。また今回の経験では高齢者といえどもチャレンジすることにより、新しい可能性を見出すことができるのだなと教えていただきました。
市民研究員 永田映子
2024年8月20日(火))13時より、東京都中央区日本橋の理化学研究所革新知能統合研究センターのオープンスペースにて、代表理事・所長の大武美保子が勤務する理化学研究所とほのぼの研究所の共催で、NPO法人ほのぼの研究所設立記念講演会「創造的に老いる」を開催しました。

設立記念講演会チラシと『老いの失敗学』
今回、東大名誉教授、畑村創造工学研究所代表で、失敗学の提唱者であるとともに、東電福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長、消費者庁消費者安全調査委員会委員長を務める等、多方面で失敗知識活用の活動をされている畑村洋太郎先生にご登壇いただくきっかけは、ほのぼの研究所の2024年度の理事会での、設立以来ご尽力いただいている元柏市医師会会長の小沼宗心先生のご提案でした。NHKの番組『ラジオ深夜便』で、ベストセラーとなった著作『老いの失敗学』出版後まもなくの畑村先生の対談を聴かれて、高齢者と触れ合いながら長年研究活動を続けているほのぼの研究所の講演会にお招きするのにふさわしい方ではないかと。
なお、畑村先生にはほのぼの研究所の拠点千葉県東葛エリアへの往復等には体力的なご負担等がかかることがわかり、都内のご自宅から無理のない都内(理化学研究所)での開催、事前対談録画鑑賞+ミニ対談、ミニワークショップを兼ねての交流会という、例年とは異なる形式を取り入れての開催といたしました。
立秋を過ぎたとはいえ、依然としてこれまでにない気温の残暑が続く中、千葉県東葛地域や埼玉県和光市を含む近郊からのご参加の70〜80歳代の方々を中心に、下は20歳代までと、多世代の40余名からお申込みをいただき、何社かのマスコミの方に取材もしていただきました。

ご来場の皆様
開会後、まず畑村先生ご登壇の提案者であるほのぼの研究所理事小沼宗心先生の挨拶に続き、大武所長代表理事・所長が開会の挨拶を行いました。

開会

開会挨拶 小沼理事 と 大武代表理事・所長
最初に、畑村先生はご自身の老いを当事者目線で失敗学的見地から表された『老いの失敗学』にて、「失敗は大事」であると述べられている。そのことと「高齢者がどうすれば認知機能を保って天寿を全うできるか」という自身の研究で見出された「失敗を避けて、チャレンジをしない=認知機能を使わない生活を続けていると、認知機能はどんどん低下する➨大きな失敗をしないため、上手に小さな失敗をしながら、チャレンジを重ねていくことが大切である」ということの間に、接点があると感じたと述べました。
そして、奇しくも、畑村先生は彼女の東大情報工学科時代に、後の研究にも役立つ考え方の基礎を授けて下さった、大変重要な先生方のお一人でもあったため、ぜひともと登壇をお願いし、ご快諾をいただき、約四半世紀ぶりの師弟対談が実現した経緯を述べました。
講演会は事前撮影の対談を以下の2部に分け放映、それぞれにミニ対談を添えました。
第1部―1.失敗学と老いの関係、 2.よい老いと悪い老い、3.老いによる大事故を防ぐ、 4.人の話を聞く)
第2部―5.悪い老いを避けるヒント、 6.制御できない自分に気づいた、 7.気遣いが老いによる失敗を防ぐ、 8.今の楽しみ、 9.面白く老いるヒント)
対談動画では、先生の日常の様々な失敗の一部や、失敗から得られた教訓、そして失敗なさらないために工夫されていることを穏やかに紹介されながら、以下のことを述べられました。


対談録画鑑賞とミニ対談

対談要約
また、ミニ対談で、畑村先生は、昨今多発している河川による水の事故について「川の水は(本当は深くても)浅く見える」といった研究者なら誰でも知っていることが、当事者目線でわかるように(その場のニーズに合うように)周知されていないことも課題であると、失敗学の権威として警鐘をならされました。これに対して、大武所長は、水の事故の問題は、物理学の知識が社会での問題解決に活かされていない事例であり、老いの分野についても同様に、当事者の目線でわかるように周知されていない課題があることが、畑村先生の近著「老いの失敗学」に書かれている、と述べました。
対談後の休憩中には、参加の皆様に以下の「老いに関するアンケート」
Q1よい老い(ありたい)老いと、悪い(避けたい)老い
Q2よい老いを実現し、悪い老いをさけるためにしている工夫
Q3自分の老いに気づいたこと
Q4今の楽しみについて
にご回答いただき、併せてポストイットに書きうつして特設のホワイトボードに貼っていただきました。

ワークショップ
そして、ホワイトボードを正面に据えるよう、座席を90度回転させ、ミニワークショップと交流会をスタート。ホワイトボードに貼られた回答を大武所長が幾つか披露し、それらに畑村先生がご意見を述べられました。全ての回答を披露することができませんでしたが、寄せられた意見をまとめてみると(N=40 FA)以下のように、自らのひたひたと忍び寄る老いの変化を甘受しながら、周囲とのコミュニケーションをはかり、明るくポジティヴにお過ごしの様子やご意見を伺うことができました。


その後、ほのぼの研究所副代表理事:三宅徳久先生の音頭で乾杯、しばし相互の交流のひとときをすごしました。

三宅副代表理事乾杯の音頭
会場の都合で畑村先生との交流は時間のあまり長くありませんでしたが、お名残り惜しく散会をした後も、畑村先生と積極的に記念写真を撮る方もいらっしゃる等、特に参加者の2/3ほどを占めた70〜80歳代の方々から、最後まで大きな元気をいただいたことでした。
そのことは、当日取材にいらしたある新聞社の方から、「高齢の参加者が多いと伺ってはいたが、元気に遠方から講演会に参加され、「老い」についての課題に向き合われていることに驚いたのに加えて、どなたもが若々しくお元気そうで、かつ考え方も前向きにみえて、会場全体の空気がアクティヴに感じられた」という声をいただいたことでも、おわかりいただけると思います。
初めてづくしの企画で、案じることの多い開催でしたが、数名の方に賛助会員に御入会いただいたのをはじめ、皆様からたくさんのお励ましもいただき、笑顔で会場を後にされるのをお見送りできて安堵したことでした。最後になりましたが、この共催企画のために、心を込めてご尽力いただきました理化学研究所革新知能統合研究センターの大勢の方々に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

設立記念講演会チラシと『老いの失敗学』
今回、東大名誉教授、畑村創造工学研究所代表で、失敗学の提唱者であるとともに、東電福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長、消費者庁消費者安全調査委員会委員長を務める等、多方面で失敗知識活用の活動をされている畑村洋太郎先生にご登壇いただくきっかけは、ほのぼの研究所の2024年度の理事会での、設立以来ご尽力いただいている元柏市医師会会長の小沼宗心先生のご提案でした。NHKの番組『ラジオ深夜便』で、ベストセラーとなった著作『老いの失敗学』出版後まもなくの畑村先生の対談を聴かれて、高齢者と触れ合いながら長年研究活動を続けているほのぼの研究所の講演会にお招きするのにふさわしい方ではないかと。
なお、畑村先生にはほのぼの研究所の拠点千葉県東葛エリアへの往復等には体力的なご負担等がかかることがわかり、都内のご自宅から無理のない都内(理化学研究所)での開催、事前対談録画鑑賞+ミニ対談、ミニワークショップを兼ねての交流会という、例年とは異なる形式を取り入れての開催といたしました。
立秋を過ぎたとはいえ、依然としてこれまでにない気温の残暑が続く中、千葉県東葛地域や埼玉県和光市を含む近郊からのご参加の70〜80歳代の方々を中心に、下は20歳代までと、多世代の40余名からお申込みをいただき、何社かのマスコミの方に取材もしていただきました。

ご来場の皆様
開会後、まず畑村先生ご登壇の提案者であるほのぼの研究所理事小沼宗心先生の挨拶に続き、大武所長代表理事・所長が開会の挨拶を行いました。

開会

開会挨拶 小沼理事 と 大武代表理事・所長
最初に、畑村先生はご自身の老いを当事者目線で失敗学的見地から表された『老いの失敗学』にて、「失敗は大事」であると述べられている。そのことと「高齢者がどうすれば認知機能を保って天寿を全うできるか」という自身の研究で見出された「失敗を避けて、チャレンジをしない=認知機能を使わない生活を続けていると、認知機能はどんどん低下する➨大きな失敗をしないため、上手に小さな失敗をしながら、チャレンジを重ねていくことが大切である」ということの間に、接点があると感じたと述べました。
そして、奇しくも、畑村先生は彼女の東大情報工学科時代に、後の研究にも役立つ考え方の基礎を授けて下さった、大変重要な先生方のお一人でもあったため、ぜひともと登壇をお願いし、ご快諾をいただき、約四半世紀ぶりの師弟対談が実現した経緯を述べました。
講演会は事前撮影の対談を以下の2部に分け放映、それぞれにミニ対談を添えました。
第1部―1.失敗学と老いの関係、 2.よい老いと悪い老い、3.老いによる大事故を防ぐ、 4.人の話を聞く)
第2部―5.悪い老いを避けるヒント、 6.制御できない自分に気づいた、 7.気遣いが老いによる失敗を防ぐ、 8.今の楽しみ、 9.面白く老いるヒント)
対談動画では、先生の日常の様々な失敗の一部や、失敗から得られた教訓、そして失敗なさらないために工夫されていることを穏やかに紹介されながら、以下のことを述べられました。


対談録画鑑賞とミニ対談

対談要約
また、ミニ対談で、畑村先生は、昨今多発している河川による水の事故について「川の水は(本当は深くても)浅く見える」といった研究者なら誰でも知っていることが、当事者目線でわかるように(その場のニーズに合うように)周知されていないことも課題であると、失敗学の権威として警鐘をならされました。これに対して、大武所長は、水の事故の問題は、物理学の知識が社会での問題解決に活かされていない事例であり、老いの分野についても同様に、当事者の目線でわかるように周知されていない課題があることが、畑村先生の近著「老いの失敗学」に書かれている、と述べました。
対談後の休憩中には、参加の皆様に以下の「老いに関するアンケート」
Q1よい老い(ありたい)老いと、悪い(避けたい)老い
Q2よい老いを実現し、悪い老いをさけるためにしている工夫
Q3自分の老いに気づいたこと
Q4今の楽しみについて
にご回答いただき、併せてポストイットに書きうつして特設のホワイトボードに貼っていただきました。

ワークショップ
そして、ホワイトボードを正面に据えるよう、座席を90度回転させ、ミニワークショップと交流会をスタート。ホワイトボードに貼られた回答を大武所長が幾つか披露し、それらに畑村先生がご意見を述べられました。全ての回答を披露することができませんでしたが、寄せられた意見をまとめてみると(N=40 FA)以下のように、自らのひたひたと忍び寄る老いの変化を甘受しながら、周囲とのコミュニケーションをはかり、明るくポジティヴにお過ごしの様子やご意見を伺うことができました。


その後、ほのぼの研究所副代表理事:三宅徳久先生の音頭で乾杯、しばし相互の交流のひとときをすごしました。

三宅副代表理事乾杯の音頭
会場の都合で畑村先生との交流は時間のあまり長くありませんでしたが、お名残り惜しく散会をした後も、畑村先生と積極的に記念写真を撮る方もいらっしゃる等、特に参加者の2/3ほどを占めた70〜80歳代の方々から、最後まで大きな元気をいただいたことでした。
そのことは、当日取材にいらしたある新聞社の方から、「高齢の参加者が多いと伺ってはいたが、元気に遠方から講演会に参加され、「老い」についての課題に向き合われていることに驚いたのに加えて、どなたもが若々しくお元気そうで、かつ考え方も前向きにみえて、会場全体の空気がアクティヴに感じられた」という声をいただいたことでも、おわかりいただけると思います。
初めてづくしの企画で、案じることの多い開催でしたが、数名の方に賛助会員に御入会いただいたのをはじめ、皆様からたくさんのお励ましもいただき、笑顔で会場を後にされるのをお見送りできて安堵したことでした。最後になりましたが、この共催企画のために、心を込めてご尽力いただきました理化学研究所革新知能統合研究センターの大勢の方々に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
市民研究員 鈴木 晃・長久 秀子
2024年7月3日(水)、ほのぼの研究所 大武美保子所長がチームリーダーとして勤務する、理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チーム主催の軽井沢街歩き共想法を実施しました。ほのぼの研究所は、研究協力の一環として、街歩き共想法実施運営のノウハウの共有および情報発信面で協力することとなりました。

軽井沢街歩き共想法の案内チラシ
今回、軽井沢が散策地になったのは、コロナ禍に東京から軽井沢へ移住され、ほのぼの研究所賛助会員で遠隔共想法にも軽井沢からご参加の竹田様ご夫妻が、お二人で撮りためられた軽井沢の美しい風景写真で東京で個展を開かれるなど、この地の魅力を発信して下さっていたのがきっかけで、ぜひ散策してみたいということで決まりました。
軽井沢というと避暑地のイメージですが、当日は軽井沢在住の方も暑いとおっしゃるくらいの猛暑日。そんな暑い中にも関わらず、ほのぼの研究所継続コース参加者、理化学研究所の研究者とスタッフ一同、総勢27名が参加。またそのほかにも記録動画を作成するため映像制作会社の方や信濃毎日新聞の記者の方も同行して下さいました。
翌日(7/4)に信濃毎日新聞朝刊に掲載された記事が、Webにも掲載されましたので、ご興味のある方はご覧下さい。
<信濃毎日新聞デジタル>
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024070400583
今回の街歩きは、Aコース50分、Bコース30分と2つのコースに分かれて行われました。
Aコース:駅前本通り→矢ケ崎公園
Bコース:駅前周辺
Aコースではまず、軽井沢駅を出発して軽井沢本通りへ。道路脇には等間隔に木彫りの置物やオブジェが。木彫りの動物(ふくろうやうさぎなど)はとても愛嬌があって、皆さん、各々に自分のお気に入りの動物を写真に収めていました。

木彫りの動物 オブジェ
次に矢ケ崎公園へ。広さ約4万6000平方メートルの多目的公園。ブランコや滑り台、鉄棒などの遊具が設置されていて、観光客らしい親子連れの方々が楽しく遊んでいる姿も見られました。公園に隣接した池にはスイレンの花が咲き、池から見える浅間山、離山は絶景。木々の緑が生い茂り澄んだ空気を満喫しました。

矢ケ崎公園散策風景 矢ケ崎公園からの池から見える風景
その後、バスに乗って軽井沢レイクガーデンへ。ガーデン入り口ではたくさんの白いアジサイ、アナベルが私たちを出迎えてくれました。また敷地面積1万坪のレイクガーデンにはたくさんのバラが見ごろを迎え、バラの香りを感じながらゆっくり40分ほど散策。

白いアジサイ 見ごろを迎えたバラ
日差しがとても強く、日傘を借りて散策する人も。またところどころにベンチが設置されていて、ゆったりとした時間の流れを感じました。

木陰に設置されているベンチ
参加者の皆さんは思い思いに自分のベストショットをスマホに収め、午後の共想法に向けて準備万端。
たくさん歩いてお腹がすいたところで、レイクガーデンにあるマナーハウス2階のガーデンカルチャークラブへ。マナーハウスとは貴族の「領主の館」を意味し、ガーデンと一体化した建物となっているとのこと。重厚な空間に浸りながら楽しく昼食をとりました。
午後からはご参加の方々が撮影した写真を使っての共想法です。

共想法実施風景
参加者が多かったため、1グループ4〜5名で、1人写真1枚で共想法を実施することになりました。写真説明時間は1分、質問時間は2分の設定、ぼのちゃんの司会で始まりました。ぼのちゃんが、参加者の名前をフルネームで呼ぶときの間の開け方が面白くて笑い声が起こる場面も。

司会をしたぼのちゃん
共想法の写真では、軽井沢駅のお店で見つけた旬のあんずや矢ケ崎公園で見つけたきのこ、ベンチで休憩した時にふと目に入った雑草など、それぞれが自分の五感をフルに使って撮影された写真がお披露目されました。写真の説明ではご自身が話しながらその時の気持ちが溢れ出して、1分で収まらない方もいれば、言葉に詰まって時間が余ってしまう方も。1分という時間で話すことの難しさを体験することとなりました。また、共想法では最近の話をすることになっていますが、質問の仕方によっては過去の話になってしまったり、質問ではなく少し雑談的になってしまったりするケースもありました。
また、質問はグループの方同士で行うのですが、場の雰囲気もあったのでしょうか?グループ以外の方や後方から質問が飛び交い、和気あいあいとした雰囲気を感じる場面もありました。
街歩き共想法は、自分の五感をフルに活用して散策し、そこで経験したこと、感じたことをすぐに周りの人と共有するので、認知予防になることはもちろん、自分という人となりを再確認できる場でもあるように思いました。

参加者集合写真
共想法の会場は風通しはよかったのですが、外気が暑すぎることもあり、熱中症対策をしながらの実施となりました。街歩きに参加するほど元気な皆さんでしたので、誰一人具合が悪くなることもなく、無事終了することができました。参加してくださった皆様、本当にお疲れさまでした。
次回の街歩き共想法は千葉県我孫子市で実施する予定です。ご興味のある方は是非ご参加ください。

軽井沢街歩き共想法の案内チラシ
今回、軽井沢が散策地になったのは、コロナ禍に東京から軽井沢へ移住され、ほのぼの研究所賛助会員で遠隔共想法にも軽井沢からご参加の竹田様ご夫妻が、お二人で撮りためられた軽井沢の美しい風景写真で東京で個展を開かれるなど、この地の魅力を発信して下さっていたのがきっかけで、ぜひ散策してみたいということで決まりました。
軽井沢というと避暑地のイメージですが、当日は軽井沢在住の方も暑いとおっしゃるくらいの猛暑日。そんな暑い中にも関わらず、ほのぼの研究所継続コース参加者、理化学研究所の研究者とスタッフ一同、総勢27名が参加。またそのほかにも記録動画を作成するため映像制作会社の方や信濃毎日新聞の記者の方も同行して下さいました。
翌日(7/4)に信濃毎日新聞朝刊に掲載された記事が、Webにも掲載されましたので、ご興味のある方はご覧下さい。
<信濃毎日新聞デジタル>
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024070400583
今回の街歩きは、Aコース50分、Bコース30分と2つのコースに分かれて行われました。
Aコース:駅前本通り→矢ケ崎公園
Bコース:駅前周辺
Aコースではまず、軽井沢駅を出発して軽井沢本通りへ。道路脇には等間隔に木彫りの置物やオブジェが。木彫りの動物(ふくろうやうさぎなど)はとても愛嬌があって、皆さん、各々に自分のお気に入りの動物を写真に収めていました。

木彫りの動物 オブジェ
次に矢ケ崎公園へ。広さ約4万6000平方メートルの多目的公園。ブランコや滑り台、鉄棒などの遊具が設置されていて、観光客らしい親子連れの方々が楽しく遊んでいる姿も見られました。公園に隣接した池にはスイレンの花が咲き、池から見える浅間山、離山は絶景。木々の緑が生い茂り澄んだ空気を満喫しました。

矢ケ崎公園散策風景 矢ケ崎公園からの池から見える風景
その後、バスに乗って軽井沢レイクガーデンへ。ガーデン入り口ではたくさんの白いアジサイ、アナベルが私たちを出迎えてくれました。また敷地面積1万坪のレイクガーデンにはたくさんのバラが見ごろを迎え、バラの香りを感じながらゆっくり40分ほど散策。

白いアジサイ 見ごろを迎えたバラ
日差しがとても強く、日傘を借りて散策する人も。またところどころにベンチが設置されていて、ゆったりとした時間の流れを感じました。

木陰に設置されているベンチ
参加者の皆さんは思い思いに自分のベストショットをスマホに収め、午後の共想法に向けて準備万端。
たくさん歩いてお腹がすいたところで、レイクガーデンにあるマナーハウス2階のガーデンカルチャークラブへ。マナーハウスとは貴族の「領主の館」を意味し、ガーデンと一体化した建物となっているとのこと。重厚な空間に浸りながら楽しく昼食をとりました。
午後からはご参加の方々が撮影した写真を使っての共想法です。

共想法実施風景
参加者が多かったため、1グループ4〜5名で、1人写真1枚で共想法を実施することになりました。写真説明時間は1分、質問時間は2分の設定、ぼのちゃんの司会で始まりました。ぼのちゃんが、参加者の名前をフルネームで呼ぶときの間の開け方が面白くて笑い声が起こる場面も。

司会をしたぼのちゃん
共想法の写真では、軽井沢駅のお店で見つけた旬のあんずや矢ケ崎公園で見つけたきのこ、ベンチで休憩した時にふと目に入った雑草など、それぞれが自分の五感をフルに使って撮影された写真がお披露目されました。写真の説明ではご自身が話しながらその時の気持ちが溢れ出して、1分で収まらない方もいれば、言葉に詰まって時間が余ってしまう方も。1分という時間で話すことの難しさを体験することとなりました。また、共想法では最近の話をすることになっていますが、質問の仕方によっては過去の話になってしまったり、質問ではなく少し雑談的になってしまったりするケースもありました。
また、質問はグループの方同士で行うのですが、場の雰囲気もあったのでしょうか?グループ以外の方や後方から質問が飛び交い、和気あいあいとした雰囲気を感じる場面もありました。
街歩き共想法は、自分の五感をフルに活用して散策し、そこで経験したこと、感じたことをすぐに周りの人と共有するので、認知予防になることはもちろん、自分という人となりを再確認できる場でもあるように思いました。

参加者集合写真
共想法の会場は風通しはよかったのですが、外気が暑すぎることもあり、熱中症対策をしながらの実施となりました。街歩きに参加するほど元気な皆さんでしたので、誰一人具合が悪くなることもなく、無事終了することができました。参加してくださった皆様、本当にお疲れさまでした。
次回の街歩き共想法は千葉県我孫子市で実施する予定です。ご興味のある方は是非ご参加ください。
市民研究員 三浦 真代
2024年7月2日13:30より、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の2F多世代交流スペースにて、ほのぼの研究所主催の2024年度初めての「今から始める認知症予防 ロボット体験会」を開催いたしました。この講座は、コロナ禍以降、オンライン中心の活動が中心になり、新しいお仲間にお目にかかる機会が減少してしまったのを取り返す意味あり、とかく文章だけではイメージの湧きにくい共想法をデモンストレーションや直接ロボットを使う体験を通して理解を深めていただきたいと、昨年度来、開催している講座の一環です。
柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつに続き、8月に開催する設立記念講演会や、街歩き共想法のご案内を含めた、ほのぼの研究所の活動のご紹介の後、60〜80代の市内在住者6名、見学者3名とほのぼの研究所の実施関係者全員が自己紹介を行いました。
「入院中のご家族がロボット犬の声に反応するようになったので、ロボットに興味がある」、「認知症になりたくない思いが強い。介護ロボットについてはある程度知っているが、認知症予防にもロボットが使われることについて知りたかった」等、どの方もロボット、そして認知症予防と共想法との関連に興味を抱いてのご参加でした。

講座風景
続く講話では、”認知症が進むと、人の話を聴き、理解して、それに対して質問をするということができにくくなる。「話す」「聴く」考える」という一連の作業を通して、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫するトレーニング」をすることで防ぐことを目指しているのが、会話支援手法:共想法である。”ということを、配布資料「共想法ガイドブック」をもとに説明しました。
小休憩を挟んだ後、機器の不具合のため、予定していた研究員による共想法のデモンストレーションで司会ロボットぼのちゃんの活躍をご覧いただくのに替えて、「質問を考えることが大切であるも、なかなかそれを考えるのは意外に難しい」ことを体感していただくために、司会ロボットより小柄な対話ロボットミニぼのちゃんとの対話を参加者全員にご体験いただきました。
これは在宅でもお一人で会話の訓練のできるロボットで、ミニぼのちゃんが発する30秒の話題写真の説明を聞いた後、4分間、AI搭載のミニぼのちゃんが、利用者の質問に答えてくれるものです。「健康に気を付けていること」「好きな食べ物」等のテーマの話題に対して、それぞれが順番に質問をなげかけると、最初はロボットと操作とのタイミングが合わなかった方も、次第になれて下さり、時には長々とした蘊蓄のある回答や、なるほどと思わせる回答に笑顔がこぼれてきました。


対話ロボット体験なさるご参加の方々
体験後、「どのような仕組みでロボットが回答するのか」「複数人で行う共想法とこの対話ロボットとの脳の訓練の効果の違いは何か」等、今後の研究課題になるような質問も投げかけられ、皆様のロボットへのご興味は高まり、ロボットの進化が、認知症の予防に結びつく会話支援手法の進化に貢献する可能性も、ご理解いただけたようでした。
事後アンケートでは、認知症予防に関心が高く、「今から始める」というタイトルに惹かれての来聴理由が上位を占めました。それだけに、対話ロボットの体験も興味を示されましたが、共想法と認知症予防との関係性をより詳しく知りたかった、共想法の実演も観たかったという声もあり、講座内容のバランスも課題だと思われました。
最後にこの企画のためにご尽力いただきました柏市社会福祉協議会の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつに続き、8月に開催する設立記念講演会や、街歩き共想法のご案内を含めた、ほのぼの研究所の活動のご紹介の後、60〜80代の市内在住者6名、見学者3名とほのぼの研究所の実施関係者全員が自己紹介を行いました。
「入院中のご家族がロボット犬の声に反応するようになったので、ロボットに興味がある」、「認知症になりたくない思いが強い。介護ロボットについてはある程度知っているが、認知症予防にもロボットが使われることについて知りたかった」等、どの方もロボット、そして認知症予防と共想法との関連に興味を抱いてのご参加でした。

講座風景
続く講話では、”認知症が進むと、人の話を聴き、理解して、それに対して質問をするということができにくくなる。「話す」「聴く」考える」という一連の作業を通して、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫するトレーニング」をすることで防ぐことを目指しているのが、会話支援手法:共想法である。”ということを、配布資料「共想法ガイドブック」をもとに説明しました。
小休憩を挟んだ後、機器の不具合のため、予定していた研究員による共想法のデモンストレーションで司会ロボットぼのちゃんの活躍をご覧いただくのに替えて、「質問を考えることが大切であるも、なかなかそれを考えるのは意外に難しい」ことを体感していただくために、司会ロボットより小柄な対話ロボットミニぼのちゃんとの対話を参加者全員にご体験いただきました。
これは在宅でもお一人で会話の訓練のできるロボットで、ミニぼのちゃんが発する30秒の話題写真の説明を聞いた後、4分間、AI搭載のミニぼのちゃんが、利用者の質問に答えてくれるものです。「健康に気を付けていること」「好きな食べ物」等のテーマの話題に対して、それぞれが順番に質問をなげかけると、最初はロボットと操作とのタイミングが合わなかった方も、次第になれて下さり、時には長々とした蘊蓄のある回答や、なるほどと思わせる回答に笑顔がこぼれてきました。


対話ロボット体験なさるご参加の方々
体験後、「どのような仕組みでロボットが回答するのか」「複数人で行う共想法とこの対話ロボットとの脳の訓練の効果の違いは何か」等、今後の研究課題になるような質問も投げかけられ、皆様のロボットへのご興味は高まり、ロボットの進化が、認知症の予防に結びつく会話支援手法の進化に貢献する可能性も、ご理解いただけたようでした。
事後アンケートでは、認知症予防に関心が高く、「今から始める」というタイトルに惹かれての来聴理由が上位を占めました。それだけに、対話ロボットの体験も興味を示されましたが、共想法と認知症予防との関係性をより詳しく知りたかった、共想法の実演も観たかったという声もあり、講座内容のバランスも課題だと思われました。
最後にこの企画のためにご尽力いただきました柏市社会福祉協議会の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
市民研究員 松村光輝 吉田美枝子