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2024年10月28日(火)に、街歩き共想法を千葉県我孫子市で行いました。ほのぼの研究所主催の行事としては、昨年11月の流山市街に引き続き、1年振りです。晩秋とはいえ、時折酷暑の名残りの夏日が顔を出す日々が続いていましたが、当日は夜来の雨が上がり、気温も降下、集合時には少し肌寒さを感じるほどになりました。その後、街歩きをするにはほどよい気温が続き、幸いにも街歩き中は最後まで雨にも降られずに済みました。
大武先生、新入会の方を含めた賛助会員の方々、市民研究員の総勢12人は、JR我孫子駅南口に集合後、まずは、駅前のけやきプラザ11階の展望デッキに向かいました。我孫子市街や大きな手賀沼やそれに続く利根川はもとより、筑波山や小さく見える東京のスカイツリーなどを俯瞰しました。
その後、展望台デッキで、大武先生より、街歩き共想法の認知症予防に関する意義・効果についてのはじめの挨拶があり、いよいよ街歩きがスタート。
街歩き共想法は、写真を撮りながら歩くことで、.侫譽ぅ襪陵祝匹函↓認知症になると衰える計画力、注意分割力、体験記憶が鍛えられます。更に、今日撮った写真をその日に共想法で会話することで、G知症の症状の一つである近い過去の物忘れの予防のための訓練につながります。一石二鳥、いや三鳥にもなると言えます。
展望デッキでの大武先生のはじめの挨拶
少人数だったため、揃って杉村楚人冠記念館に向けて出発しました。杉村楚人冠は日本の新聞に影響を与えた記者兼文筆家で、関東大震災の後この地に移り住み、地域の発展と環境保全に努めた人とのことです。
が、暫く歩いていくうちになぜか、道に迷ってしまい、楚人冠公園にたどり着いたひとつのグループは記念館の建つ自然豊かな、個人のものとしてはかなり広大な公園のような庭を散策し、様々な植物や庭の佇まいを満喫、沢山の写真を撮りました。
自然豊かで趣のある杉浦楚人冠庭園
もう一方のグループは、柔道の講道館の創始者の加納治五郎別荘公園にたどり着き写真を撮りながら一休みしました。
この公園には治五郎の銅像が、手賀沼を見下ろすように建てられており、公園の隣には、敷地内に3本椎の巨木があったため、治五郎が名付けたという、妹婿の柳宗悦の邸宅跡である三樹荘跡地もありました。この柳宗悦を頼りに、白樺派の文人の志賀直哉、武者小路実篤などの多くが別荘として住んで、創作活動をしたとされています。
加納治五郎像
あいにく改装工事中で閉館中の白樺文学館は利用できませんでしたが、ようやく志賀直哉邸跡にて2グループが合流、暫く散策をすると、早いものでランチタイムとなっていました。
志賀直哉別荘跡
展望台から俯瞰してからの我孫子市の街歩きスタートは、これまで経験したことがなく、大変興味深いものでした。その時、森のようなところが目的地ではないかと想像していたものの、実際には、展望台や駅前繁華街からは想像できないほどの起伏のある地形に、大樹などの自然が多く残っている別荘跡地でした。そして、とても数時間では廻り切れないこともわかり、異なる季節には豊かな木々や花々がどのような様子で迎えてくれるか、また、水質が改善されたという手賀沼の晴れの日の水面を見てみたい等々、我孫子は、またゆるりと巡ってみたいと思わせる魅力を感じさせてくれました。
昼食後は、手賀沼湖畔の我孫子市生涯学習センター「アビスタ」に、13時に再集合。撮影してきた沢山の写真の中から、「本日みつけたもの」がテーマの、とっておきの写真を登録、4人ずつのグループで3セッション、共想法を行いました。
我孫子市生涯学習センター「アビスタ」(晴天時撮影)
話題写真として、楚人冠庭園でみつけて感激したという自分と同じ名前の椿の木、美味しい手焼き煎餅が有名な老舗のお煎餅屋さん、住宅街にある手賀沼の守り神であろう水神様の石塔等、ユニークな写真が披露されました。
共想法実施風景
老舗の煎餅屋で買物をする参加者(店舗による撮影・掲載許可済み)
廻り切れなかった所に興味を抱いたり、一緒に歩いていても気付かなかったことや、目の付け所が異なることに驚かされたりと、共想法に参加したことでも沢山の「みつけたこと」がありました。道中のおしゃべりも楽しめて、普段参加している遠隔共想法とは一味違うお楽しみのあった1日でした。
記念写真
集合写真を撮っての解散後は、生憎の雨降りとなりましたが、快い疲れで帰途につきました。
今回の街歩きには、この夏の設立記念講演会ご参加を機に、賛助会員として入会された方が初めてご参加下さいました。果たして共想法に興味を持って下さり、日本橋を拠点とするお江戸共想法に毎月1回継続参加なさることとなったという、嬉しいお知らせをさせていただきます。
昨秋の街歩き共想法再開以来、このように街歩き共想法をご体験いただいた後に共想法に参加されるようになる方々が徐々に増えてきたことは、嬉しい限りです。今後もこうした楽しい行事をきっかけに、共想法の意義をお伝えしていけたらと思っております。
最後になりましたが皆様のご協力を得て、事故もなく終了できました事をここに御礼申し上げます。
大武先生、新入会の方を含めた賛助会員の方々、市民研究員の総勢12人は、JR我孫子駅南口に集合後、まずは、駅前のけやきプラザ11階の展望デッキに向かいました。我孫子市街や大きな手賀沼やそれに続く利根川はもとより、筑波山や小さく見える東京のスカイツリーなどを俯瞰しました。
その後、展望台デッキで、大武先生より、街歩き共想法の認知症予防に関する意義・効果についてのはじめの挨拶があり、いよいよ街歩きがスタート。
街歩き共想法は、写真を撮りながら歩くことで、.侫譽ぅ襪陵祝匹函↓認知症になると衰える計画力、注意分割力、体験記憶が鍛えられます。更に、今日撮った写真をその日に共想法で会話することで、G知症の症状の一つである近い過去の物忘れの予防のための訓練につながります。一石二鳥、いや三鳥にもなると言えます。
展望デッキでの大武先生のはじめの挨拶
少人数だったため、揃って杉村楚人冠記念館に向けて出発しました。杉村楚人冠は日本の新聞に影響を与えた記者兼文筆家で、関東大震災の後この地に移り住み、地域の発展と環境保全に努めた人とのことです。
が、暫く歩いていくうちになぜか、道に迷ってしまい、楚人冠公園にたどり着いたひとつのグループは記念館の建つ自然豊かな、個人のものとしてはかなり広大な公園のような庭を散策し、様々な植物や庭の佇まいを満喫、沢山の写真を撮りました。
自然豊かで趣のある杉浦楚人冠庭園
もう一方のグループは、柔道の講道館の創始者の加納治五郎別荘公園にたどり着き写真を撮りながら一休みしました。
この公園には治五郎の銅像が、手賀沼を見下ろすように建てられており、公園の隣には、敷地内に3本椎の巨木があったため、治五郎が名付けたという、妹婿の柳宗悦の邸宅跡である三樹荘跡地もありました。この柳宗悦を頼りに、白樺派の文人の志賀直哉、武者小路実篤などの多くが別荘として住んで、創作活動をしたとされています。
加納治五郎像
あいにく改装工事中で閉館中の白樺文学館は利用できませんでしたが、ようやく志賀直哉邸跡にて2グループが合流、暫く散策をすると、早いものでランチタイムとなっていました。
志賀直哉別荘跡
展望台から俯瞰してからの我孫子市の街歩きスタートは、これまで経験したことがなく、大変興味深いものでした。その時、森のようなところが目的地ではないかと想像していたものの、実際には、展望台や駅前繁華街からは想像できないほどの起伏のある地形に、大樹などの自然が多く残っている別荘跡地でした。そして、とても数時間では廻り切れないこともわかり、異なる季節には豊かな木々や花々がどのような様子で迎えてくれるか、また、水質が改善されたという手賀沼の晴れの日の水面を見てみたい等々、我孫子は、またゆるりと巡ってみたいと思わせる魅力を感じさせてくれました。
昼食後は、手賀沼湖畔の我孫子市生涯学習センター「アビスタ」に、13時に再集合。撮影してきた沢山の写真の中から、「本日みつけたもの」がテーマの、とっておきの写真を登録、4人ずつのグループで3セッション、共想法を行いました。
我孫子市生涯学習センター「アビスタ」(晴天時撮影)
話題写真として、楚人冠庭園でみつけて感激したという自分と同じ名前の椿の木、美味しい手焼き煎餅が有名な老舗のお煎餅屋さん、住宅街にある手賀沼の守り神であろう水神様の石塔等、ユニークな写真が披露されました。
共想法実施風景
老舗の煎餅屋で買物をする参加者(店舗による撮影・掲載許可済み)
廻り切れなかった所に興味を抱いたり、一緒に歩いていても気付かなかったことや、目の付け所が異なることに驚かされたりと、共想法に参加したことでも沢山の「みつけたこと」がありました。道中のおしゃべりも楽しめて、普段参加している遠隔共想法とは一味違うお楽しみのあった1日でした。
記念写真
集合写真を撮っての解散後は、生憎の雨降りとなりましたが、快い疲れで帰途につきました。
今回の街歩きには、この夏の設立記念講演会ご参加を機に、賛助会員として入会された方が初めてご参加下さいました。果たして共想法に興味を持って下さり、日本橋を拠点とするお江戸共想法に毎月1回継続参加なさることとなったという、嬉しいお知らせをさせていただきます。
昨秋の街歩き共想法再開以来、このように街歩き共想法をご体験いただいた後に共想法に参加されるようになる方々が徐々に増えてきたことは、嬉しい限りです。今後もこうした楽しい行事をきっかけに、共想法の意義をお伝えしていけたらと思っております。
最後になりましたが皆様のご協力を得て、事故もなく終了できました事をここに御礼申し上げます。
市民研究員 根岸 勝壽
2024年9月27日から29日までパシフィコ横浜ノースで開催された、第13回日本認知症予防学会学術集会に参加しましたので、ご報告させていただきます。私は、ほのぼの研究所の市民研究員として先輩諸氏と一緒に、大武先生のご指導のもと過去には盛岡や岡山の学会に参加してきましたが、市民研究員がまとまって学会に参加するのは久しぶりのことで感無量でした。
日本認知症予防学会学術集会開催会場パシフィコ横浜ノース
今回の発表は、連番でほのぼの研究所の4名がポスター発表をしました。昨年の新潟で参加した学術集会では、皆様に興味をもっていただけたかどうかという雰囲気でしたが、今回は、大武先生のご登壇で聴衆の数も多く注目度は抜群でした。
ギャラリーに集まって下さったポスター会場
28日の発表は、大武先生の「認知症予防拠点の当事者研究拠点ほのぼの研究所
における共想法の実践研究」と題するほのぼの研究所に関する総括的発表を筆頭に、
ほのぼの研究所の活動概要を発表する大武代表理事・所長
長久研究員の「高齢者の認知機能低下を防ぐために当事者の声を反映して開発した認知症予防会話手法共想法の遠隔アプリ」の発表が続きました。内容は、大武先生の指導下、理化学研究所の大武チームの実に根気強く、親身なテクニカルサポートのもと、魚谷研究員の緻密で的確なリードで、市民研究員と継続コース参加者が遠隔共想法アプリの開発とさらなる進展のために歩んだプロセスをまとめたものです。
タイムリーな座長先生のリードに応じながら、発表
それに続く根岸研究員の「高齢者の総合的な認知症予防を目的とする『街歩き共想法』の実践的検討」では各方面から質問が寄せられ、共同実施のお声がけもいただきました。
質問が多く寄せられた「街歩き共想法」についての発表
最後は永田研究員の「会話支援手法のテーマ設定の特徴とその効果について:自由会話とテーマに沿った会話の相違点に関する考察」と、合計4人でほのぼの研究所を総合的にご案内する流れで行いました。
共感の多かった高齢者が会話を継続することの効果に関する発表
ポスター発表参加者一同
その後、発表というお役目を果たしてほっと一息つき、会場のコーヒーショップで昼食をとってから解散しました。その夕方ホテルに戻ってくつろいでいると、大武先生からメールがあり、情報交換会に参加してほしいとのことでしたので、急ぎタクシーで会場のレストランに駆けつけました。すると、情報交換会の中で行われた浦上賞の授賞式の受賞発表の最後のころに、筆頭演者である長久研究員の名前が呼ばれ、共同演者の永田が代理で無事に浦上先生から賞状を拝受することができ、安堵しました。
浦上賞授賞式と拝受した賞状
浦上賞は一般演題発表の中から特に優秀な発表について、日本認知症予防学会代表理事であり、2021年のほのぼの研究所クリスマス講演会にご登壇いただいた、浦上克哉先生より授与される賞です。
この受賞は、遠隔共想法の参加者の皆様を巻き込んだほのぼの研究所での地道な活動が評価されたと言えるでしょう。また学術集会発表者の多くが各分野の専門家が占める中、一般の高齢者が携わった珍しい活動と言うご感想もいただきました。発表後にはコラボ活動のご提案や、ご自身の施設での導入等に関してお声がけいただき、大変実り豊かな時間を過ごすことができたことは、望外の幸せでした。
家路につく途中、大観覧車を眺めながら横浜駅の近辺を歩いてみましたが、改装が終わった横浜駅は高齢者には辛いほど巨大化しており、若者や海外からの旅行者で賑わっていました。認知症と高血圧を防ぐためにも、運動の必要性を痛感した次第です。また今回の経験では高齢者といえどもチャレンジすることにより、新しい可能性を見出すことができるのだなと教えていただきました。
日本認知症予防学会学術集会開催会場パシフィコ横浜ノース
今回の発表は、連番でほのぼの研究所の4名がポスター発表をしました。昨年の新潟で参加した学術集会では、皆様に興味をもっていただけたかどうかという雰囲気でしたが、今回は、大武先生のご登壇で聴衆の数も多く注目度は抜群でした。
ギャラリーに集まって下さったポスター会場
28日の発表は、大武先生の「認知症予防拠点の当事者研究拠点ほのぼの研究所
における共想法の実践研究」と題するほのぼの研究所に関する総括的発表を筆頭に、
ほのぼの研究所の活動概要を発表する大武代表理事・所長
長久研究員の「高齢者の認知機能低下を防ぐために当事者の声を反映して開発した認知症予防会話手法共想法の遠隔アプリ」の発表が続きました。内容は、大武先生の指導下、理化学研究所の大武チームの実に根気強く、親身なテクニカルサポートのもと、魚谷研究員の緻密で的確なリードで、市民研究員と継続コース参加者が遠隔共想法アプリの開発とさらなる進展のために歩んだプロセスをまとめたものです。
タイムリーな座長先生のリードに応じながら、発表
それに続く根岸研究員の「高齢者の総合的な認知症予防を目的とする『街歩き共想法』の実践的検討」では各方面から質問が寄せられ、共同実施のお声がけもいただきました。
質問が多く寄せられた「街歩き共想法」についての発表
最後は永田研究員の「会話支援手法のテーマ設定の特徴とその効果について:自由会話とテーマに沿った会話の相違点に関する考察」と、合計4人でほのぼの研究所を総合的にご案内する流れで行いました。
共感の多かった高齢者が会話を継続することの効果に関する発表
ポスター発表参加者一同
その後、発表というお役目を果たしてほっと一息つき、会場のコーヒーショップで昼食をとってから解散しました。その夕方ホテルに戻ってくつろいでいると、大武先生からメールがあり、情報交換会に参加してほしいとのことでしたので、急ぎタクシーで会場のレストランに駆けつけました。すると、情報交換会の中で行われた浦上賞の授賞式の受賞発表の最後のころに、筆頭演者である長久研究員の名前が呼ばれ、共同演者の永田が代理で無事に浦上先生から賞状を拝受することができ、安堵しました。
浦上賞は一般演題発表の中から特に優秀な発表について、日本認知症予防学会代表理事であり、2021年のほのぼの研究所クリスマス講演会にご登壇いただいた、浦上克哉先生より授与される賞です。
この受賞は、遠隔共想法の参加者の皆様を巻き込んだほのぼの研究所での地道な活動が評価されたと言えるでしょう。また学術集会発表者の多くが各分野の専門家が占める中、一般の高齢者が携わった珍しい活動と言うご感想もいただきました。発表後にはコラボ活動のご提案や、ご自身の施設での導入等に関してお声がけいただき、大変実り豊かな時間を過ごすことができたことは、望外の幸せでした。
家路につく途中、大観覧車を眺めながら横浜駅の近辺を歩いてみましたが、改装が終わった横浜駅は高齢者には辛いほど巨大化しており、若者や海外からの旅行者で賑わっていました。認知症と高血圧を防ぐためにも、運動の必要性を痛感した次第です。また今回の経験では高齢者といえどもチャレンジすることにより、新しい可能性を見出すことができるのだなと教えていただきました。
市民研究員 永田映子
2024年8月20日(火))13時より、東京都中央区日本橋の理化学研究所革新知能統合研究センターのオープンスペースにて、代表理事・所長の大武美保子が勤務する理化学研究所とほのぼの研究所の共催で、NPO法人ほのぼの研究所設立記念講演会「創造的に老いる」を開催しました。
設立記念講演会チラシと『老いの失敗学』
今回、東大名誉教授、畑村創造工学研究所代表で、失敗学の提唱者であるとともに、東電福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長、消費者庁消費者安全調査委員会委員長を務める等、多方面で失敗知識活用の活動をされている畑村洋太郎先生にご登壇いただくきっかけは、ほのぼの研究所の2024年度の理事会での、設立以来ご尽力いただいている元柏市医師会会長の小沼宗心先生のご提案でした。NHKの番組『ラジオ深夜便』で、ベストセラーとなった著作『老いの失敗学』出版後まもなくの畑村先生の対談を聴かれて、高齢者と触れ合いながら長年研究活動を続けているほのぼの研究所の講演会にお招きするのにふさわしい方ではないかと。
なお、畑村先生にはほのぼの研究所の拠点千葉県東葛エリアへの往復等には体力的なご負担等がかかることがわかり、都内のご自宅から無理のない都内(理化学研究所)での開催、事前対談録画鑑賞+ミニ対談、ミニワークショップを兼ねての交流会という、例年とは異なる形式を取り入れての開催といたしました。
立秋を過ぎたとはいえ、依然としてこれまでにない気温の残暑が続く中、千葉県東葛地域や埼玉県和光市を含む近郊からのご参加の70〜80歳代の方々を中心に、下は20歳代までと、多世代の40余名からお申込みをいただき、何社かのマスコミの方に取材もしていただきました。
ご来場の皆様
開会後、まず畑村先生ご登壇の提案者であるほのぼの研究所理事小沼宗心先生の挨拶に続き、大武所長代表理事・所長が開会の挨拶を行いました。
開会
開会挨拶 小沼理事 と 大武代表理事・所長
最初に、畑村先生はご自身の老いを当事者目線で失敗学的見地から表された『老いの失敗学』にて、「失敗は大事」であると述べられている。そのことと「高齢者がどうすれば認知機能を保って天寿を全うできるか」という自身の研究で見出された「失敗を避けて、チャレンジをしない=認知機能を使わない生活を続けていると、認知機能はどんどん低下する➨大きな失敗をしないため、上手に小さな失敗をしながら、チャレンジを重ねていくことが大切である」ということの間に、接点があると感じたと述べました。
そして、奇しくも、畑村先生は彼女の東大情報工学科時代に、後の研究にも役立つ考え方の基礎を授けて下さった、大変重要な先生方のお一人でもあったため、ぜひともと登壇をお願いし、ご快諾をいただき、約四半世紀ぶりの師弟対談が実現した経緯を述べました。
講演会は事前撮影の対談を以下の2部に分け放映、それぞれにミニ対談を添えました。
第1部―1.失敗学と老いの関係、 2.よい老いと悪い老い、3.老いによる大事故を防ぐ、 4.人の話を聞く)
第2部―5.悪い老いを避けるヒント、 6.制御できない自分に気づいた、 7.気遣いが老いによる失敗を防ぐ、 8.今の楽しみ、 9.面白く老いるヒント)
対談動画では、先生の日常の様々な失敗の一部や、失敗から得られた教訓、そして失敗なさらないために工夫されていることを穏やかに紹介されながら、以下のことを述べられました。
対談録画鑑賞とミニ対談
対談要約
また、ミニ対談で、畑村先生は、昨今多発している河川による水の事故について「川の水は(本当は深くても)浅く見える」といった研究者なら誰でも知っていることが、当事者目線でわかるように(その場のニーズに合うように)周知されていないことも課題であると、失敗学の権威として警鐘をならされました。これに対して、大武所長は、水の事故の問題は、物理学の知識が社会での問題解決に活かされていない事例であり、老いの分野についても同様に、当事者の目線でわかるように周知されていない課題があることが、畑村先生の近著「老いの失敗学」に書かれている、と述べました。
対談後の休憩中には、参加の皆様に以下の「老いに関するアンケート」
Q1よい老い(ありたい)老いと、悪い(避けたい)老い
Q2よい老いを実現し、悪い老いをさけるためにしている工夫
Q3自分の老いに気づいたこと
Q4今の楽しみについて
にご回答いただき、併せてポストイットに書きうつして特設のホワイトボードに貼っていただきました。
ワークショップ
そして、ホワイトボードを正面に据えるよう、座席を90度回転させ、ミニワークショップと交流会をスタート。ホワイトボードに貼られた回答を大武所長が幾つか披露し、それらに畑村先生がご意見を述べられました。全ての回答を披露することができませんでしたが、寄せられた意見をまとめてみると(N=40 FA)以下のように、自らのひたひたと忍び寄る老いの変化を甘受しながら、周囲とのコミュニケーションをはかり、明るくポジティヴにお過ごしの様子やご意見を伺うことができました。
その後、ほのぼの研究所副代表理事:三宅徳久先生の音頭で乾杯、しばし相互の交流のひとときをすごしました。
三宅副代表理事乾杯の音頭
会場の都合で畑村先生との交流は時間のあまり長くありませんでしたが、お名残り惜しく散会をした後も、畑村先生と積極的に記念写真を撮る方もいらっしゃる等、特に参加者の2/3ほどを占めた70〜80歳代の方々から、最後まで大きな元気をいただいたことでした。
そのことは、当日取材にいらしたある新聞社の方から、「高齢の参加者が多いと伺ってはいたが、元気に遠方から講演会に参加され、「老い」についての課題に向き合われていることに驚いたのに加えて、どなたもが若々しくお元気そうで、かつ考え方も前向きにみえて、会場全体の空気がアクティヴに感じられた」という声をいただいたことでも、おわかりいただけると思います。
初めてづくしの企画で、案じることの多い開催でしたが、数名の方に賛助会員に御入会いただいたのをはじめ、皆様からたくさんのお励ましもいただき、笑顔で会場を後にされるのをお見送りできて安堵したことでした。最後になりましたが、この共催企画のために、心を込めてご尽力いただきました理化学研究所革新知能統合研究センターの大勢の方々に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
設立記念講演会チラシと『老いの失敗学』
今回、東大名誉教授、畑村創造工学研究所代表で、失敗学の提唱者であるとともに、東電福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長、消費者庁消費者安全調査委員会委員長を務める等、多方面で失敗知識活用の活動をされている畑村洋太郎先生にご登壇いただくきっかけは、ほのぼの研究所の2024年度の理事会での、設立以来ご尽力いただいている元柏市医師会会長の小沼宗心先生のご提案でした。NHKの番組『ラジオ深夜便』で、ベストセラーとなった著作『老いの失敗学』出版後まもなくの畑村先生の対談を聴かれて、高齢者と触れ合いながら長年研究活動を続けているほのぼの研究所の講演会にお招きするのにふさわしい方ではないかと。
なお、畑村先生にはほのぼの研究所の拠点千葉県東葛エリアへの往復等には体力的なご負担等がかかることがわかり、都内のご自宅から無理のない都内(理化学研究所)での開催、事前対談録画鑑賞+ミニ対談、ミニワークショップを兼ねての交流会という、例年とは異なる形式を取り入れての開催といたしました。
立秋を過ぎたとはいえ、依然としてこれまでにない気温の残暑が続く中、千葉県東葛地域や埼玉県和光市を含む近郊からのご参加の70〜80歳代の方々を中心に、下は20歳代までと、多世代の40余名からお申込みをいただき、何社かのマスコミの方に取材もしていただきました。
ご来場の皆様
開会後、まず畑村先生ご登壇の提案者であるほのぼの研究所理事小沼宗心先生の挨拶に続き、大武所長代表理事・所長が開会の挨拶を行いました。
開会
開会挨拶 小沼理事 と 大武代表理事・所長
最初に、畑村先生はご自身の老いを当事者目線で失敗学的見地から表された『老いの失敗学』にて、「失敗は大事」であると述べられている。そのことと「高齢者がどうすれば認知機能を保って天寿を全うできるか」という自身の研究で見出された「失敗を避けて、チャレンジをしない=認知機能を使わない生活を続けていると、認知機能はどんどん低下する➨大きな失敗をしないため、上手に小さな失敗をしながら、チャレンジを重ねていくことが大切である」ということの間に、接点があると感じたと述べました。
そして、奇しくも、畑村先生は彼女の東大情報工学科時代に、後の研究にも役立つ考え方の基礎を授けて下さった、大変重要な先生方のお一人でもあったため、ぜひともと登壇をお願いし、ご快諾をいただき、約四半世紀ぶりの師弟対談が実現した経緯を述べました。
講演会は事前撮影の対談を以下の2部に分け放映、それぞれにミニ対談を添えました。
第1部―1.失敗学と老いの関係、 2.よい老いと悪い老い、3.老いによる大事故を防ぐ、 4.人の話を聞く)
第2部―5.悪い老いを避けるヒント、 6.制御できない自分に気づいた、 7.気遣いが老いによる失敗を防ぐ、 8.今の楽しみ、 9.面白く老いるヒント)
対談動画では、先生の日常の様々な失敗の一部や、失敗から得られた教訓、そして失敗なさらないために工夫されていることを穏やかに紹介されながら、以下のことを述べられました。
対談録画鑑賞とミニ対談
対談要約
また、ミニ対談で、畑村先生は、昨今多発している河川による水の事故について「川の水は(本当は深くても)浅く見える」といった研究者なら誰でも知っていることが、当事者目線でわかるように(その場のニーズに合うように)周知されていないことも課題であると、失敗学の権威として警鐘をならされました。これに対して、大武所長は、水の事故の問題は、物理学の知識が社会での問題解決に活かされていない事例であり、老いの分野についても同様に、当事者の目線でわかるように周知されていない課題があることが、畑村先生の近著「老いの失敗学」に書かれている、と述べました。
対談後の休憩中には、参加の皆様に以下の「老いに関するアンケート」
Q1よい老い(ありたい)老いと、悪い(避けたい)老い
Q2よい老いを実現し、悪い老いをさけるためにしている工夫
Q3自分の老いに気づいたこと
Q4今の楽しみについて
にご回答いただき、併せてポストイットに書きうつして特設のホワイトボードに貼っていただきました。
ワークショップ
そして、ホワイトボードを正面に据えるよう、座席を90度回転させ、ミニワークショップと交流会をスタート。ホワイトボードに貼られた回答を大武所長が幾つか披露し、それらに畑村先生がご意見を述べられました。全ての回答を披露することができませんでしたが、寄せられた意見をまとめてみると(N=40 FA)以下のように、自らのひたひたと忍び寄る老いの変化を甘受しながら、周囲とのコミュニケーションをはかり、明るくポジティヴにお過ごしの様子やご意見を伺うことができました。
その後、ほのぼの研究所副代表理事:三宅徳久先生の音頭で乾杯、しばし相互の交流のひとときをすごしました。
三宅副代表理事乾杯の音頭
会場の都合で畑村先生との交流は時間のあまり長くありませんでしたが、お名残り惜しく散会をした後も、畑村先生と積極的に記念写真を撮る方もいらっしゃる等、特に参加者の2/3ほどを占めた70〜80歳代の方々から、最後まで大きな元気をいただいたことでした。
そのことは、当日取材にいらしたある新聞社の方から、「高齢の参加者が多いと伺ってはいたが、元気に遠方から講演会に参加され、「老い」についての課題に向き合われていることに驚いたのに加えて、どなたもが若々しくお元気そうで、かつ考え方も前向きにみえて、会場全体の空気がアクティヴに感じられた」という声をいただいたことでも、おわかりいただけると思います。
初めてづくしの企画で、案じることの多い開催でしたが、数名の方に賛助会員に御入会いただいたのをはじめ、皆様からたくさんのお励ましもいただき、笑顔で会場を後にされるのをお見送りできて安堵したことでした。最後になりましたが、この共催企画のために、心を込めてご尽力いただきました理化学研究所革新知能統合研究センターの大勢の方々に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
市民研究員 鈴木 晃・長久 秀子
2024年7月3日(水)、ほのぼの研究所 大武美保子所長がチームリーダーとして勤務する、理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チーム主催の軽井沢街歩き共想法を実施しました。ほのぼの研究所は、研究協力の一環として、街歩き共想法実施運営のノウハウの共有および情報発信面で協力することとなりました。
軽井沢街歩き共想法の案内チラシ
今回、軽井沢が散策地になったのは、コロナ禍に東京から軽井沢へ移住され、ほのぼの研究所賛助会員で遠隔共想法にも軽井沢からご参加の竹田様ご夫妻が、お二人で撮りためられた軽井沢の美しい風景写真で東京で個展を開かれるなど、この地の魅力を発信して下さっていたのがきっかけで、ぜひ散策してみたいということで決まりました。
軽井沢というと避暑地のイメージですが、当日は軽井沢在住の方も暑いとおっしゃるくらいの猛暑日。そんな暑い中にも関わらず、ほのぼの研究所継続コース参加者、理化学研究所の研究者とスタッフ一同、総勢27名が参加。またそのほかにも記録動画を作成するため映像制作会社の方や信濃毎日新聞の記者の方も同行して下さいました。
翌日(7/4)に信濃毎日新聞朝刊に掲載された記事が、Webにも掲載されましたので、ご興味のある方はご覧下さい。
<信濃毎日新聞デジタル>
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024070400583
今回の街歩きは、Aコース50分、Bコース30分と2つのコースに分かれて行われました。
Aコース:駅前本通り→矢ケ崎公園
Bコース:駅前周辺
Aコースではまず、軽井沢駅を出発して軽井沢本通りへ。道路脇には等間隔に木彫りの置物やオブジェが。木彫りの動物(ふくろうやうさぎなど)はとても愛嬌があって、皆さん、各々に自分のお気に入りの動物を写真に収めていました。
木彫りの動物 オブジェ
次に矢ケ崎公園へ。広さ約4万6000平方メートルの多目的公園。ブランコや滑り台、鉄棒などの遊具が設置されていて、観光客らしい親子連れの方々が楽しく遊んでいる姿も見られました。公園に隣接した池にはスイレンの花が咲き、池から見える浅間山、離山は絶景。木々の緑が生い茂り澄んだ空気を満喫しました。
矢ケ崎公園散策風景 矢ケ崎公園からの池から見える風景
その後、バスに乗って軽井沢レイクガーデンへ。ガーデン入り口ではたくさんの白いアジサイ、アナベルが私たちを出迎えてくれました。また敷地面積1万坪のレイクガーデンにはたくさんのバラが見ごろを迎え、バラの香りを感じながらゆっくり40分ほど散策。
白いアジサイ 見ごろを迎えたバラ
日差しがとても強く、日傘を借りて散策する人も。またところどころにベンチが設置されていて、ゆったりとした時間の流れを感じました。
木陰に設置されているベンチ
参加者の皆さんは思い思いに自分のベストショットをスマホに収め、午後の共想法に向けて準備万端。
たくさん歩いてお腹がすいたところで、レイクガーデンにあるマナーハウス2階のガーデンカルチャークラブへ。マナーハウスとは貴族の「領主の館」を意味し、ガーデンと一体化した建物となっているとのこと。重厚な空間に浸りながら楽しく昼食をとりました。
午後からはご参加の方々が撮影した写真を使っての共想法です。
共想法実施風景
参加者が多かったため、1グループ4〜5名で、1人写真1枚で共想法を実施することになりました。写真説明時間は1分、質問時間は2分の設定、ぼのちゃんの司会で始まりました。ぼのちゃんが、参加者の名前をフルネームで呼ぶときの間の開け方が面白くて笑い声が起こる場面も。
司会をしたぼのちゃん
共想法の写真では、軽井沢駅のお店で見つけた旬のあんずや矢ケ崎公園で見つけたきのこ、ベンチで休憩した時にふと目に入った雑草など、それぞれが自分の五感をフルに使って撮影された写真がお披露目されました。写真の説明ではご自身が話しながらその時の気持ちが溢れ出して、1分で収まらない方もいれば、言葉に詰まって時間が余ってしまう方も。1分という時間で話すことの難しさを体験することとなりました。また、共想法では最近の話をすることになっていますが、質問の仕方によっては過去の話になってしまったり、質問ではなく少し雑談的になってしまったりするケースもありました。
また、質問はグループの方同士で行うのですが、場の雰囲気もあったのでしょうか?グループ以外の方や後方から質問が飛び交い、和気あいあいとした雰囲気を感じる場面もありました。
街歩き共想法は、自分の五感をフルに活用して散策し、そこで経験したこと、感じたことをすぐに周りの人と共有するので、認知予防になることはもちろん、自分という人となりを再確認できる場でもあるように思いました。
参加者集合写真
共想法の会場は風通しはよかったのですが、外気が暑すぎることもあり、熱中症対策をしながらの実施となりました。街歩きに参加するほど元気な皆さんでしたので、誰一人具合が悪くなることもなく、無事終了することができました。参加してくださった皆様、本当にお疲れさまでした。
次回の街歩き共想法は千葉県我孫子市で実施する予定です。ご興味のある方は是非ご参加ください。
軽井沢街歩き共想法の案内チラシ
今回、軽井沢が散策地になったのは、コロナ禍に東京から軽井沢へ移住され、ほのぼの研究所賛助会員で遠隔共想法にも軽井沢からご参加の竹田様ご夫妻が、お二人で撮りためられた軽井沢の美しい風景写真で東京で個展を開かれるなど、この地の魅力を発信して下さっていたのがきっかけで、ぜひ散策してみたいということで決まりました。
軽井沢というと避暑地のイメージですが、当日は軽井沢在住の方も暑いとおっしゃるくらいの猛暑日。そんな暑い中にも関わらず、ほのぼの研究所継続コース参加者、理化学研究所の研究者とスタッフ一同、総勢27名が参加。またそのほかにも記録動画を作成するため映像制作会社の方や信濃毎日新聞の記者の方も同行して下さいました。
翌日(7/4)に信濃毎日新聞朝刊に掲載された記事が、Webにも掲載されましたので、ご興味のある方はご覧下さい。
<信濃毎日新聞デジタル>
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024070400583
今回の街歩きは、Aコース50分、Bコース30分と2つのコースに分かれて行われました。
Aコース:駅前本通り→矢ケ崎公園
Bコース:駅前周辺
Aコースではまず、軽井沢駅を出発して軽井沢本通りへ。道路脇には等間隔に木彫りの置物やオブジェが。木彫りの動物(ふくろうやうさぎなど)はとても愛嬌があって、皆さん、各々に自分のお気に入りの動物を写真に収めていました。
木彫りの動物 オブジェ
次に矢ケ崎公園へ。広さ約4万6000平方メートルの多目的公園。ブランコや滑り台、鉄棒などの遊具が設置されていて、観光客らしい親子連れの方々が楽しく遊んでいる姿も見られました。公園に隣接した池にはスイレンの花が咲き、池から見える浅間山、離山は絶景。木々の緑が生い茂り澄んだ空気を満喫しました。
矢ケ崎公園散策風景 矢ケ崎公園からの池から見える風景
その後、バスに乗って軽井沢レイクガーデンへ。ガーデン入り口ではたくさんの白いアジサイ、アナベルが私たちを出迎えてくれました。また敷地面積1万坪のレイクガーデンにはたくさんのバラが見ごろを迎え、バラの香りを感じながらゆっくり40分ほど散策。
白いアジサイ 見ごろを迎えたバラ
日差しがとても強く、日傘を借りて散策する人も。またところどころにベンチが設置されていて、ゆったりとした時間の流れを感じました。
木陰に設置されているベンチ
参加者の皆さんは思い思いに自分のベストショットをスマホに収め、午後の共想法に向けて準備万端。
たくさん歩いてお腹がすいたところで、レイクガーデンにあるマナーハウス2階のガーデンカルチャークラブへ。マナーハウスとは貴族の「領主の館」を意味し、ガーデンと一体化した建物となっているとのこと。重厚な空間に浸りながら楽しく昼食をとりました。
午後からはご参加の方々が撮影した写真を使っての共想法です。
共想法実施風景
参加者が多かったため、1グループ4〜5名で、1人写真1枚で共想法を実施することになりました。写真説明時間は1分、質問時間は2分の設定、ぼのちゃんの司会で始まりました。ぼのちゃんが、参加者の名前をフルネームで呼ぶときの間の開け方が面白くて笑い声が起こる場面も。
司会をしたぼのちゃん
共想法の写真では、軽井沢駅のお店で見つけた旬のあんずや矢ケ崎公園で見つけたきのこ、ベンチで休憩した時にふと目に入った雑草など、それぞれが自分の五感をフルに使って撮影された写真がお披露目されました。写真の説明ではご自身が話しながらその時の気持ちが溢れ出して、1分で収まらない方もいれば、言葉に詰まって時間が余ってしまう方も。1分という時間で話すことの難しさを体験することとなりました。また、共想法では最近の話をすることになっていますが、質問の仕方によっては過去の話になってしまったり、質問ではなく少し雑談的になってしまったりするケースもありました。
また、質問はグループの方同士で行うのですが、場の雰囲気もあったのでしょうか?グループ以外の方や後方から質問が飛び交い、和気あいあいとした雰囲気を感じる場面もありました。
街歩き共想法は、自分の五感をフルに活用して散策し、そこで経験したこと、感じたことをすぐに周りの人と共有するので、認知予防になることはもちろん、自分という人となりを再確認できる場でもあるように思いました。
参加者集合写真
共想法の会場は風通しはよかったのですが、外気が暑すぎることもあり、熱中症対策をしながらの実施となりました。街歩きに参加するほど元気な皆さんでしたので、誰一人具合が悪くなることもなく、無事終了することができました。参加してくださった皆様、本当にお疲れさまでした。
次回の街歩き共想法は千葉県我孫子市で実施する予定です。ご興味のある方は是非ご参加ください。
市民研究員 三浦 真代
2024年7月2日13:30より、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の2F多世代交流スペースにて、ほのぼの研究所主催の2024年度初めての「今から始める認知症予防 ロボット体験会」を開催いたしました。この講座は、コロナ禍以降、オンライン中心の活動が中心になり、新しいお仲間にお目にかかる機会が減少してしまったのを取り返す意味あり、とかく文章だけではイメージの湧きにくい共想法をデモンストレーションや直接ロボットを使う体験を通して理解を深めていただきたいと、昨年度来、開催している講座の一環です。
柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつに続き、8月に開催する設立記念講演会や、街歩き共想法のご案内を含めた、ほのぼの研究所の活動のご紹介の後、60〜80代の市内在住者6名、見学者3名とほのぼの研究所の実施関係者全員が自己紹介を行いました。
「入院中のご家族がロボット犬の声に反応するようになったので、ロボットに興味がある」、「認知症になりたくない思いが強い。介護ロボットについてはある程度知っているが、認知症予防にもロボットが使われることについて知りたかった」等、どの方もロボット、そして認知症予防と共想法との関連に興味を抱いてのご参加でした。
講座風景
続く講話では、”認知症が進むと、人の話を聴き、理解して、それに対して質問をするということができにくくなる。「話す」「聴く」考える」という一連の作業を通して、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫するトレーニング」をすることで防ぐことを目指しているのが、会話支援手法:共想法である。”ということを、配布資料「共想法ガイドブック」をもとに説明しました。
小休憩を挟んだ後、機器の不具合のため、予定していた研究員による共想法のデモンストレーションで司会ロボットぼのちゃんの活躍をご覧いただくのに替えて、「質問を考えることが大切であるも、なかなかそれを考えるのは意外に難しい」ことを体感していただくために、司会ロボットより小柄な対話ロボットミニぼのちゃんとの対話を参加者全員にご体験いただきました。
これは在宅でもお一人で会話の訓練のできるロボットで、ミニぼのちゃんが発する30秒の話題写真の説明を聞いた後、4分間、AI搭載のミニぼのちゃんが、利用者の質問に答えてくれるものです。「健康に気を付けていること」「好きな食べ物」等のテーマの話題に対して、それぞれが順番に質問をなげかけると、最初はロボットと操作とのタイミングが合わなかった方も、次第になれて下さり、時には長々とした蘊蓄のある回答や、なるほどと思わせる回答に笑顔がこぼれてきました。
対話ロボット体験なさるご参加の方々
体験後、「どのような仕組みでロボットが回答するのか」「複数人で行う共想法とこの対話ロボットとの脳の訓練の効果の違いは何か」等、今後の研究課題になるような質問も投げかけられ、皆様のロボットへのご興味は高まり、ロボットの進化が、認知症の予防に結びつく会話支援手法の進化に貢献する可能性も、ご理解いただけたようでした。
事後アンケートでは、認知症予防に関心が高く、「今から始める」というタイトルに惹かれての来聴理由が上位を占めました。それだけに、対話ロボットの体験も興味を示されましたが、共想法と認知症予防との関係性をより詳しく知りたかった、共想法の実演も観たかったという声もあり、講座内容のバランスも課題だと思われました。
最後にこの企画のためにご尽力いただきました柏市社会福祉協議会の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつに続き、8月に開催する設立記念講演会や、街歩き共想法のご案内を含めた、ほのぼの研究所の活動のご紹介の後、60〜80代の市内在住者6名、見学者3名とほのぼの研究所の実施関係者全員が自己紹介を行いました。
「入院中のご家族がロボット犬の声に反応するようになったので、ロボットに興味がある」、「認知症になりたくない思いが強い。介護ロボットについてはある程度知っているが、認知症予防にもロボットが使われることについて知りたかった」等、どの方もロボット、そして認知症予防と共想法との関連に興味を抱いてのご参加でした。
講座風景
続く講話では、”認知症が進むと、人の話を聴き、理解して、それに対して質問をするということができにくくなる。「話す」「聴く」考える」という一連の作業を通して、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫するトレーニング」をすることで防ぐことを目指しているのが、会話支援手法:共想法である。”ということを、配布資料「共想法ガイドブック」をもとに説明しました。
小休憩を挟んだ後、機器の不具合のため、予定していた研究員による共想法のデモンストレーションで司会ロボットぼのちゃんの活躍をご覧いただくのに替えて、「質問を考えることが大切であるも、なかなかそれを考えるのは意外に難しい」ことを体感していただくために、司会ロボットより小柄な対話ロボットミニぼのちゃんとの対話を参加者全員にご体験いただきました。
これは在宅でもお一人で会話の訓練のできるロボットで、ミニぼのちゃんが発する30秒の話題写真の説明を聞いた後、4分間、AI搭載のミニぼのちゃんが、利用者の質問に答えてくれるものです。「健康に気を付けていること」「好きな食べ物」等のテーマの話題に対して、それぞれが順番に質問をなげかけると、最初はロボットと操作とのタイミングが合わなかった方も、次第になれて下さり、時には長々とした蘊蓄のある回答や、なるほどと思わせる回答に笑顔がこぼれてきました。
対話ロボット体験なさるご参加の方々
体験後、「どのような仕組みでロボットが回答するのか」「複数人で行う共想法とこの対話ロボットとの脳の訓練の効果の違いは何か」等、今後の研究課題になるような質問も投げかけられ、皆様のロボットへのご興味は高まり、ロボットの進化が、認知症の予防に結びつく会話支援手法の進化に貢献する可能性も、ご理解いただけたようでした。
事後アンケートでは、認知症予防に関心が高く、「今から始める」というタイトルに惹かれての来聴理由が上位を占めました。それだけに、対話ロボットの体験も興味を示されましたが、共想法と認知症予防との関係性をより詳しく知りたかった、共想法の実演も観たかったという声もあり、講座内容のバランスも課題だと思われました。
最後にこの企画のためにご尽力いただきました柏市社会福祉協議会の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
市民研究員 松村光輝 吉田美枝子
2024年7月2日10時より千葉県柏市野村證券柏支店3階のホールにて、柏シルバー大学院B組の方々へ「高齢者の認知症予防」をテーマにした出前講座を行いました。当大学院は千葉県生涯大学校を修了した後も、さらに自主的に学習を続け、社会環境の変化に順応する能力を 高め、交遊の輪を広げ、併せて社会活動に参加し、生き甲斐の高揚に資することを目的として昭和56年5月に創立されました。学生により自主的に運営されています。在校の皆様は月2日、年間18回(約72時間)の学習のほか、年3回の校外研修及び年2回の合同研修をなどに参加されるなど、まさに生涯学習を粛々と継続中の方々です。
今回の講座で以上のことを実感したのは、開講時刻10時の30分前には、大学院の生徒さん達で会場(シルバー大学院では【教場】が呼称のようです)は既に満席に近い状態で学習準備万端であったことと、講座の開始には「起立」「礼」「着席」の号令がかかったこと。さらには、お世話役の方から、小休憩時に「今回は睡眠学習(居眠り)をしている人が誰もいなかった!」というお声を漏れ伺ったり、当日の出席者は72名(男39名、女33名)で出席率92.3%とのことで、皆様の意識の高さ感じ取ることができました。
今講座は講師を大武美保子代表理事・所長が務め、共想法デモンストレーションやPC操作行うアシスタントとして市民研究員の根岸、松村、吉田、三浦、長久が参加いたしました。
開会のご挨拶、講師の紹介の後、早速講座が始まりました。まず、ほのぼの研究所のトピックスでもある8月20日に開催する設立16周年記念講演会のメインが、大学時時代の恩師でもある失敗学の提唱者:畑村洋太郎先生との師弟対談であることを伝えました。そして、畑村先生の話題性の高い近著『老いの失敗学』に表された「老いの小さな失敗に対する対策や考え方」=「上手に老いる」は認知症予防のために、小さな失敗を恐れず十分に対策をした上で挑戦することにつながると述べました。
『老いの失敗学」畑村洋太郎著
次いで、畑村先生(1941年生まれ)と同じ、あるいはそれ以上の方々も十数人いらっしゃるようにお見受けした会場の皆様に対して認知症に関する認識や日々の健康長寿や認知症予防に対する工夫の有無などを問いかけながら、長く認知症を患った祖母と、写真を介して、また質問を工夫することで会話が広がり、コミュニケーションができるようになったという経験をきっかけに、認知症予防の研究を始めたいう話や、さらに、会話に着目して進めている研究の経緯、ほのぼの研究所を設立した意味などを述べ、自己紹介をしました。
授業風景
今講座の本題「高齢者の認知症予防」についての講話は、まず「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が遅れなくなった状態」であると、認知症の定義を述べた後、人生100年といわれる中、95歳以上の高齢者の約8割が認知症と推計されるという喫緊の課題があることを述べました。
加えて、80歳まで20本以上の歯を残すことをスローガンとした8020運動(口腔ケア習慣の徹底)で、55歳〜64歳で歯を失う人の割合が、1975年から2005年までの間に、20%から2%に減少した成功事例を挙げ、認知機能の低下を防ぐために認知機能能をバランスよく活用する認知ケア習慣を普及させれば、認知症有病率を劇的に減少させることは夢ではない、認知症予防対策はまだまだ伸びしろがある、歯を磨くように脳を磨こうという熱い思いも述べました。
そして、その認知症予防対策として以下の2つを挙げ、詳細を説明しました。
1)生理的アプローチ(認知症の原因の約9割を閉めるアルツハイマー病と脳血管障害を防ぐこと=身体と脳の老化を防ぐこと)➨適度な運動、食事の工夫、充分な睡眠…エビデンスが豊富
2) 認知的アプローチ(たとえアルツハイマー病にかかったとしても、認知症の症状が出るのを防ぐこと)➨社会生活を送る上で必要であり認知症になると急激に低下するとされている体験記憶、注意分割機能、計画実行機能、言語流暢性といった認知機能を必要とする、知的活動や社会的交流を行い、言語能力を高める
さらに、体験記憶の衰えを進行度別に示し、重度の「最近のことを思い出せない」症状になる前に表れる「最近のことを覚えない、思い出さない」ような生活習慣は、いずれ重度な症状に陥る危険信号が灯っている状態なので、毎日楽しくすごし、最近のことをきちんと憶えておいて、それを話すことが大切であると添えました。
そうした観点から、会話(最近のことを話す)に注目して、2006年に提唱した、認知症になると低下する認知機能を活用する社会的交流を、高い確率で実現するための会話支援手法:「共想法」について次のように説明しました。設定されたテーマに沿った写真を撮影し、時間と順序のルール決めて、話す、聞く、質問する、答える(会話する)もので、一連の作業を通して、加齢と共に衰えやすい体験記憶、注意分割機能、計画力を、総合的に使うことで、衰えやすい認知機能の低下を防ぎ、長持ちする脳の使い方を実践するものです。
10分間の休憩を挟んで、市民研究員の3人が参加の、「最近やってみたこと」がテーマの、ロボットぼのちゃんが司会をする共想法デモンストレーションをご覧に入れました。しかしながら、経験豊富な共想法ベテラン?だけに、それぞれが時間をきっちり守って話題提供と質問をしてしまったため、司会ぼのちゃんが時間どおりに会話をしない参加者を容赦なく遮って、正しい進行を続けようとする役目が果たせず、賢いロボットの見せ場をご披露できなかったことは反省事項でした、
共想法のデモンストレーション
その後、配布資料をもとに、ロボットぼのちゃんが単なる司会でなく、会話量を計測して、参加者だれもにまんべんなく会話を促す機能もあることや、共想法のような、憶えたり、質問をしたりという頭を使った会話を続けることにより、言葉を取り出す脳の機能(言語流暢性)が向上したということがRCT調査でわかったことを伝え、ぜひとも生活習慣に取り入れていってほしいと勧めました。
最後に、大武代表理事の研究活動を発信している各種SNSツールや、ほのぼの研究所の広報・普及等の活動内容を紹介し、在宅でもご参加可能な遠隔共想法や街歩き共想法へのご参加を誘いし、終講となりました。
残念ながら、時間の関係で質疑応答の時間はありませんでしたが、クラスの責任者から「大変興味のある講義であり、真剣に受講することができました。配布資料を読み返すことでようやく「共想法」について理解ができたので、改めてまたそれに関する講義を視聴したい」という感想をいただいたことは、大変嬉しいことでした。
クラスの責任者との記念撮影
この講座開催に当たり、ご尽力いただきました柏市シルバー大学院の関係者の方々に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
また、講義冒頭にご案内した8月に開催する設立記念講演会へのご参加お申込みを当日から引き続き沢山いただいておりますことも、大変ありがたく厚く御礼申し上げます。
今回の講座で以上のことを実感したのは、開講時刻10時の30分前には、大学院の生徒さん達で会場(シルバー大学院では【教場】が呼称のようです)は既に満席に近い状態で学習準備万端であったことと、講座の開始には「起立」「礼」「着席」の号令がかかったこと。さらには、お世話役の方から、小休憩時に「今回は睡眠学習(居眠り)をしている人が誰もいなかった!」というお声を漏れ伺ったり、当日の出席者は72名(男39名、女33名)で出席率92.3%とのことで、皆様の意識の高さ感じ取ることができました。
今講座は講師を大武美保子代表理事・所長が務め、共想法デモンストレーションやPC操作行うアシスタントとして市民研究員の根岸、松村、吉田、三浦、長久が参加いたしました。
開会のご挨拶、講師の紹介の後、早速講座が始まりました。まず、ほのぼの研究所のトピックスでもある8月20日に開催する設立16周年記念講演会のメインが、大学時時代の恩師でもある失敗学の提唱者:畑村洋太郎先生との師弟対談であることを伝えました。そして、畑村先生の話題性の高い近著『老いの失敗学』に表された「老いの小さな失敗に対する対策や考え方」=「上手に老いる」は認知症予防のために、小さな失敗を恐れず十分に対策をした上で挑戦することにつながると述べました。
『老いの失敗学」畑村洋太郎著
次いで、畑村先生(1941年生まれ)と同じ、あるいはそれ以上の方々も十数人いらっしゃるようにお見受けした会場の皆様に対して認知症に関する認識や日々の健康長寿や認知症予防に対する工夫の有無などを問いかけながら、長く認知症を患った祖母と、写真を介して、また質問を工夫することで会話が広がり、コミュニケーションができるようになったという経験をきっかけに、認知症予防の研究を始めたいう話や、さらに、会話に着目して進めている研究の経緯、ほのぼの研究所を設立した意味などを述べ、自己紹介をしました。
授業風景
今講座の本題「高齢者の認知症予防」についての講話は、まず「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が遅れなくなった状態」であると、認知症の定義を述べた後、人生100年といわれる中、95歳以上の高齢者の約8割が認知症と推計されるという喫緊の課題があることを述べました。
加えて、80歳まで20本以上の歯を残すことをスローガンとした8020運動(口腔ケア習慣の徹底)で、55歳〜64歳で歯を失う人の割合が、1975年から2005年までの間に、20%から2%に減少した成功事例を挙げ、認知機能の低下を防ぐために認知機能能をバランスよく活用する認知ケア習慣を普及させれば、認知症有病率を劇的に減少させることは夢ではない、認知症予防対策はまだまだ伸びしろがある、歯を磨くように脳を磨こうという熱い思いも述べました。
そして、その認知症予防対策として以下の2つを挙げ、詳細を説明しました。
1)生理的アプローチ(認知症の原因の約9割を閉めるアルツハイマー病と脳血管障害を防ぐこと=身体と脳の老化を防ぐこと)➨適度な運動、食事の工夫、充分な睡眠…エビデンスが豊富
2) 認知的アプローチ(たとえアルツハイマー病にかかったとしても、認知症の症状が出るのを防ぐこと)➨社会生活を送る上で必要であり認知症になると急激に低下するとされている体験記憶、注意分割機能、計画実行機能、言語流暢性といった認知機能を必要とする、知的活動や社会的交流を行い、言語能力を高める
さらに、体験記憶の衰えを進行度別に示し、重度の「最近のことを思い出せない」症状になる前に表れる「最近のことを覚えない、思い出さない」ような生活習慣は、いずれ重度な症状に陥る危険信号が灯っている状態なので、毎日楽しくすごし、最近のことをきちんと憶えておいて、それを話すことが大切であると添えました。
そうした観点から、会話(最近のことを話す)に注目して、2006年に提唱した、認知症になると低下する認知機能を活用する社会的交流を、高い確率で実現するための会話支援手法:「共想法」について次のように説明しました。設定されたテーマに沿った写真を撮影し、時間と順序のルール決めて、話す、聞く、質問する、答える(会話する)もので、一連の作業を通して、加齢と共に衰えやすい体験記憶、注意分割機能、計画力を、総合的に使うことで、衰えやすい認知機能の低下を防ぎ、長持ちする脳の使い方を実践するものです。
10分間の休憩を挟んで、市民研究員の3人が参加の、「最近やってみたこと」がテーマの、ロボットぼのちゃんが司会をする共想法デモンストレーションをご覧に入れました。しかしながら、経験豊富な共想法ベテラン?だけに、それぞれが時間をきっちり守って話題提供と質問をしてしまったため、司会ぼのちゃんが時間どおりに会話をしない参加者を容赦なく遮って、正しい進行を続けようとする役目が果たせず、賢いロボットの見せ場をご披露できなかったことは反省事項でした、
共想法のデモンストレーション
その後、配布資料をもとに、ロボットぼのちゃんが単なる司会でなく、会話量を計測して、参加者だれもにまんべんなく会話を促す機能もあることや、共想法のような、憶えたり、質問をしたりという頭を使った会話を続けることにより、言葉を取り出す脳の機能(言語流暢性)が向上したということがRCT調査でわかったことを伝え、ぜひとも生活習慣に取り入れていってほしいと勧めました。
最後に、大武代表理事の研究活動を発信している各種SNSツールや、ほのぼの研究所の広報・普及等の活動内容を紹介し、在宅でもご参加可能な遠隔共想法や街歩き共想法へのご参加を誘いし、終講となりました。
残念ながら、時間の関係で質疑応答の時間はありませんでしたが、クラスの責任者から「大変興味のある講義であり、真剣に受講することができました。配布資料を読み返すことでようやく「共想法」について理解ができたので、改めてまたそれに関する講義を視聴したい」という感想をいただいたことは、大変嬉しいことでした。
クラスの責任者との記念撮影
この講座開催に当たり、ご尽力いただきました柏市シルバー大学院の関係者の方々に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
また、講義冒頭にご案内した8月に開催する設立記念講演会へのご参加お申込みを当日から引き続き沢山いただいておりますことも、大変ありがたく厚く御礼申し上げます。
市民研究員 長久秀子
ほのぼの研究所大武所長がチームリーダーとして勤務する、理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チームが、2023年度、大阪府岸和田市と岸和田市にある有限会社野花ヘルスプロモートの三者共同研究として、遠隔共想法の実証実験を行いました。この実証実験のフォローアップイベントとして、岸和田市街歩き共想法を、2024年6月2日(日)に実施しました。
ほのぼの研究所は、研究協力の一環として、街歩き共想法実施運営のノウハウの共有および情報発信面で協力することとなりました。
岸和田街歩き共想法チラシ
岸和田といえば秋に開催される『だんじり祭り』が超有名ですが、その他にも岸和田城や八陣の庭、五風荘庭園など見所は数々存在しています。また、参勤交代の道として大阪と和歌山を結んでいた紀州街道には江戸時代から明治時代の町屋建築が残っており、当時の風情を感じることができる素敵な街並みです。
参加者は、2023年度岸和田市で行った実証実験参加者と岸和田市役所の方 、その方々を1年間サポートしてきたほのぼの研究所賛助会員の野花ヘルスプロモートの社員の方々、大阪在住のほのぼの研究所共想法継続コース参加者、理化学研究所の研究者とスタッフ一同、総勢30名あまりです。この他に記録動画を制作するための映像制作者やその動画撮影のご支援をいただく人気ユーチューバーの方などが同行くださいました。この皆さんを野花ヘルスプ<ロモートの先導により安全に配慮した街歩きを行いました。
ご参加の皆様
今回の街歩きは写真を撮りながらゆっくり歩いて1時間半程度のコースです。
‖膾縅僂鯔召犂瀟妥張戰ぅ┘螢△離ぅ戰鵐伐饐譟愼邀は伽撻曄璽襦戮鬟好拭璽函E卦い惑曇りで直射日光が当たらない上々の街歩き日和でした。
浪切ホールをスタート
△世鵑犬蟶廚蠅任慮せ場「やりまわし(だんじりを直角に曲げること)」が見られる『カンカン場』を通過し紀州街道へ。
カンカン場
この交差点の左右からだんじりが全力で駆けてきて減速せず正面の通りへと直角に旋回します。左にあるFOODS MARKETの駐車場に観覧席が設けられ観客で一杯になります。
5州街道を南西の方向(和歌山方向)に散策し、古い町並みを堪能。岸和田では既にだんじり祭りの準備が始まっており、お囃子の稽古をやっていました。
紀州街道道標 紀州街道の街並み
だんじり(お囃子の稽古中)
さ州街道から左に見える岸和田市役所、岸和田城を通過して左折、だんじり会館を左に見ながらちょっとした坂を登ってもう一度左折し、岸和田城の方向へ。だんじり会館の裏を通りました。左に睡蓮が咲く堀を見て岸和田城へと向かいます。途中に土産物屋もあり観光地という風情です。
だんじり会館の裏側 水連が咲く岸和田城の壕
ゴ瀟妥直襪謀着。お城の前が八陣の庭になっています。お城の上から眺めたい庭でしたが、今回はお城には上らず地上から見ただけでした。次回訪れた時にはぜひ上から眺めたいものです。
お濠越しの岸和田城 岸和田城と八陣の庭
Δ城を出て今度は杉江能楽堂に向かいます。今この能楽堂はレストランになっており、中で食事をしないと能楽堂を見ることができないとのこと。前だけ通って帰路につきました。
左上に杉江能楽堂の看板
Г城を下って行って紀州街道まで戻ります。紀州街道を大阪方面に戻り、カンカン場の方へ曲がって横断歩道を渡れば浪切ホール。皆さん無事ゴールしました。
ゴールまで500m ゴール
さて各々昼食を済ませ、午後からは皆さんが午前中に撮影した写真を使っての共想法です。場所は浪切ホールの特別会議室。今回は参加者も多いことから5名1グループで一人一枚の写真を使います。説明時間は1分ですが、質問時間は3分に設定されています。全部で6グループです。広い特別会議室の前後で3グループずつに分かれ共想法の開始です。
ここでトラブル発生。ロボットのぼのちゃんが不調です。1台はどこかがオーバーヒートしたのかちょっと焦げ臭い匂いがします。熱もあるようです。慌てて電源OFFにして匂いが消えた頃に再起動したところ声はすれども手と顔が動きません。再度確認するとケーブルがちゃんと接続されてなかったようです。これを修正し正常動作するようになりました。良かったです。あとの一台は正常に動くのですが、広い会場に対して声が小さく聞きづらいためパソコンのスピーカーから音声を流すことになりました。理化学研究所のテクニカルサポートメンバーは一瞬焦りましたが、無事、共想法を開始することができました。
共想法での写真は岸和田城の写真やだんじりの写真、マンホールやら道路標識などそれぞれの感性で気になったものになっていました。道路標識の写真で1分説明するのは難しく時間が余るなど、持ち時間ぴったりに写真を説明し、質問するのに苦労なさる方が結構いらっしゃって、話を膨らませることで脳をたくさん使うことになったでしょう。共想法の狙いがしっかり反映される形になったと思います。
共想法の様子1
共想法の様子2
感染症の影響で遠隔実施だった共想法を、街歩きと言う形で皆さんと直に会ってお話できたことで、経験者の方も新鮮に感じられた、岸和田に住んでいるのに今まで気づかなかったものが見えたというような感想が多くあり、皆さん楽しまれた様子でした。中には歩く事が苦手だったのに、実は歩く事は楽しい事だと気づいたという方もいらっしゃいました。
皆さん楽しくお話されたようで、笑顔と笑いの絶えない共想法になっていました。これを機会に関西方面へも共想法を広げたいですね。事実、野花ヘルスプロモートさんはお隣の泉大津市でも街歩き共想法ができないか提案に赴くようです。
皆様、お疲れ様でした。
ほのぼの研究所は、研究協力の一環として、街歩き共想法実施運営のノウハウの共有および情報発信面で協力することとなりました。
岸和田街歩き共想法チラシ
岸和田といえば秋に開催される『だんじり祭り』が超有名ですが、その他にも岸和田城や八陣の庭、五風荘庭園など見所は数々存在しています。また、参勤交代の道として大阪と和歌山を結んでいた紀州街道には江戸時代から明治時代の町屋建築が残っており、当時の風情を感じることができる素敵な街並みです。
参加者は、2023年度岸和田市で行った実証実験参加者と岸和田市役所の方 、その方々を1年間サポートしてきたほのぼの研究所賛助会員の野花ヘルスプロモートの社員の方々、大阪在住のほのぼの研究所共想法継続コース参加者、理化学研究所の研究者とスタッフ一同、総勢30名あまりです。この他に記録動画を制作するための映像制作者やその動画撮影のご支援をいただく人気ユーチューバーの方などが同行くださいました。この皆さんを野花ヘルスプ<ロモートの先導により安全に配慮した街歩きを行いました。
ご参加の皆様
今回の街歩きは写真を撮りながらゆっくり歩いて1時間半程度のコースです。
‖膾縅僂鯔召犂瀟妥張戰ぅ┘螢△離ぅ戰鵐伐饐譟愼邀は伽撻曄璽襦戮鬟好拭璽函E卦い惑曇りで直射日光が当たらない上々の街歩き日和でした。
浪切ホールをスタート
△世鵑犬蟶廚蠅任慮せ場「やりまわし(だんじりを直角に曲げること)」が見られる『カンカン場』を通過し紀州街道へ。
カンカン場
この交差点の左右からだんじりが全力で駆けてきて減速せず正面の通りへと直角に旋回します。左にあるFOODS MARKETの駐車場に観覧席が設けられ観客で一杯になります。
5州街道を南西の方向(和歌山方向)に散策し、古い町並みを堪能。岸和田では既にだんじり祭りの準備が始まっており、お囃子の稽古をやっていました。
紀州街道道標 紀州街道の街並み
だんじり(お囃子の稽古中)
さ州街道から左に見える岸和田市役所、岸和田城を通過して左折、だんじり会館を左に見ながらちょっとした坂を登ってもう一度左折し、岸和田城の方向へ。だんじり会館の裏を通りました。左に睡蓮が咲く堀を見て岸和田城へと向かいます。途中に土産物屋もあり観光地という風情です。
だんじり会館の裏側 水連が咲く岸和田城の壕
ゴ瀟妥直襪謀着。お城の前が八陣の庭になっています。お城の上から眺めたい庭でしたが、今回はお城には上らず地上から見ただけでした。次回訪れた時にはぜひ上から眺めたいものです。
お濠越しの岸和田城 岸和田城と八陣の庭
Δ城を出て今度は杉江能楽堂に向かいます。今この能楽堂はレストランになっており、中で食事をしないと能楽堂を見ることができないとのこと。前だけ通って帰路につきました。
左上に杉江能楽堂の看板
Г城を下って行って紀州街道まで戻ります。紀州街道を大阪方面に戻り、カンカン場の方へ曲がって横断歩道を渡れば浪切ホール。皆さん無事ゴールしました。
ゴールまで500m ゴール
さて各々昼食を済ませ、午後からは皆さんが午前中に撮影した写真を使っての共想法です。場所は浪切ホールの特別会議室。今回は参加者も多いことから5名1グループで一人一枚の写真を使います。説明時間は1分ですが、質問時間は3分に設定されています。全部で6グループです。広い特別会議室の前後で3グループずつに分かれ共想法の開始です。
ここでトラブル発生。ロボットのぼのちゃんが不調です。1台はどこかがオーバーヒートしたのかちょっと焦げ臭い匂いがします。熱もあるようです。慌てて電源OFFにして匂いが消えた頃に再起動したところ声はすれども手と顔が動きません。再度確認するとケーブルがちゃんと接続されてなかったようです。これを修正し正常動作するようになりました。良かったです。あとの一台は正常に動くのですが、広い会場に対して声が小さく聞きづらいためパソコンのスピーカーから音声を流すことになりました。理化学研究所のテクニカルサポートメンバーは一瞬焦りましたが、無事、共想法を開始することができました。
共想法での写真は岸和田城の写真やだんじりの写真、マンホールやら道路標識などそれぞれの感性で気になったものになっていました。道路標識の写真で1分説明するのは難しく時間が余るなど、持ち時間ぴったりに写真を説明し、質問するのに苦労なさる方が結構いらっしゃって、話を膨らませることで脳をたくさん使うことになったでしょう。共想法の狙いがしっかり反映される形になったと思います。
共想法の様子1
共想法の様子2
感染症の影響で遠隔実施だった共想法を、街歩きと言う形で皆さんと直に会ってお話できたことで、経験者の方も新鮮に感じられた、岸和田に住んでいるのに今まで気づかなかったものが見えたというような感想が多くあり、皆さん楽しまれた様子でした。中には歩く事が苦手だったのに、実は歩く事は楽しい事だと気づいたという方もいらっしゃいました。
皆さん楽しくお話されたようで、笑顔と笑いの絶えない共想法になっていました。これを機会に関西方面へも共想法を広げたいですね。事実、野花ヘルスプロモートさんはお隣の泉大津市でも街歩き共想法ができないか提案に赴くようです。
皆様、お疲れ様でした。
理化学研究所 テクニカルサポート
平良弘之
新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行し、約1年が経ちました。2023年度は、コロナ禍の間控えていた、対面による講演会、対面による認知症予防体験会、街歩き共想法を、それぞれ注意深く開催し、安全に執り行うことができました。コロナ禍の間、また、5類への移行後も、約4年にわたって、いかにコロナ禍を乗り切るかに注力してきました。ところが、改めて振り返ってみると、4年分だけ、参加者も実施者も年を重ねたことに気づきました。年を重ねると、それまでできていたことが、困難になることもあります。コロナ禍対応というよりは、時間の流れへの対応が不可欠です。そこで、2024年度は、時間の流れへの対応を重点項目とし、持続可能な活動に必要な体制を作ることを目指します。
第一に、実施者の年齢層の幅を広げることに取り組みます。これまで、当事者である高齢者の手で、認知症予防に有効な方法を創り出して行こうとの考えのもと、高齢者を中心に実施、運営をしてきました。活動を進める中で、より早い時期、現在の高齢者の定義である65歳より前から、認知症予防を意識して、加齢対策を進めることが有効であると、切実に実感するようになりました。認知症予防、そして、その土台となるフレイル予防には、運動が有効ですが、運動を安全にできる状態にない高齢者が多いのです。特に女性は、70代後半になると、2人に1人は骨粗しょう症を発症しているとされ、実際に、高齢者を対象に認知症予防の取り組みをしていると、転んで大腿骨を骨折したり、手首を骨折したり、重いものを持ち上げて背骨を複雑骨折したりする人が後を絶ちません。骨密度低下は、40代後半から50代の間に急速に進み、その後も減り続けて、70代以降になると、ついに生活に支障が生じるほど、骨密度が低い状態になり、問題が顕在化するのです。認知症も同様で、認知症の原因疾患の第一位であるアルツハイマー病も、神経変性は発症の20〜30年前から始まり、20〜30年かけて症状が顕在化するとされます。このことから考えると、認知症予防の当事者は、高齢者だけでなく、その前の、40〜50代であると言えます。そのことに気づいた40〜50代を、当研究所の仲間に加え、同世代に向けて普及啓蒙すると同時に、これまで主に活動してきた高齢者と共に、多世代で運営する体制を構築して行きます。
第二に、多地域での実施を支援する体制と、そのための手順を構築します。当研究所が提案する認知症予防手法、共想法の参加者は、ある期間集中して共想法の実験に参加し、実験を終了後、参加継続を希望される方を中心に発掘してきました。最近では、東京都中央区、文京区、埼玉県和光市、大阪府岸和田市在住の方を対象に、共想法の実験を実施してきました。これらの実験の参加修了者を中心に、上記地域での継続的なサービス提供体制を作ることが求められています。より持続可能なサービス提供を可能とする新たな方法、事業モデルを考えると共に、研究所としてそれを支援する体制を作ります。具体的には、これまでも試験的に試行してきた研修プログラムを洗練し、実施者養成に向けて標準化し、以前より構想している資格認定や検定の仕組みづくりに向けて、準備を進めます。
第三に、これまでの活動を整理し、それを一目で見ることができるよう、また、最近の活動にスムーズにアクセスできるよう、ウェブサイトを刷新します。たとえば、これまでに主催した講演会は、2023年度までで、30回の開催を数えます。講演会の情報を一覧で見ることができるページなどを、これまでのブログの記事を整理し、編集することにより、作成します。また、最新のブログ記事を、リンクだけでなく、トップページに掲載することによって、毎週更新していることが、トップページから直観的にわかるように整備します。街歩き共想法についても、これまでにのべ15回以上開催しており、これらを一覧して見ることができるようにする計画です。
以上に述べた取り組みのうち、特に第一に挙げた実施者の多世代化は、2023年度、2022年度の活動方針でも取り上げてきている、懸案課題です。実際、前年度までに着手しており、今年度は、取り組みを加速して参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
第一に、実施者の年齢層の幅を広げることに取り組みます。これまで、当事者である高齢者の手で、認知症予防に有効な方法を創り出して行こうとの考えのもと、高齢者を中心に実施、運営をしてきました。活動を進める中で、より早い時期、現在の高齢者の定義である65歳より前から、認知症予防を意識して、加齢対策を進めることが有効であると、切実に実感するようになりました。認知症予防、そして、その土台となるフレイル予防には、運動が有効ですが、運動を安全にできる状態にない高齢者が多いのです。特に女性は、70代後半になると、2人に1人は骨粗しょう症を発症しているとされ、実際に、高齢者を対象に認知症予防の取り組みをしていると、転んで大腿骨を骨折したり、手首を骨折したり、重いものを持ち上げて背骨を複雑骨折したりする人が後を絶ちません。骨密度低下は、40代後半から50代の間に急速に進み、その後も減り続けて、70代以降になると、ついに生活に支障が生じるほど、骨密度が低い状態になり、問題が顕在化するのです。認知症も同様で、認知症の原因疾患の第一位であるアルツハイマー病も、神経変性は発症の20〜30年前から始まり、20〜30年かけて症状が顕在化するとされます。このことから考えると、認知症予防の当事者は、高齢者だけでなく、その前の、40〜50代であると言えます。そのことに気づいた40〜50代を、当研究所の仲間に加え、同世代に向けて普及啓蒙すると同時に、これまで主に活動してきた高齢者と共に、多世代で運営する体制を構築して行きます。
第二に、多地域での実施を支援する体制と、そのための手順を構築します。当研究所が提案する認知症予防手法、共想法の参加者は、ある期間集中して共想法の実験に参加し、実験を終了後、参加継続を希望される方を中心に発掘してきました。最近では、東京都中央区、文京区、埼玉県和光市、大阪府岸和田市在住の方を対象に、共想法の実験を実施してきました。これらの実験の参加修了者を中心に、上記地域での継続的なサービス提供体制を作ることが求められています。より持続可能なサービス提供を可能とする新たな方法、事業モデルを考えると共に、研究所としてそれを支援する体制を作ります。具体的には、これまでも試験的に試行してきた研修プログラムを洗練し、実施者養成に向けて標準化し、以前より構想している資格認定や検定の仕組みづくりに向けて、準備を進めます。
第三に、これまでの活動を整理し、それを一目で見ることができるよう、また、最近の活動にスムーズにアクセスできるよう、ウェブサイトを刷新します。たとえば、これまでに主催した講演会は、2023年度までで、30回の開催を数えます。講演会の情報を一覧で見ることができるページなどを、これまでのブログの記事を整理し、編集することにより、作成します。また、最新のブログ記事を、リンクだけでなく、トップページに掲載することによって、毎週更新していることが、トップページから直観的にわかるように整備します。街歩き共想法についても、これまでにのべ15回以上開催しており、これらを一覧して見ることができるようにする計画です。
以上に述べた取り組みのうち、特に第一に挙げた実施者の多世代化は、2023年度、2022年度の活動方針でも取り上げてきている、懸案課題です。実際、前年度までに着手しており、今年度は、取り組みを加速して参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子
2024年6月13日13時より千葉県柏市柏の葉の東葛テクノプラザ多目的ホールにて、柏シルバー大学院第C組33期の方々へ「高齢者の認知症予防」をテーマに出前講座を行いました。
柏シルバー大学院は千葉県生涯大学校を修了した後も、さらに自主的に学習を続け、社会環境の変化に順応する能力を 高め、交遊の輪を広げ、併せて社会活動に参加し、生き甲斐の高揚に資することを目的として昭和56年5月に創立され、学生により自主的に運営されています。在校の皆様は月2日、年間18日(約72時間)の学習のほか、年3回の校外研修及び年2回の合同研修をなどに参加されるなど、まさに生涯学習を全うされている方々です。
会場には荒天にもかかわらず、在籍者の出席率93.5%に及ぶ101名と、向学心にあふれた方々がご参集下さいました。講師は大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長が務め、アシスタントとして市民研究員の根岸勝壽、松村光輝、鈴木晃が参加いたしました。
定刻13時より、開会の挨拶の後、講師側のご紹介があり、早速講話が始まりました。
東葛テクノプラザ多目的ホールにご参集の皆様
まず「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れなくなった状態」であると、認知症の定義を述べた後、人生100年といわれる中、95歳以上の高齢者の約8割が認知症と推計されるという喫緊の課題があることを、聴講の皆様やご家族・周囲の方々の認知症に関する認識や状況等について問いかけながら、伝えました。
そして、その認知症予防対策として以下の2つを挙げ、詳細を説明しました。
1)生理的アプローチ(認知症の原因の約9割を閉めるアルツハイマー病と脳血管障害を防ぐこと=身体と脳の老化を防ぐこと)➨適度な運動、食事の工夫、充分な睡眠…エビデンスが豊富
2) 認知的アプローチ(たとえアルツハイマー病にかかったとしても、認知症 の症状が出るのを防ぐこと)➨社会生活を送る上で必要であり認知症になると急激に低下するとされている体験記憶、注意分割機能、計画実行機能、言語流暢性といった認知機能を必要とする、知的活動や社会的交流を行い、言語能力を高める)
併せて、1975年から始まった80歳まで20本以上の歯を残すことをスローガンとした8020運動(口腔ケア習慣の徹底)で55歳〜64歳で歯を失う人の割合が2005年までに20%から2%に減少したサクセス事例を挙げ、認知機能の低下を防ぐために認知異能をバランスよく活用する認知ケア習慣を普及させれば、認知症有病率を劇的に減少させることは夢ではないと認知症予防対策への展望と意欲を熱く語りました。
講話を行う大武代表理事・所長
次いで、認知症の症状が出るのを防ぐために生活の中にどのようなことを取り入れたらいいかという観点から、講師が2006年に提唱した、認知症になると低下する認知機能を活用する社会的交流を高い確率で実現するための手法:「共想法」について説明をしました。設定されたテーマに沿った写真を撮影し、時間と順序のルール決めて、話す、聞く、質問する、答えることを行うもの。写真を撮影した時の体験について話題にすることで➨、体験記憶を、写真を見ながら、お互いによく聞き考えな がら、質問することで➨注意分割機能を、決められた時間内に話すことで➨計画実行機能をと、一連の作業を通して活用することになることを、NHKにEテレ2012年「あしたも晴れ!人生レシピ AIでどう変わる超高齢社会」で放映された会話支援ロボットぼのちゃん司会による共想法の紹介動画を御覧にいれながら、共想法の流れを説明しました。
加えて下表左のような認知症につながる会話にはならないよう、共想法参加では下表右のような会話の訓練をすることにもなるので、会話支援手法より会話訓練法ともいえると述べました。
認知症になるとできなくなる会話と認知症予防につながる会話
10分間の休憩を挟んで、大武代表理事・所長、根岸、松村、鈴木市民研究員の4人で「最近でかけたところ」をテーマにロボットぼのちゃんの司会で、1枚/人の写真に対して、話題提供1分、質疑応答2分の共想法デモンストレーションを観ていただきました。各自が期せずしてこの連休に訪れたとした「家族旅行で訪れた伊東海岸での砂遊び」「霧の情景を撮ろうとはせ参じた廣幡八幡宮」「親族で訪れた善光寺」「大堀川河畔の空に勢いよく泳ぐ多数の鯉のぼり」の話題写真を提供、ついつい質問や説明が設定時間をオーバーし、容赦なく発話をさえぎるロボットには会場から笑いを誘うなど、実施の雰囲気を和やかな中でご理解いただけたようでした。
「最近行ったところ」をテーマの共想法デモンストレーション
その後、さらに前述の会話支援ロボットの発話量測定機能等を活用して、理化学研究所にて共想法ランダム化比較試験を実施した結果、介入群には言語流暢性(言葉を取り出す認知機能)が向上するというエビデンスが得られ、MRI検査からも、言語流暢性に関連する脳の領域間や大域的な領野間のつながりがよくなり、記憶機能や実行機能を司る脳の領域の体積が増加する可能性があることを明らかになったと述べ、現在、大阪府岸和田市と理化学研究所との共同研究で実証実験が継続されている等、認知症予防の研究の進捗状況を述べました。
最後に配布資料をご覧いただきながら、ほのぼの研究所のご紹介や現在オンラインで在宅でスマホを用いて参加する遠隔共想法継続コースへのお誘いをさせていただき、終講しました。
残念ながら、時間の関係で質疑応答の時間はありませんでしたが、視聴者の中にほのぼの研究所が設立間もない時に開催したさわやかちば県民プラザでの講座に参加された方がいらして、共想法や当所について、もっと知りたいというお声掛けをいただきました。こうしたご縁は、大変懐かしく喜ばしく、早速資料をお送りしたことでした。
この講座開催に当たり、ご尽力いただきました柏市シルバー大学院の関係者の方々に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
柏シルバー大学院は千葉県生涯大学校を修了した後も、さらに自主的に学習を続け、社会環境の変化に順応する能力を 高め、交遊の輪を広げ、併せて社会活動に参加し、生き甲斐の高揚に資することを目的として昭和56年5月に創立され、学生により自主的に運営されています。在校の皆様は月2日、年間18日(約72時間)の学習のほか、年3回の校外研修及び年2回の合同研修をなどに参加されるなど、まさに生涯学習を全うされている方々です。
会場には荒天にもかかわらず、在籍者の出席率93.5%に及ぶ101名と、向学心にあふれた方々がご参集下さいました。講師は大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長が務め、アシスタントとして市民研究員の根岸勝壽、松村光輝、鈴木晃が参加いたしました。
定刻13時より、開会の挨拶の後、講師側のご紹介があり、早速講話が始まりました。
東葛テクノプラザ多目的ホールにご参集の皆様
まず「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れなくなった状態」であると、認知症の定義を述べた後、人生100年といわれる中、95歳以上の高齢者の約8割が認知症と推計されるという喫緊の課題があることを、聴講の皆様やご家族・周囲の方々の認知症に関する認識や状況等について問いかけながら、伝えました。
そして、その認知症予防対策として以下の2つを挙げ、詳細を説明しました。
1)生理的アプローチ(認知症の原因の約9割を閉めるアルツハイマー病と脳血管障害を防ぐこと=身体と脳の老化を防ぐこと)➨適度な運動、食事の工夫、充分な睡眠…エビデンスが豊富
2) 認知的アプローチ(たとえアルツハイマー病にかかったとしても、認知症 の症状が出るのを防ぐこと)➨社会生活を送る上で必要であり認知症になると急激に低下するとされている体験記憶、注意分割機能、計画実行機能、言語流暢性といった認知機能を必要とする、知的活動や社会的交流を行い、言語能力を高める)
併せて、1975年から始まった80歳まで20本以上の歯を残すことをスローガンとした8020運動(口腔ケア習慣の徹底)で55歳〜64歳で歯を失う人の割合が2005年までに20%から2%に減少したサクセス事例を挙げ、認知機能の低下を防ぐために認知異能をバランスよく活用する認知ケア習慣を普及させれば、認知症有病率を劇的に減少させることは夢ではないと認知症予防対策への展望と意欲を熱く語りました。
講話を行う大武代表理事・所長
次いで、認知症の症状が出るのを防ぐために生活の中にどのようなことを取り入れたらいいかという観点から、講師が2006年に提唱した、認知症になると低下する認知機能を活用する社会的交流を高い確率で実現するための手法:「共想法」について説明をしました。設定されたテーマに沿った写真を撮影し、時間と順序のルール決めて、話す、聞く、質問する、答えることを行うもの。写真を撮影した時の体験について話題にすることで➨、体験記憶を、写真を見ながら、お互いによく聞き考えな がら、質問することで➨注意分割機能を、決められた時間内に話すことで➨計画実行機能をと、一連の作業を通して活用することになることを、NHKにEテレ2012年「あしたも晴れ!人生レシピ AIでどう変わる超高齢社会」で放映された会話支援ロボットぼのちゃん司会による共想法の紹介動画を御覧にいれながら、共想法の流れを説明しました。
加えて下表左のような認知症につながる会話にはならないよう、共想法参加では下表右のような会話の訓練をすることにもなるので、会話支援手法より会話訓練法ともいえると述べました。
認知症になるとできなくなる会話と認知症予防につながる会話
10分間の休憩を挟んで、大武代表理事・所長、根岸、松村、鈴木市民研究員の4人で「最近でかけたところ」をテーマにロボットぼのちゃんの司会で、1枚/人の写真に対して、話題提供1分、質疑応答2分の共想法デモンストレーションを観ていただきました。各自が期せずしてこの連休に訪れたとした「家族旅行で訪れた伊東海岸での砂遊び」「霧の情景を撮ろうとはせ参じた廣幡八幡宮」「親族で訪れた善光寺」「大堀川河畔の空に勢いよく泳ぐ多数の鯉のぼり」の話題写真を提供、ついつい質問や説明が設定時間をオーバーし、容赦なく発話をさえぎるロボットには会場から笑いを誘うなど、実施の雰囲気を和やかな中でご理解いただけたようでした。
「最近行ったところ」をテーマの共想法デモンストレーション
その後、さらに前述の会話支援ロボットの発話量測定機能等を活用して、理化学研究所にて共想法ランダム化比較試験を実施した結果、介入群には言語流暢性(言葉を取り出す認知機能)が向上するというエビデンスが得られ、MRI検査からも、言語流暢性に関連する脳の領域間や大域的な領野間のつながりがよくなり、記憶機能や実行機能を司る脳の領域の体積が増加する可能性があることを明らかになったと述べ、現在、大阪府岸和田市と理化学研究所との共同研究で実証実験が継続されている等、認知症予防の研究の進捗状況を述べました。
最後に配布資料をご覧いただきながら、ほのぼの研究所のご紹介や現在オンラインで在宅でスマホを用いて参加する遠隔共想法継続コースへのお誘いをさせていただき、終講しました。
残念ながら、時間の関係で質疑応答の時間はありませんでしたが、視聴者の中にほのぼの研究所が設立間もない時に開催したさわやかちば県民プラザでの講座に参加された方がいらして、共想法や当所について、もっと知りたいというお声掛けをいただきました。こうしたご縁は、大変懐かしく喜ばしく、早速資料をお送りしたことでした。
この講座開催に当たり、ご尽力いただきました柏市シルバー大学院の関係者の方々に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
市民研究員 根岸 勝壽
2024年3月6日13:30より、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の2F多世代交流スペースにて「今から始める認知症予防」と題した今年2回目の共想法体験会を開催いたしました。1月の開催と同様、コロナ禍以降、オンライン中心の活動になって、出会いが限られておりましたため、新しいお仲間にお目にかかる機会を持つ行動をしていきたいとの思いを強くしていたことと、共想法は、説明文章などだけでは、参加のイメージが湧きにくいため、興味を持って頂いた方には、直接お話を交わし、参加している様子を見学、体感していただくことが必要だと考え、企画したものです。
弥生に入ったとはいえ、かなり肌寒い日でしたが、見学者を含めて60〜80代の方々11名にご参加いただきました。
柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつの後、実施関係者を含めて全員で自己紹介を行いました。「最近の自分の記憶力が気になる」「認知症の母を看取ったから」「家族を亡くしてから気分が‥」等、自分自身や家族、友人の認知症を予防したいという思いで参加された方が大半を占めました。今回は1月の体験会でいただいたお声を反映させて、3グループそれぞれに、開講時より市民研究員もお仲間に入れていただき、ご質問に対応したり、ざっくばらんにお話をする機会を設けました。また、共想法の楽しさ等の実態を体感していただくことを、優先するように工夫しました。
共想法ガイドブック資料に基づいた大武先生の認知症予防や共想法に関する座学では、共想法は、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫するトレーニング」することで防ぐことを目指すものだと説明しました。
次いで、研究員4人が参加した「笑い・失敗談」のテーマで司会ロボットぼのちゃんの司会で対面式共想法のデモンストレーションを見学していただきました。ご参加の方々も失敗談やそれにつっこむ質問に一緒に笑って下さったり、容赦なく長話をさえぎって仕切るロボットに驚かれたりと、楽しい会話の場面をご理解いただけたようでした。
見学していただいた共想法デモンストレーション
次いで、途中でネットワークの接続不具合で、残念ながら中断せざるを得なくなりましたが、福岡市、東京都の継続コース参加者、鎌倉市在住の市民研究員とが、会場にいる市民研究員の司会で、スマホを使って行う共想法:遠隔共想法のさわりをご覧いただきました。
遠隔共想法を説明する大武講師
事後のアンケートでは、1月の反省点の見直しが多少反映したようで、「役立つ情報を得た」「日頃の活動に役立った」というお声が多く、講座全体の満足度・共想法そのもの・認知症予防と共想法の関係性についての理解度も8割ほどと高くなりました。また嬉しいことに、終講直後、「共想法が認知症予防によさそうだから、スマホの操作には自信はないけれども、やってみたい!」という方と、2023年度の設立記念講演会にも参加なさった柏市フレイルサポーターの方が、ほのぼの研究所の賛助会員への入会をお申込みいただき、次年度から共想法に参加される運びとなりました。お仲間が増えることは、何より喜ばしいいことでした。
今後もさらなる工夫を重ねながら、多くの皆様、さらに高齢者ばかりでなく、多世代の方へも認知症予防の必要性を理解していただく活動を続けていきたいと思います。
弥生に入ったとはいえ、かなり肌寒い日でしたが、見学者を含めて60〜80代の方々11名にご参加いただきました。
柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつの後、実施関係者を含めて全員で自己紹介を行いました。「最近の自分の記憶力が気になる」「認知症の母を看取ったから」「家族を亡くしてから気分が‥」等、自分自身や家族、友人の認知症を予防したいという思いで参加された方が大半を占めました。今回は1月の体験会でいただいたお声を反映させて、3グループそれぞれに、開講時より市民研究員もお仲間に入れていただき、ご質問に対応したり、ざっくばらんにお話をする機会を設けました。また、共想法の楽しさ等の実態を体感していただくことを、優先するように工夫しました。
共想法ガイドブック資料に基づいた大武先生の認知症予防や共想法に関する座学では、共想法は、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫するトレーニング」することで防ぐことを目指すものだと説明しました。
次いで、研究員4人が参加した「笑い・失敗談」のテーマで司会ロボットぼのちゃんの司会で対面式共想法のデモンストレーションを見学していただきました。ご参加の方々も失敗談やそれにつっこむ質問に一緒に笑って下さったり、容赦なく長話をさえぎって仕切るロボットに驚かれたりと、楽しい会話の場面をご理解いただけたようでした。
見学していただいた共想法デモンストレーション
次いで、途中でネットワークの接続不具合で、残念ながら中断せざるを得なくなりましたが、福岡市、東京都の継続コース参加者、鎌倉市在住の市民研究員とが、会場にいる市民研究員の司会で、スマホを使って行う共想法:遠隔共想法のさわりをご覧いただきました。
遠隔共想法を説明する大武講師
事後のアンケートでは、1月の反省点の見直しが多少反映したようで、「役立つ情報を得た」「日頃の活動に役立った」というお声が多く、講座全体の満足度・共想法そのもの・認知症予防と共想法の関係性についての理解度も8割ほどと高くなりました。また嬉しいことに、終講直後、「共想法が認知症予防によさそうだから、スマホの操作には自信はないけれども、やってみたい!」という方と、2023年度の設立記念講演会にも参加なさった柏市フレイルサポーターの方が、ほのぼの研究所の賛助会員への入会をお申込みいただき、次年度から共想法に参加される運びとなりました。お仲間が増えることは、何より喜ばしいいことでした。
今後もさらなる工夫を重ねながら、多くの皆様、さらに高齢者ばかりでなく、多世代の方へも認知症予防の必要性を理解していただく活動を続けていきたいと思います。
市民研究員 松村光輝 吉田美枝子