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2013年12月17日(火)に開催されたクリスマス講演会に先だって、クリスマスワークショップ「日本語の複雑さを評価する」が開催されました。以下、少し専門的な内容になりますが、NPO法人ほのぼの研究所の協賛行事として開催しましたので、ここにご報告します。
2013年12月15日(日)10時より18時まで、千葉大学西千葉キャンパス自然科学系総合研究棟1 小会議室において、クリスマスワークショップを開催しました。主催は、科学技術振興機構「大規模会話データに基づく個別適合型認知活動支援」プロジェクト、共催は、「ことば工学研究会」、協賛は、NPO法人ほのぼの研究所です。
ホワイトボードを用いて言語特徴量を検討
認知機能と相関があることが、英語では知られている言語特徴量である意味密度は、日本語に適用されていません。意味密度とは、文章に含まれる命題の数を単語の数で割った値を指します。言語学において、命題とは、主語と述語、修飾関係など、単語と単語の結合の数を表します。「ナン・スタディ」の中で、修道女が20歳代で出家する時に決意を表明するために書いた作文の意味密度を評価し、80歳代になった時の認知症発症率が相関することを明らかにしたのが、米国・カンザス大学教授のスーザン・ケンパー先生です。ワークショップの目的は、認知機能と相関があることが英語で知られている言語特徴量について、文法の異なる日本語でどのように評価すればよいかを、議論を通じて新たに考えることです。ホワイトボードを用いて、例文の言語特徴量を具体的に検討しました。
ワークショップには、前日に開催したクリスマスセミナー参加者、講演者の一部に加え、九州大学、京都大学から、日帰りでの参加がありました。言語学、自然言語処理、ことば工学、回想法、アルツハイマー病、会話支援ロボットなど、異なる切り口から、言語と認知機能に興味がある研究者、学生11名が議論しました。
会場の様子
ワークショップでは、午前中、ケンパー先生に「Analyzing language and assessing complexity(言葉を分析し複雑さを評価する)」と題して、意味密度を始めとする、認知機能と相関のある言語特徴量を幅広く解説して頂きました。
昼食をはさんで午後は、まず、報告者であり本ワークショップを企画した、千葉大学准教授の大武美保子が「Survey on Idea Density(意味密度に関する調査)」について報告しました。意味密度解析に関する論文や、英語の文章の意味密度を自動解析するソフトウエアCPIDR、意味密度解析のマニュアルを紹介しました。
英語例文とその意味密度解析を基に議論
次に、千葉大学大武研究室修士一年の永松剛太が、「Idea Density(意味密度)」と題したスライドで、意味密度解析のマニュアルの英語例文とその意味密度解析を一つずつ示し、日本語の同内容の文章を意味密度解析する方法について議論しました。
意味密度の計算において、主語と述語、修飾関係など、単語と単語の結合の数を表す命題の数は、ほぼ一意に数えることができます。一方、単語の数は、どこを一単語と数えるか、区切り方によって大きく変わります。その部分がなくなった時に意味が分かる単位で区切るとよい、日本語の文法構造に合せた規則を策定するとよい、という提案を頂きました。当初は、日本語の文章を英訳した上で、意味密度を計測することを考えていました。しかし、翻訳の仕方により意味密度が変わってしまい、意味密度を保存したまま翻訳をすることが困難であることが分かりました。異なる言語同士の意味密度を比較することはできないが、同一言語の中で、意味密度の個人差や、認知機能との相関、同一人物の時間的変化は、可能であるとの結論に達しました。
2013年12月15日(日)10時より18時まで、千葉大学西千葉キャンパス自然科学系総合研究棟1 小会議室において、クリスマスワークショップを開催しました。主催は、科学技術振興機構「大規模会話データに基づく個別適合型認知活動支援」プロジェクト、共催は、「ことば工学研究会」、協賛は、NPO法人ほのぼの研究所です。
ホワイトボードを用いて言語特徴量を検討
認知機能と相関があることが、英語では知られている言語特徴量である意味密度は、日本語に適用されていません。意味密度とは、文章に含まれる命題の数を単語の数で割った値を指します。言語学において、命題とは、主語と述語、修飾関係など、単語と単語の結合の数を表します。「ナン・スタディ」の中で、修道女が20歳代で出家する時に決意を表明するために書いた作文の意味密度を評価し、80歳代になった時の認知症発症率が相関することを明らかにしたのが、米国・カンザス大学教授のスーザン・ケンパー先生です。ワークショップの目的は、認知機能と相関があることが英語で知られている言語特徴量について、文法の異なる日本語でどのように評価すればよいかを、議論を通じて新たに考えることです。ホワイトボードを用いて、例文の言語特徴量を具体的に検討しました。
ワークショップには、前日に開催したクリスマスセミナー参加者、講演者の一部に加え、九州大学、京都大学から、日帰りでの参加がありました。言語学、自然言語処理、ことば工学、回想法、アルツハイマー病、会話支援ロボットなど、異なる切り口から、言語と認知機能に興味がある研究者、学生11名が議論しました。
会場の様子
ワークショップでは、午前中、ケンパー先生に「Analyzing language and assessing complexity(言葉を分析し複雑さを評価する)」と題して、意味密度を始めとする、認知機能と相関のある言語特徴量を幅広く解説して頂きました。
昼食をはさんで午後は、まず、報告者であり本ワークショップを企画した、千葉大学准教授の大武美保子が「Survey on Idea Density(意味密度に関する調査)」について報告しました。意味密度解析に関する論文や、英語の文章の意味密度を自動解析するソフトウエアCPIDR、意味密度解析のマニュアルを紹介しました。
英語例文とその意味密度解析を基に議論
次に、千葉大学大武研究室修士一年の永松剛太が、「Idea Density(意味密度)」と題したスライドで、意味密度解析のマニュアルの英語例文とその意味密度解析を一つずつ示し、日本語の同内容の文章を意味密度解析する方法について議論しました。
意味密度の計算において、主語と述語、修飾関係など、単語と単語の結合の数を表す命題の数は、ほぼ一意に数えることができます。一方、単語の数は、どこを一単語と数えるか、区切り方によって大きく変わります。その部分がなくなった時に意味が分かる単位で区切るとよい、日本語の文法構造に合せた規則を策定するとよい、という提案を頂きました。当初は、日本語の文章を英訳した上で、意味密度を計測することを考えていました。しかし、翻訳の仕方により意味密度が変わってしまい、意味密度を保存したまま翻訳をすることが困難であることが分かりました。異なる言語同士の意味密度を比較することはできないが、同一言語の中で、意味密度の個人差や、認知機能との相関、同一人物の時間的変化は、可能であるとの結論に達しました。
千葉大学・NPO法人ほのぼの研究所
大武美保子
長崎県西彼杵郡時津町の社会医療法人春回会長崎北病院では、2010年10月から、認知症患者を対象とした『脳リハビリ外来』にて、共想法を実施しています。
共想法に参加する患者さんとスタッフ
メンバーの編成を経て、現在は毎週水曜日に、男性1名、女性3名、70代から80代の方が参加されています。対象となる方は全て認知症を患っている方々です。認知症の方にとって覚えておくことは困難なことであり、話をしていても言葉を思い出せないことがしばしば起こるため、苦手意識から会話が得意ではありません。そのため、当院では写真を撮影することをプログラムとして組み込むなど,様々な創意工夫を重ねてきました。同じ時間、同じ場所、同じメンバーで継続的に行うことにより、皆さんの中に仲間意識が芽生え、共想法の意味や実施方法などを覚えておくことが出来るようになりました。そして、苦手であった会話そのものを楽しむようになり、共想法を待ち遠しく感じている方もいます。共想法は,認知症の方にとって難しい側面もありますが、それぞれに合った工夫をすることで実施することは十分可能です。ルールが明確である共想法だからこそ、参加者皆さんが充実した時間を過ごすことができ、脳へのよい刺激になっていると思っています。
共想法に参加する患者さんとスタッフ
メンバーの編成を経て、現在は毎週水曜日に、男性1名、女性3名、70代から80代の方が参加されています。対象となる方は全て認知症を患っている方々です。認知症の方にとって覚えておくことは困難なことであり、話をしていても言葉を思い出せないことがしばしば起こるため、苦手意識から会話が得意ではありません。そのため、当院では写真を撮影することをプログラムとして組み込むなど,様々な創意工夫を重ねてきました。同じ時間、同じ場所、同じメンバーで継続的に行うことにより、皆さんの中に仲間意識が芽生え、共想法の意味や実施方法などを覚えておくことが出来るようになりました。そして、苦手であった会話そのものを楽しむようになり、共想法を待ち遠しく感じている方もいます。共想法は,認知症の方にとって難しい側面もありますが、それぞれに合った工夫をすることで実施することは十分可能です。ルールが明確である共想法だからこそ、参加者皆さんが充実した時間を過ごすことができ、脳へのよい刺激になっていると思っています。
長崎北病院共想法担当:小僕了辧Πて醉希江・岩下利沙
あけましておめでとうございます
旧年は、ほのぼの研究所が、2008年のNPO法人設立から数えて、五周年を迎えることができました。皆様と共に歩むことができる幸運に、心から感謝申し上げます。
昨年は、人材養成、産学連携、国際連携の三点を重点項目として、活動を展開しました。
第一に、共想法の実践コースを、新たに開講しました。「デジカメと会話」、「パソコンと会話」の二つの切り口で、共想法への効果的な参加方法と、共想法の実施手順を学ぶ、人材養成プログラムを開発しました。開催を通じ、今後の展開を共に担う仲間を拡げることができました。
第二に、ほのぼの研究所の活動がきっかけとなり、千葉大学とパラマウントベッド株式会社の共同研究講座が開設され、新たな産学共同研究が始まりました。看護学と工学の連携による、新たな高齢者支援学の構築を目指しています。NPO設立五周年と、共同研究講座設立を記念して、「ベッドと看護学から見た健康づくり」をテーマに、講演会を開催しました。
第三に、「言葉と老化の関係」研究の第一人者である、スーザン・ケンパー先生を、アメリカ・カンザス大学より招待し、高齢者の特性に配慮したコミュニケーション手法について、クリスマス講演会で講演頂きました。
本年は、上記重点項目に加え、次のことに取り組みます。まず、共想法実施の場を広げることを目的として、共想法と、旅行やウォーキングなど、相補う活動を組み合わせたプログラムの開発に取り組みます。次に、防ぎうる認知症にかからない社会を創ることを目指し、産業界との連携をさらに推し進め、共想法を核とする新たな事業と産業を構想します。さらに、医療機関と連携して、共想法の本格的な臨床試験を始めます。本年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
2014年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
千葉大学准教授 大武美保子
2013年12月17日(火)13時30分より、千葉大学柏の葉キャンパスシーズホールにおいて、恒例の『ほのぼの研究所クリスマス講演会・交流会』が開催されました。講演会112名、交流会65名と、多数の方々に積極的にご参加頂くことができました。師走の半ば過ぎの開催は懸念材料のひとつでしたが、参加お申し込みは猛烈にラストスパートをかけました。仲間に声をかけて一緒に参加するなど、この機会を一人でも多くの方と共有できるよう、働きかけて下さった皆様に、感謝申し上げます。
「ことばの力で老化に強い脳をつくる」という、時流のニーズにマッチしたテーマの魅力も奏功したのでしょうか、ちょっぴりクリスマス色に染まった開演前の会場は、期待感と穏やかな熱気に包まれていました。
代表理事の大武先生の開会挨拶に続いて、来賓挨拶を頂きました。千葉大学大学院工学研究科長:北村彰英先生の、大きなエールを込めたご挨拶も、女性研究者として極めてポジティブな研究姿勢に期待を寄せて下さった情報・システム研究機構理事、郷通子先生のご挨拶も、大武先生、ほのぼの研究所の背中を強く押して下さる、心温まるものでした。
来賓挨拶の北村先生
来賓挨拶の郷先生
最初は、この日のためにアメリカ、カンザス大学からお招きした「言葉と老化の関係」研究の第一人者である、スーザン・ケンパー先生の「ことばの一生」(一生を通じて会話を楽しむために)の講演です。
講演するケンパー先生
私たちが正しく理解しているつもりの、特に認知機能の衰えが顕著になる80歳代、90歳代の高齢者の気持ちや立場、心身の機能への認識、そして正しく実践しているつもりの彼らとの接し方について、様々な調査・研究から導き出された、沢山の提案・助言をいただきました。それらは、既存の認識や概念を無意識に踏襲し、日々に流されて、おざなりになりがちだった、老親と接する機会の多い報告者にとって、原点に立ち戻り、見直す機会を提供する意義深いものでした。
講演会場風景
講演は、高齢者とよい関係を保つためには、何よりもよりよいコミュニケーションを図ることが大切との話から始まりました。そのためには、彼らの特徴や立場を理解して、良いイメージを持った上で、認知機能の変化に配慮した話し方をすることが効果的です。具体的な工夫として、次のようなものが挙げられました:「わかりやすく言い換える」「繰り返す」「単純な構文で話す」「一度に複数のことをいわない」「具体的な言葉を使う」「考えを聞く開かれた質問をする」「単語が思い出せずに探している時、音や意味が似た単語をヒントに出す」。この他、言葉以外の工夫も添えて、お互いが集中して対等に向き合う環境づくりが必要である、という大きな助言で締めくくられました。
気さくなお人柄とお見受けしたケンパー先生と、名通訳のロボット:ぼのちゃんとの初共演は、張り詰めた緊張感がありつつも、絶妙に感じられました。日本人聴衆へのご配慮もあったと思いますが、高齢者ばかりでなく、すべての世代とよりよいコミュニケーションを図るためのお手本となるような、程よいスピードの、丁寧ではっきりした心に染み入る語り口でした。テーマはもとより、ロボットの通訳つき英語での講演という、魅力的企画にひかれて参加された方々も、十分に満足、納得されたことと確信しました。
続く基調講演は、大武先生の「100歳の美しい脳に学ぶ」です。まずは、ケンパー先生の研究成果が記された書籍『100歳の美しい脳』(Aging With GRACE)との出会いと、この度の講演会に至るまでのケンパー先生への積極的アプローチが熱っぽく語られました。ケンパー先生の研究成果とは、修道女達が修道院に入る前に書いた短い自伝の「意味密度」と、高齢になってからの彼女達の「認知機能」とに相関があるというものです。
基調講演する大武先生
英語おいて認知機能との関係が示された、意味密度や発話速度等の尺度を、日本語に当てはめるのには、言語学的にかなりの困難や課題があります。この課題を解決する方法について、ケンパー先生から、有意義なヒントやアドバイスを頂いたエピソードも紹介されました。例えば、同一人物の若年期と高齢期の言語能力の比較であれば、言語が異なっても可能ではないか、といったことです。
そして、「防げる認知症」予防のための会話訓練としての共想法の開発経緯やメソッド、現時点での効果、ケンパー先生の講演内容との関係、ほのぼの研究所の活動が紹介されました。最後に、千葉大学での臨床試験の計画、来年早々の企画「谷中で共想法」を含めた、今後の方向性の披露となりました。
研究所メンバーの熱い思いが通じたのでしょう、講演終了後間もなく、交流会飛び入り参加、さらには谷中のイベント参加のお申し込みもいただくことになり、一同、今後の活動継続への意義を改めて噛みしめたことでした。
「ことばの力で老化に強い脳をつくる」という、時流のニーズにマッチしたテーマの魅力も奏功したのでしょうか、ちょっぴりクリスマス色に染まった開演前の会場は、期待感と穏やかな熱気に包まれていました。
代表理事の大武先生の開会挨拶に続いて、来賓挨拶を頂きました。千葉大学大学院工学研究科長:北村彰英先生の、大きなエールを込めたご挨拶も、女性研究者として極めてポジティブな研究姿勢に期待を寄せて下さった情報・システム研究機構理事、郷通子先生のご挨拶も、大武先生、ほのぼの研究所の背中を強く押して下さる、心温まるものでした。
来賓挨拶の北村先生
来賓挨拶の郷先生
最初は、この日のためにアメリカ、カンザス大学からお招きした「言葉と老化の関係」研究の第一人者である、スーザン・ケンパー先生の「ことばの一生」(一生を通じて会話を楽しむために)の講演です。
講演するケンパー先生
私たちが正しく理解しているつもりの、特に認知機能の衰えが顕著になる80歳代、90歳代の高齢者の気持ちや立場、心身の機能への認識、そして正しく実践しているつもりの彼らとの接し方について、様々な調査・研究から導き出された、沢山の提案・助言をいただきました。それらは、既存の認識や概念を無意識に踏襲し、日々に流されて、おざなりになりがちだった、老親と接する機会の多い報告者にとって、原点に立ち戻り、見直す機会を提供する意義深いものでした。
講演会場風景
講演は、高齢者とよい関係を保つためには、何よりもよりよいコミュニケーションを図ることが大切との話から始まりました。そのためには、彼らの特徴や立場を理解して、良いイメージを持った上で、認知機能の変化に配慮した話し方をすることが効果的です。具体的な工夫として、次のようなものが挙げられました:「わかりやすく言い換える」「繰り返す」「単純な構文で話す」「一度に複数のことをいわない」「具体的な言葉を使う」「考えを聞く開かれた質問をする」「単語が思い出せずに探している時、音や意味が似た単語をヒントに出す」。この他、言葉以外の工夫も添えて、お互いが集中して対等に向き合う環境づくりが必要である、という大きな助言で締めくくられました。
気さくなお人柄とお見受けしたケンパー先生と、名通訳のロボット:ぼのちゃんとの初共演は、張り詰めた緊張感がありつつも、絶妙に感じられました。日本人聴衆へのご配慮もあったと思いますが、高齢者ばかりでなく、すべての世代とよりよいコミュニケーションを図るためのお手本となるような、程よいスピードの、丁寧ではっきりした心に染み入る語り口でした。テーマはもとより、ロボットの通訳つき英語での講演という、魅力的企画にひかれて参加された方々も、十分に満足、納得されたことと確信しました。
続く基調講演は、大武先生の「100歳の美しい脳に学ぶ」です。まずは、ケンパー先生の研究成果が記された書籍『100歳の美しい脳』(Aging With GRACE)との出会いと、この度の講演会に至るまでのケンパー先生への積極的アプローチが熱っぽく語られました。ケンパー先生の研究成果とは、修道女達が修道院に入る前に書いた短い自伝の「意味密度」と、高齢になってからの彼女達の「認知機能」とに相関があるというものです。
基調講演する大武先生
英語おいて認知機能との関係が示された、意味密度や発話速度等の尺度を、日本語に当てはめるのには、言語学的にかなりの困難や課題があります。この課題を解決する方法について、ケンパー先生から、有意義なヒントやアドバイスを頂いたエピソードも紹介されました。例えば、同一人物の若年期と高齢期の言語能力の比較であれば、言語が異なっても可能ではないか、といったことです。
そして、「防げる認知症」予防のための会話訓練としての共想法の開発経緯やメソッド、現時点での効果、ケンパー先生の講演内容との関係、ほのぼの研究所の活動が紹介されました。最後に、千葉大学での臨床試験の計画、来年早々の企画「谷中で共想法」を含めた、今後の方向性の披露となりました。
研究所メンバーの熱い思いが通じたのでしょう、講演終了後間もなく、交流会飛び入り参加、さらには谷中のイベント参加のお申し込みもいただくことになり、一同、今後の活動継続への意義を改めて噛みしめたことでした。
市民研究員 長久秀子
2013年12月17日(火)、千葉大学柏の葉キャンパス シーズホールで、クリスマス講演会の終了後、クリスマス交流会が開催されました。交流会に参加する方には、別棟の2階会議室に移動頂き、ほのぼの研究所紹介DVDをご覧頂きました。その時間内に、シーズホールは、交流会の会場へと早変わりです。メインテーブルには、大きな銀皿に色とりどりのケーキが並び、中皿にはサンドイッチ、ナゲット、チップ、飲み物はコーヒー、ジャスミン茶、ウーロン茶、紅茶などが並びました。メインテーブルを囲むように、A〜Dと名札をつけ、「島」状に配置したテーブル4か所は、歓談の場となります。
色とりどりのケーキ
16時、サンタ帽子を被った交流会の参加者64名が会場に揃い、交流会開始となりました。司会は、市民研究員の根岸さんです。開会の挨拶は、ほのぼの研究所事務局長の長谷川多度さんです。「新年早々に90歳になります。社会に貢献する仕事をしたい。」と話されて、沢山の拍手を頂きました。乾杯の音頭を、来賓でご挨拶頂いた、千葉大学大学院工学研究科長の北村彰英先生にお願いしました。
乾杯の音頭
司会者の配慮で、Aの名札を置いたテーブルに、ケンパー先生の席を決めて頂きました。先生とお話をしたい方、質問のある方は、Aテーブルに出向いて先生とお話ができるようになり、何人もの方が先生とゆっくりお話ができました。中には、握手して頂いた方もいたようです。
ケンパー先生・大武先生と歓談する参加者
洋菓子専門店から取り寄せたケーキによるパーティーはなかなか好評で、銀皿に盛られた美味しそうなケーキを一つ頂いて、「もう一ついいかしら?」と言いつつ二つ目も頂き、カロリーを気にしながら三つ目に挑戦した方がいらしたとか。辛党の方の感想はいかがでしたでしょうか。
ひとしきり歓談頂いたところで、自己紹介の時間です。学校関係、企業関係、協働で共想法をしている介護老人保健施設マカベシルバートピア関係の方・NPO法人きらりびとみやしろ関係の方、賛助会員、チラシを見て申し込まれた方、継続コース、研究員と、呼ばれたグループ毎に自己紹介し、それぞれの立場をアピールしました。
大武研究室の皆さん
最後に、千葉大学の関係者が呼ばれました。大学4年生が3名、大学院1年生が3名、モンゴルから来た女性の研究員、平素からお世話になっている秘書さん、皆さん大武研究室のメンバーです。特に学生さんは、ケンパー先生の英語を、大武先生と一緒に翻訳してスクリーンに字幕で紹介したり、かわいらしいロボット研究員「ぼのちゃん」に言葉を話させたりしました。英語で講義された内容を分かりやすく、参加している私たちに伝える大役を果たしてくれました。3月に学窓を巣立っていかれる方もおられて、嬉しくもあり、ひとしおの寂しさもあります。名残尽きない交流会も、お開きが近くなりました。当NPOの監事であり、柏市市議会議員、上橋泉先生に中締めの言葉を頂き、盛会のうちに終了いたしました。
色とりどりのケーキ
16時、サンタ帽子を被った交流会の参加者64名が会場に揃い、交流会開始となりました。司会は、市民研究員の根岸さんです。開会の挨拶は、ほのぼの研究所事務局長の長谷川多度さんです。「新年早々に90歳になります。社会に貢献する仕事をしたい。」と話されて、沢山の拍手を頂きました。乾杯の音頭を、来賓でご挨拶頂いた、千葉大学大学院工学研究科長の北村彰英先生にお願いしました。
乾杯の音頭
司会者の配慮で、Aの名札を置いたテーブルに、ケンパー先生の席を決めて頂きました。先生とお話をしたい方、質問のある方は、Aテーブルに出向いて先生とお話ができるようになり、何人もの方が先生とゆっくりお話ができました。中には、握手して頂いた方もいたようです。
ケンパー先生・大武先生と歓談する参加者
洋菓子専門店から取り寄せたケーキによるパーティーはなかなか好評で、銀皿に盛られた美味しそうなケーキを一つ頂いて、「もう一ついいかしら?」と言いつつ二つ目も頂き、カロリーを気にしながら三つ目に挑戦した方がいらしたとか。辛党の方の感想はいかがでしたでしょうか。
ひとしきり歓談頂いたところで、自己紹介の時間です。学校関係、企業関係、協働で共想法をしている介護老人保健施設マカベシルバートピア関係の方・NPO法人きらりびとみやしろ関係の方、賛助会員、チラシを見て申し込まれた方、継続コース、研究員と、呼ばれたグループ毎に自己紹介し、それぞれの立場をアピールしました。
大武研究室の皆さん
最後に、千葉大学の関係者が呼ばれました。大学4年生が3名、大学院1年生が3名、モンゴルから来た女性の研究員、平素からお世話になっている秘書さん、皆さん大武研究室のメンバーです。特に学生さんは、ケンパー先生の英語を、大武先生と一緒に翻訳してスクリーンに字幕で紹介したり、かわいらしいロボット研究員「ぼのちゃん」に言葉を話させたりしました。英語で講義された内容を分かりやすく、参加している私たちに伝える大役を果たしてくれました。3月に学窓を巣立っていかれる方もおられて、嬉しくもあり、ひとしおの寂しさもあります。名残尽きない交流会も、お開きが近くなりました。当NPOの監事であり、柏市市議会議員、上橋泉先生に中締めの言葉を頂き、盛会のうちに終了いたしました。
市民研究員 田口良江
2013年10月5日(土)10:00〜17:40、千葉大学柏の葉キャンパス「シーズホール」において、2013年度 ほのぼの研究所 合同研修が開催されました。
参加者は、大武先生はじめ、NPO法人きらりびとみやしろ(埼玉県宮代町)(以下、きらりびとと略す)、介護老人保健施設マカベシルバートピア(茨城県真壁町)(以下、マカベと略す)、社会医療法人長崎北病院(長崎県時津町)(以下、長崎北病院と略す)、NPO法人ほのぼの研究所(千葉県柏市)(以下、ほの研と略す)のメンバー総勢16名でした。
開会のあいさつで、大武先生より、今回の研修の目的3点が提示されました。第一に、各拠点で得られた知見の共有、深化を図り、問題解決に繋げる。第二に、施設その他の対象で得られた工夫、技能をもとに、効果的な手法を明らかにする。第三に、効果検証のための、共想法支援システム新機能の実演を行う。
大武先生のあいさつ
その後、1)きらりびと、2)マカベ、3)長崎北病院、柏市で実施した、4)マザーズガーデンと5)継続コースの5拠点における、実施説明と実施記録動画の放映がありました。午前の部が終了したのは、13:00でした。1時間の食事、休憩の後、14:00から、5拠点のパネリストに参加いただいて、パネルディスカッション方式での、総合討議に入りました。午後の司会および総合討議のコーディネーターは、松村、清水が担当しました。
今年度の新しい取り組みとして、それぞれの報告の中で、設問に対する意見と自由な記述を、2枚のポストイットに書き込んで頂きました。全員の意見を集約したものから、皆さんとパネリストでディスカッションを実施しました。
全員の意見を記入したポストイットを掲示
その後、今年度事業として、マカベの永田さんからの人工知能学会報告、および、4件の講演会記録と報道動画の放映がありました。
30分の休憩をはさんで、大武先生から、共想法支援システムの新機能を実演していただきました。次に、実施中の実践コースの経過説明がありました。実践コースは、デジカメと会話、パソコンと会話の二テーマで構成され、それぞれ、佐藤さん、根岸さんより報告されました。その後に、人材募集の状況説明と続きました。最後に大武先生が、これまでに得られた5拠点の知見をもとに、各項目の標準化の重要性を述べられました。昨年に続き、来年の開催を楽しみに、研修会は盛会裡に終了しました。
合同研参会 参加者のみなさん
その後、会場を柏の葉ららぽーとに移し、18:00〜20:00は、夕食と飲み物を取りながら、和やかな雰囲気で歓談が続きました。皆さん、本日の研修会に十分満足された様子で、解散となりました。
各拠点の皆様より、合同研修についての感想をいただきました。
<きらりびと>
「きらりびとみやしろ」では現在、3チーム16名の方々が、楽しみながら、そして大いに頭を使いながら、共想法を実施しています。今回の合同研修では、各拠点の様子やスタッフの工夫を知ることができ、有意義でした。
きらりびとでは、共想法に参加してくださる近隣地域の、健常高齢者の方々と日程を合せたり、実施者側への参加も示唆しながら、より深く楽しんでいける工夫が必要であると気づきました。今後も、多くの近隣の方々に「共想法」を知っていただき、仲間に加わっていただけるようにやっていこうと感じました。
<マカベ>
お話の会として発足してから2年が経過しました。今回の研修では、話が長引く傾向のある高齢者に時間を意識してもらう方法として、タイムオーバーを上手に使うこと、というヒントをいただきました。
実施者一人の場合、体調管理や介護現場での業務の流れに沿った時間設定をすることが大切です。マカベの参加者のうち、カメラを持っているのは5名です。テーマを早めに決めて、セッションの準備することが鍵となります。参加者募集は半年毎に行い、メンバーに合わせて、テーマや実施方法を検討していきます。
<マザーズガーデン>
柏市特別養護老人ホーム、マザーズガーデン出前講座は、これまでの介護施設や、出前講座の実践により得られた知見、実績等を踏まえ、福祉関係者を対象とした連続の実施にいたったものです。今年度の合同研修では、拠点ごとの動画を含めた報告や、午後のポストイットによるディスカッション等で、多くのことを学ぶことができました。個別の事例報告の中に、共想法全体の発展への示唆、問題解決に結び付く要素が、包含されているものと感じました。これに倣い、共想法の特に出前講座のあり方について研鑽してまいります。
<長崎北病院>
研修では、各拠点での現状、課題点の解決策を話し合う場が設けられ、今後の活動に活かしていけるような議論ができ、よかったと思います。特に、御家族に現在の活動状況を知って頂くためスケジュール表や、共想法通信を出しているという点は、参考になりました。また、ぎんさん4姉妹についての話題では、「そういえばそうだった効果」や、自分が体験したかの様に、ニュースなどを理解し吸収しているという話があり、とても興味深く聞かせて頂きました。共想法支援システムにも、グラフや図で会話の様子を確認出来るような機能が追加されており、今後有効に活用していけたらと思います。
<継続コース>
継続コースは、12名2チームで始まり、3年目となりました。健康上の問題等、多少の出入りは有りましたが、殆ど変わらないメンバーで共想法を楽しむことができました。継続コースは、スタッフも増え、お互いにコミュニケーションを取りながら進めています。来年度の進め方について考えていたところ、今回の合同研修会で、各拠点での共想法の様子から、皆様の努力や工夫を知りました。それぞれ施設の条件は違いますが、各拠点の工夫を参考にしながら、これからの継続コースを頑張って行こうと決意を新たにしました。
参加者は、大武先生はじめ、NPO法人きらりびとみやしろ(埼玉県宮代町)(以下、きらりびとと略す)、介護老人保健施設マカベシルバートピア(茨城県真壁町)(以下、マカベと略す)、社会医療法人長崎北病院(長崎県時津町)(以下、長崎北病院と略す)、NPO法人ほのぼの研究所(千葉県柏市)(以下、ほの研と略す)のメンバー総勢16名でした。
開会のあいさつで、大武先生より、今回の研修の目的3点が提示されました。第一に、各拠点で得られた知見の共有、深化を図り、問題解決に繋げる。第二に、施設その他の対象で得られた工夫、技能をもとに、効果的な手法を明らかにする。第三に、効果検証のための、共想法支援システム新機能の実演を行う。
大武先生のあいさつ
その後、1)きらりびと、2)マカベ、3)長崎北病院、柏市で実施した、4)マザーズガーデンと5)継続コースの5拠点における、実施説明と実施記録動画の放映がありました。午前の部が終了したのは、13:00でした。1時間の食事、休憩の後、14:00から、5拠点のパネリストに参加いただいて、パネルディスカッション方式での、総合討議に入りました。午後の司会および総合討議のコーディネーターは、松村、清水が担当しました。
今年度の新しい取り組みとして、それぞれの報告の中で、設問に対する意見と自由な記述を、2枚のポストイットに書き込んで頂きました。全員の意見を集約したものから、皆さんとパネリストでディスカッションを実施しました。
全員の意見を記入したポストイットを掲示
その後、今年度事業として、マカベの永田さんからの人工知能学会報告、および、4件の講演会記録と報道動画の放映がありました。
30分の休憩をはさんで、大武先生から、共想法支援システムの新機能を実演していただきました。次に、実施中の実践コースの経過説明がありました。実践コースは、デジカメと会話、パソコンと会話の二テーマで構成され、それぞれ、佐藤さん、根岸さんより報告されました。その後に、人材募集の状況説明と続きました。最後に大武先生が、これまでに得られた5拠点の知見をもとに、各項目の標準化の重要性を述べられました。昨年に続き、来年の開催を楽しみに、研修会は盛会裡に終了しました。
合同研参会 参加者のみなさん
その後、会場を柏の葉ららぽーとに移し、18:00〜20:00は、夕食と飲み物を取りながら、和やかな雰囲気で歓談が続きました。皆さん、本日の研修会に十分満足された様子で、解散となりました。
各拠点の皆様より、合同研修についての感想をいただきました。
<きらりびと>
「きらりびとみやしろ」では現在、3チーム16名の方々が、楽しみながら、そして大いに頭を使いながら、共想法を実施しています。今回の合同研修では、各拠点の様子やスタッフの工夫を知ることができ、有意義でした。
きらりびとでは、共想法に参加してくださる近隣地域の、健常高齢者の方々と日程を合せたり、実施者側への参加も示唆しながら、より深く楽しんでいける工夫が必要であると気づきました。今後も、多くの近隣の方々に「共想法」を知っていただき、仲間に加わっていただけるようにやっていこうと感じました。
田崎誉代
<マカベ>
お話の会として発足してから2年が経過しました。今回の研修では、話が長引く傾向のある高齢者に時間を意識してもらう方法として、タイムオーバーを上手に使うこと、というヒントをいただきました。
実施者一人の場合、体調管理や介護現場での業務の流れに沿った時間設定をすることが大切です。マカベの参加者のうち、カメラを持っているのは5名です。テーマを早めに決めて、セッションの準備することが鍵となります。参加者募集は半年毎に行い、メンバーに合わせて、テーマや実施方法を検討していきます。
永田映子
<マザーズガーデン>
柏市特別養護老人ホーム、マザーズガーデン出前講座は、これまでの介護施設や、出前講座の実践により得られた知見、実績等を踏まえ、福祉関係者を対象とした連続の実施にいたったものです。今年度の合同研修では、拠点ごとの動画を含めた報告や、午後のポストイットによるディスカッション等で、多くのことを学ぶことができました。個別の事例報告の中に、共想法全体の発展への示唆、問題解決に結び付く要素が、包含されているものと感じました。これに倣い、共想法の特に出前講座のあり方について研鑽してまいります。
武下秀子
<長崎北病院>
研修では、各拠点での現状、課題点の解決策を話し合う場が設けられ、今後の活動に活かしていけるような議論ができ、よかったと思います。特に、御家族に現在の活動状況を知って頂くためスケジュール表や、共想法通信を出しているという点は、参考になりました。また、ぎんさん4姉妹についての話題では、「そういえばそうだった効果」や、自分が体験したかの様に、ニュースなどを理解し吸収しているという話があり、とても興味深く聞かせて頂きました。共想法支援システムにも、グラフや図で会話の様子を確認出来るような機能が追加されており、今後有効に活用していけたらと思います。
岩下利沙
<継続コース>
継続コースは、12名2チームで始まり、3年目となりました。健康上の問題等、多少の出入りは有りましたが、殆ど変わらないメンバーで共想法を楽しむことができました。継続コースは、スタッフも増え、お互いにコミュニケーションを取りながら進めています。来年度の進め方について考えていたところ、今回の合同研修会で、各拠点での共想法の様子から、皆様の努力や工夫を知りました。それぞれ施設の条件は違いますが、各拠点の工夫を参考にしながら、これからの継続コースを頑張って行こうと決意を新たにしました。
佐藤由紀子
市民研究員 松村光輝、武下秀子 記
ほのぼの研究所の活動の幅が広がるにつれ、新しい研究員を募集し養成する必要性が生じ、2013年度は5月14日を皮切りに5回の実践コースが計画された。根岸、佐藤(由)、永田の3名が担当者となり、根岸は主にパソコンと会話、佐藤と永田は主にデジカメと会話を担当した。デジカメと会話のテーマで2回、パソコンと会話のテーマで2回、両者を総合した内容で1回で構成した。当初6名が応募してきたが1名が辞退、のちに1名が加わり最終的には6名での実施となった。
お茶会
? 2013年5月14日(火)13:30〜15:30、ほのぼのプラザますおにおいて、実践コース・デジカメと会話の第1回目が実施された。お互いの自己紹介、大武先生のあいさつやパワーポイントを使った講義がなされ、その後「好きなもの」というテーマでの1分共想法が続いた。
? 6月11日のパソコンと会話の第1回目では、記録の重要性、インターネットを外部記憶として有効的に活用すること等が説明され、参加者の興味をひいた。
共想法の実施
? 夏休みの宿題として、夏というテーマで2枚の写真を撮ることが求められ、参加者は一夏頭を悩ませたようであった。その写真を使った共想法を含む、デジカメと会話の第2回目は、9月10日に実施された。その回から新たな参加者が1名加わった。
? 10月8日のパソコンと会話の第2回目では、研究員による共想法デモンストレーションに加えて、会話記録や実施記録などの記入方法を先輩研究員から学んだ。また2班に分かれてお互いの間でスカイプ交信をし、楽しみながら新しい経験を積んだ。
? 最終回となる11月12日は、小物の撮影とその画像を使った参加者による共想法など盛りだくさんの内容となった。ぼのちゃんも参加した共想法では、初心者とは思えない活発な質疑応答がなされた。講義の最後には、大武先生からほのぼの研究所の今後の展望が語られ、研究員へのお誘いがあった。その日はTBSの取材もあり、ぼのちゃんとの記念撮影など、記憶に残る1日となった。
最終回の記念撮影
熱心なお誘いの甲斐あってか、6名のうち2名が研究員となり、残る参加者も何等かの形で研究所との絆ができたことは、大変に幸運なことであった。また参加者に、暇をみて研究会に出席して頂けるようになったことは、研究員にとって嬉しい限りである。
お茶会
? 2013年5月14日(火)13:30〜15:30、ほのぼのプラザますおにおいて、実践コース・デジカメと会話の第1回目が実施された。お互いの自己紹介、大武先生のあいさつやパワーポイントを使った講義がなされ、その後「好きなもの」というテーマでの1分共想法が続いた。
? 6月11日のパソコンと会話の第1回目では、記録の重要性、インターネットを外部記憶として有効的に活用すること等が説明され、参加者の興味をひいた。
共想法の実施
? 夏休みの宿題として、夏というテーマで2枚の写真を撮ることが求められ、参加者は一夏頭を悩ませたようであった。その写真を使った共想法を含む、デジカメと会話の第2回目は、9月10日に実施された。その回から新たな参加者が1名加わった。
? 10月8日のパソコンと会話の第2回目では、研究員による共想法デモンストレーションに加えて、会話記録や実施記録などの記入方法を先輩研究員から学んだ。また2班に分かれてお互いの間でスカイプ交信をし、楽しみながら新しい経験を積んだ。
? 最終回となる11月12日は、小物の撮影とその画像を使った参加者による共想法など盛りだくさんの内容となった。ぼのちゃんも参加した共想法では、初心者とは思えない活発な質疑応答がなされた。講義の最後には、大武先生からほのぼの研究所の今後の展望が語られ、研究員へのお誘いがあった。その日はTBSの取材もあり、ぼのちゃんとの記念撮影など、記憶に残る1日となった。
最終回の記念撮影
熱心なお誘いの甲斐あってか、6名のうち2名が研究員となり、残る参加者も何等かの形で研究所との絆ができたことは、大変に幸運なことであった。また参加者に、暇をみて研究会に出席して頂けるようになったことは、研究員にとって嬉しい限りである。
市民研究員 永田映子
長いお付き合いの我孫子の友人から出前講座の依頼を受けたのは、2013年8月の半ば過ぎでした。「ACOBA」はコミュニティビジネスを支援・実践し、活き活きとした地域づくりに取り組み、地域活動を目指す人たちを支援することを目的として設立された、組織的にしっかりしたNPOです。活動に対応して、複数の事業部があります。友人はまちづくり、あびこ市民活動等地域を元気にするための活動をしており、いきいき生活倶楽部「まほろば」に属しています。
9月より、複数回の打ち合わせを重ね、計画を練りました。ACOBAへの出前講座の実施計画の中で重視したのは、1) 日常生活の心構えについて伝える、2) 動画を活用する、3) 参加者には積極的な姿勢で参加していただく、4) 共想法を体験、参加していただく、の4点です。当日は、ほのぼの研究所スタッフ4名が手分けして講座に臨みました。
日時:2013年10月18日(金)13:30〜16:30
場所:我孫子駅前けやきプラザ我孫子市南近隣センター8階第一会議室
☆NPO法人ほのぼの研究所の挨拶と概論講義の担当は、副代表理事の長谷川さんです。
「認知症とは」「共想法とは」「ほのぼの研究所(以後略してほの研)の活動」の三点について、配布資料を見ながら説明しました。ほの研の活動として、五周年史の中の日本地図を示しながら、拠点の柏市増尾、協働で共想法の実施研究に努める長崎県の長崎北病院、埼玉県宮代町のNPO法人きらりびとみやしろ、茨城県真壁町の介護施設マカベシルバートピアが紹介され、世界地図を示しながら、研究交流拠点のスイスが紹介されました。地道な活動の広がりを、参加の方々は静かに聞き入っていました。
講座風景
☆次は認知症予防の実例です。
NHKで紹介された動画2点「認知症の予防」と「ぎんさんの娘4姉妹のグループ会話」を放映しました。自らの体験を踏まえて「継続して参加している共想法により、心身ともに回復、元気に活動に参加しています」と、田口が報告しました。
☆休憩をはさんでいよいよ共想法の体験です。
今回初めて、参加者全員と一緒に滑舌をよくするように、音読と早口言葉を唱和して共想法の準備体操としました。
共想法は5人分の写真をいただき準備を整えましたが、2名が欠席、3名での実施となりました。テーマの「好きなこと」を2分で説明、3分で質疑です。初参加で戸惑いもあり、一人目の質問に対して答えが時間ぎりぎりまで続いたため、パソコン記録担当の佐藤さんが「質問も回答も簡潔にして、時間内に多くの質疑が出来るように」と助言、二人目の質疑からはスムーズに進行ができました。体験型での実施の場合、初めて参加頂く方に、短い時間でコツを理解頂けるよう、さらなる工夫が必要です。
☆千葉大学西千葉キャンパスにおられる大武先生と、会場がskypeでつながりました。
先生の挨拶と10分間のミニ講義が始まりました。演題は著書「介護に役立つ共想法」の紹介と「介護を防ぐ共想法」です。
大武先生のSkypeによる講義
『共想法』は今日あったこと、最近のことを話すことで、情報の新陳代謝を上げることが出来ます。常に新しい情報を頭に入れます。平均年齢94歳になるぎんさんの娘姉妹は、昔のことを覚えているのと同時に、最近のこともよく御存知です。その時々の「今」の情報を入れて、生きている時間のことを整理しながら毎日を生きている。頭を使いながら会話をしていることが頭の健康に繋がっています。
気づいたこと、ちょっとした出来事をデジカメで撮る。目で見る情報は頭に残ると言われています。毎日に、きっかけを作る、そう!そのきっかけを作るのが『共想法』です。
会場の様子が先生によく見えるように、佐藤さんはパソコンを持って調整しました。先生は会場の質問に丁寧に答えられました。質問の中の一つを紹介します。
Q:柏の広報を読んでいると、増尾の方で活動が活発なのはどうしてですか?
A:ほのぼの研究所は「柏市介護予防センターほのぼのプラザますお」に拠点を置いています。ほの研も、ときに広報に載ります。柏は、研究者が街の中で研究する取り組みが盛んです。柏には東大の小林先生の十坪ジムがあります。小林先生に先ず看板を掛けなさいとアドバイス頂き、ほのぼの研究所という看板(名前)を掲げるところからはじめました。ほの研の活動は原則週一回、毎週火曜日です。
☆プログラムの最後は、会場の皆さんにアンケートに答えていただき、即、集計して解説しました。スタッフが前に並び、長谷川さんがアンケートに答えました。
Q:共想法と介護の関係は?
A:共想法は認知症予防がもともとの目的のため、従来の講座では余り介護には触れていません。ただご質問があったので、身近な人が認知症になった場合の対応について、要点を説明いたします。対応は、家庭によって異なりますが、次の手順になります。
? 地域包括センターに相談。
? 受診拒否が多いので、ホームドクターに先ず相談。
? なるべく専門医にかかる。
? 財産管理等は任意後見人制度や法定後見人制度を活用。
*質問者からお礼の言葉が聞かれました。
Q:教育と教養とは?
A:「教育と教養」と書かれた方がいた。以前、高齢者の問題を研究している先生に伺った。・今日行くところがある(きょういく)・今日用事がある(きょうよう)の意味です。
今日はやることがなくてテレビを見ている。奥さんといても会話がない。これが続いたらよくない。
*一同納得。笑いあり。
☆賛助会員、研究員募集・クリスマス講演会・交流会のご案内をして、無事に出前講座を終了しました。
9月より、複数回の打ち合わせを重ね、計画を練りました。ACOBAへの出前講座の実施計画の中で重視したのは、1) 日常生活の心構えについて伝える、2) 動画を活用する、3) 参加者には積極的な姿勢で参加していただく、4) 共想法を体験、参加していただく、の4点です。当日は、ほのぼの研究所スタッフ4名が手分けして講座に臨みました。
日時:2013年10月18日(金)13:30〜16:30
場所:我孫子駅前けやきプラザ我孫子市南近隣センター8階第一会議室
☆NPO法人ほのぼの研究所の挨拶と概論講義の担当は、副代表理事の長谷川さんです。
「認知症とは」「共想法とは」「ほのぼの研究所(以後略してほの研)の活動」の三点について、配布資料を見ながら説明しました。ほの研の活動として、五周年史の中の日本地図を示しながら、拠点の柏市増尾、協働で共想法の実施研究に努める長崎県の長崎北病院、埼玉県宮代町のNPO法人きらりびとみやしろ、茨城県真壁町の介護施設マカベシルバートピアが紹介され、世界地図を示しながら、研究交流拠点のスイスが紹介されました。地道な活動の広がりを、参加の方々は静かに聞き入っていました。
講座風景
☆次は認知症予防の実例です。
NHKで紹介された動画2点「認知症の予防」と「ぎんさんの娘4姉妹のグループ会話」を放映しました。自らの体験を踏まえて「継続して参加している共想法により、心身ともに回復、元気に活動に参加しています」と、田口が報告しました。
☆休憩をはさんでいよいよ共想法の体験です。
今回初めて、参加者全員と一緒に滑舌をよくするように、音読と早口言葉を唱和して共想法の準備体操としました。
共想法は5人分の写真をいただき準備を整えましたが、2名が欠席、3名での実施となりました。テーマの「好きなこと」を2分で説明、3分で質疑です。初参加で戸惑いもあり、一人目の質問に対して答えが時間ぎりぎりまで続いたため、パソコン記録担当の佐藤さんが「質問も回答も簡潔にして、時間内に多くの質疑が出来るように」と助言、二人目の質疑からはスムーズに進行ができました。体験型での実施の場合、初めて参加頂く方に、短い時間でコツを理解頂けるよう、さらなる工夫が必要です。
☆千葉大学西千葉キャンパスにおられる大武先生と、会場がskypeでつながりました。
先生の挨拶と10分間のミニ講義が始まりました。演題は著書「介護に役立つ共想法」の紹介と「介護を防ぐ共想法」です。
大武先生のSkypeによる講義
『共想法』は今日あったこと、最近のことを話すことで、情報の新陳代謝を上げることが出来ます。常に新しい情報を頭に入れます。平均年齢94歳になるぎんさんの娘姉妹は、昔のことを覚えているのと同時に、最近のこともよく御存知です。その時々の「今」の情報を入れて、生きている時間のことを整理しながら毎日を生きている。頭を使いながら会話をしていることが頭の健康に繋がっています。
気づいたこと、ちょっとした出来事をデジカメで撮る。目で見る情報は頭に残ると言われています。毎日に、きっかけを作る、そう!そのきっかけを作るのが『共想法』です。
会場の様子が先生によく見えるように、佐藤さんはパソコンを持って調整しました。先生は会場の質問に丁寧に答えられました。質問の中の一つを紹介します。
Q:柏の広報を読んでいると、増尾の方で活動が活発なのはどうしてですか?
A:ほのぼの研究所は「柏市介護予防センターほのぼのプラザますお」に拠点を置いています。ほの研も、ときに広報に載ります。柏は、研究者が街の中で研究する取り組みが盛んです。柏には東大の小林先生の十坪ジムがあります。小林先生に先ず看板を掛けなさいとアドバイス頂き、ほのぼの研究所という看板(名前)を掲げるところからはじめました。ほの研の活動は原則週一回、毎週火曜日です。
☆プログラムの最後は、会場の皆さんにアンケートに答えていただき、即、集計して解説しました。スタッフが前に並び、長谷川さんがアンケートに答えました。
Q:共想法と介護の関係は?
A:共想法は認知症予防がもともとの目的のため、従来の講座では余り介護には触れていません。ただご質問があったので、身近な人が認知症になった場合の対応について、要点を説明いたします。対応は、家庭によって異なりますが、次の手順になります。
? 地域包括センターに相談。
? 受診拒否が多いので、ホームドクターに先ず相談。
? なるべく専門医にかかる。
? 財産管理等は任意後見人制度や法定後見人制度を活用。
*質問者からお礼の言葉が聞かれました。
Q:教育と教養とは?
A:「教育と教養」と書かれた方がいた。以前、高齢者の問題を研究している先生に伺った。・今日行くところがある(きょういく)・今日用事がある(きょうよう)の意味です。
今日はやることがなくてテレビを見ている。奥さんといても会話がない。これが続いたらよくない。
*一同納得。笑いあり。
☆賛助会員、研究員募集・クリスマス講演会・交流会のご案内をして、無事に出前講座を終了しました。
市民研究員 田口良江
2013年11月2日(土)13時30分より、千葉大学西千葉キャンパスのけやき会館大ホールで行われたシンポジウムに出席しましたので、報告いたします。ほのぼの研究所からは、研究員の佐藤(由)、田口、永田、2013年度実践コースの長久秀子さんが、第51回千葉大祭を含めて参加しました。
けやき会館・会場
大学祭でにぎわうキャンパスを横切り、まずは留学生の営む多国籍料理でお腹を満たしてから、ダンスや展示を楽しみました。その後けやき会館へ移動し、13時半からの開始を待ちました。本日は、厚生労働大臣の田村憲久氏の招待講演が目玉ですが、田村大臣は千葉大学の法経学部を卒業されているというお話でした。
キャンパス・大学祭
まずは主催者である千葉大学長の齋藤 康氏のあいさつに始まり、来賓の文部科学省大臣官房審議官の常盤豊氏と続きました。第1部の田村大臣の招待講演の中で、アベノミクスという言葉は大臣がはじめて使ったこと、また認知症がふつうの概念となるような社会作りなど、興味深いお話を伺いました。
田村大臣の講演
休憩をはさんで第2部のパネルディスカッションに移りました。その様子が、11月3日の朝7時前に、NHKで放送されていたのにはびっくりしました。コーディネーターの高林克日己氏(千葉大学医学部附属病院副病院長)の司会により、5名のパネリストから「明るい未来」について、熱い議論が展開されました
パネリスト 左側4名
パネリストのお名前は、左から水野創氏、石井邦子氏、明石洋一氏、中央より右に、神野真吾氏、大武美保子氏です。ステージの左端には司会の高林氏が座り、右端には女の子の衣装を着たロボットのぼのちゃんが鎮座していました。皆さんが盛り上がるとロボットが笑います。
パネリスト 右側2名とぼのちゃん
千葉県経済同友会副代表幹事で(株)ちばぎん総合研究所取締役社長の水野氏、千葉県立保健医療大学教授の石井氏、千葉大学名誉教授の明石氏、千葉大学准教授の神野氏と大武氏より、超高齢社会への貴重な提言がなされました。その中で強く思ったことは、現在65歳前後の団塊の世代が75歳位になるまで、積極的に社会貢献をし、更には起業する位の意欲がないと、日本の将来は立ち行かないということでした。その世代の一人として、身のひきしまる思いがしました。
ぎんさんの娘姉妹
最後に進行係の千葉大学医学部附属病院病院長の宮崎勝氏より、耳よりなお話を伺いました。入院患者のうち、活発に会話をしている人は治りが早いそうです。ぎんさん娘4姉妹の元気の秘密は、そのあたりにありそうです。
ほのぼの研究所実践コース参加者である長久秀子さんから、シンポジウムの感想が届いておりますので、ご紹介します。
第3回高齢社会を考えるシンポジウム 参加感想
シンポジウム聴講のお誘いを受けて、何十年ぶりかに訪れた大学のキャンパス。木々が色づき始めた自然豊かな広大な敷地で孫世代に近い世代のあふれんばかりの若さと迫力に圧倒され、隔世の感を禁じえませんでした。
一方、キャンパスの賑わいとは趣を異にしたシンポジウムにおいては、厳しい社会的背景・現実がつまびらかにされた上で、高齢者と実際に向き合う方々の切実な課題、さらなる学びを加えた社会とのつながりへの高齢者としてのトライアル、地域特性や地縁を享受した堅実な高齢コミュニティの生活実態、そして会話の訓練にフォーカスして科学的見地から認知症予防・改善の手法を実践していく研究等々、様々な分野、立場、切り口から逼迫した超高齢社会の事例、課題、提案が挙げられ、議論が展開されました。
今もこれからも高齢社会にどっぷり身を置く我が身ですが、マスコミをはじめとする偏ったわずかな情報源からしか現実を捉えていなかったことを反省、広角的に高齢社会を捉えるべきことを気づかされ、生き方を見直すよい機会となりました。
同時に、キャンパスの賑わいや若者達のパワーを目の当たりにして、課題解決のためには世代、エリア、ライフステージ、フィールドを超えた連携・協同、研究もさらに必要であることもあらためて実感したことでした。
トリがゆえに、持ち時間10分以内と時間的制約のなか、大武先生は冒頭に歯磨きの励行が高齢者の総入れ歯率を劇的に減少させたというデータを元に、「何の対策もしないで現在の高齢者が認知症になるのは、歯磨きをしないで総入れ歯になるのと同じようなもの、適切なことをすれば減らすことができるのでは」とのパワフルな投げかけから、ぎんさん姉妹の会話実態のビデオ紹介や会話訓練の必要性の解説や提唱、そしてほの研の活動や12月のクリスマス講演会紹介までと、一気呵成の効果的スピーチで、少々おカタイ会場の雰囲気を大いに和ませて下さいました。そして会場からは大きなうなずきや笑いも。
ところで、パネルディスカッションを盛り上げるためにと壇上に登場した笑い促進プロブラムを擁したぼのちゃんですが、会場の雰囲気にも敏感に反応できる機能も備えているのでしょうか、「開発途上」というエキスキューズを返上できそうな当意即妙の大活躍ぶりでした。
認知症予防のための会話訓練の必要性:共想法についてはニュースでも早速取りあげられた由、興味を持って下さる方が一人でも増えることに期待したいと思います。
シンポジウムはUSTREAMで放映、録画されました。当日の様子を合計3時間あまりの動画で見ることができます。
―第3回高齢社会を考えるシンポジウムその1(178:30)
―第3回高齢社会を考えるシンポジウムその2(5:30)
けやき会館・会場
大学祭でにぎわうキャンパスを横切り、まずは留学生の営む多国籍料理でお腹を満たしてから、ダンスや展示を楽しみました。その後けやき会館へ移動し、13時半からの開始を待ちました。本日は、厚生労働大臣の田村憲久氏の招待講演が目玉ですが、田村大臣は千葉大学の法経学部を卒業されているというお話でした。
キャンパス・大学祭
まずは主催者である千葉大学長の齋藤 康氏のあいさつに始まり、来賓の文部科学省大臣官房審議官の常盤豊氏と続きました。第1部の田村大臣の招待講演の中で、アベノミクスという言葉は大臣がはじめて使ったこと、また認知症がふつうの概念となるような社会作りなど、興味深いお話を伺いました。
田村大臣の講演
休憩をはさんで第2部のパネルディスカッションに移りました。その様子が、11月3日の朝7時前に、NHKで放送されていたのにはびっくりしました。コーディネーターの高林克日己氏(千葉大学医学部附属病院副病院長)の司会により、5名のパネリストから「明るい未来」について、熱い議論が展開されました
パネリスト 左側4名
パネリストのお名前は、左から水野創氏、石井邦子氏、明石洋一氏、中央より右に、神野真吾氏、大武美保子氏です。ステージの左端には司会の高林氏が座り、右端には女の子の衣装を着たロボットのぼのちゃんが鎮座していました。皆さんが盛り上がるとロボットが笑います。
パネリスト 右側2名とぼのちゃん
千葉県経済同友会副代表幹事で(株)ちばぎん総合研究所取締役社長の水野氏、千葉県立保健医療大学教授の石井氏、千葉大学名誉教授の明石氏、千葉大学准教授の神野氏と大武氏より、超高齢社会への貴重な提言がなされました。その中で強く思ったことは、現在65歳前後の団塊の世代が75歳位になるまで、積極的に社会貢献をし、更には起業する位の意欲がないと、日本の将来は立ち行かないということでした。その世代の一人として、身のひきしまる思いがしました。
ぎんさんの娘姉妹
最後に進行係の千葉大学医学部附属病院病院長の宮崎勝氏より、耳よりなお話を伺いました。入院患者のうち、活発に会話をしている人は治りが早いそうです。ぎんさん娘4姉妹の元気の秘密は、そのあたりにありそうです。
ほのぼの研究所実践コース参加者である長久秀子さんから、シンポジウムの感想が届いておりますので、ご紹介します。
市民研究員 永田映子
第3回高齢社会を考えるシンポジウム 参加感想
シンポジウム聴講のお誘いを受けて、何十年ぶりかに訪れた大学のキャンパス。木々が色づき始めた自然豊かな広大な敷地で孫世代に近い世代のあふれんばかりの若さと迫力に圧倒され、隔世の感を禁じえませんでした。
一方、キャンパスの賑わいとは趣を異にしたシンポジウムにおいては、厳しい社会的背景・現実がつまびらかにされた上で、高齢者と実際に向き合う方々の切実な課題、さらなる学びを加えた社会とのつながりへの高齢者としてのトライアル、地域特性や地縁を享受した堅実な高齢コミュニティの生活実態、そして会話の訓練にフォーカスして科学的見地から認知症予防・改善の手法を実践していく研究等々、様々な分野、立場、切り口から逼迫した超高齢社会の事例、課題、提案が挙げられ、議論が展開されました。
今もこれからも高齢社会にどっぷり身を置く我が身ですが、マスコミをはじめとする偏ったわずかな情報源からしか現実を捉えていなかったことを反省、広角的に高齢社会を捉えるべきことを気づかされ、生き方を見直すよい機会となりました。
同時に、キャンパスの賑わいや若者達のパワーを目の当たりにして、課題解決のためには世代、エリア、ライフステージ、フィールドを超えた連携・協同、研究もさらに必要であることもあらためて実感したことでした。
トリがゆえに、持ち時間10分以内と時間的制約のなか、大武先生は冒頭に歯磨きの励行が高齢者の総入れ歯率を劇的に減少させたというデータを元に、「何の対策もしないで現在の高齢者が認知症になるのは、歯磨きをしないで総入れ歯になるのと同じようなもの、適切なことをすれば減らすことができるのでは」とのパワフルな投げかけから、ぎんさん姉妹の会話実態のビデオ紹介や会話訓練の必要性の解説や提唱、そしてほの研の活動や12月のクリスマス講演会紹介までと、一気呵成の効果的スピーチで、少々おカタイ会場の雰囲気を大いに和ませて下さいました。そして会場からは大きなうなずきや笑いも。
ところで、パネルディスカッションを盛り上げるためにと壇上に登場した笑い促進プロブラムを擁したぼのちゃんですが、会場の雰囲気にも敏感に反応できる機能も備えているのでしょうか、「開発途上」というエキスキューズを返上できそうな当意即妙の大活躍ぶりでした。
認知症予防のための会話訓練の必要性:共想法についてはニュースでも早速取りあげられた由、興味を持って下さる方が一人でも増えることに期待したいと思います。
実践コース参加者 長久秀子
シンポジウムはUSTREAMで放映、録画されました。当日の様子を合計3時間あまりの動画で見ることができます。
―第3回高齢社会を考えるシンポジウムその1(178:30)
―第3回高齢社会を考えるシンポジウムその2(5:30)
2013年7月2日に開催された、ほのぼの研究所NPO法人設立5周年記念講演会・交流会に、ご参加の皆様から頂いたご感想を掲載いたします。当日、または後日文書にて届けてくださった方もいらっしゃいました。ご協力頂きまして有難うございました。
千葉大学大学院看護学研究科教授 正木治恵先生招待講演
〇「からだ、こころ、かかわり、暮らし、生きがい、から見た健康づくり」
・帰宅後、5角形の図を大きな紙に書き、居間の柱に掛けて毎日見ています。
正木先生の熱心な講演と共に日常生活の基礎として大切にしたいと思います。
・普段はあまり反応の無い夫が、メモを取りながら聞いていました。
・正木先生の講演を聞きながら、普段の自分の生活を振り返り、実践出来ている項目をチェックしながら聞きました。参加してよかったと思っています。
・正木先生の講演は老人・若い人・男も女、だれにでも通じるお話で、次の例会でメモしたことを話すつもりです。
千葉大学大学院看護学研究科教授 正木治恵先生のスライドより
からだ、こころ、かかわり、暮らし、生きがいの5つの側面
千葉大学看工連携高齢者支援 工学研究室客員教授 三宅徳久先生招待講演
〇「私たちの暮らしを見守る人にやさしいベッド」
・日本の長い畳の生活文化の中で、高齢化による介護の必要性が高まる今、ベッドの果たす役割の大切さをあらためて知ることが出来ました。そして予防医学の面でも、機能を発揮しているとのお話がありました。
・施設Mに入居している95歳の母を看ています。ベッドの話を興味深く聞きました。いずれ自分たちが直面する問題だと思いました。
・もっと大勢の人に聞いてもらえるとよかったのではないかと思いました。
・ベッドに取り付けられたセンサーが感知して、患者を支援する話を聞き、認知症の母親が入院していた頃を思い起こしました。何度かベッドから落ちて骨折したこともありました。
千葉大学看工連携高齢者支援 工学研究室客員教授 三宅徳久先生のスライドより
加齢に伴う身体能力の変化
千葉大学大学院工学研究科・環境健康フィールド科学センター准教授、
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長 大武美保子先生基調講演
○「写真で見る、ほのぼの研究所の歩み」
・設立5周年の活動とあゆみのお話がありました。5周年というお目出度い記念講演会に参加させていただき、本当にありがとうございました。
大武先生の講演 広がる共想法の拠点
○講演会全般についての感想
・これからの人生に役立つお話が聞けて、とてもよかったと思います。
・初めて講演会に参加させて戴き、皆様の活動に感銘を受けました。かなりご高齢の方々がいらしていましたので、元気を頂きました。
・人間らしく自分らしく生きることの大切さを考えさせられた時間でした。
・なるほど、実感です。毎日に追われ、先のことと思っていました。
・共想法の実施の様子を見せて頂き、もっと広く伝えてほしいと感じました。
・受付、会計が多少混乱しました。次回からの検討材料にしてください。
皆様から生の声を聴かせて頂き、大いに励みになりました。
講演会・交流会共に楽しんで頂き、参加してよかったとお感じになった方が多くいらした事は、関わった者にとって、この上ない喜びでございます。一方受付、会計での不手際の為、ご迷惑をお掛けした事をお詫び申し上げまして、次回からの反省材料とさせていただきます。
皆様お忙しいところ、感想をお寄せ頂きまして有難うございました。
―ほのぼの研究所NPO法人設立5周年記念講演会
―ほのぼの研究所NPO法人設立5周年記念交流会
千葉大学大学院看護学研究科教授 正木治恵先生招待講演
〇「からだ、こころ、かかわり、暮らし、生きがい、から見た健康づくり」
・帰宅後、5角形の図を大きな紙に書き、居間の柱に掛けて毎日見ています。
正木先生の熱心な講演と共に日常生活の基礎として大切にしたいと思います。
・普段はあまり反応の無い夫が、メモを取りながら聞いていました。
・正木先生の講演を聞きながら、普段の自分の生活を振り返り、実践出来ている項目をチェックしながら聞きました。参加してよかったと思っています。
・正木先生の講演は老人・若い人・男も女、だれにでも通じるお話で、次の例会でメモしたことを話すつもりです。
千葉大学大学院看護学研究科教授 正木治恵先生のスライドより
からだ、こころ、かかわり、暮らし、生きがいの5つの側面
千葉大学看工連携高齢者支援 工学研究室客員教授 三宅徳久先生招待講演
〇「私たちの暮らしを見守る人にやさしいベッド」
・日本の長い畳の生活文化の中で、高齢化による介護の必要性が高まる今、ベッドの果たす役割の大切さをあらためて知ることが出来ました。そして予防医学の面でも、機能を発揮しているとのお話がありました。
・施設Mに入居している95歳の母を看ています。ベッドの話を興味深く聞きました。いずれ自分たちが直面する問題だと思いました。
・もっと大勢の人に聞いてもらえるとよかったのではないかと思いました。
・ベッドに取り付けられたセンサーが感知して、患者を支援する話を聞き、認知症の母親が入院していた頃を思い起こしました。何度かベッドから落ちて骨折したこともありました。
千葉大学看工連携高齢者支援 工学研究室客員教授 三宅徳久先生のスライドより
加齢に伴う身体能力の変化
千葉大学大学院工学研究科・環境健康フィールド科学センター准教授、
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長 大武美保子先生基調講演
○「写真で見る、ほのぼの研究所の歩み」
・設立5周年の活動とあゆみのお話がありました。5周年というお目出度い記念講演会に参加させていただき、本当にありがとうございました。
大武先生の講演 広がる共想法の拠点
○講演会全般についての感想
・これからの人生に役立つお話が聞けて、とてもよかったと思います。
・初めて講演会に参加させて戴き、皆様の活動に感銘を受けました。かなりご高齢の方々がいらしていましたので、元気を頂きました。
・人間らしく自分らしく生きることの大切さを考えさせられた時間でした。
・なるほど、実感です。毎日に追われ、先のことと思っていました。
・共想法の実施の様子を見せて頂き、もっと広く伝えてほしいと感じました。
・受付、会計が多少混乱しました。次回からの検討材料にしてください。
皆様から生の声を聴かせて頂き、大いに励みになりました。
講演会・交流会共に楽しんで頂き、参加してよかったとお感じになった方が多くいらした事は、関わった者にとって、この上ない喜びでございます。一方受付、会計での不手際の為、ご迷惑をお掛けした事をお詫び申し上げまして、次回からの反省材料とさせていただきます。
皆様お忙しいところ、感想をお寄せ頂きまして有難うございました。
―ほのぼの研究所NPO法人設立5周年記念講演会
―ほのぼの研究所NPO法人設立5周年記念交流会
市民研究員 佐藤由紀子