ほの研ブログ - ほの研日誌カテゴリのエントリ
2012年10月21日(日)国立市公民館における、ほのぼの研究所出前講座「共想法で認知症予防―物忘れが気になるあなたへ―」に参加しましたのでご報告いたします。当日はお天気にも恵まれちょっとした旅行気分で柏駅を出発しました。10時過ぎの常磐線に乗り、新松戸で武蔵野線、西国分寺で中央線に乗り換え合計で80分ほどの移動でした。西国分寺駅構内ではおしゃれな絵が描かれた駅中ショップを発見し、皆で「素敵ね〜」と言いながら写真を撮っていたら電車に乗り遅れそうになり慌てました。
西国分寺駅構内
目的地の国立駅で大武先生、山口学生さんと落ち合い、ほどなく講演を依頼された一般社団法人リングリンクくにたちの河津征二様にお出迎えいただきました。駅前の並木や草花を眺めながら歩き、駅近くのお店で美味しい昼食をご馳走になりました。国立市公民館までは徒歩ですぐでしたが、途中の街並みは「文教都市くにたち」という名前のとおり学生時代を思い出させる雰囲気が漂っていました。
講演会準備
公民館の地下ホールに着くとスタッフは早速機材の準備をしました。会場には続々と参加者の皆様が集まり、14時には講演会が始まりました。最初に河津様から大武先生の経歴とほのぼの研究所の活動のご紹介があり、次に国立市健康福祉部高齢者支援課の課長大川潤一様のご挨拶へと続きました。講演会のお手伝いをするのはピンクの衣装でおめかしをしたほのちゃんです。先生のお話が長引くと「手短にお願いしますね」と首をかしげながら釘をさすことも忘れません。その姿に会場の雰囲気も自然に和みました。
大武先生とほのちゃん
ほのぼの研究所副代表長谷川多度さんの挨拶に始まり、大武先生の熱のこもった講演は30分を軽くオーバーしました。次に登場した研究員の佐藤由紀子さんからは共想法についての分かりやすい説明と動画放映がありました。その後実際に共想法とはどのようなものかを知っていただくために、研究員らによる共想法のデモンストレーションに移りました。写真は各自1枚でしたが、マイクが右往左往して活発な話し合いがなされました。
共想法デモ
休憩をはさんで最後の質疑応答の時間には、一般の市民の方や福祉職の方などからさまざまな質問が投げかけられ、関心の深さが伺われました。予定の16時が過ぎクリスマス講演会へのご案内などをした後、散会となりましたが、参加者の中には残ってほのちゃんとご対面される方もおられました。公民館の皆様には受付から椅子の片付けまでお世話頂き有難うございました。
質疑応答
国立市へは初めて来たというメンバーも多く、落ち着いた雰囲気と自然豊かな街並みを後にして東京都を東から西へ横断した一日は無事終わりました。
市民研究員:永田映子記
西国分寺駅構内
目的地の国立駅で大武先生、山口学生さんと落ち合い、ほどなく講演を依頼された一般社団法人リングリンクくにたちの河津征二様にお出迎えいただきました。駅前の並木や草花を眺めながら歩き、駅近くのお店で美味しい昼食をご馳走になりました。国立市公民館までは徒歩ですぐでしたが、途中の街並みは「文教都市くにたち」という名前のとおり学生時代を思い出させる雰囲気が漂っていました。
講演会準備
公民館の地下ホールに着くとスタッフは早速機材の準備をしました。会場には続々と参加者の皆様が集まり、14時には講演会が始まりました。最初に河津様から大武先生の経歴とほのぼの研究所の活動のご紹介があり、次に国立市健康福祉部高齢者支援課の課長大川潤一様のご挨拶へと続きました。講演会のお手伝いをするのはピンクの衣装でおめかしをしたほのちゃんです。先生のお話が長引くと「手短にお願いしますね」と首をかしげながら釘をさすことも忘れません。その姿に会場の雰囲気も自然に和みました。
大武先生とほのちゃん
ほのぼの研究所副代表長谷川多度さんの挨拶に始まり、大武先生の熱のこもった講演は30分を軽くオーバーしました。次に登場した研究員の佐藤由紀子さんからは共想法についての分かりやすい説明と動画放映がありました。その後実際に共想法とはどのようなものかを知っていただくために、研究員らによる共想法のデモンストレーションに移りました。写真は各自1枚でしたが、マイクが右往左往して活発な話し合いがなされました。
共想法デモ
休憩をはさんで最後の質疑応答の時間には、一般の市民の方や福祉職の方などからさまざまな質問が投げかけられ、関心の深さが伺われました。予定の16時が過ぎクリスマス講演会へのご案内などをした後、散会となりましたが、参加者の中には残ってほのちゃんとご対面される方もおられました。公民館の皆様には受付から椅子の片付けまでお世話頂き有難うございました。
質疑応答
国立市へは初めて来たというメンバーも多く、落ち着いた雰囲気と自然豊かな街並みを後にして東京都を東から西へ横断した一日は無事終わりました。
市民研究員:永田映子記
2012年5月7日、東京電力(株)東葛支社1階コミュニティホールにて、柏シルバー大学院D組への出前講座を実施しました。受講者は、約100名と多人数の参加を得ての実施でした。
定刻10:00より少し遅れて開講、柏シルバー大学院D組を代表して、植田 昇氏が挨拶に立ち、“ほのぼの研究所”についての紹介と依頼目的が報告されました。このあと出前講座のメニューに従い、長谷川事務局長よりほのぼの研究所の活動状況を報告、市民研究員が認知症についての講演、更に市民研究員が実演し、共想法の進め方のポイントについて解説するDVDの上映と補足説明をした後、持ち時間一人一分で行う一分共想法のデモを行いました。このデモの後、シルバー大学院生の有志6名でテーマを「好きなものごと」として、ふれあい共想法の体験実習をして頂きました。参加された大学院生は、初めてにもかかわらず活発にお話をされて場が盛り上がり、流石に勉強に意欲を持っている方々と見受けられました。
出前講座担当 根岸勝壽記
シルバー大学院出前講座風景
受講者による共想法実施風景
定刻10:00より少し遅れて開講、柏シルバー大学院D組を代表して、植田 昇氏が挨拶に立ち、“ほのぼの研究所”についての紹介と依頼目的が報告されました。このあと出前講座のメニューに従い、長谷川事務局長よりほのぼの研究所の活動状況を報告、市民研究員が認知症についての講演、更に市民研究員が実演し、共想法の進め方のポイントについて解説するDVDの上映と補足説明をした後、持ち時間一人一分で行う一分共想法のデモを行いました。このデモの後、シルバー大学院生の有志6名でテーマを「好きなものごと」として、ふれあい共想法の体験実習をして頂きました。参加された大学院生は、初めてにもかかわらず活発にお話をされて場が盛り上がり、流石に勉強に意欲を持っている方々と見受けられました。
出前講座担当 根岸勝壽記
シルバー大学院出前講座風景
受講者による共想法実施風景
7月に行なわれましたほのぼの研究所移籍記念講演会・交流会についての記事を、市民研究員の黒田征二さんに書いて頂きました。本日掲載できましたのでご覧下さい。
平成24年7月3日(火)、千葉大学柏の葉キャンパスのシーズホールにおきまして、ほのぼの研究所の設立5周年と、当研究所の活動拠点の東京大学から千葉大学への移籍を記念して、講演会と交流会を開催しました。100人を超える来場者を迎え、盛大に行われました。
受付風景
今年の新しい試みとして、第一部の記念講演、第二部の交流会とも、ほのぼの研究所、通称「ほの研」のロボット研究員「ほのちゃん」の司会により進行されました。昨年のクリスマス講演会で、一部対談の司会を行い、好評を博しましたが、今回は総合司会に挑戦、そのキャラクターと明るい語り口や会話の”間”が何ともいえない雰囲気を醸しだし大好評、堂々総合司会デビューを果たしました。
講演会は、NPO法人ほのぼの研究所代表理事所長を務める、本年より千葉大学大学院工学研究科ならびに環境健康フィールド科学センターに移籍した大武美保子准教授の開会挨拶に次いで、千葉大学環境健康フィールド科学センター長・高垣美智子教授、千葉大学副学長・野波健蔵教授のご挨拶を、引き続き来賓としてお招きした東京大学フューチャーセンター機構長ならびに大学院新領域創成科学研究科・大和裕幸教授のご挨拶をいただいた後、三つの講演が行われました。
はじめに、『これからの長寿社会と医療』と題して千葉大学大学院医学研究院・横手幸太郎教授にご講演をいただきました。肥満は健康の大敵であり、適度なカロリー制限と運動が長寿社会を維持していく上でとても大切だ、というちょっと耳が痛く、大いに役に立つお話がありました。
横手幸太郎教授御講演
次に『森、花の生理的リラックス効果と個人差』と題して千葉大学環境健康フィールド科学センター教授・宮崎良文教授にご講演をいただきました。森林セラピー、花セラピーがリラックス効果によりストレスを解消し、予防医学に役立つことを実証的に分かりやすくお話しいただきました。
宮崎良文教授御講演
そして、最後にほのぼの研究所代表理事所長として、千葉大学大学院工学研究科・大武美保子准教授が基調講演『ほのぼの研究所、これからの5年』を行い、今後、共想法の効果の検証と事業化を進め、世界初から世界一に発展してゆく「ほのぼの研究所」を目指す事で、記念講演会が締めくくられました。
大武先生講演 これからの5年
講演会終了後、約30分の休憩を挟んで同じくシーズホールにおいて交流会を開催いたしました。会場セッティングの為のこのインターバルを利用して、ご来場のお客様には、初めて開催した千葉大学柏の葉キャンパス内の見学会を企画し、大学の担当者の方に、ケミレスタウンをご案内いただきました。
交流会も、やはりほのちゃんの軽妙な語り口で始まり、はじめに来賓挨拶に柏市・秋山市長が紹介されると、市長も思わず破顔一笑、会場が一気に和んだのを感じました。
引き続き、東京大学名誉教授・吉本堅一先生の音頭での乾杯の後は、軽食を取りながらの交流がそこここで繰り広げられました。
秋山柏市長来賓あいさつ
交流会の様子
さらに、上橋泉柏市議会議員、宮地直丸元柏医師会会長はじめ、お集まりいただいた全ての参加者の方々に、大学関係者、企業関係者、地域活動組織、学生、ほのぼの研究所関係者等々のグループ毎に自己紹介をお願いし、相互交流を図りました。
また、連携する長崎北病院とのskype交信も行われ、全国的に広がりつつある活動が紹介されました。
楽しい交流会も、あっという間に過ぎ、最後に、上橋泉柏市議の中締めによりお開きとなりましたが、多くの方々のさらに交流が続き、なかなか名残つきない様子でした。
平成24年7月3日(火)、千葉大学柏の葉キャンパスのシーズホールにおきまして、ほのぼの研究所の設立5周年と、当研究所の活動拠点の東京大学から千葉大学への移籍を記念して、講演会と交流会を開催しました。100人を超える来場者を迎え、盛大に行われました。
受付風景
今年の新しい試みとして、第一部の記念講演、第二部の交流会とも、ほのぼの研究所、通称「ほの研」のロボット研究員「ほのちゃん」の司会により進行されました。昨年のクリスマス講演会で、一部対談の司会を行い、好評を博しましたが、今回は総合司会に挑戦、そのキャラクターと明るい語り口や会話の”間”が何ともいえない雰囲気を醸しだし大好評、堂々総合司会デビューを果たしました。
講演会は、NPO法人ほのぼの研究所代表理事所長を務める、本年より千葉大学大学院工学研究科ならびに環境健康フィールド科学センターに移籍した大武美保子准教授の開会挨拶に次いで、千葉大学環境健康フィールド科学センター長・高垣美智子教授、千葉大学副学長・野波健蔵教授のご挨拶を、引き続き来賓としてお招きした東京大学フューチャーセンター機構長ならびに大学院新領域創成科学研究科・大和裕幸教授のご挨拶をいただいた後、三つの講演が行われました。
はじめに、『これからの長寿社会と医療』と題して千葉大学大学院医学研究院・横手幸太郎教授にご講演をいただきました。肥満は健康の大敵であり、適度なカロリー制限と運動が長寿社会を維持していく上でとても大切だ、というちょっと耳が痛く、大いに役に立つお話がありました。
横手幸太郎教授御講演
次に『森、花の生理的リラックス効果と個人差』と題して千葉大学環境健康フィールド科学センター教授・宮崎良文教授にご講演をいただきました。森林セラピー、花セラピーがリラックス効果によりストレスを解消し、予防医学に役立つことを実証的に分かりやすくお話しいただきました。
宮崎良文教授御講演
そして、最後にほのぼの研究所代表理事所長として、千葉大学大学院工学研究科・大武美保子准教授が基調講演『ほのぼの研究所、これからの5年』を行い、今後、共想法の効果の検証と事業化を進め、世界初から世界一に発展してゆく「ほのぼの研究所」を目指す事で、記念講演会が締めくくられました。
大武先生講演 これからの5年
講演会終了後、約30分の休憩を挟んで同じくシーズホールにおいて交流会を開催いたしました。会場セッティングの為のこのインターバルを利用して、ご来場のお客様には、初めて開催した千葉大学柏の葉キャンパス内の見学会を企画し、大学の担当者の方に、ケミレスタウンをご案内いただきました。
交流会も、やはりほのちゃんの軽妙な語り口で始まり、はじめに来賓挨拶に柏市・秋山市長が紹介されると、市長も思わず破顔一笑、会場が一気に和んだのを感じました。
引き続き、東京大学名誉教授・吉本堅一先生の音頭での乾杯の後は、軽食を取りながらの交流がそこここで繰り広げられました。
秋山柏市長来賓あいさつ
交流会の様子
さらに、上橋泉柏市議会議員、宮地直丸元柏医師会会長はじめ、お集まりいただいた全ての参加者の方々に、大学関係者、企業関係者、地域活動組織、学生、ほのぼの研究所関係者等々のグループ毎に自己紹介をお願いし、相互交流を図りました。
また、連携する長崎北病院とのskype交信も行われ、全国的に広がりつつある活動が紹介されました。
楽しい交流会も、あっという間に過ぎ、最後に、上橋泉柏市議の中締めによりお開きとなりましたが、多くの方々のさらに交流が続き、なかなか名残つきない様子でした。
去る6月、「第25回人工知能学会全国大会in山口」に、発表者として出席された市民研究員の武下秀子さんに紀行文「山口紀行―いざ山口学会へ」を書いて頂きましたので、本日、掲載させて頂きます。同じく市民研究員の佐藤由紀子さん、田口良江さんが同行されました。
<6月12日>、東京駅集合は9:40。大武先生はロボット研究員ほのちゃんをキャリーカートに、ポスターを手にと、まるで身動きもできない程の出立ちです。少し手分けし、佐藤さん、田口さん、武下もそれぞれ荷物を持ち出発です。改札口に入るところからもう記録用のビデオも作動開始、きりっと気持ちを引き締め、さあ3泊4日の旅のはじまりです。
新山口駅に到着し、たくさんの荷物と共に
今回の旅の主な目的は、山口で開催される人工知能学会に参加発表することです。2月の半ば、先生から山口で開催される人工知能学会について「章ごとに分担して報告を」とのお話をいただきました。一人ではない気楽さも手伝い佐藤さん、田口さんを恃みに参加を希望しました。
当日までの準備は思うように進まず、パワーポイント作成やポスターセッション内容など先生にご指導いただきながら3人でもミーティングを持ちました。なかなか不安を自信に変えることは困難でしたが頑張ってまいります。
<6月13日>、午前、午後とそれぞれの会場においてほのちゃん司会の熱いセッションが繰り広げられました。午前の会場は、山口県教育会館、午後の会場は、山口県自治会館です。詳しくは、山口人工知能学会参加報告をご覧ください。
―山口人工知能学会 参加報告
夕食は、魚の美味しいお店「和食 あかぎ」にしました。刺身、煮魚、生ビールでまずは乾杯!お疲れさまでした。大武先生、佐藤さん、田口さん、写真の会について発表された永田さん、動画記録担当の志茂さん、話題の尽きることはありません。ゆったりと腰を据えての夕食にすっかり癒されました。また、当地の話も花を添えました。
店主は、「山口の魚は美味しいですよ。瀬戸内海、玄海灘、日本海と三つの海に囲まれているので、種類も豊富で新鮮な料理を皆さんに提供できます。」と自信のほど披露していました。なるほどと納得できたのも、ノドグロやウニなどの刺身や煮魚の心地よい満腹感によるものと思います。改めて山口の地形を思い浮かべたものです。
<6月14日>、厳島神社 安芸の宮島へ。第2の目的地は、日本三景の一つであり、世界文化遺産、平成12年大河ドラマの『平清盛』などで熱いこの地に決めました。
大武先生、永田さんは13日に引き続き、午前のポスター発表、午後は大武先生の表彰式出席のため学会に残られます。佐藤さん、田口さん、武下の3人は山口駅8:28発JR山口線に乗り込み岩国経由にて目的地へ向かいます。
岩国は山陽本線への乗り継ぎだけでした。あちこちに錦帯橋の案内が目につき、次の機会があるのかどうかあのアーチが美しい木造の橋を愛でたいものだと、旅心を掻き立てられたものです。
おしゃべりしている間に宮島口へ、腹時計もお昼です。駅前周辺のガイドブックにも載っている老舗のあなごめし「うえの」で先ずは腹ごしらえをと店の中へ、何と待ち時間3,40分の表示があります。のんびりしている間はありません。帰りまでお預けにし、次の行動へ。連絡船のチケットをもとめて「みせん丸」に乗り込み宮島口から宮島へ向かいます。
なお、時間は前後しますが、厳島神社の見学を終え、おなかペコペコの3人が向かったところは勿論「うえの」でした。あなごのだし汁、蒲焼がたっぷりのあなごめしを堪能しました。
帰りまでお預けの「あなごめし」
晴天に恵まれ、シカの散歩する参道をシカ達と遊び汗だくになりながら、すぐ目の前に見えていてもなかなかたどり着けなかった待望の厳島神社に到着しました。
厳島神社、さすがに、美しいです!
観光客は外国の方が目立ちます。三々五々と見学者の列は途切れることなく続きます。長い長い朱塗りの回廊を、われわれはビデオ撮影もぬかりなく、担当交代もしました。わあー難しい。感が掴めないまま、次の人にバトンタッチです。それにしてもよくこんな建造物がと目を見張るばかりです。大河ドラマの『平清盛』と併せて世界文化遺産を生んだこの厳島を少しでも見聞できたらと、もともとまじめな3人、行きつ戻りつで、デジカメもフル可動です。そのうち帰りの時間が気になり次の場所へと急ぎました。
大鳥居周辺へ。干潮時には大鳥居の下まで歩け、満潮時には大鳥居の下(黒くなった部分)まで満々と海水に浸されるといいます。見上げれば圧倒されそうな迫力、威厳に満ちたこの大鳥居は1168年に造営されたといいますから驚くばかりです。当時から続くこの大自然の営みに人々は干潮時になるとたくさんの生き物たちに出会うことができるのだと思います。
アオサ、ホンダワラ、カニ、牡蠣、巻貝など、少し沖まで歩いてみますと、やはり海の底、まるで小さな生き物の宝庫です。写真のアオサはきれいに取り出して、大武先生と永田さんのおみやげにいただいて帰りました。
こうして大勢の観光客を魅了してやまない建造物、宝物また弥山(みせん)原始林を含む大自然を、ほんの一部かも知れませんがそれぞれビデオにカメラにしっかりと納めました。中には初心者カメラマンの爆笑作品もあります。
大鳥居
干潮時の生き物
さて、時計は帰りの連絡船の時刻に迫っています。大慌てで厳島神社にも別れを告げ大足徒歩で「みせん丸」に乗り込みました。行きと帰りの風景に大きな違いをしみじみと感じながら10分。宮島口に着きますと、さすがに空腹の虫が・・・3人で顔を見合わせ、駅前のあなごめし「うえの」へ駆けつけました。
瑠璃光寺前庭、香山公園で行われる人工知能学会全国大会の交流会(ガーデンパーティ)が17:00から始まります。14:00代の電車に合わせておみやげを求めました。少しでもいいものをと一生懸命探しまわるのも旅の楽しみの一つかもしれません。やれやれ、無事に復路に入ることができました。宮島からの帰りは電車の連絡もスムーズで、予定通り参加することができてほっとしました。
山口きっての観光名所、瑠璃光寺において開催された交流会
交流会は、庭園散策に始まり、山口市伝承の鷺流狂言「鬼瓦」が披露され、瑠璃光寺ならではの雰囲気に浸ることができました。メインの学会賞受賞者の紹介及び挨拶は、業績賞、現場イノベーション賞、論文賞の3部門でした。学問と実生活(実社会)との直結を痛感しました。アトラクションは郷土料理(岩国寿司実演)と筝&フルートの演奏です。本日までの役目を終えられた研究者の方々、学生さん、一般参加者の方々がリラックスモードで歓談される様子が印象に残りました。
アトラクションの生演奏をBGMに歓談
交流会の弁当とおみやげの萩焼の湯呑
<6月15日>、ホテルを8:00にスタート、最終日は湯田温泉駅発12:32を逆算しての見学になりました。向かったのは、中原中也記念館です。中也の生涯を語る作品や入口から玄関までの常設展示の詩の数々にふれ、記念館の見学は短い時間の中にも充実感がありました。
中原中也
清閑な記念館をあとに、程なく中也通りにさしかかりました。そこで見つけたマンホールのふたは、中也の帽子を模ったものでした。デザインのピンクが目をひきました。また、すぐ近くの井上公園には、井上馨銅像、明治維新の志士の碑や放浪詩人の種田山頭火の句碑、そして足湯があります。足湯はいいですね・・・。ゆったりとつかっている間もありませんが、湯田温泉近くの足湯には何かほっとするものがありました。
中也の帽子をかたどったマンホールのふたを撮影
湯田温泉駅に向かうタクシーからの風景に、出会った人々のことや静かな落ちついた街のことが想い起され、このような山口での学会参加がとても印象深く感じられました。お世話になった方々に感謝を込め、帰路につきました。
<6月12日>、東京駅集合は9:40。大武先生はロボット研究員ほのちゃんをキャリーカートに、ポスターを手にと、まるで身動きもできない程の出立ちです。少し手分けし、佐藤さん、田口さん、武下もそれぞれ荷物を持ち出発です。改札口に入るところからもう記録用のビデオも作動開始、きりっと気持ちを引き締め、さあ3泊4日の旅のはじまりです。
新山口駅に到着し、たくさんの荷物と共に
今回の旅の主な目的は、山口で開催される人工知能学会に参加発表することです。2月の半ば、先生から山口で開催される人工知能学会について「章ごとに分担して報告を」とのお話をいただきました。一人ではない気楽さも手伝い佐藤さん、田口さんを恃みに参加を希望しました。
当日までの準備は思うように進まず、パワーポイント作成やポスターセッション内容など先生にご指導いただきながら3人でもミーティングを持ちました。なかなか不安を自信に変えることは困難でしたが頑張ってまいります。
<6月13日>、午前、午後とそれぞれの会場においてほのちゃん司会の熱いセッションが繰り広げられました。午前の会場は、山口県教育会館、午後の会場は、山口県自治会館です。詳しくは、山口人工知能学会参加報告をご覧ください。
―山口人工知能学会 参加報告
夕食は、魚の美味しいお店「和食 あかぎ」にしました。刺身、煮魚、生ビールでまずは乾杯!お疲れさまでした。大武先生、佐藤さん、田口さん、写真の会について発表された永田さん、動画記録担当の志茂さん、話題の尽きることはありません。ゆったりと腰を据えての夕食にすっかり癒されました。また、当地の話も花を添えました。
店主は、「山口の魚は美味しいですよ。瀬戸内海、玄海灘、日本海と三つの海に囲まれているので、種類も豊富で新鮮な料理を皆さんに提供できます。」と自信のほど披露していました。なるほどと納得できたのも、ノドグロやウニなどの刺身や煮魚の心地よい満腹感によるものと思います。改めて山口の地形を思い浮かべたものです。
<6月14日>、厳島神社 安芸の宮島へ。第2の目的地は、日本三景の一つであり、世界文化遺産、平成12年大河ドラマの『平清盛』などで熱いこの地に決めました。
大武先生、永田さんは13日に引き続き、午前のポスター発表、午後は大武先生の表彰式出席のため学会に残られます。佐藤さん、田口さん、武下の3人は山口駅8:28発JR山口線に乗り込み岩国経由にて目的地へ向かいます。
岩国は山陽本線への乗り継ぎだけでした。あちこちに錦帯橋の案内が目につき、次の機会があるのかどうかあのアーチが美しい木造の橋を愛でたいものだと、旅心を掻き立てられたものです。
おしゃべりしている間に宮島口へ、腹時計もお昼です。駅前周辺のガイドブックにも載っている老舗のあなごめし「うえの」で先ずは腹ごしらえをと店の中へ、何と待ち時間3,40分の表示があります。のんびりしている間はありません。帰りまでお預けにし、次の行動へ。連絡船のチケットをもとめて「みせん丸」に乗り込み宮島口から宮島へ向かいます。
なお、時間は前後しますが、厳島神社の見学を終え、おなかペコペコの3人が向かったところは勿論「うえの」でした。あなごのだし汁、蒲焼がたっぷりのあなごめしを堪能しました。
帰りまでお預けの「あなごめし」
晴天に恵まれ、シカの散歩する参道をシカ達と遊び汗だくになりながら、すぐ目の前に見えていてもなかなかたどり着けなかった待望の厳島神社に到着しました。
厳島神社、さすがに、美しいです!
観光客は外国の方が目立ちます。三々五々と見学者の列は途切れることなく続きます。長い長い朱塗りの回廊を、われわれはビデオ撮影もぬかりなく、担当交代もしました。わあー難しい。感が掴めないまま、次の人にバトンタッチです。それにしてもよくこんな建造物がと目を見張るばかりです。大河ドラマの『平清盛』と併せて世界文化遺産を生んだこの厳島を少しでも見聞できたらと、もともとまじめな3人、行きつ戻りつで、デジカメもフル可動です。そのうち帰りの時間が気になり次の場所へと急ぎました。
大鳥居周辺へ。干潮時には大鳥居の下まで歩け、満潮時には大鳥居の下(黒くなった部分)まで満々と海水に浸されるといいます。見上げれば圧倒されそうな迫力、威厳に満ちたこの大鳥居は1168年に造営されたといいますから驚くばかりです。当時から続くこの大自然の営みに人々は干潮時になるとたくさんの生き物たちに出会うことができるのだと思います。
アオサ、ホンダワラ、カニ、牡蠣、巻貝など、少し沖まで歩いてみますと、やはり海の底、まるで小さな生き物の宝庫です。写真のアオサはきれいに取り出して、大武先生と永田さんのおみやげにいただいて帰りました。
こうして大勢の観光客を魅了してやまない建造物、宝物また弥山(みせん)原始林を含む大自然を、ほんの一部かも知れませんがそれぞれビデオにカメラにしっかりと納めました。中には初心者カメラマンの爆笑作品もあります。
大鳥居
干潮時の生き物
さて、時計は帰りの連絡船の時刻に迫っています。大慌てで厳島神社にも別れを告げ大足徒歩で「みせん丸」に乗り込みました。行きと帰りの風景に大きな違いをしみじみと感じながら10分。宮島口に着きますと、さすがに空腹の虫が・・・3人で顔を見合わせ、駅前のあなごめし「うえの」へ駆けつけました。
瑠璃光寺前庭、香山公園で行われる人工知能学会全国大会の交流会(ガーデンパーティ)が17:00から始まります。14:00代の電車に合わせておみやげを求めました。少しでもいいものをと一生懸命探しまわるのも旅の楽しみの一つかもしれません。やれやれ、無事に復路に入ることができました。宮島からの帰りは電車の連絡もスムーズで、予定通り参加することができてほっとしました。
山口きっての観光名所、瑠璃光寺において開催された交流会
交流会は、庭園散策に始まり、山口市伝承の鷺流狂言「鬼瓦」が披露され、瑠璃光寺ならではの雰囲気に浸ることができました。メインの学会賞受賞者の紹介及び挨拶は、業績賞、現場イノベーション賞、論文賞の3部門でした。学問と実生活(実社会)との直結を痛感しました。アトラクションは郷土料理(岩国寿司実演)と筝&フルートの演奏です。本日までの役目を終えられた研究者の方々、学生さん、一般参加者の方々がリラックスモードで歓談される様子が印象に残りました。
アトラクションの生演奏をBGMに歓談
交流会の弁当とおみやげの萩焼の湯呑
<6月15日>、ホテルを8:00にスタート、最終日は湯田温泉駅発12:32を逆算しての見学になりました。向かったのは、中原中也記念館です。中也の生涯を語る作品や入口から玄関までの常設展示の詩の数々にふれ、記念館の見学は短い時間の中にも充実感がありました。
中原中也
清閑な記念館をあとに、程なく中也通りにさしかかりました。そこで見つけたマンホールのふたは、中也の帽子を模ったものでした。デザインのピンクが目をひきました。また、すぐ近くの井上公園には、井上馨銅像、明治維新の志士の碑や放浪詩人の種田山頭火の句碑、そして足湯があります。足湯はいいですね・・・。ゆったりとつかっている間もありませんが、湯田温泉近くの足湯には何かほっとするものがありました。
中也の帽子をかたどったマンホールのふたを撮影
湯田温泉駅に向かうタクシーからの風景に、出会った人々のことや静かな落ちついた街のことが想い起され、このような山口での学会参加がとても印象深く感じられました。お世話になった方々に感謝を込め、帰路につきました。
武下秀子 記
人工知能学会には、近未来チャレンジという制度があります。5年以内に社会に役立ち、新しい学術分野を拓くテーマを募集し、セッションテーマとして取り上げ、毎年審査を行い、合格すると次の年もセッションを開催できる制度です。5回の審査に合格すると、卒業と認定されます。
2007年の人工知能学会全国大会で近未来チャレンジテーマとして提案した「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は、2008年から2011年まで4回のセッションを開催し、提案を含めて5回の審査に合格し、2012年には卒業セッションの開催と共に、正式に卒業と認定されましたのでご報告します。卒業セッションを含めた5回の開催で、計68件の発表があり、基礎的な理論から現場での実践まで幅広く活発な討議が行われました。
近未来チャレンジについては、公式サイトをご覧ください。
―人工知能学会全国大会特別企画 近未来チャレンジ
―近未来チャレンジ 卒業生の体験談紹介 大武美保子氏
セッションが開催されたのは2008年からですが、ほの研ブログが始まった2009年以降、報告が掲載されていますのでご案内します。
―2012年 山口人工知能学会 参加報告
―2011年 盛岡人工知能学会 聴講記
―2011年 盛岡紀行
―2010年 長崎学会 聴講記
―2010年 長崎紀行
―2009年 高松学会&旅行記
卒業できましたのは、興味深い御発表と活発に御議論下さり、このセッションを御支援下さった、すべての方の御蔭です。改めて感謝申し上げます。
今後は、セッション開催を通じて主に日本で構築したネットワークを世界に拡張し、研究領域を構築、健康長寿社会における新産業の創出などに取り組んで参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
2007年の人工知能学会全国大会で近未来チャレンジテーマとして提案した「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は、2008年から2011年まで4回のセッションを開催し、提案を含めて5回の審査に合格し、2012年には卒業セッションの開催と共に、正式に卒業と認定されましたのでご報告します。卒業セッションを含めた5回の開催で、計68件の発表があり、基礎的な理論から現場での実践まで幅広く活発な討議が行われました。
近未来チャレンジについては、公式サイトをご覧ください。
―人工知能学会全国大会特別企画 近未来チャレンジ
―近未来チャレンジ 卒業生の体験談紹介 大武美保子氏
セッションが開催されたのは2008年からですが、ほの研ブログが始まった2009年以降、報告が掲載されていますのでご案内します。
―2012年 山口人工知能学会 参加報告
―2011年 盛岡人工知能学会 聴講記
―2011年 盛岡紀行
―2010年 長崎学会 聴講記
―2010年 長崎紀行
―2009年 高松学会&旅行記
卒業できましたのは、興味深い御発表と活発に御議論下さり、このセッションを御支援下さった、すべての方の御蔭です。改めて感謝申し上げます。
今後は、セッション開催を通じて主に日本で構築したネットワークを世界に拡張し、研究領域を構築、健康長寿社会における新産業の創出などに取り組んで参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
人工知能学会近未来チャレンジ(2007年−2011年)
「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」卒業生代表
大武美保子
市民研究員の田口良江さんに、6月に山口市で行われました人工知能学会参加報告を書いて頂きましたので、本日、写真と共に掲載します。
2012年度第26回人工知能学会全国大会は、6月12日(火)から15日(金)にかけて、山口県教育会館・山口県自治会館等(山口県山口市)において開催されました。テーマは、文化、科学技術と未来です。ほのぼの研究所からは、大武美保子先生、佐藤由紀子さん、武下秀子さん、田口良江が参加しました。
今年参加した、近未来チャレンジセッション「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は5年目で卒業の年です。大武先生から発表のお話をいただいた時、私達佐藤、武下、田口とも異口同音「とても無理です」とお断りしました。「卒業セッションなので気楽でよいです」と勧められて参加することになりました。昨年は盛岡で開催された全国大会に3人で応援団として参加をしました。3人が一緒ならと気持ちが軽くなりましたが、それぞれに与えられた課題は別です。私たちほのぼの研究所、通称ほの研の佐藤・武下・田口が参加したセッションを中心に報告致します。
セッション前日の12日、新幹線の長旅の後夕方、山口に着くと明日の会場山口教育会館へ準備に向かいました。大ホールは500人収容の立派なホールで舞台は広く、会場は扇型に広がり階段状になっています。ゆっくりする間もなく会場作りのお手伝いや司会役のロボット研究員「ほのちゃん」の位置決めなど慌ただしく時間が過ぎて遅い時間にホテルに帰りました。明日の本番を考えて気をもんだり心配したりする余裕もない忙しさでした。
卒業セッション会場の山口県教育会館の大ホール
6月13日(水)当日。会場は、山口県教育会館の大ホール、時間は9時から12時までです。近未来チャレンジセッション(卒業セッション)「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は、パネルディスカッション形式で、13名のパネリストが前半6名、後半7名登壇しました。パネルディスカッションは、それぞれ話題提供と質疑応答の時間に分かれ、話題提供では一人5分ずつ発表、質疑応答では全体で討論しました。総合司会は、ロボット研究員ほのちゃんという、人工知能学会において初の取り組みをしました。操作は、ほの研3名の研究員のち、2名が交替で行いました。
パネルディスカッションの司会をするロボット研究員 ほのちゃん
ロボットを交代で操作する市民研究員 武下さん、田口
前半の発表は次の通りです。
1) 認知症予防支援サ−ビス「ふれあい共想法」における人材育成課程の開発
2) 思い出写真の撮影プロセスが意味するものについての考察
3) 食事介助時におけるリソース配分と負担感の関係
4) 高齢者グループホームにおける介護者の身体動作
5) 気仙沼〜絆〜プロジェクト:KESENNUMA MODELの構築に向けて
6) 認知症者の生活支援
6名の発表者が着席。話題提供の時間です。話題提供者の第一番目は我がほの研の佐藤由紀子さん、発表タイトルは、“認知症予防支援サービス「ふれあい共想法」における人材育成過程の開発”です。以下佐藤由紀子さんの手記です。
発表は、次の四つの内容を盛り込むことになりました。
?「ほの研の背景と目的」、これまでの5年、何を研究してきたか
? 結果何が分かり何を得られたか
? 結論は何か
? 5年先の展望
これらの事をたった5分で話さなくてはなりません。人数が多く時間超過は許されないのです。パワーポイントを操作しながら早口で話せば何とかなるかナ、と思いました。朝早めに食事を済ませ、会場へ急ぎ、東京から夜遠し車で駆けつけた動画記録担当の志茂さんを見つけ、急に緊張してきました。幸い私はトップバッター。5分経てばすべてが終わります。いよいよ司会の「ほのチャン」が私の名前を呼んでいます。志茂さんのカメラが回り始めました。さあ行こう! 佐藤由紀子さん記
佐藤さんの発表はとても素敵でした。日ごろの成果の発表は堂々と落ち着いて出来て、会場から盛大な拍手をいただきました。続く5名の方もスクリーンに映し出されたパワーポイント・映像を指しながら研究の説明をされました。それぞれが素晴らしい内容でした。
壇上で発表する市民研究員 佐藤さん
次に質疑応答の時間です。発表者は席に残り田口だけが新しく席に着きました。話題提供は佐藤さん、質疑応答は田口と役割分担したためです。原稿の無いぶっつけ本番です。始めから不安を抱えての着席でした。聞き慣れたロボット研究員ほのちゃんの「田口さん如何ですか?」の声を聞いて、ほっとするどころか頭の中が真っ白になり、他の発表について質問するはずが、気が付くとほの研の話をしていました。隣の席の永田映子さん(昨年度共想法研修コース卒業生、現在市民研究員)が、次に質問をしてくださり助かりました。次々に質問が出され、指名された方は明確に答えられて前半が終了しました。
後半は大武先生を含む7名の方の研究発表と質疑応答でした。
7)常同言語を音楽により緩和するシステムの構築に向けた試用
8)在宅及び施設での認知症介護における情報通信技術の活用
9)運転トレーニングと認知機能の関係
10)高齢者の会話における反応性の定量化と可視化
11)高齢者の発話音韻と脳血流を用いたベイジアンマイニングに基づく認知機能障害の早期スクリーニング
12) 神経伝導の量子モデルとその干渉、量子ベイズ統計、量子ニューラルネット
13) 複数の施設で利用可能な共想法支援システム「ほのぼのパネル」の開発
7名の研究者の質疑応答は活発で盛り上がりました。会場から多くの意見、質問、コメントが出て、タイムオーバーするほどの盛況でした。終了後は、壇上で卒業記念撮影をしました。
近未来チャレンジセッション終了後の卒業記念撮影
私たちは大急ぎでホテルに戻って昼食をとり、午後の部に備えました。午後の部は、ポスターセッションです。以下は、ポスターセッション担当の武下秀子さんの手記です。
人がひしめきあうインタラクティブセッション会場
インタラクティブ発表と呼ばれる、ポスターセッションとデモンストレーションの時間は15時から16時45分まで、会場は山口県自治会館2F大会議室です。大きなホールに、全国56チームのポスターが展示されました。発表タイトルは、午前の発表と同じく、“認知症予防支援サ−ビス「ふれあい共想法」における人材育成課程の開発”です。
大勢の研究者、学生さん、高齢者介護施設関係者、特に、産業技術総合研究所、静岡大学、東京大学からは大勢の研究者、学生さんにたくさんのご質問、ご意見を頂きました。大ホールは人でひしめき合い、遠くからでは声がほとんど聞き取れない状況でした。パネル前の机に座したロボット研究員のほのちゃんは混雑の中でもひときわ目立ちます。立ち止まる方たちに向かって『ロボット研究員、ほのと言います、ほのちゃんと呼んでね』という声掛けは、ほの研のポスター周辺に際立って響き渡りました。
質問は、ロボットに関すること、共想法の普及と人材について、写真から会話を引き出すだけでなくいろいろな角度から認知症予防をしてみたらいかがか、などがありました。
説明に当っては「ふれあい共想法」における人材育成課程の開発について、地域・近郊・遠隔、集中研修・相互学習、人とロボットの関係と、質問は多岐にわたりましたので、それぞれの質問に応じて手短に内容を濃く答えるのはたいへんでした。
参加者、会場スケールの大きさに圧倒されましたが、ほのちゃんだけは最後まで悠々と会場の皆さんに語りかけていました。あっぱれです。 武下秀子さん記
ポスターの前で丁寧に説明する武下さんとほのちゃん
ポスターの前では武下さんが大勢の中で声を張り上げるでもなく、一人一人丁寧に応じていました。少し離れた場所でほのちゃん操作は佐藤さん、田口でしておりました。ほのちゃん操作で移動するときに午前中の論文発表者の小島さんのポスターの前で挨拶しました。「ほの研の皆さんが(高齢なのに)前向きで元気に活躍しているのはどうしてでしょう?」と質問されてしまいました。「自分が認知症にならないように頑張っていると思いますが、大武先生は最新の研究も分かるように易しく説明してくださるし、共想法は前向きにどんどん進化して行くので私は追いつくのに精一杯です。その辺りに魅力を感じているのではないかしら。」と答えたような気がします。会場には、山口名物の蕨の粉で作ったういろうが沢山用意されていました。長い貴重な一日でした。
学会で発表出来たのは勿論生まれて初めてです。発表は成功にせよ、失敗にせよ、私たちにとって素晴らしい体験でした。この様な機会を与えて下さった大武先生に心から感謝を申し上げます。 佐藤由紀子・武下秀子・田口良江記
最後になりましたが、翌日14日の夕方開催された表彰式で、人工知能学会近未来チャレンジセッション「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」担当責任者大武美保子先生が、表彰を受けられました。
表彰式にて近未来チャレンジ卒業を表彰される大武先生
近未来チャレンジと卒業認定については、以下をご参照ください。
―人工知能学会近未来チャレンジ卒業認定
2012年度第26回人工知能学会全国大会は、6月12日(火)から15日(金)にかけて、山口県教育会館・山口県自治会館等(山口県山口市)において開催されました。テーマは、文化、科学技術と未来です。ほのぼの研究所からは、大武美保子先生、佐藤由紀子さん、武下秀子さん、田口良江が参加しました。
今年参加した、近未来チャレンジセッション「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は5年目で卒業の年です。大武先生から発表のお話をいただいた時、私達佐藤、武下、田口とも異口同音「とても無理です」とお断りしました。「卒業セッションなので気楽でよいです」と勧められて参加することになりました。昨年は盛岡で開催された全国大会に3人で応援団として参加をしました。3人が一緒ならと気持ちが軽くなりましたが、それぞれに与えられた課題は別です。私たちほのぼの研究所、通称ほの研の佐藤・武下・田口が参加したセッションを中心に報告致します。
セッション前日の12日、新幹線の長旅の後夕方、山口に着くと明日の会場山口教育会館へ準備に向かいました。大ホールは500人収容の立派なホールで舞台は広く、会場は扇型に広がり階段状になっています。ゆっくりする間もなく会場作りのお手伝いや司会役のロボット研究員「ほのちゃん」の位置決めなど慌ただしく時間が過ぎて遅い時間にホテルに帰りました。明日の本番を考えて気をもんだり心配したりする余裕もない忙しさでした。
卒業セッション会場の山口県教育会館の大ホール
6月13日(水)当日。会場は、山口県教育会館の大ホール、時間は9時から12時までです。近未来チャレンジセッション(卒業セッション)「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は、パネルディスカッション形式で、13名のパネリストが前半6名、後半7名登壇しました。パネルディスカッションは、それぞれ話題提供と質疑応答の時間に分かれ、話題提供では一人5分ずつ発表、質疑応答では全体で討論しました。総合司会は、ロボット研究員ほのちゃんという、人工知能学会において初の取り組みをしました。操作は、ほの研3名の研究員のち、2名が交替で行いました。
パネルディスカッションの司会をするロボット研究員 ほのちゃん
ロボットを交代で操作する市民研究員 武下さん、田口
前半の発表は次の通りです。
1) 認知症予防支援サ−ビス「ふれあい共想法」における人材育成課程の開発
2) 思い出写真の撮影プロセスが意味するものについての考察
3) 食事介助時におけるリソース配分と負担感の関係
4) 高齢者グループホームにおける介護者の身体動作
5) 気仙沼〜絆〜プロジェクト:KESENNUMA MODELの構築に向けて
6) 認知症者の生活支援
6名の発表者が着席。話題提供の時間です。話題提供者の第一番目は我がほの研の佐藤由紀子さん、発表タイトルは、“認知症予防支援サービス「ふれあい共想法」における人材育成過程の開発”です。以下佐藤由紀子さんの手記です。
発表は、次の四つの内容を盛り込むことになりました。
?「ほの研の背景と目的」、これまでの5年、何を研究してきたか
? 結果何が分かり何を得られたか
? 結論は何か
? 5年先の展望
これらの事をたった5分で話さなくてはなりません。人数が多く時間超過は許されないのです。パワーポイントを操作しながら早口で話せば何とかなるかナ、と思いました。朝早めに食事を済ませ、会場へ急ぎ、東京から夜遠し車で駆けつけた動画記録担当の志茂さんを見つけ、急に緊張してきました。幸い私はトップバッター。5分経てばすべてが終わります。いよいよ司会の「ほのチャン」が私の名前を呼んでいます。志茂さんのカメラが回り始めました。さあ行こう! 佐藤由紀子さん記
佐藤さんの発表はとても素敵でした。日ごろの成果の発表は堂々と落ち着いて出来て、会場から盛大な拍手をいただきました。続く5名の方もスクリーンに映し出されたパワーポイント・映像を指しながら研究の説明をされました。それぞれが素晴らしい内容でした。
壇上で発表する市民研究員 佐藤さん
次に質疑応答の時間です。発表者は席に残り田口だけが新しく席に着きました。話題提供は佐藤さん、質疑応答は田口と役割分担したためです。原稿の無いぶっつけ本番です。始めから不安を抱えての着席でした。聞き慣れたロボット研究員ほのちゃんの「田口さん如何ですか?」の声を聞いて、ほっとするどころか頭の中が真っ白になり、他の発表について質問するはずが、気が付くとほの研の話をしていました。隣の席の永田映子さん(昨年度共想法研修コース卒業生、現在市民研究員)が、次に質問をしてくださり助かりました。次々に質問が出され、指名された方は明確に答えられて前半が終了しました。
後半は大武先生を含む7名の方の研究発表と質疑応答でした。
7)常同言語を音楽により緩和するシステムの構築に向けた試用
8)在宅及び施設での認知症介護における情報通信技術の活用
9)運転トレーニングと認知機能の関係
10)高齢者の会話における反応性の定量化と可視化
11)高齢者の発話音韻と脳血流を用いたベイジアンマイニングに基づく認知機能障害の早期スクリーニング
12) 神経伝導の量子モデルとその干渉、量子ベイズ統計、量子ニューラルネット
13) 複数の施設で利用可能な共想法支援システム「ほのぼのパネル」の開発
7名の研究者の質疑応答は活発で盛り上がりました。会場から多くの意見、質問、コメントが出て、タイムオーバーするほどの盛況でした。終了後は、壇上で卒業記念撮影をしました。
近未来チャレンジセッション終了後の卒業記念撮影
私たちは大急ぎでホテルに戻って昼食をとり、午後の部に備えました。午後の部は、ポスターセッションです。以下は、ポスターセッション担当の武下秀子さんの手記です。
人がひしめきあうインタラクティブセッション会場
インタラクティブ発表と呼ばれる、ポスターセッションとデモンストレーションの時間は15時から16時45分まで、会場は山口県自治会館2F大会議室です。大きなホールに、全国56チームのポスターが展示されました。発表タイトルは、午前の発表と同じく、“認知症予防支援サ−ビス「ふれあい共想法」における人材育成課程の開発”です。
大勢の研究者、学生さん、高齢者介護施設関係者、特に、産業技術総合研究所、静岡大学、東京大学からは大勢の研究者、学生さんにたくさんのご質問、ご意見を頂きました。大ホールは人でひしめき合い、遠くからでは声がほとんど聞き取れない状況でした。パネル前の机に座したロボット研究員のほのちゃんは混雑の中でもひときわ目立ちます。立ち止まる方たちに向かって『ロボット研究員、ほのと言います、ほのちゃんと呼んでね』という声掛けは、ほの研のポスター周辺に際立って響き渡りました。
質問は、ロボットに関すること、共想法の普及と人材について、写真から会話を引き出すだけでなくいろいろな角度から認知症予防をしてみたらいかがか、などがありました。
説明に当っては「ふれあい共想法」における人材育成課程の開発について、地域・近郊・遠隔、集中研修・相互学習、人とロボットの関係と、質問は多岐にわたりましたので、それぞれの質問に応じて手短に内容を濃く答えるのはたいへんでした。
参加者、会場スケールの大きさに圧倒されましたが、ほのちゃんだけは最後まで悠々と会場の皆さんに語りかけていました。あっぱれです。 武下秀子さん記
ポスターの前で丁寧に説明する武下さんとほのちゃん
ポスターの前では武下さんが大勢の中で声を張り上げるでもなく、一人一人丁寧に応じていました。少し離れた場所でほのちゃん操作は佐藤さん、田口でしておりました。ほのちゃん操作で移動するときに午前中の論文発表者の小島さんのポスターの前で挨拶しました。「ほの研の皆さんが(高齢なのに)前向きで元気に活躍しているのはどうしてでしょう?」と質問されてしまいました。「自分が認知症にならないように頑張っていると思いますが、大武先生は最新の研究も分かるように易しく説明してくださるし、共想法は前向きにどんどん進化して行くので私は追いつくのに精一杯です。その辺りに魅力を感じているのではないかしら。」と答えたような気がします。会場には、山口名物の蕨の粉で作ったういろうが沢山用意されていました。長い貴重な一日でした。
学会で発表出来たのは勿論生まれて初めてです。発表は成功にせよ、失敗にせよ、私たちにとって素晴らしい体験でした。この様な機会を与えて下さった大武先生に心から感謝を申し上げます。 佐藤由紀子・武下秀子・田口良江記
最後になりましたが、翌日14日の夕方開催された表彰式で、人工知能学会近未来チャレンジセッション「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」担当責任者大武美保子先生が、表彰を受けられました。
表彰式にて近未来チャレンジ卒業を表彰される大武先生
近未来チャレンジと卒業認定については、以下をご参照ください。
―人工知能学会近未来チャレンジ卒業認定
2012年3月10日(土)、東京大学の前期試験合格発表でキャンパスの人があふれる中、第48回UTalkカフェイベントのゲストとして参加してきました。
UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、毎月開催するイベントです。福武ホール一階のカフェUT Caf醇P BERTHOLLET Roungeでくつろいだ雰囲気の中で行われ、一人一杯の飲み物つきです。
認知症予防を身近に感じる高齢の方から、学生時代教えたことのある卒業生まで、幅広い年齢層の方が参加されました。共想法は、ほのぼのとした時間を高い確率で作り出す技術で、そのような時間を過ごすことで、のびのびと認知機能を柔軟に活用することができるという話をしました。
ここで、カフェイベントを運営する教員、大学院生、大学生4名の方に、共想法を体験して頂きましたのでご紹介します。
思い出の造形教室
星空の温泉
ワークショップを俯瞰する
六本木の遊び方
体験実施の後は、参加者ひとりずつ順に短く感想や質問を頂いて、相互に交流しました。
ふれあい共想法パンフレットを用いて説明
共想法体験実施の様子
- Utalk カフェイベントウェブサイト
UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、毎月開催するイベントです。福武ホール一階のカフェUT Caf醇P BERTHOLLET Roungeでくつろいだ雰囲気の中で行われ、一人一杯の飲み物つきです。
認知症予防を身近に感じる高齢の方から、学生時代教えたことのある卒業生まで、幅広い年齢層の方が参加されました。共想法は、ほのぼのとした時間を高い確率で作り出す技術で、そのような時間を過ごすことで、のびのびと認知機能を柔軟に活用することができるという話をしました。
ここで、カフェイベントを運営する教員、大学院生、大学生4名の方に、共想法を体験して頂きましたのでご紹介します。
思い出の造形教室
星空の温泉
ワークショップを俯瞰する
六本木の遊び方
体験実施の後は、参加者ひとりずつ順に短く感想や質問を頂いて、相互に交流しました。
大武美保子記
ふれあい共想法パンフレットを用いて説明
共想法体験実施の様子
- Utalk カフェイベントウェブサイト
2012年1月18日から21日にかけて、長崎北病院に行かれた市民研究員の田口良江さんに訪問記を書いて頂きましたので、ここに掲載します。
【長崎北病院訪問記】
訪問者:大武先生、林(大学院生)、田口(市民研究員)
訪問日程:2012年1月18日〜21日
場所:長崎県西彼杵郡時津町
長崎北病院
玄関に到着
<長崎北病院の見学>
病院に入ると広い待合室があり、天井が高い吹き抜けになっています。見上げると3枚のステンドグラスが明るく輝いています。待合室は時折音楽ホールとなり、音楽会が開かれます。お客様は入院患者さんやご近所の方々でとても評判がよいそうです。
ステンドグラスが迎えてくれます。
病院は建て替えられて4年ほどになり、内科・呼吸器科・循環器科・神経内科・リハビリテーション科・放射線科などがあります。3階から上は主に入院室で1階は受付と各科の診療室、2階にリハビリテーション室があります。建物を順に見学させて頂きました。
特に印象が強かったのはリハビリテーション室で、広いその部屋は一面が広い窓で明るく開放的でした。5~60人の患者さんが機能訓練を受けていましたが、全ての患者さんにマンツウマンで作業療法士さんが付き添っており、充分に目が行き届いているのを感じました。
入院室の前の廊下に<スクエアーステップ>の張り紙があり「・足の踏み出し・バランス転倒予防・認知機能の向上」と効能が書いてあり、入院患者が練習できるように廊下の床にステップのます目が書かれていました。写真はステップを踏む林さん、作業療法士の小砲気鵝扮Α砲販彎何翰士の土井さん(奥)。
ステップを踏む
トイレは左麻痺優先トイレと右麻痺優先トイレがありそれぞれの方が使いやすいように手すりが付いていました。
<脳リハビリ外来>
ここの「脳リハビリ外来」では、木曜日と金曜日の午後に外来に通う患者さんを対象に、共想法を実施しています。脳トレーニングを早い時期から行うことで症状の進行防止を図るのを目的としています。共想法は個別機能訓練として行われ、医療保険扱いです。
患者さんは病院に着くと、看護師による健康チェックを受けた後、個別に学習療法に取り組み、集団での脳活性化トレーニング、体操、園芸、料理、ゲーム等に参加します。昼食をはさんで午後からは、共想法や絵手紙など、個別の作業療法が実施されます。
作業療法士3名、理学療法士1名、看護師1名、看護助手1名のスタッフが注意深く見守りながらサポートします。
厨房のある明るいトレーニング室には、テーブル2個と肘掛のついた椅子があり、隣には畳敷きの休養室があります。木曜日はこのトレーニング室で、金曜日は会議室で、共想法が行われます。
<長崎北病院における共想法>
患者さんの共想法セッションを見学しました。木曜コース、金曜コース共にテーマは「お正月の遊び」です。スクリーンに向かって参加者がUの字型に席に着き、司会者、副司会者がスクリーン側に左右一人ずつ座り、参加者に向き合う形で進行します。
司会者は「今から共想法をします。白板に書いてある漢字です。」と患者さんにこれからすることを認識してもらいます。
フェイススケールには6つの顔の表情が書かれており、今の自分の気持ちに合う顔を選んで丸をつけてもらいます。プリントが渡されて全員が声を揃えて音読、次に早口言葉の練習をします。発声練習をして、声や言葉が出やすくするのがねらいです。
トレーニング室での共想法の様子
会議室での共想法の様子
先週自分が写真を撮ったのを忘れてしまった人、言葉が上手く出ない人、こだわりの強い人、よくわからないと笑ってごまかす人など、さまざまな特徴のある患者さんですが、司会者・副司会者の助言で言葉が引き出され、話の輪が広がっていきます。参加している仲間の問いかけを聞いて、話を順調に進めていく人もいます。また、先週一緒に取った写真をすっかり忘れた参加者に思いだしてもらうために、スタッフは小道具を会場まで持って行きます。参加者は、自分のテーマの道具を手に取って見ながら説明し、実際に使って見せる方もいます。司会者は共想法が始まるたびに、同じ言葉を繰り返して参加者を促し、時に励ましながら進行していきます。健常者の共想法司会者と大きく違う点です。
<長崎北病院におけるその他のリハビリテーション>
共想法の他、午前中行われた集団で取り組むリハビリテーションを見学しました。平成○年○月○日○曜日に答えるクイズから始まり、大型テレビをスクリーンにして週間天気予報、ニュース、行事(1/23〜1/30長崎ランタンフェスティバル)を紹介します。長崎弁を標準語に・標準語を長崎弁にするクイズや、ラステカ⇒カステラのような文字の並べ替えをしました。これは文字数が増えるとかなり難しくなります。そして、長崎の観光名所を写真で見ました。
見学した日のリハビリテーションは、私たち3人を歓迎してくださるサービスメニューだったようで、楽しく見学させていただきました。
病院の6階の窓から真向かいに見える奇岩「鯖くさらかし岩」
長崎の方言「とっとっと?」「とっとっと!」
その後、体操を一緒にしました。椅子に座ったまま足首を曲げ伸ばし、左右に首を振る運動をします。次に椅子の背につかまって立ち体を反らしたり片足を上げてみる運動は、筋肉をほぐしてリラックス出来ます。体操は少しの場所があれば出来るのを知りました。
昼食は、同じテーブルで患者さんと同じお食事をいただきました。季節の食材を使った献立は薄味の健康食です。里芋のゆずみそあんかけがとてもおいしかったです。ほとんどの方がきれいに食べていました。
患者さんと同じ昼食をいただく
<研究紹介と意見交換>
辻畑名誉院長、外来の看護師長、脳リハビリ外来スタッフの皆さんの前で、大武先生が次世代共想法支援システムを紹介しました。
次世代共想法支援システムの紹介
司会者の大武先生と、遠隔地からの参加者役の土井さんが、B-5版ほどのタブレット端末を持って交信します。今日の共想法のテーマは「好きな動物」、開始日時と経過時間が画面の右手に表示されます。共想法参加者は他に小砲気鵑氾銚、記録者は林さんの構成です。新システムでは、司会者が操作するタブレット端末の画面と同じ画面を、タブレット端末を持った遠隔地の参加者が見て、会話に参加できます。さまざまな地域にいる参加者がタブレット端末を通して一同に介し、共想法を行う夢が現実になるのです。
大学院生の林さんは『会話における応答特性の分類』について説明をしました。林さんは長崎北病院で行われた共想法の動画の文字おこしデータに基づいて、参加者毎の応答特性を一つ一つ分析し、修士論文にまとめています。大変な作業だったと思います。観察から、いくつかの傾向が見られるそうです。たとえば、会話の反応性は高いが、内容の深い理解までは出来ないタイプ。一つのことに考え込んでしまうので一部の話題にしか反応できないタイプ。いつも同じ話を繰り返すタイプ等です。会話における各タイプは低下した認知機能の種類に関係があるのではないかと考えられるそうです。分類方法については、引き続き議論することになりました。この他、認知症の参加者に対する共想法の効果的な実施方法について意見交換が行われました。
林院生の発表
<長崎卓袱料理と外海観光>
研究紹介と意見交換の後は、共想法を主に担当している脳リハビリ外来の3人と長崎市内に出て、郷土の名物「長崎卓袱」料理をいただきました。丁寧でおいしいお料理にホッとしたひとときでした。
長崎卓袱料理
最終日の21日(土)は快晴で、午前中、辻畑先生、土井さん、小砲気鵑外海を車で案内してくださいました。初めて見る外海、美しい海岸線の向こうに幾つもの島が見え隠れしています。
ド・ロ神父記念館を訪ねました。「フランス人の神父は1868年(慶応4年)28歳で来日、宣教師としてだけでなく石版印刷技術を伝えるために来られましたが、74歳で亡くなるまでの46年間を日本で過ごし、その間、外海地域の産業、社会福祉、医療、移住開拓、土木、建築、教育文化などに奉仕されました。」と説明を受けて、その幅の広さに驚きを隠せませんでした。そして、神父ゆかりの出津(しつ)教会に立ち寄りました。
出津(しつ)教会
外海を一望できる遠藤周作文学館は、ついゆっくり浸ってしまうほど魅力的でした。氏の作品「沈黙」は此処外海(そとめ)が舞台です。
半日の観光時間はあっという間に終わりました。それでも花より団子で「長崎名物トルコランチ」なる昼食をおいしくいただき、お世話になったご挨拶もそこそこに一路急ぎ時津港へ。時間ぎりぎりの船に飛び乗り、長崎空港に向かいました。
人の温かさに触れ、たっぷり研修させていただいた長崎北病院、ちょぴり観光した長崎外海地区は心に残り、本当に素敵でした。
研修に参加出来た「健康」に感謝しています。
田口良江 記
【長崎北病院訪問記】
訪問者:大武先生、林(大学院生)、田口(市民研究員)
訪問日程:2012年1月18日〜21日
場所:長崎県西彼杵郡時津町
長崎北病院
玄関に到着
<長崎北病院の見学>
病院に入ると広い待合室があり、天井が高い吹き抜けになっています。見上げると3枚のステンドグラスが明るく輝いています。待合室は時折音楽ホールとなり、音楽会が開かれます。お客様は入院患者さんやご近所の方々でとても評判がよいそうです。
ステンドグラスが迎えてくれます。
病院は建て替えられて4年ほどになり、内科・呼吸器科・循環器科・神経内科・リハビリテーション科・放射線科などがあります。3階から上は主に入院室で1階は受付と各科の診療室、2階にリハビリテーション室があります。建物を順に見学させて頂きました。
特に印象が強かったのはリハビリテーション室で、広いその部屋は一面が広い窓で明るく開放的でした。5~60人の患者さんが機能訓練を受けていましたが、全ての患者さんにマンツウマンで作業療法士さんが付き添っており、充分に目が行き届いているのを感じました。
入院室の前の廊下に<スクエアーステップ>の張り紙があり「・足の踏み出し・バランス転倒予防・認知機能の向上」と効能が書いてあり、入院患者が練習できるように廊下の床にステップのます目が書かれていました。写真はステップを踏む林さん、作業療法士の小砲気鵝扮Α砲販彎何翰士の土井さん(奥)。
ステップを踏む
トイレは左麻痺優先トイレと右麻痺優先トイレがありそれぞれの方が使いやすいように手すりが付いていました。
<脳リハビリ外来>
ここの「脳リハビリ外来」では、木曜日と金曜日の午後に外来に通う患者さんを対象に、共想法を実施しています。脳トレーニングを早い時期から行うことで症状の進行防止を図るのを目的としています。共想法は個別機能訓練として行われ、医療保険扱いです。
患者さんは病院に着くと、看護師による健康チェックを受けた後、個別に学習療法に取り組み、集団での脳活性化トレーニング、体操、園芸、料理、ゲーム等に参加します。昼食をはさんで午後からは、共想法や絵手紙など、個別の作業療法が実施されます。
作業療法士3名、理学療法士1名、看護師1名、看護助手1名のスタッフが注意深く見守りながらサポートします。
厨房のある明るいトレーニング室には、テーブル2個と肘掛のついた椅子があり、隣には畳敷きの休養室があります。木曜日はこのトレーニング室で、金曜日は会議室で、共想法が行われます。
<長崎北病院における共想法>
患者さんの共想法セッションを見学しました。木曜コース、金曜コース共にテーマは「お正月の遊び」です。スクリーンに向かって参加者がUの字型に席に着き、司会者、副司会者がスクリーン側に左右一人ずつ座り、参加者に向き合う形で進行します。
司会者は「今から共想法をします。白板に書いてある漢字です。」と患者さんにこれからすることを認識してもらいます。
フェイススケールには6つの顔の表情が書かれており、今の自分の気持ちに合う顔を選んで丸をつけてもらいます。プリントが渡されて全員が声を揃えて音読、次に早口言葉の練習をします。発声練習をして、声や言葉が出やすくするのがねらいです。
トレーニング室での共想法の様子
会議室での共想法の様子
先週自分が写真を撮ったのを忘れてしまった人、言葉が上手く出ない人、こだわりの強い人、よくわからないと笑ってごまかす人など、さまざまな特徴のある患者さんですが、司会者・副司会者の助言で言葉が引き出され、話の輪が広がっていきます。参加している仲間の問いかけを聞いて、話を順調に進めていく人もいます。また、先週一緒に取った写真をすっかり忘れた参加者に思いだしてもらうために、スタッフは小道具を会場まで持って行きます。参加者は、自分のテーマの道具を手に取って見ながら説明し、実際に使って見せる方もいます。司会者は共想法が始まるたびに、同じ言葉を繰り返して参加者を促し、時に励ましながら進行していきます。健常者の共想法司会者と大きく違う点です。
<長崎北病院におけるその他のリハビリテーション>
共想法の他、午前中行われた集団で取り組むリハビリテーションを見学しました。平成○年○月○日○曜日に答えるクイズから始まり、大型テレビをスクリーンにして週間天気予報、ニュース、行事(1/23〜1/30長崎ランタンフェスティバル)を紹介します。長崎弁を標準語に・標準語を長崎弁にするクイズや、ラステカ⇒カステラのような文字の並べ替えをしました。これは文字数が増えるとかなり難しくなります。そして、長崎の観光名所を写真で見ました。
見学した日のリハビリテーションは、私たち3人を歓迎してくださるサービスメニューだったようで、楽しく見学させていただきました。
病院の6階の窓から真向かいに見える奇岩「鯖くさらかし岩」
長崎の方言「とっとっと?」「とっとっと!」
その後、体操を一緒にしました。椅子に座ったまま足首を曲げ伸ばし、左右に首を振る運動をします。次に椅子の背につかまって立ち体を反らしたり片足を上げてみる運動は、筋肉をほぐしてリラックス出来ます。体操は少しの場所があれば出来るのを知りました。
昼食は、同じテーブルで患者さんと同じお食事をいただきました。季節の食材を使った献立は薄味の健康食です。里芋のゆずみそあんかけがとてもおいしかったです。ほとんどの方がきれいに食べていました。
患者さんと同じ昼食をいただく
<研究紹介と意見交換>
辻畑名誉院長、外来の看護師長、脳リハビリ外来スタッフの皆さんの前で、大武先生が次世代共想法支援システムを紹介しました。
次世代共想法支援システムの紹介
司会者の大武先生と、遠隔地からの参加者役の土井さんが、B-5版ほどのタブレット端末を持って交信します。今日の共想法のテーマは「好きな動物」、開始日時と経過時間が画面の右手に表示されます。共想法参加者は他に小砲気鵑氾銚、記録者は林さんの構成です。新システムでは、司会者が操作するタブレット端末の画面と同じ画面を、タブレット端末を持った遠隔地の参加者が見て、会話に参加できます。さまざまな地域にいる参加者がタブレット端末を通して一同に介し、共想法を行う夢が現実になるのです。
大学院生の林さんは『会話における応答特性の分類』について説明をしました。林さんは長崎北病院で行われた共想法の動画の文字おこしデータに基づいて、参加者毎の応答特性を一つ一つ分析し、修士論文にまとめています。大変な作業だったと思います。観察から、いくつかの傾向が見られるそうです。たとえば、会話の反応性は高いが、内容の深い理解までは出来ないタイプ。一つのことに考え込んでしまうので一部の話題にしか反応できないタイプ。いつも同じ話を繰り返すタイプ等です。会話における各タイプは低下した認知機能の種類に関係があるのではないかと考えられるそうです。分類方法については、引き続き議論することになりました。この他、認知症の参加者に対する共想法の効果的な実施方法について意見交換が行われました。
林院生の発表
<長崎卓袱料理と外海観光>
研究紹介と意見交換の後は、共想法を主に担当している脳リハビリ外来の3人と長崎市内に出て、郷土の名物「長崎卓袱」料理をいただきました。丁寧でおいしいお料理にホッとしたひとときでした。
長崎卓袱料理
最終日の21日(土)は快晴で、午前中、辻畑先生、土井さん、小砲気鵑外海を車で案内してくださいました。初めて見る外海、美しい海岸線の向こうに幾つもの島が見え隠れしています。
ド・ロ神父記念館を訪ねました。「フランス人の神父は1868年(慶応4年)28歳で来日、宣教師としてだけでなく石版印刷技術を伝えるために来られましたが、74歳で亡くなるまでの46年間を日本で過ごし、その間、外海地域の産業、社会福祉、医療、移住開拓、土木、建築、教育文化などに奉仕されました。」と説明を受けて、その幅の広さに驚きを隠せませんでした。そして、神父ゆかりの出津(しつ)教会に立ち寄りました。
出津(しつ)教会
外海を一望できる遠藤周作文学館は、ついゆっくり浸ってしまうほど魅力的でした。氏の作品「沈黙」は此処外海(そとめ)が舞台です。
半日の観光時間はあっという間に終わりました。それでも花より団子で「長崎名物トルコランチ」なる昼食をおいしくいただき、お世話になったご挨拶もそこそこに一路急ぎ時津港へ。時間ぎりぎりの船に飛び乗り、長崎空港に向かいました。
人の温かさに触れ、たっぷり研修させていただいた長崎北病院、ちょぴり観光した長崎外海地区は心に残り、本当に素敵でした。
研修に参加出来た「健康」に感謝しています。
田口良江 記
2011年7月16日に開催されたシンポジウム「貢献する心の生物・文化的起源と将来」を元に制作された書籍が出版されました。
”やさしさ、思いやり、利他心……。他者とつながり、助け合うことに喜びを見出すヒトの特性をめぐり、哲学者、文化人類学者、科学者、作家等6名が分野を超えて語り合う。討論会を含む全7章。”と紹介されています。
第3章で、ふれあい共想法の説明を通して、サービス工学の観点から貢献する心について議論しています。
(もくじ)
第1章 上田紀行 「お互いさま」の絆をむすびあう
第2章 瀬名秀明 ロボットは貢献心をもつことができるか
第3章 大武美保子 視点をつなぐ「ふれあい共想法」
第4章 谷川多佳子 ライプニッツの互恵の哲学
第5章 長谷川眞理子 他者を思う心の進化:共感と幻想
第6章 大橋力 協調的世界像の起源
第7章 【討論会】 震災後に語り合う生命と貢献心
上田紀行, 瀬名秀明, 大武美保子, 谷川多佳子, 長谷川眞理子, 大橋力.貢献する心−ヒトはなぜ助け合うのか,工作舎,2012.
貢献する心 工作舎ウェブサイトに、関連情報があります。
また、オンライン書店Amazonからも購入できます。
○ほの研ブログ記事(講演の動画):講演”視点をつなぐ「ふれあい共想法」”
書籍「貢献する心−ヒトはなぜ助け合うのか」の表紙
”やさしさ、思いやり、利他心……。他者とつながり、助け合うことに喜びを見出すヒトの特性をめぐり、哲学者、文化人類学者、科学者、作家等6名が分野を超えて語り合う。討論会を含む全7章。”と紹介されています。
第3章で、ふれあい共想法の説明を通して、サービス工学の観点から貢献する心について議論しています。
(もくじ)
第1章 上田紀行 「お互いさま」の絆をむすびあう
第2章 瀬名秀明 ロボットは貢献心をもつことができるか
第3章 大武美保子 視点をつなぐ「ふれあい共想法」
第4章 谷川多佳子 ライプニッツの互恵の哲学
第5章 長谷川眞理子 他者を思う心の進化:共感と幻想
第6章 大橋力 協調的世界像の起源
第7章 【討論会】 震災後に語り合う生命と貢献心
上田紀行, 瀬名秀明, 大武美保子, 谷川多佳子, 長谷川眞理子, 大橋力.貢献する心−ヒトはなぜ助け合うのか,工作舎,2012.
貢献する心 工作舎ウェブサイトに、関連情報があります。
また、オンライン書店Amazonからも購入できます。
○ほの研ブログ記事(講演の動画):講演”視点をつなぐ「ふれあい共想法」”
書籍「貢献する心−ヒトはなぜ助け合うのか」の表紙
2011年7月24日(日)、柏市教育福祉会館2F会議室にて、東葛菜の花「高次脳機能障害者と家族の会」第62回例会にお招き頂き、家族の会の会員の方に共想法を体験して頂く出前講座を行いました。ほのぼの研究所市民研究員の蓼沼さん、前川さん、田口さん、武下さん、塚脇さんが、パソコン操作、司会および記録を担当しました。
まず、共想法について説明し、NHKの首都圏ネットワークで放映された「ふれあい共想法」の報道をご覧頂きました。その後、36名の参加者が見守る中、各グループ4名ずつ、3グループ計12名の方が、共想法に初挑戦されました。家族で出かけた足湯やスカイツリー、震災当日のこと、サッカーや楽器のことなど、思いの詰まった興味深いお話を聞かせて頂きました。
伝えたいことを表す言葉を見つけることが難しい症状を持つ方も参加されましたが、事前の心配をよそに、写真を見ながらその場で出た質問にも的確にお話され、和やかな会となりました。世話人の方の半年以上前からの綿密な準備と、初めての経験に勇気を持って家族で取り組まれた会員の皆様の熱意の賜物です。心より感謝申し上げます。コミュニケーションの難しさを乗り越える方法として、共想法を役立てる方法を、参加頂く皆様のご協力を得て、明らかにして参ります。
ほのぼの研究所所長 大武美保子 記
東葛菜の花「出前講座」会場の様子
ふれあい共想法の体験
後日談:この出前講座での体験参加を通じて、参加者のうちの一名の方が継続を希望されました。その後、リハビリテーションを目的として、共想法継続コースに参加頂いています。
- 東葛菜の花「高次脳機能障害者と家族の会」ウェブサイト
まず、共想法について説明し、NHKの首都圏ネットワークで放映された「ふれあい共想法」の報道をご覧頂きました。その後、36名の参加者が見守る中、各グループ4名ずつ、3グループ計12名の方が、共想法に初挑戦されました。家族で出かけた足湯やスカイツリー、震災当日のこと、サッカーや楽器のことなど、思いの詰まった興味深いお話を聞かせて頂きました。
伝えたいことを表す言葉を見つけることが難しい症状を持つ方も参加されましたが、事前の心配をよそに、写真を見ながらその場で出た質問にも的確にお話され、和やかな会となりました。世話人の方の半年以上前からの綿密な準備と、初めての経験に勇気を持って家族で取り組まれた会員の皆様の熱意の賜物です。心より感謝申し上げます。コミュニケーションの難しさを乗り越える方法として、共想法を役立てる方法を、参加頂く皆様のご協力を得て、明らかにして参ります。
ほのぼの研究所所長 大武美保子 記
東葛菜の花「出前講座」会場の様子
ふれあい共想法の体験
後日談:この出前講座での体験参加を通じて、参加者のうちの一名の方が継続を希望されました。その後、リハビリテーションを目的として、共想法継続コースに参加頂いています。
- 東葛菜の花「高次脳機能障害者と家族の会」ウェブサイト