ほの研ブログ - ほの研日誌カテゴリのエントリ
2020年度の活動は4月7日の緊急事態宣言でスタート。在宅高齢者の外出自粛による認知機能低下リスクが高まる中、集合して会話をすることが認知症予防につながるという考えから会話支援手法「共想法」の研究開発と普及に取り組んできたほのぼの研究所は、感染予防上集合して会話することが危険であるとして、活動をオンライン中心に切り替えた1年でした。
果たしてオンライン活動にもかなり慣れてきたことから、昨年度同様、協働事業者(埼玉県の認定NPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピア、大阪府の有限会社野花ヘルスプロモート)、共想法継続コース参加者、「お江戸共想法」の実施者、理化学研究所の担当者、そして市民研究員の20数名が、延べ4時間以上にわたり、オンラインにて参加いたしました。
2020年度合同研修参加者
合同研修の開催意義と2020年度活動の概要を述べた大武所長のあいさつを皮切りに、以下の順にて各拠点の活動報告をしました。今回は司会の鈴木晃研究員の、10分間の持ち時間終了3分前にベルで合図するなど、徹底したスケジュール管理のもと、遅滞なく進行していきました。それぞれの発表報告を順にご紹介いたします。※氏名後(S)は発表者
≪2020年度活動報告≫
発表資料
【協働事業者 きらびとみやしろ】「令和2年度「きらりびと共想法」活動報告-<きらり姫宮〉〈子育て支援事業〉のコロナ禍の工夫・過ごし方」
野口宗昭市民研究員・田崎誉代市民研究員(S)
10年目に入ったきらりびと共想法が、集合形式での実施が中断していること、他拠点で試行が始まった遠隔共想法のスタートが、諸般の都合で遅延しているとの報告がありました。2020年後半から準備が始まったということで、2021年度の本格導入を待ち望む気持ちが述べられました。福祉活動を広く行っている認定NPO法人きらびとみやしろが、綿密な感染予防対策を施して展開している「きらり姫宮」「子育て支援事業」の活動の実態報告もあり、ご苦労を痛感しました。そして、1日も早いきらりびと共想法のメンバーとの遠隔共想法を通しての交流再開が待たれることでした。
【協働事業者のマカべシルバートピア】「マカベ゙シルバートピアの活動報告」
永田映子市民研究員(S)
2011年のスタートから9年16期を迎えた介護老人保健施設における共想法やお話の会の実施報告がありました。参加者の平均年齢が90歳近いこともあり、もとよりその実施のご苦労は並大抵ではありません。さらにコロナ禍で、参加が制限されたり、家族との交流が途絶えた中で、認知機能検査結果(長谷川式)が明らかに低下したという報告は、察せられる結果とはいえ、コロナ禍の影響を現実のものとしてとらえたのでした。
最後の、全国介護老人保健施設記念大会別府大分(2019年度開催)での「会話支援ロボットと高齢者とともに創る共想法の未来」の研究発表が奨励賞を受賞したという嬉しい報告は、多忙の業務の中での絶え間ない研究活動に敬服、誇らしく思うと共に、メンバーへの良い刺激にもなりました。
【協働事業者有限会社野花ヘルスプロモート】「野花cocofit共想法から報告及び現状と報告」
「共野花cocofiモート 正木慎三(s)・篠倉拓
施設関係者のコロナ感染者発生はなくても、介護福祉施設としては、参加者募集や集合、固定が不可能になり、加えてスタッフの勤務体制変化などもあり、共想法の実践はできなかったとの報告がありました。また、メンタルを傷めた方々を対象にした「こころと行動を支える施設」として、2019年に開設された同社が運営するcocofitは当初利用者への支援プログラムとして「共想法」を取り入れていましたが、コロナ禍で悩みを抱える利用者は増えるも、個別ニーズに応じた対応や心療内科との連携、Zoom等のツールも用いてのプログラム変更等があり、活用できていないという課題が報告されました。
そのため、大武所長からは、次年度からの、使い勝手が改善された次世代遠隔共想法支援システムの活用の提案がありました。
なお、事後のWEBアンケートでは、心に不安を持つ人々が多くなっているという時世がらもあるのでしょう、cocofitについては参加者の関心の高いテーマとされました。
協働事業者3拠点の発表を終了した時点で設けた質疑応答の時間では、諸般の事情はあるものの、感染や自粛に対する誤った反応が、高齢者のQOL低下や、施設運営やスタッフへの影響にもつながったという現実が語られ、新型コロナウィルス感染を「正しく恐れる」ことの大切さを改めて実感しました。なお、事後アンケートでは、コロナ禍で難題、課題を有しながらも様々な工夫をこらして、果敢かつ柔軟に対応している3施設の事例の発表が、興味を持ったり、参考になった発表のトップに挙げられました。
発表資料
【ほのぼの研究所 共想法継続コース】「共想法継続コース」
田口良江市民研究員(S)・根岸勝壽市民研究員(S)
10年目を迎える継続コースは「認知症になりにくい暮らし」を年間テーマに設定し、実施しました。コロナ禍により、実施会場:柏市介護予防センター:ほのぼのプラザの利用制限時期もあり、集合しての共想法を実施せず、可能な方から順に、遠隔共想法を実施しました。その間、参加者十数名それぞれと、Eーmail、ショートメッセージ、電話、郵送と、参加者の都合に合わせた手段で連絡を途切れずに行ったこと、ほのぼのプラザが制限を設けて利用可能になった時には、個別に時間を決めて1対1からの遠隔共想法を始めるサポートを丁寧に行ったこと、参加者と相互学習をしながら遠隔共想法の参加方法を会得していった事例など、交流の途絶えがちな方々とも密に連絡を取りながら、徐々に遠隔共想法の参加者が増えていったプロセスを語りました。まだ共想法と遠ざかっている方々の近況報告からは、誰もがいつでも快く参加を継続、再開できるよう、たゆまず、フラットな信頼関係を築いている熱意を感じました。最後に根岸研究員から、コロナ禍でも遠隔共想法を通して繋がることができることへの感謝が述べられました。
【ほのぼの研究所 柏市認知症予防講座】「柏市認知症予防講座『今こそおうちで認知症予防』」
松村光輝市民研究員・魚谷茜市民研究員(S)
まず初めに、コロナ禍でありながら、9月から会場のほのぼのプラザますおの利用制限が緩和され、予定どおり9〜10月の3日間開講できた幸運を述べました。長い自粛期間による認知機能低下への懸念や、学びや外出の機会を得たいという気持ちの反映か、30名を超える応募者がありました。しかし、感染予防の観点で、会場の定員が本来の半分以下と定められたことから、参加者9名、現地スタッフ3名での開催となったとの報告がありました。その代わり、遠隔会議システム(Zoom)を活用し、講師の大武所長が東京から、市民研究員とテクニカルスタッフがそれぞれ神奈川、埼玉からサポートし、会場の千葉県と合計4カ所をつないでの、初のハイブリッドオンライン講座としたとの報告が続きました。
会場スタッフの多大なご協力と入念な準備の結果、大過なく終講しました。しかし、オンライン会議システムの音声が対面と比べて聴き取りづらかったこと、遠隔共想法に用いるスマホ端末を感染予防上直接触って操作していただけなかったことなど、コミュニケーション上の制約を実感しました。withコロナ、afterコロナを含めた、魅力ある講座の企画や、より若い高齢者層や、男性の参加を促す講座タイトルについてが課題として挙げられ、その後の質疑応答に続きました。
【ほのぼの研究所 講演会】「2020年度講演会実施報告」
鈴木晃市民研究員・長久秀子市民研究員(S)
例年、会場で開催してきた設立記念講演会、クリスマス講演会を、共にオンラインにて開催した報告をしました。2020年8月25日には、疲労学の権威である理化学研究所の渡辺恭良先生を講師にお招きして、設立記念講演会「今こそ、実践!真の健康づくり」を開催しました。2020年12月22日には、認知症予防学会副理事長で園芸療法を第一線で実践研究される西野憲史先生を講師にお招きして、クリスマス講演会「コロナ禍での認知症予防」を開催しました。いずれも、招待講演・大武所長の基調講演・両講師の対談の3部形式としました。
12月末にはほのぼの研究所の公式YouTubeのチャンネルを開設し、2講演、計6講演の動画配信も始め、2020年度がオンライン講演会元年であったと述べました。
2回のオンライン講演会と、2019年度までのオフラインの講演会の時系列の参加実態と比較して得られた、集客の課題、賛助会員様の特典としての講演会のあるべき姿、そして視聴しやすく、魅力的なオンライン講演会企画のための、運営初心者としてスキル獲得の必要性等の課題を述べて結びました。
合同研修資料
【お江戸共想法】「2020年度実施報告 お江戸共想法」
お江戸共想法実施者斉藤千鶴子(S)・江口美代子(S)
お江戸共想法もコロナ禍で開催が中断されましたが、夏からは遠隔共想法を12名が参加して継続して実施しているという報告がありました。ほのぼの研究所の参加者同様、1人対1人から初めて、最近はシステムの扱いにも慣れてきて4名間でのグループ会話を楽しんでいる模様を報告しました。9月には、直接会ったことがない者同士で遠隔共想法ができるか確かめることを目的として、お江戸共想法参加者と、柏のほのぼの研究所の市民研究員、継続コース参加者とで、「早寝、早起きしてみた」のテーマにて遠隔共想法を実施、交流したとの報告がありました。
次に、遠隔共想法に対する感想や、コロナ禍前後の交流の比較についてのアンケート結果報告では、コロナ禍での交流機会が激減した中、顔が見えなくて残念でも、遠隔地や在宅でも楽しんで交流ができることを楽しめるようになったこと、機器の不慣れ、不具合や使い勝手に課題があることが述べられました。最後に、コロナ禍がおさまった折には、実施したことのない街歩き共想法をしたい!という熱い思いで締めくくられました。
【ほのぼの研究所】「遠隔共想法アンケート結果」
松村光輝市民研究員(S)・清水きよみ市民研究員
お江戸共想法と同じアンケート調査の、市民研究員と継続コース参加者の結果報告がありました。遠隔共想法については、在宅で、同世代の人に先駆けて、オンラインで共想法を通して交流が可能になったとの意見と共に、お江戸共想法で挙げられた課題の他、非対面であることにより、会話が対面ほどスムーズではないことが挙げられました。交流については、外出・対面機会が激減したため、電話やZoomでのコミュニケーションが増加したという実態や、空いた時間、いわゆるおうち時間の有効活用を考えたという前向きな意見に加えて、遠隔共想法参加や、定例のオンラインの研究会が心のよりどころになっているという、市民研究員の声もありました。
質疑応答では、試作段階ながら、コロナ禍によるニーズに応えるために試験運用している現システムと平行して、次世代遠隔共想法支援システムを急ピッチで開発しており、間もなく試用できるという明るい情報を知るに至り、大いに期待を膨らませたことでした。
【企業連携】「企業連携を主として」
小暮純生理化学研究所 認知行動支援技術チーム 技術経営顧問
各拠点の報告に続いての小暮先生の報告では、2020年度の概要報告に続いて、最近の主要活動として、飲料メーカーや和光市との共同研究の支援を引き続き行うこと、また新規の連携開拓、推進案件として、松戸PJ関連の東葛エリアで活動を開始したNPO法人と、さらにマスコミでも広く報道されたポテンシャルがあるとされるW社や、高齢者向けロボットの評価を期待するV社との連携開拓が推進されているという、興味深いトピックの報告がありました。これまで連携していた研究機関、企業との、別の形での関係維持等、幅広い分野での進捗状況の報告がありました。
【2020年度まとめ・2021年度方針】
NPO法人ほのぼの研究所 大武美保子代表理事・所長
まず、2007年から5年ごとに設定した共想法研究の中期計画について、改めて整理しました。共想法を種(シーズ)とした時に、どのように展開するかをまとめたものです。
2007年- 種を苗(サービス)に
2012年- 苗を畑(非営利事業)に
2017年- 畑を試験農園(検証事業)に
2022年- 試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援
2027年- 農園を各地、各国に
2020年度に至るまでの共想法の研究体制の推移、ほのぼの研究所の役割、さらにほのぼの研究所の実施・普及・支援・育成・研究という5つの柱の事業の進捗説明がありました。
続けて、2020年度の5つの事業の実績を述べた後、2022年- 試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援、を見据えた、前タームの最終年としての2021年度のイメージを述べました。
次いで2020年度には「新型コロナウィルス流行により、薬やワクチンが確立するまで、集まって行動することができないこと」を前提に「目的に即して新しいやり方を考えて実践する」という目標を目指して活動した以下の成果を具体的に述べました。
〆濛陲任粒萋以法の確立(研究会・研修)
一カ所に集まらないで社会的交流を実現し、認知機能を訓練する方法の考案、実践
続いて「ワクチン接種が進んでも、集合しての活動は慎重に行うことが求められること」を前提として、2021年度の目標を「新しいやり方の実践の輪を広げる」と掲げ、2020年度に構築を始めた遠隔共想法を基盤とするサービスを外部に展開すること(遠隔共想法参加者から実施者へ・連携先の遠隔共想法を支援)をメインに、これまでの事業を続けながら、さらに新しく取り組む活動案が示されました。
すべての発表後の総合討論では、「初めての人に共想法の良さを伝え、参加してみたいという気持ちになっていただくためにはどうしたらいいか」という根本的かつ難しい質疑に対して、各拠点から経験に基づいた妙案が多数挙げられたのは大変興味深いことでした。一般的に、高齢者は何かを始めること自体に前向きでない場合が多いためです。共想法のよさは体験すると伝わるので、詳細に説明するよりもまず体験してもらった方がよい、といった意見が寄せられました。
近々の高機能な次世代遠隔共想法支援システムの試用開始という、期待できる報告に加えて、「世の中に高齢者が受け身で使うシステムは多数あるものの、高齢者がシステムを使いながらサービスを提供する側に回ることができる、遠隔共想法のようなサービス・システムは最先端である。それによって、みんなを元気にする推進力になるよう一歩一歩近づいていきたい。」という、大武所長の熱い思いを伺い、2021年度の活動への意欲が高められたことでした。
そして、1年間オンライン活動、相互学習を重ねた結果、合同研修への初参加者が増え、大変スムーズに遂行できたこと自体が、大きな成果のひとつであると確認し、無事終会となりました。
市民研究員 長久秀子
新型コロナウィルス感染の拡大防止のために人との交流が制限された結果、高齢者の認知機能低下・認知症発症者増加へのリスクが高まっています。今回はその防止の取り組みにフォーカスした「コロナ禍での認知症予防」をテーマに掲げ、認知症予防学会を設立し、研究とその実践に日々ご尽力の西野憲史先生を招待講演講師としてお招きし、招待講演」「基調講演」「両講師の対談」の三部形式としました。
講演会投影資料表紙
大武美保子弊所代表理事・所長の開会挨拶に続き、早速招待講演講師の西野憲史先生に北九州市のご自身の医療施設よりご登壇いただき、「認知症予防の基礎―コロナ禍における実践」と題した講話が始まりました。
招待講演講師 西野憲史先生
西野憲史先生は日本大学医学部ご卒業で、同大学循環器科にて動脈硬化症の予防にて博士号を取得なされました。1986年にご出身の北九州市に西野病院を開設、以降医療法人、社会福祉法人、NPOを設立され理事長として、地域での医療並びに認知症予防活動を実践なさっております。また2011年日本認知症予防学会(2019年に一般社団法人日本認知症予防学会に名称変更)の設立に寄与され、現在副理事長として幅広くご活躍です。また2007年以降、アメリカ、アジア各国の園芸療法士と連携され、園芸療法の非薬物療法としての認知症予防の実践、研究に積極的取り組まれております。
なお、西野先生には、師走のお忙しい中、急遽のご登壇の依頼に加えて、ほのぼの研究所クリスマス講演会恒例のクリスマスコスチュームのご着用までご快諾いただきましたこと、心より感謝申し上げます。今回は視聴希望者にはガーデニングや家庭菜園などで園芸を楽しんだり、身近なテーマと感じたり、施設関係者も多く、先生のご講話への期待は高いものでした。
ご自身の施設の美しい庭園をバックにご登壇の西野先生は1.わが国の高齢化、2.コロナ禍の暮らしの変化、3.認知症の原因、4.認知症の予防と対策、5.園芸療法の有用性について、興味深い資料や実生活の事例を挙げながら、大変わかりやすいご講話をご提供下さいました。
講話早々、「加齢に伴う各種身体機能の変化」のグラフで示された20〜24歳の時の身体機能を100とした場合の55〜59歳の人の変化には、日頃の実感を証明されて大いに納得、各項目の変化の落差に愕然としたものでした。
加齢に伴う各種身体機能の変化
また、高齢化が進むにつれ、健康寿命の短縮の可能性があること、さらに、そうした背景や癌に比べて予防や治療が難しいとされていることからも、認知症が、高齢者が一番なりたくない病気でも、子供世代が親になってほしくない病気でもトップだという、厳しい現実を語るデータも示され、日本の超高齢社会の課題、大きな変化は認知症の発症者の増加だとされました。
さらに、世界中で認知症に関する研究が進む中、認知症発症の様々な危険因子とされるもののうち、特に大きな危険因子として挙げられるのは、アルツハイマー型認知症では糖尿病、脳血管性認知症では高血圧症であること、しかしながらこれらを含めた危険因子の多くはライフスタイルの見直しでリスクを減らす可能性があるという研究が進んでいることを述べられ、アルツハイマー型の発症にかかわる脳へのアミロイドβの沈着を抑制、認知症予防につながるものとして、7時間以上の良い睡眠が注目されているというトピックも提供されました。
認知症の発症にかかる危険因子
次いで、2011年の設立以来日本認知症予防学会が提唱する認知症予防の3段階予防法に基づき、2500人余の会員の認知症予防のためのエビデンス創出とそれに基づいた研究・実践活動により認知機能の障害を改善できる部分があるということがわかってきたと説明されました。
日本認知症予防学会が提唱する認知機能の3段階予防法
最後に西野先生が欧米やアジアでその有用性への注目が高まっており、それらの地域の実践・研究の連携も通して、ご自身の各施設、NPOで研究、実践を推進していらっしゃる園芸(自然)療法について熱く語られました。施設で行われる様々なアクティビティに加えて、MCI(軽度認知障害)の進行抑制、認知症のBPSD(行動障害等の周辺症状)の予防と改善のための非薬物療法として、障害のレベルや能力に応じて(すべての予防段階において)取り入れられたところ、園芸療法のもつ「賦活」と「沈静」両作用が見られたと述べられました。BPSD症状を軽減するばかりか、様々な園芸活動に付随する関わりを通じて活動を活性化し、五感を豊かに刺激することになり、長期間実践することにより認知機能の改善が維持されたというエビデンスを解説、園芸(自然)療法の有用性や意義を述べられました。
園芸療法の有用性・効果
そしてWHOの提唱するQOLの実現に向けての身体面、社会面、精神面に並ぶやる気、意欲の領域において、この不思議な力を持つ園芸療法等による自然とのかかわりが生活の質を大いに高めることができると確信していると結ばれました。
画面に映し出された、美しい自然豊かな施設や、素晴らしい環境の中での様々な園芸療法の場面の画像から、充実した時間を満喫され、幸福そうにお見受けするご参加の皆様の表情に、心が潤う思いがいたしました。また、事後アンケートでは、自然豊かな環境での取り組みに心を打たれた、園芸療法に改めて興味を持った、やってみたい、できそうという感想や、自らが植物と対峙して心が癒された経験など、嬉しい声が届きました。
最後に日本認知症予防学会からの新型コロナウィルス拡散に対する提言をお示しいただき、終講となりました。
日本認知症予防学会からの提言
次いで、大武美保子代表理事・所長から「オンライン認知症予防活動」と題して、基調講演をいたしました。
遺伝以外の要因が大きい病気に対しては病気ごとにその方策が存在するも、「人との密な接触をさけるべき」新型コロナウィルス感染症と「人との交流をすることが有効である」認知症では、その方策が衝突しており、それがまさしく今般のコロナ禍の課題であるとしました。そこにおいて、「人と交流する以外に、有効とされる活動をする」西野先生の講話にあった園芸療法、五感刺激療法、音楽療法等と並びうるものとして、「人との密な接触を避け、オンラインで人と交流する」方策として、2020年より本格的に取り組んでいる、集合することなく、「同じ写真が表示される端末を見て会話する」遠隔会話支援システムを用いる方策(手法)について解説しました。これらの手法は五感を刺激するという要素は欠ける面がありますが、その分を言葉の力を使う方法として位置づけているとしました。
会話の認知機能訓練効果が認められているものとして、先行研究として行われた定期的に一定期間高齢者が会話を継続するWEB会議システムによる会話実験では、電話によるインタビューに対して言語流暢性※が向上したという研究とがあります。また、さらにエビデンスの収集が必要ですが、大武研究室が行った会話ロボットが司会する写真を介して行う会話実験研究(共想法)でも自由会話に対して同じような結果が見られています。(言語流暢性:ある文字で始まる言葉、あるカテゴリーの言葉を一定時間内にどれだけいうことができるかで測られる能力)
今回の講話では、コロナ流行下、認知症予防につながると考えて継続してきた「集合して会話する」会話支援手法、共想法の研究開発及び普及が叶わなくなったため、感染症拡大以前より遠隔地との会話を実現するために開発していた、在宅で会話ができる遠隔会話支援システムを活用することで、集合しなくてもオンラインにて交流ができる方策に切り替えた経緯と実態を説明しました。
遠隔会話支援システムの動作フロー(一部抜粋)
これは、スマートフォンおよびタブレットアプリケーション上に、順に映し出される、参加者が撮影した写真を見ながら、順に会話ができるものです。テーマに沿った写真を持ち寄り、時間と順番を決めて話題提供、質疑応答する、その後自分が話した内容を200字にまとめるという、共想法本来のルールとその活動に伴って加齢により落ちやすい認知機能を活用できるという原則を述べ、IT端末に慣れていない人とは地道にステップを重ねながら、併せて端末の機能評価・改善を図りながら、徐々に多くが参加できるようになった経緯を述べました。
また、認知機能訓練として共想法に参加し、一定の質を保つ会話をするためには、決められたテーマを心に留めて観察、行動するライフスタイルが求められ、そのことが五感の感度を高め、言葉の理解力が上昇する、すなわち共想法で使われる「見る」「聞く」「話す」の感度が高まり、それが脳の働きにも反映するとの考えと述べ、この6か月間に行った共想法の「観察する」「行動する」カテゴリーのテーマの中から、「歳を重ねて気づいたこと」「免疫力を高める工夫」のテーマで提供された2つの話題を紹介しました。
共想法による認知機能訓練により高められるとされる感度
最後に、今後しばらくは続くと思われる集合や外出が制限されるwithコロナ、そしてafterコロナの時代に向けて、新しくスタートを切ったこのオンラインによる認知症予防活動ツールを進化、拡大させていく展望と抱負を述べて、終講としました。
5分間の休憩を挟んで、北九州市の西野先生と東京の大武所長との「コロナ禍での認知症予防」と題した対談が始まりました。今回は短い休憩時間でしたが、講師に質問する機会を設けました。最初に20件ほど寄せられ質問のうち、西野先生が関わっていらっしゃる園芸療法や音楽療法に関する質問に答えられました。なお、当日回答ができなかった全ての質問に対して後日メールにて回答しました。
西野憲史先生と大武美保子所長との二元対談
その後、西野先生は、それまで認知症治療は精神科における重度患者の治療が中心だったため、「認知症になりたくない」という人々の思いを背景に、また内科医の立場から早期発見、生活習慣病の予防・治療を含めた幅広い予防が必要だという思いから、日本認知症予防学会を立ち上げた熱い思いを語られました。
またご自身で園芸療法を始められたきっかけとして、通院、入院患者さんたちが植物や自然と接する活動の受容性が最も高く、植物が持つ賦活と沈静という不思議な両作用が人間をニュートラルな状態にしてくれることが実感できたからと述べられました。
認知症の予防となる生活習慣病改善のために必要でも、どうしても食生活の節制ができない人は、入院も視野に入れて一定期間身体によいものを食して、身体にその心地よさを感じさせる方法も一法だとアドバイスされました。
そして、認知症予防において重要な三要素である〕酸素運動、楽しく頭を使うことコミュニケーションをはかることのうち、共想法は、楽しく頭を使うことコミュニケーションをはかること、を具体的に高めていく上で素晴らしいツールになるとの励みになるコメントを頂きました。
オンライン講演会は2度目、今回はウェビナーを利用しての開催となりましたが、準備はしたものの不安は尽きず、果たして音声等については、貴重なご意見をいただくことになりました。しかしながら、講演内容や今後の参加意向につきまして、好評価をいただき、大過なく終えることができたことを、安堵すると共に、ここに改めて、ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
今後もしばらくはオンラインでの講演会や企画が続くと思います。いただいた貴重なアドバイスやご希望に添える、よりよいものにしていきたいと思っております。
なお、本講演会の模様は以下YouTubeにてご覧いただけます。
https://www.youtube.com/channel/UCz7L-TE_oqgoLORFqNoIoZA
市民研究員 鈴木 晃・長久 秀子
2021年 丑年 北海道の牧場にて
あけましておめでとうございます
旧年は、感染症流行により、世界中が翻弄された年でした。ほのぼの研究所では、集まって会話をするという、日常の当たり前の営みを丁寧に行うことが、認知症予防につながるという考えから、会話支援手法、共想法の研究開発と普及に取り組んできました。ところが、集まって会話をすることが、感染予防の観点で、危険な行為となってしまいました。この状況は、しばらく続くことが当初より予想できましたので、活動をオンライン中心に切り替え、ますますニーズが高まった認知症予防を、感染症流行下において実施する方法について、実践を通じて研究しました。以下、2020年の主な取り組みについてご紹介します。
第一に、月1回定期的に集まって開催していた、共想法継続コースを、在宅、オンラインの、遠隔共想法に順次切り替えました。これは、感染症拡大以前より開発していた、在宅で会話ができる遠隔会話支援システムを活用するものです。スマートフォンおよびタブレットアプリケーション上に、順に映し出される、参加者が撮影した写真を見ながら、順に会話します。端末に慣れている方から順に導入し、電話などを活用しながら、まずは、実施者同士、次に、実施者と参加者の一対一、実施者に2名、3名の参加者と、ステップを踏んで実施しました。必要な方には、感染予防対策を施した上で、定期開催していた会場に1名ずつお越し頂き、遠隔の実施者と、会場にいる実施者と、参加者とでグループ会話をする、新システムを体験頂き、自宅でできるように練習をしました。
第二に、ウェブシステムを導入し、週1回定期的に集まって開催していた、研究会を、ウェブ会議システムを用いた月1回の研究会に切り替えました。具体的には、感染症流行下で普及が進み、高齢者にとっても比較的使いやすい、zoomを導入しました。1人ずつ練習を重ね、一対一で接続できるようになった後、実施者が一堂に会することができるようになり、各種活動の準備と振り返り、議論することができました。また、年1回開催していた、各地の協働事業者や関係者が一堂に会する合同研修を、同様にウェブ会議システムを用いて実施しました。遠方の参加者からは、移動時間がない分参加しやすいと好評でした。
第三に、2016年より毎年実施協力してきた、柏市主催の認知症予防講座を、感染状況が比較的落ち着いていた秋に、柏市介護予防センターを会場として、オンラインとオンサイトのハイブリッド形式で開催しました。会場から遠くに住む講師と実施者の一部は、ウェブ会議システムから参加、講義を行いました。会場の近くに住む実施者は、会場にいて、共想法を実演し、参加者による体験を支援しました。テーマは「いまこそおうちで認知症予防」とし、在宅で会話ができる遠隔会話支援システムの体験を通じて、認知症予防について学ぶプログラムとしました。
第四に、研究所設立当初より、年2回ペースで開催してきた講演会を、オンラインで開催しました。夏の設立記念講演会は、「今こそ、実践!真の健康づくり」をテーマとし、疲労の研究の第一人者である渡辺恭良先生に神戸からご講演頂きました。冬のクリスマス講演会は、「コロナ禍での認知症予防」をテーマとし、認知症予防の実践研究の第一人者である西野憲史先生に、北九州からご講演頂きました。その後、講演の動画をYouTubeに掲載し、より幅広く多くの方に視聴いただけるようにしました。これに伴い、「NPO法人ほのぼの研究所」というチャンネルを開設しました。2021年年始において、2回の講演会について、それぞれ、招待講演、基調講演、招待講演者と基調講演者による対談の3本ずつ、合計6本の動画を掲載しています。
年初には考えてもいなかった新しいことに、結果として挑戦する1年となりました。いずれの活動も、防ぎうる認知症にならない社会の実現を目指す同志である関係の皆様のご協力、ご支援により実現したものです。困難を共に乗り越える仲間がいることを心強く思います。改めて感謝申し上げます。
活動のオンライン化により、地理的な制約が少なくなったことから、会話による認知症予防研究に、関心があるより多くの方に参加いただくことが可能な状況になったと言えます。2021年も引き続き、2020年に始めた新たな活動を継続しつつ、より効果的な活動方法を、実践を通じて探索し、活動の輪を広げて参りたいと思います。本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2021年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武 美保子
動画をクリックすると再生が始まります。大きい画面でご覧になりたい方は、その後右下に表示されるYouTubeという文字をクリックすると、YouTubeのページが開きます。YouTubeのページからは、全画面表示が可能です。
招待講演
【コロナ禍での認知症予防】認知症予防の基礎−コロナ禍における実践―西野 憲史
基調講演
【コロナ禍での認知症予防】オンライン認知症予防活動―大武 美保子
両講師の対談
【コロナ禍での認知症予防】対談−西野 憲史×大武美保子
それぞれの動画をクリックすると動画が始まります。大きい画面でご覧になりたい方は、その後右下に表示されるYouTubeという文字をクリックすると、YouTubeのページが開きます。YouTubeのページからは、全画面表示が可能です。
報告記事:2020年ほのぼの研究所設立記念講演会
招待講演
【今こそ実践!真の健康づくり】疲れにくく、生き活きとした毎日を送るために―渡辺恭良
基調講演
【今こそ実践!真の健康づくり】認知機能を保つ、くらしの工夫ー大武美保子
両講師の対談
【今こそ実践!真の健康づくり】対談ー渡辺恭良×大武美保子
感染症対策として、会場の定員が、スタッフを含めて13名となったため、例年18名募集のところ10名の募集と縮小しました。想定外の定員を大幅に上回る34名の応募者があり、抽選の結果、9名の方に受講していただくことになりました。応募者の内訳は60〜70歳代が3分の2、80歳代が3分の1でしたが、34名中、女性が32名と大勢を占めました。
会場の実施者は人員縮小して、ほのぼの研究所のスタッフ3名のみ、ほのぼのプラザますおのスタッフ1名とし、マスク着用の上、ほのぼのプラザますおの広い会場スペースまなび館にて、十分な間隔をとっての実施となりました。
感染予防を配慮した講座会場
大武美保子講師、テクニカルサポート1名、ほのぼの研究所スタッフ1名は、東京都、神奈川県からZOOMを利用しての参加で、文字通り遠隔での講座となりました。リハーサルを繰り返す中で、Wi-Fiがうまく繋がらなかった際の対策等の準備を整え、無事に終講することができました。
大武所長のリモート講座画面
「共想法」は元来、テーマに基づいた写真を持ち寄り集合し、それを大きなスクリーンに投影してその話題について説明し、質疑応答を通して想いや情報の交換を行うものです。今年度の講座は認知症予防に関する座学と、新型コロナ流行禍集合することができないために、集合しなくても在宅(おうち)で共想法に参加できるように開発された、スマホアプリを使っての共想法の体験の構成としました。
共想法のテーマは「好きな物」とし、1日目は研究員の実演をみていただき、2、3日目には9名の参加者に3名ずつ3グループに分かれて共想法を体験していただきました。
感染を防ぐため、実際にはスタッフがスマホを操作しましたが、参加者は各写真が映し出されるスマホ画面が大きく映し出されるスクリーンの写真を見ながら、説明、質疑応答を交わし、活発な共想法が実現しました。「マスクの端切れで作った手提げ」やお嬢さんがお母さんのために完成させた「紙ひものカゴ」など、参加者の多くを占めた女性ならではの、いまどきの話題が提供されたのが印象的でした。
すべての参加者がZOOMによる講座が初体験であり、スマホの扱いに不慣れな方もいらした中、ご苦労も多かったとお察しいたしますが、事後アンケートには、この講座に「満足」「ほぼ満足」の回答が寄せられ、「共想法を初めて知ってよかった」「共想法をしてみたい」という意見を多くいただきました。一方、不慣れで難しい面もあったとみえ、遠隔でないほうがよいという本音のご感想もいただきました。
グローバル化が進み、コロナ感染症だけでなく、様々な感染症の広がりは防ぐことが難しくなると思われる中、コミュニケーションにも、これまでとは異なる方法の工夫が必要に迫られることが想定できます。実施者として、初めての試みでしたので、改善すべき点は多々ありますが、新しい活動方式のひとつの最初の一歩を踏み出せたことは、私たちの明日への糧になると思っています。
本講座運営に多大なご助力をくださった、柏市ならびに社会福祉協議会のスタッフの皆様、受講者の皆様に厚く御礼申しあげます。
市民研究員 魚谷 茜
講演会のタイトルは、いわゆる巷にあふれる健康情報とは一線を画す、確たる研究、知見に裏付けされた健康に関する情報をお届けすることを目的として、「今こそ、実践!真の健康づくり」としました。前回の設立記念講演会より好評の、「招待講演」「基調講演」「両講師の対談」の三部形式としました。
講演会資料表紙
定刻どおり、大武美保子弊所代表理事・所長の挨拶にて講演会が開始、早速、招待講演講師の渡辺恭良先生に、神戸の研究室よりご登壇いただき、「疲れにくく、生き活きとした毎日を送るために」というタイトルの講話が始まりました。
渡辺恭良先生は京都大学医学部ご卒業の医学博士で、講演会開催時、理化学研究所生命機能科学研究センター 健康・病態科学研究チーム・チームリーダー並びに大阪市立大学・健康科学イノベーションセンターの顧問でいらっしゃいます。「疲労」の正体を解明し、疲労のメカニズムを科学的に解明し、抗疲労対策にも多くの貢献をすることに成功した、世界の疲労研究をリードする疲労研究の第一人者で、一般社団法人日本疲労学会理事長等多くの要職に就かれております。なお、渡辺先生には、これまでと異なる環境下、ご多忙にもかかわらず、急遽のご登壇の依頼をご快諾いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
繁忙な日常や加齢、そして、今般の新型コロナウィルス感染禍、疲れを感じる日々は少なくないため、学問として伺う「疲労」について、期待を抱いて拝聴いたしました。
招待講演講師 渡辺恭良 理化学研究所チームリーダー
まず、「疲労」いわゆる「疲れ」は、元気な時を100%とした作業効率が60〜70%など、統計的に有意に落ちた状態と定義づけられ、休憩や眠りで治る「急性疲労」、疲れ気味が1週間ほど続く「亜急性疲労」、そして6か月以上続く「慢性疲労」に3分類されます。疲労は、「これ以上仕事や運動等を続けると、心身の正常状態が損なわれることになります」と、それ以上の活動を制限させようとする重要な生体警報(アラーム)であり、多数の病気の下地:未病でもあります。発熱や痛みと並ぶ3大重要警報である、と説かれました。疲労は、近くのお医者さんにかかる2番目に多い(一番目は痛み)主訴でもありますが、医療は疲労に対して体系的な診断法や治療法が確立していません。
疲労と疾病の連続性
疲労と症状
驚くことに、疲労による日本の経済的損失は、単純な因果関係からは、年に1.2兆円、交通事故などの疲労に起因すると思われる事故をも含めると、少なくとも年間約7兆円:日本の総予算の1割近くにも及ぶという衝撃的な数字も示されました。そして、大人ばかりでなく、子供も多くが睡眠不足などから慢性的に疲労を感じているという実情も述べられました。
もともと身体には、活性酸素の働きを弱めたり無毒化したりする機能が備わっていますが、激しい運動や精神的なストレスなどで大量のエネルギーが必要になると、処理できる以上の活性酸素が発生して体中の細胞内部品をつぎつぎにサビつかせてしまいます。このような活性酸素によって細胞機能が一時的に低下し、身体のある特定の場所での炎症を起こした状態が「疲労」であり、それは長引くと「老化」にもつながるメカニズムである、と解説されました。疲労はまず、全身に張り巡らされた交感神経と副交感神経:自律神経の乱れから始まり、睡眠障害、取れない疲労、未病へと進むこと等を述べられました。また、認知機能と自律神経機能に大きな相関が見られ、とくに高齢者は疲労している時の認知機能低下が大きいことを伺いました。
疲労そのものについて、渡辺先生を中心に、多くのことが解明され、それによる総合的に評価する主観的、客観的な指標や方法に基づき、防止や快復、治療のための研究が長年にわたり綿々と続けられていること、健康度のアップのための研究に邁進なさっていることに、非常に感謝をしたことでした。被験者の負担の少ない疲労度検査方法も続々開発されているとのこと、ぜひ既存の健康診断に組み込まれるようにと願っています。
次いで、大武美保子代表理事・所長から「認知機能を保つ、暮らし方の工夫」と題して、基調講演をいたしました。
まず、認知症予防とは、認知機能低下遅延、認知症発症遅延であるという定義と共に、認知症予防の認知的アプローチとして、知的行動や社会的交流を行う活動をすることが有効と知られていると述べました。防ぎうる認知症にならない社会づくりを目指して、加齢による認知機能低下を遅らせ、認知機能が低下しにくい生活の仕方を実践する手法として、『共想法』を開発し、言語能力と認知能力の生涯発達を支援する研究を進めてきています。
会話に注目した研究を行う根拠を、次のように述べました。すなわち、1) 言語能力は生涯にわたって向上するとされる結晶性知能であり、全般的に言語能力が高い人の認知機能は低下しにくく、言語能力が認知機能の維持に重要な役割を果たすこと、2) 社会的交流の多寡が、加齢に伴う認知機能低下や認知症発症リスクに関係するという報告に基づいています。会話が言語能力と認知機能に立脚した活動であり、認知機能の維持につながると考え、ルーの法則:器官や機能は、適度に使えば発達し、使わなければ退化・萎縮する;に則り、会話支援手法『共想法』では、認知機能のうち低下しやすい体験記憶、注意分割機能、計画力を、会話を通じて自然にバランスよく使えることを目指しています。
次いで、『共想法』を考案した経緯、一連の実施プロセスと、それぞれのプロセスで活用される認知機能(体験記憶、注意分割機能、計画力)ついての説明や採用する写真(話題)のテーマについて説明を行いました。そして、東京大学、千葉大学を経て、現在理化学研究所で行っている基礎研究、そして、ほのぼの研究所における実践研究の取り組みを紹介しました。
最後に、新型コロナウィルス感染下、活動が制限され、高齢者の認知機能低下リスク防止と認知機能維持のためのニーズの緊急性が増した中、元来の目的である、防ぎうる認知症にならない社会の実現に立ち返り、集合せずに会話することを通じて認知機能を訓練する研究テーマに、重点的に取り組むこととした、と述べました。話題提供し質問に答える対話ロボットや、タブレット、スマートフォンを用いた話題共有システム、在宅で会話可能な遠隔共想法システムの開発、利用評価を、急ピッチで進めていること、また、ほのぼの研究所の活動をほぼオンラインにしたことを報告しました。
10分の休憩を挟んで、神戸の渡辺先生と、東京の大武所長との「今こそ、実践!真の健康づくり」と題した対談が始まりました。渡辺先生は、本講演会で最も伝えたかったこととして、「疲労は発熱や痛みと同様、大きな生体アラームであり、それを正しい指標で判断を行うことが、それに陥らないようにする対策・予防につながっていく、このプロセスは認知症に関してもあてはまる」と改めて強調されました。また、従来の健康診断結果にAIの分析を添え、疲労度を判断する自律神経と生体酸化等の検査を追加することで、疲労度の高い国民の未病化予防、健康度アップにつながると思うとも述べられました。
最後に、疲労を蓄積させないためにできることとして、渡辺先生より、以下の2つのアドバイスをいただき、オンライン講演会は閉会いたしました:1)自分を縛りすぎることのない、自らのオリジナルのナビゲーションをつくって、受動的にならずに自分の意思で活動すること。予測できないことがふりかかることが、一番疲れにつながってくるとされているので、不測の事態に対しある程度の準備は整えておくこと;2)楽しいことを思い浮かべること。
両講師の対談
Zoomで招待された会議に参加するレベルで、主催者としての知識も経験もない担当者が、初のオンライン講演会開催まで過ごした日々は、親身のアドバイスを下さる方がいらしたとはいえ、不安の多いことでした。これも初体験のオンラインアンケートでは、音声や資料の判読不備等に対して、貴重なご意見をいただくことになりましたが、満足度や今後の参加意向では、高評価をいただけました。寛容な皆様に支えられて、大過なく終えることができたことを、安堵すると共に、ここに改めて、ご参加いただきましたことに感謝申し上げます。
今後もしばらくはオンラインでの講演会や企画が続くと思います。いただいた貴重なアドバイスやご希望に添える、よりよりものにしていきたいと思っております。
市民研究員 鈴木 晃・長久 秀子
2019年度はCOVID-19感染拡大のため、活動そのものや、使用施設の使用が大幅に制限されたため、開催予定3月17日から約1カ月日延べして、オンラインシステムを活用して実施しました。初めての経験のため、理化学研究所の実施者により事前に各自のIT環境や手順等の確認作業を行ったため、当日は大武所長・代表理事をはじめ、三宅徳久副代表理事、小暮純生理化学研究所技術経営顧問、協働事業者(埼玉県の認定NPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピア、大阪府の有限会社野花ヘルスプロモート)、「お江戸共想法」の実施者、理化学研究所の実施者、そして市民研究員の総勢22名が、オンライン時間延べ4時間にわたって無事参加することができました。
オンライン合同研修参加者画面
大武所長の開会挨拶で始まり、下記の順で2019年度の活動報告と、2020年度の方針に関する発表がありました。各担当者が10分間の持ち時間で発表をする間は、事前に提出した資料が画面に映し出されました。以下、発表を順に紹介いたします。※氏名後(S)は発表者
【協働事業者 きらびとみやしろ】
野口宗昭市民研究員・田崎誉代市民研究員(S)
9年目に入った健常高齢者を対象にした共想法は、2人の新スタッフと共に、共想法の効果を定着させるために、事後に写真の確認をし合ったり、200字要旨の本来の意味を再確認したりと、工夫を重ねていることが報告されました。また、参加者の加齢に伴う問題点や、共想法操作機器、事業者の諸般の事情に伴って発生した課題とその解決方法、そして今後の展望が述べられました。最後に「共想法の実施に大事なこと」として挙げられた「誰もが無理をせず、とも危機管理につとめながら、思いやりを忘れずに、次回も快く参加できるため、楽しい雰囲気づくりに努めること」という結論は正に「言うは易し、行うは難し」、大いに納得したのでした。
【協働事業者 マカべシルバートピア】
永田映子市民研究員(S)
2011年11月のスタートから8年が経過した共想法について、介護老人保健施設という特性上、参加者の多くが90歳以上で、加齢に伴う体調・認知機能低下が進む中、参加者に、楽しく、負担なく参加していただけるよう、テーマや実施方法、サポート方法にきめ細かい工夫を施して、継続実施している努力と、実施者としての自己管理の必要性が述べられました。超高齢社会において、早晩どこの拠点でも起こり得る課題であるため、努力に敬服するとともに、今後の貴重な情報として大変参考になりました。【協働事業者 有限会社野花ヘルスプロモート】「共想法〜 Cocofit ver〜」
正木慎三・篠倉拓(S)
Cocofitはメンタル不調で休職・離職あるいは自宅療養中や、不安や焦りから欠勤が増えた等で悩んでいる人を対象にした「こころと行動を支える施設」として、野花ヘルスプロモートが運営する施設。2020年1月にそこの利用者への支援プログラムとして「共想法」を取り入れるに至った目的や準備、初回実施に至るまでのプロセスが説明されました。併せて、参加者の「冬を感じるもの」をテーマにした大変美しい写真とほのぼのとした話題の幾つかも紹介されました。なお、これまで共想法を認知症予防以外にも活用する研究事例武先生から伺ったことはありましたが、今後Cocofitでの共想法からも参考になる新しい知見を得られそうで、大変興味深く思いました。
合同研修会資料1
【お江戸共想法】
斉藤千鶴子(S)・今城悦子・沖桂子・山藤千賀子
お江戸共想法開催に至るまでの誕生「秘話」に続き、2019年度の実験参加者である新しいメンバーを加えての2年目の実践の様子を詳細に解説しました。理研のスタッフのサポートを受けながら、発足から携わっている共想法に熱い思いを持つ参加者でもある実施メンバーが、共想法参加の意義:「認知機能を高めること」を懸命に周知徹底させ、情報を共有しながら、積極的参加を継続させるために、様々な工夫をこらしていることが紹介され、参考になるアイデアも伺うことができました。報告の最後に、今年度の念願のひとつに挙げられた「街歩き共想法」は、拠点の柏でも久しく実施していないだけに、世の中が落ち着いた折りには、できれば合同で実施し、さらに交流を深め、切磋琢磨することができればと思いました。
【ほのぼの研究所 共想法継続コース】
田口良江市民研究員(S)・根岸勝壽市民研究員(S)
実績として、第一に2018年度から始まった2本立て体制、すなわち、柏市の認知症予防講座修了者や、講演会などで興味を持った方々を受け入れ、途中からでも参加可能な初心者グループと、長年共想法をしている経験豊かなグループとが、異なるテーマに沿って行う進め方が定着したこと、そして、司会ロボットぼのちゃん5号にも慣れてきたこと、第二に、企業をはじめとする見学者が増加傾向であるも、さまざまな属性の方々のやみくもな参加を避けるため、ステップを踏む丁寧なルールに則っていること、そして第三に、昨年度に引き続く頭の健康チェックにも参加者が増えたことを述べました。また、年々難易度の上がるテーマにも果敢に取り組み、常に生活の質の向上に努力を惜しまない経験豊かなメンバーへ感謝するとともに、快く参加を継続できるよう、欠席者宛ての密なコミュニケーションを図るなど、啓発しあい、フラットな信頼関係を築くように努めている旨が報告されました。
最後に、司会ロボットぼのちゃん5号のソフト・ハード両面での使い勝手についての改善要望が出されました。なお、蛇足ですが、市民研究員の誰もが司会ロボットの操作を完全マスターするべく、鬼?の特訓を重ねていることを付け加えさせていただきます。
【ほのぼの研究所 柏市認知症予防講座】
「柏市認知症予防コミュニケーション体験講座『今から始める認知症予防』」
松村光輝市民研究員(S)・魚谷茜市民研究員
はじめに、単に認知症予防について学ぶだけでなく、認知症予防と共想法の関係について体験を通して理解を深めていただき、終了生の受け皿として設定されている共想法継続コースに参加し、さらに認知予防に積極的に取り組んでいただくとした企画の目途が述べられました。6月〜7月の3回の講座には認知症予防に関する意識の高まり、あるいはテーマのコピーに惹かれてか、『広報かしわ』やチラシの広域配布なども奏功して、定員をはるかに上回る応募者があり、60〜80歳代以上の30余名に受講いただき、3日間皆勤の方が14名ありました。事前に共想法用の写真をスマホ等で送ることのできる方も大幅に増加。また、共想法参加体験で、会場からも質問を受け付ける形式をとったり、200字要旨の記入の体験等、参加意識を高めた講座内容が好評で、受講生のうち3名が共想法継続コースへご参加下さるという、果たして2016年からの講座結果を踏まえた試行錯誤を経た嬉しい報告となりました。合同研修会資料2
【ほのぼの研究所 講演会等普及活動】
鈴木晃市民研究員・長久秀子市民研究員(S)
市民活動フェスタ2019「認知機能を見てみよう」出展、恒例のNPO法人設立記念講演会「今からなら間に合う!認知症予防」、初の試みであった設立記念講演会ビデオ観賞会と、異なる形態の普及活動企画の実施報告と、これまでの企画実施から得られた課題・仮設の検証結果を説明しました。2019年度に最も寄与したのは、「今からなら間に合う!」というキャッチ―なタイトルと、ニーズの高い情報を、大変わかりやすく解説して下さる講話テクニックに優れた、高名な島田裕之先生に講師にご登壇いただいた設立記念講演会であり、その後の講演会ビデオ観賞会の成功にもつながったこと、来場ターゲットの精査が及ばずも、柏市民活動フェスタではCogEvoを使った認知機能を見てみる体験者を呼び込み、他出展者との繋がりの端緒ができたと述べました。
以上の3つの企画を通して、課題解消度が上がり、賛助会員入会・継続増加につながるという結果が導かれるも、さらに今後もターゲットのニーズに合った企画を目指してアンテナを張り巡らし、タイミングよく丁寧な集客(募集)や情報提供に努めて、より効果的な普及活動につなげたいと結びました。
【ほのぼの研究所 動画制作】
根岸勝壽市民研究員(S)・長久秀子市民研究員
2019年度太陽生命厚生事業団社会福祉助成事業として採択された「認知症予防の啓蒙と認知症予防手法の実践、普及活動に使用する動画資料、小冊子作成」事業のメインとなる「ほのぼの研究所PR動画制作」を説明。8年前に専門家に委ねて制作した既存版と併用し得るよう、その後の知見を盛り込み、ほのぼの研究所の存在や活動をわかりやすくアピールするために、市民研究員の意見を反映、さらに継続コース参加者の友情出演の協力を得て、専門家とコ・ワークした制作過程について述べました。また併せて取り組んだ改訂ほのぼの研究所の紹介パンフレットについても紹介しました。
合同研修会資料3
【企業連携】「共想法の社会展開に関する活動概況」
小暮純生 理化学研究所技術経営顧問
残念ながら、どれもがCOVID-19感染拡大の影響を受けて、実施に変更や遅延が生じていますが、飲料メーカーとの共同研究、和光市との「在宅高齢者の認知機能脆弱化予知予防研究」、損害保険会社研究所との連携、生命保険会社との意見交換並びに情報交換の進捗状況の報告がありました。【2019年度のまとめと2020年度方針】
以上の各発表を踏まえ、大武美保子代表理事・所長より、2019年の活動総括並びに2020年度の方針が示されました。
まず、ほのぼの研究所の5つの事業(実施・普及・支援・育成・研究)を軸に、2019年度のモットー「続けつつ、やり方を変える 効果的に」に沿って実施した活動の進捗報告がありました。
次いで、2020年は活動を通じての基本概念を「長持ちする脳の使い方を生活の中で実践する」ことと明文化し、COVID-19の治療薬やワクチンが確立するまでは、集合活動はできないことを前提として「目的に即して新しいやり方を考えて実践すること」をモットーに活動するとし、5つの事業それぞれの具体的活動案が多く示されました。
これらの事業・活動の継続、試行のためには、新しいIT技術や方法の習得、習熟を含めて、相応の気力、体力、時間が必要だと実感しました。しかしながら、しばらくはCOVID-19と共存しなければならない日々が続くとして新しい生活様式が求められる中、ほのぼの研究所の新しい活動様式として、受け止め、構築していかなければと、士気を喚起されたのでした。
限られた時間の中、例年のような侃々諤々の質疑応答は叶わなかったのは少々残念でしたが、かわりに各参加者が一言ずつ初オンライン合同研修会の感想を述べました。トレンドであるオンラインミーティングに参加、知見と情報の共有・確認が叶ったことについては勿論ですが、それ以上に久方ぶりにお互いが元気な様子を画面上で確認できた喜びの声もたくさん寄せられました。最後に集合写真を撮影して、初オンライン合同研修はお開きとなりました。
市民研究員 長久秀子
第一に、遠隔による共想法実施、研究事業に取り組みます。具体的には、スマートフォンおよびタブレットアプリケーションを用いた共想法と、紙面による共想法の二通りに取り組みます。前者は、足が悪くて外出が難しい、過疎地に住んでいて集まるのが難しい高齢者を想定し、開発を進めていたものです。これを用いて、在宅にて共想法形式で写真を用いた会話を実施するために必要な手順を、実施を通じて明らかにします。開発途上のため、実施しながら改良を加えます。後者は、毎月、その月のテーマを出題して、写真と話題を提出して頂き、集まった写真と話題を、翌月、お手紙で共有する、共有すると共に、次の月のテーマを出題する、というものです。様々な形式での、人との交流が参加者に与える効果を評価する方法について、検討します。
第二に、遠隔による人材育成、連携事業に取り組みます。ほのぼの研究所では、2012年より、各地に広がった共想法実施拠点の実施者が集まり、得られた知見を持ち寄って共有し、次の活動に活かすことを目的として、合同研修事業を行ってきました。2019年度末に予定していた2019年度合同研修は、この時点で会場が利用できない状態になったため、2020年度初めに延期となりました。この合同研修を、初のオンラインでの開催としました。従来、出張のため業務の調整が必要であった遠隔地の実施者にとって、参加しやすくなるというメリットがありました。今後、さらに実施の輪が広がった場合に対応できるよう、効果的な研修の実施方法を、実施を通じて明らかにします。
第三に、オンラインによる普及事業に取り組みます。具体的には、講演会をオンラインで開催します。2008年度より、夏に設立記念講演会、冬にクリスマス講演会と、年2回、講演会を開催してきました。2020年度は、講演を動画で記録し、インターネット配信する形で開催したいと考えています。そして、集まれるようになった時には、改めてビデオ鑑賞会を開催する計画です。これまで開催した講演会についても、ハイライト部分を一部動画として配信する取り組みに挑戦して行きたいと考えています。
NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子
上記財団は高齢者・障がい者の福祉向上を目的に1984年 ひまわり厚生財団として設立され、2009年の公益財団法人太陽生命厚生事業団への移行を経てからも、地域に根ざし地道な活動をしている団体・グループの事業や研究・調査に対し、積極的に助成活動の助成を続けられております。
既存の動画資料(PR動画)は10年近く前にプロにより制作されたもので、その後の活動の進展が反映されていないため、それを補完するものが求められていました。とはいえ、いざ制作となると、人生の後半期になって初めて一から体験する動画制作です。プロのアドバイスと撮影等全面的な協力をいただきながらの、なかなかやりがいのある事業となりました。
まず、設立以来10年以上にわたる動画資料、写真、報告書等々の資料等の精査に着手、試行錯誤の結果、既存版には控えめだったほのぼの研究所とその活動紹介をコンセプトとしました。ほのぼの研究所とその活動、共想法の概要のご紹介の後、友情出演を快諾して下さった共想法継続コース参加者の賛助会員様に「共想法」に参加されているお気持ちや生活習慣の変化をお話しいただき、市民研究員がほのぼの研究所の活動について語り、最後に大武所長が共想法の極意を述べるというというシナリオとしました。
数日間の撮影素材をもとにナレーションや音入れ、過去の記録動画・静止画の挿入などに推敲を重ねた結果の新PR動画と共に、以前よりお化粧直しを施し、わかりやすいものへと改訂したパンフレットが、3月末に無事完成、事業実施報告をすることができました。
新三つ折りパンフレット
なお、上記2つの成果物につきましては、残念ながら、新型コロナウィルス感染拡大禍にてお披露目の機会は少々先になりそうですが、1日も早くお目にかける機会が訪れることを願っております。また、これらが今後の活動において、弊所の活動や共想法のご紹介に役立つツールになることを期待しております。
最後になりますが、上記事業のために貴重な助成を賜りました太陽生命厚生事業団に改めて心より御礼申し上げます。
市民研究員 根岸 勝壽・長久 秀子